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【そして猫は】キャプテン松山25【途方にくれる】
[211]キャプテン松山 ◆RxYivCScyw :2010/09/09(木) 23:11:38 ID:??? そのぼやきを聞いて、ますます顔を紅潮させ怒り出す霊夢を、シャンハイが宥めにかかった。 それにより少し出来た間に、紫が手早くスキマを開閉し、何だか高級そうなお茶っ葉をひらりと霊夢に見せつける。 紫「やあねぇ約束違えたりしませんわ。ほら約束の物もここに……」 霊夢「あんた前の話だと、私をしごくとか言ってなかった? 立派に違えてるでしょうが!」 紫「あぁそのこと。う〜ん……何故だか出向こうとした途端に気乗りしなくなっちゃったのよね。 残念だわ。私がきてたら霊夢の他に誰かコーチしてあげても良かったんだけど」 言葉の終わりには、松山に意味ありげな流し目を送ってきたが、松山はきっぱりとスルーした。 紫と霊夢の会話を聞いて考え事に囚われていた。 今回も霊夢が練習にやってきたのは、第三者の干渉あってのこと。 自主的に鍛錬をしないながら、それでもサッカーでも弾幕でも実力は微塵も衰えない。 ここまで苦難の道を歩んできた松山であっても、その気になれば軽がると飛び越えていってしまうのではないか。 超越的な何か……霊夢をそんな風に見る目を、自然松山はしていた. 紫「(……ふぅん?) そう……ね。そうだいいこと考え付いたわ」 霊夢「(げげ何だか嫌な予感するわーもりもりと)」 名案(大抵が他者には厄介案)を思いついた紫は、グラウンドであることおかまいなしに円卓と椅子を用意した。 松山と霊夢を有無を言わさず席につかせるや、腕相撲勝負(霊夢は術抜き)をしようなどと頓珍漢なことを言い出す。 皆(松山含め)こぞって何を言ってるんだと困惑する中で、当然霊夢が呆れ成分たっぷり含んだ視線を向けて反発した。 霊夢「はぁ? 何でそんなことしなくちゃならないのよ。 この暑さにやられて頭の螺子飛んだんじゃないの?」 紫「ご挨拶ね。 余興よ余興。 練習も終わっちゃってたし、こうした催しでも見て帰らないと勿体無いじゃないの。 ね、ほら霊夢が勝てば官軍。 負けても約束通りにお茶はあげるわ。 ただし……」 霊夢「ボイコットすれば反故にする、でしょ。 まぁいいわさくさくやってお茶貰って行くから。 ほら光も座りなさいよ」 松山「あ、あ〜? (一体ぜんたいどういう流れでこんなってるんだろう?)」
[212]キャプテン松山 ◆RxYivCScyw :2010/09/09(木) 23:13:14 ID:??? 巻き込まれてるという実感はあるが、とりあえず松山にしても、練習疲れを早く癒したいので手早く終わらせる事に。 霊夢と正面から向かい合い、肘を立て手を握り……見ると霊夢の黒い瞳がとても近いところで揺れている。 若干のむず痒さを感じる松山だが――開始の合図をノリノリで紫が行った。 なし崩し的に腕相撲勝負が始まり……すぐして松山は奇妙なことに気付いた。 松山「(あれ? 霊夢さん力込めてるのか? 握る手は震えてるけど、なんだろうこれは……)」 見た目では、負けん気はある霊夢の表情は必死で、力んでいる様に見える。 が、余りに手応えがなく、松山が少し力を入れただけで、そこからは電車道。あっけなく勝負がついて紫が高らかに。 紫「そこまで! 勝者松山君〜。駄目ねぇ霊夢、ちっとも押し返せなかったじゃない」 霊夢「何言ってるのよ霊力抜き勝負なんてしたら、そもそもの体格も筋肉も違うのに勝てる訳ないでしょうが!」 松山「――――」 何かを崩されるような言葉を耳にしてしまった風に、松山は「俺が時を止めた」とばかりに硬直した。 そんな松山を見ながら、紫は扇子で隠した口元を少し笑みの形にし、霊夢に賞品を手渡す。 暫く霊夢は、誤魔化されないなどとぶつくさ言ってたが、茶の誘惑に負けた様に部屋に向け歩き出した。 見世物も終わったことで名無し達もどんどん姿を消し……松山(シャンハイ)、萃香、紫だけが残された。 松山「…………」 紫「神妙な顔ね。 で、どうなのかしら」 松山「どうって……いや何が、です?」 紫「さっきの腕相撲よ腕相撲。 感じたことや気付いたことがあれば、何でもいいから言って御覧なさいな」 松山「(え、え〜……? つくづく突拍子も脈絡もない……何でもいいなんて言われても何についてを?)」 萃香「……」
[213]キャプテン松山 ◆RxYivCScyw :2010/09/09(木) 23:14:15 ID:??? どうしますか? A 紅魔カップ決勝戦において霊夢が負傷したことについて B 俺はアームレスリングの世界チャンプを目指せるかについて C 霊夢が負けた理由は実は利き腕に封印された何かが暴れたのかについて D その他 *先に2票入った選択肢で続行。ageでお願いします。sageではカウントできません。
[214]森崎名無しさん:2010/09/09(木) 23:17:12 ID:EwJ8woEQ B
[215]森崎名無しさん:2010/09/09(木) 23:17:51 ID:NPvcSJ8w A ナニイテンダ
[216]森崎名無しさん:2010/09/09(木) 23:17:56 ID:PbcBtSh+ A
[217]森崎名無しさん:2010/09/09(木) 23:19:49 ID:??? 決まったのを確認してから D れいむちゃんのおててやわらかかったです
[218]キャプテン松山 ◆RxYivCScyw :2010/09/10(金) 00:01:55 ID:??? >>215 松山「オレハマジメダ」 >>216 紫「タライが四重位かしら」
[219]キャプテン松山 ◆RxYivCScyw :2010/09/10(金) 00:03:25 ID:??? A 紅魔カップ決勝戦において霊夢が負傷したことについて やはりサッカー選手の意識が強い松山としては、脳裏を掠めたのはあの決勝戦の日に霊夢が腕を痛めた理由について。 そこが気になりますと、紫に言うと……。 紫「あ、封獣っぽいUFO」 松山「えぇっ!? どこに!?」 松山が反射的に空を見上げると、確かに円形の物体が視界を埋めた。 どんどん落下してきて大きくなるそれは……やがて強かに松山にルイージの得意技を強制させる。 カラカラと、足元に落ちたのは……顔を摩りながら確かめるとでっかいタライだった。 松山「ぶぐっ!? な、何っで、タライ!? お館の空からタライが!!?」 紫「やっぱりというか……サッカーに結びつけて考えるのね。 想定つく段階とはいえ、流石はボクネン人。 けどまぁスーパーとまではいかないから、正解扱いにしといてあげる」 紫は少し距離を詰め寄るようにして、しかしそれ程きつくはない眼差しで言葉を続けた。 紫「キーパーとしての霊夢はね。天性の勘と読みという大きな武器があっても、大きな弱点を抱えている。 博麗の巫女の力……妖怪のシュートなら幾ら強くても結界で威力を殺ぎ落とせるのよ。 だけど人間が自前の脚力で撃ったシュート……それをあの華奢な腕で防ごうとすれば、ね、どうなるかしら?」 松山「それは……ぁ……」 当時、ドイツの殺し屋が放ったシュートは、混じり気のない人間が自分の力で撃ったシュートだ。 それを受けてハーフタイムに入った霊夢は医務室へ向かった。その理由をようやく松山は悟った。
[220]キャプテン松山 ◆RxYivCScyw :2010/09/10(金) 00:04:41 ID:??? 松山「そうだったのか。人間が放つパワーシュート。それが霊夢さんの天敵……?」 紫「そういうことね。 でも……私が言いたいのはそれではないのよ?」 懸命に答えたつもりの松山だったが、紫はあっさり、それが全ての正解ではないと言ってのけた。 じゃあ何か、と言いかける松山だったが……。 紫「これは……霊夢に認められたい目標とは剥離したものかもしれない。 けど、それ以外の感情でもあるんなら、心の片隅に刻み込んでおきなさい」 松山「は、はぁ……(いやに改まるな。一体何だろう?)」 紫「それじゃ言うわ。 天賦の才を有していようと、幾ら霊力があって妖怪退治が出来ようと……博麗霊夢は女の子だってことよ」 言われた言葉を正直にたっぷり吟味して……松山は盛大にため息をついてしまった。 松山「……霊夢さんが女の子って、そんなの見ればわかるじゃないですか」 紫「面白いわね、松山君は。 私には、貴方が、その事実を心から理解しているとは思えないけどね。 あらやだ、萃香が誰かさんに言ったことまんまになっちゃった」 紫が突然、今度は萃香に水を向けるも。 口を噤んで、妙に機嫌悪そうにしていた萃香は応えず、瓢箪を宙に舞わせて腰の位置に落として踵を返した。 萃香「…………さっ、てと私は引き上げるとするかい! 光も人形ちゃんも、そんなインチキ妖怪に付き合ってないで部屋戻んな」 紫「あ、あらなんか怒らせたかしら? ねぇ」 松山「さっぱり分かりません(眩しい笑顔で)」 シャンハイ「ごめんなさい私も……」 残った三者も、話の種も尽きたことでそれぞれ部屋に戻ったりした。 こうして地霊殿との試合前最後の練習は幕を閉じた。
[221]キャプテン松山 ◆RxYivCScyw :2010/09/10(金) 00:06:39 ID:??? 地底といっても、都もあれば鉱脈もある。他観光スポットも点在する。 そう地霊殿から離れぬ場所、旧都を眺望できる見晴らしの良い高台があり……大妖怪・八雲紫はそこにいた。 三日月を思わせる形に開いたスキマに腰掛け、ツイと色っぽく、桜色の唇を半開きにし酒を煽り、景色を楽しむ。 その背後。 一陣の夜風ならず酒霧が吹きつけ……瞬く間もなく霧は濃度を増し、伊吹萃香が現れた。 紫は動じず、柔和に微笑み肩越しに振り返って、一献どうかと声をかけたが……。 萃香「あいにく酒の相手は遠慮しとくよ。 それより……何だい練習の時のは! 妙に光に霊夢のことを意識させるみたいな真似して……!」 練習時の紫の言動について、萃香は責めるように鋭く言及した。 しかし紫は予測済みか……「だってぇ」と杯の中の自分を見つめつつ、余裕で、萃香を挑発してるような態度を取る。 紫「霊夢ったら、もういい年頃だっていうのに浮いた噂一つもありゃしない。 人間なんて……適齢期迎えるなんてあっという間よ。 手近で済ませるにも……競争率は高い方? 仲良くなれた人間の男の子がいるなら、お節介の一つも焼きたくなるのは、そんなイケナイことかしら? それとも……ふふっ貴女が相手役ならいいな〜とか、そういうこと?」 萃香「そっ、こいらの娘子じゃないんだ。んな浮言で誤魔化されはしないよ。 あのさあ……ずばり聞くが。 ……光の気持ちは考えてるのかい?」 長い付き合いペースには嵌らないと、決して主導権を譲る意味ではなく語勢を一歩退いた萃香が厳かに問い返す。 紫は杯を傾け、背後を振り向かぬまま答えた。
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0ch BBS 2007-01-24