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【井の中の虎】幻想のポイズン41【幻想を知らず】
[160]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/09/16(木) 23:07:33 ID:??? 山森「新田、走れ!」 新田「おうっ!」 このままでは終われないとばかりに全日本も猛攻撃を仕掛け、何とかチャンスを作る。 そして、山森はゴール前に走りこむ新田へとラストパスを送り、これを受けて新田が得意の隼シュートを放つのだが……。 若林(……いや、これは俺をちょっと舐めすぎだろ) 新田「なにィ!?」 流石にこれは若林には通用せず、あっさりとパンチングで跳ね返される。 しかし、この零れ球に目掛けてオーバーヘッドの体勢を取りながら飛び込むのは……。 全日本Jrユースのエース、中学サッカー大会MVPの稀代の天才――大空翼。 翼「はァッ!」 若林「げっ、し、しまっ……!?」 新田のシュートを見て緊張感が一気に抜けてしまったのか。 翼のオーバーヘッドキックに反応が遅れ、得点を許してしまう若林。 翼(……ただのオーバーヘッドですら点を取れちゃうのか。 若林君……) 若林(ち、違う! こ、これは罠だ! 森崎が俺を陥れる為に仕組んだ罠……!!) カルツ(はぁ……とうとう5失点かい。 ……まあええわい、それ以上の得点をとりゃあ、全ては済む話じゃからの) 試合は全日本が負けているものの、それでも翼他、全日本のメンバーは若林の大失態に冷たい視線を投げかけ。 カルツはカルツでため息をつきながらも、失点以上の得点をすればいいのだともはや若林には微塵の期待もしていない。 一方で若林は地面に大きく手をついて項垂れながら、5失点の屈辱に呆然としていた。
[161]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/09/16(木) 23:08:39 ID:??? しかし、全日本の反撃もここまでだった。 というのも、既に日向が退き、更に三杉が存在しないことで、ほぼ一人で中盤を守ってきた翼に。 この時点でようやく疲労が溜まり始めていたのである。 更に、前半からドリブルを連発して無駄に体力を消耗していた来生も肩で息をはじめ……。 攻撃メンバーの軸となるべき者達が疲弊したことで、全日本はこれ以上攻めいる事が出来なくなったのである。 松山「くそっ! 諦めてたまるか!」 新田(折角試合に起用されてんだ、アピールしなくちゃ! アピールを!!) 沢田(あわわわわ、こ、このままじゃ負けちゃうよう!) 山森(翼先輩が動けない今、俺がしっかりしないと! とにかく、とにかく動き回るんだ!!) それでも、残る中盤やFWのメンバーが懸命に戦い続けようとするも……。 松山を除けば、その殆どのメンバーは翼に比べて一歩も二歩も劣るような能力しか持っておらず。 彼らではカルツやシュナイダーどころか、ハンブルグの無名選手ですら相手をする事が難しい。 こうして再び劣勢に押し込まれた全日本は結局その後、最後までチャンスらしいチャンスを作ることが出来ず。 むしろ防戦を余儀なくさせられ……。 ダダダダッ!! シュナイダー「いけっ、カルツ!」 次籐「ぐっ、ぐぬおおおおっ!?」 和夫「ち、畜生っ! こちとら守備は専門外だってのに……うわああっ!?」 政夫「和夫! く、うわあーっ!?」 若島津「くっ……! キエエエエエエエエエエエエエエエエエッ!!」 カルツ「これで……終わりじゃあっ!!」 ドガァッ!! 若島津「ギエエエエエエエエエエエエエッ!?」
[162]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/09/16(木) 23:09:39 ID:??? 最後の最後、ロスタイムにはこの試合大活躍をしていたカルツにドリブルゴールまで決められ。 終わってみれば、7−5でハンブルグの快勝。 両チーム大量得点という正に乱打戦となり……両チームのゴールキーパーが項垂れる中。 ドリブルゴールを決めたカルツはメンバー達の手荒い祝福を受けながら、その老け顔に目一杯の笑みを浮かべているのだった。 ヤラ「わはははは! 最初はどうなることかと思っていたけど、とりあえず勝ててよかったぜ!」 マイヤー「DFとしちゃ、これだけの大量失点は恥ずべき事だけどな」 インメル「いや、全日本の連中も攻撃力は中々のもんだったからなぁ。 特に9番と10番……いい動きをしてたぜ! 東洋の島国と舐めてかかってたけど、中々どうして……」 クラウス「向こうの守備陣だって悪くはなかったさ。 ただ、それ以上に……」 ゴンゲルス「ウチの攻撃陣が強かった、って事だな!」 ハーネス「ははは、違いない!」 シュナイダー「カルツ、ナイスゴールだったな」 カルツ「よせやい、シュナイダーちゃん。 ダブルハットトリックを遂げた奴に言われても、嫌味にしか聞こえんぜよ」 若林(ご、5失点……この俺が、5失点……。 勝てたのは、カルツやシュナイダーの活躍のお陰だ。 これが普通のチームなら……普通の試合なら……。 5失点をしている段階で、負けは濃厚だ……!) 思いもよらぬ接戦となった事にハンブルグのメンバーは冷や汗をかいたと言いつつも。 それでも、何とか勝利を収める事が出来た事に対して満足をしている様子。 シュナイダーはこのチーム、最後となる試合を勝利で終えられた事が嬉しいのか満足そうに笑みを浮かべ。 しかし、どこか落ち着きない様子で観客席を見回している。 そして、カルツはそんなシュナイダーを見て肩を竦めつつ……悲嘆に暮れる全日本の面々に目を向けた。
[163]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/09/16(木) 23:10:46 ID:??? カルツ(確かに大したチームじゃよ……幻想郷で力を手に入れたワシがおらんかったら……。 この勝利も、もしかしたらなかったのかもしれん。 じゃが、勝ちは勝ちじゃ。 ……それにしても、三杉よ。 お主はどこに行ったんじゃ?) 結局、不夜城カップの決勝で実現出来なかった対戦――三杉との戦いを出来なかった、とため息を吐くカルツ。 カルツ(まあええ……お主との対決は大会までお預けじゃ……。 ……全日本、この程度で打ちのめされちょったら困るぞ? お主らは……まだまだ、井の中の蛙。 西ドイツの強さ、欧州の強さ、世界の強さはようやく理解出来たじゃろうが……。 まだ、"幻想"の強さは完全に理解出来ておらんのじゃろうからのう……) 松山「く、くそっ……! 俺達の実力は……欧州では、通用しないのか!?」 森崎「……しかも、俺達は4人も交代しててこのザマだ」 翼「それに対して、あちらはただの1人も交代していない……」 日向「公式戦なら、木偶になった俺か役立たずになった森崎、どちらかがまだフィールドに残っていたって事かよ」 次籐「くっ……ふ、ふがいなかっ!!」 早田「それに、なんだよあのカルツって奴は……! あいつだけ、他の奴ともまるっきり格が違ったぞ!!」 若島津「わからん……まるで理解が出来ん……」 見上(ようやくこいつらも欧州と日本のレベルの違いについて、ようやく理解が及んだ……。 ……そして、あのカルツの実力の違いを見て、少しずつ幻想の強さを理解し始めている。 ……私自身、まだこの目で見ていない以上、真偽は定かではないが……)
[164]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/09/16(木) 23:11:47 ID:??? この後、いくつかの練習試合を経験し、若林や岬、中里らと合流をして……。 大会開催の地、フランスにて最後に行われる予定の練習試合――オータムスカイズとの試合。 そこで全日本が受けることになる幻想の洗礼は、果たして如何ほどのものなのか……。 今日の試合、カルツただ一人だけに殆どいいようにやられてしまった全日本が、どこまで対抗を出来るのか。 絶望に打ちひしがれるメンバー達を見ながら、見上はただ一人冷静に考えていたのだった。 七十九日目 土曜日 終了 ※早めの時間に寝たので反町のガッツが回復しました。 530/880→830/880 ※ひとまずここまで。
[165]森崎名無しさん:2010/09/16(木) 23:15:37 ID:??? 乙でした! まずは全日本、 「ドキッ女性だらけの超強豪」と言うギャップと戦わなきゃならんな。
[166]森崎名無しさん:2010/09/16(木) 23:16:20 ID:??? ポロリもあるよ! (ゆうかりんの怒りを買った虎さんの首が、とか
[167]森崎名無しさん:2010/09/16(木) 23:23:02 ID:??? カルツさんの活躍を見た静岡県人会が来期予算にハンブルグへのスポンサー料をねじ込もうと画策しているようです
[168]森崎名無しさん:2010/09/16(木) 23:36:41 ID:??? 日本からしてみたら全幻想ってゲームでいうEXボスみたいなもんだよねw
[169]森崎名無しさん:2010/09/16(木) 23:38:57 ID:U/Q4soEs さしずめ秋空はEXステージ中ボスか
[170]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/09/16(木) 23:52:14 ID:??? 八十日目 日曜日 朝 反町「……いよいよ、か」 その日の朝、反町一樹は静かに起床をした。 特に何も予定はないというのに目は冴えてしまい、早朝と呼ばれる時間に起きてしまったのである。 彼はしばらく布団を被りながらも、それでも高ぶる気持ちの為に眠れず。 ただ、自分がここまで来るに辿ってきた道のり――東邦学園での事、幻想郷にやってきてからの事。 その両方の事について、ただ思いを馳せていた。 東邦学園でも、全日本でも、いないよりはマシ……程度の認識しか受けていなかった反町。 彼がこの幻想郷でその認識とは180度違う活躍を遂げた裏には……。 或いは、彼がかつての自分と同じような人間にはなりたくなかった、という思いがあったのかもしれない。 いい意味でも悪い意味でも、一から成長が出来た幻想郷でのサッカー。 反町(それを俺は……今度は、全日本の奴らに見せ付ける……) 恨まれるかもしれない、妬まれるかもしれない。 何よりも、反町がここで時間を止めて成長したことを、卑怯だと罵る者が出てくる可能性だってある。 しかし、それでも反町はあえて全日本に帰らず、全幻想郷として戦う覚悟を決め。 紫に頼まれた幻想郷のレベルの高さを知らせるという憎まれ仕事を、請けた。 反町(……森崎、日向、翼、三杉。 あいつらに見せるんだ、俺の成長と強さを。 知らせてやるんだ、幻想郷のレベルの高さを。 そして……勝つんだ。 悔しさをバネにして成長してきたあいつらに……この俺が、日向小次郎や三杉淳、森崎有三に)
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0ch BBS 2007-01-24