※人気投票開催中※
01/17(日)00:00-01/30(土)23:59
第二回鈴仙奮闘記キャラ人気投票
※新板できました※
ダイス創作物語板
ブログ
現行スレ
投票
最新20
板
1-
前
次
新
レス
【幻想の】幻想のポイズン42【ポイズン】
[639]森崎名無しさん:2010/10/23(土) 00:52:24 ID:??? 乙でしたー
[640]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/10/24(日) 00:22:47 ID:??? 〜魔法の森 魔理沙の家付近〜 ドガァアアッ!! ドッゴァアアアアアアッ!!! 魔理沙「はぁっ……はぁっ……」 反町が悶々として夜を過ごしていた頃……一方で魔法の森の奥深くでは。 いつもの白黒の魔女服を着た幻想郷のパワーシューター――霧雨魔理沙が、一人、練習を行っていた。 彼女が打つのは、やはり先ごろかつての友が残していった、黒いボール。 かつての師匠が魔理沙へと送った、通常の3倍――以上の重さを持った、特別性のボールであった。 そのボールを託され――そして、あの守矢フルーツズに敗戦をしたあの日から。 魔理沙はいつも決まった時間になると、こうしてブラックボールを使いシュートの練習を繰り返すようになった。 最近までは魔法の実験に忙しく、ロクに練習も試合もこなしていなかった体は……。 そのハードにも思える練習に当初は悲鳴を上げていたが、しかし、それもやがて収まった。というより、押さえ込んだ。 魔理沙「私は誰の下にもつかん……絶対に……!」 低く唸るような声を出しながら、魔理沙はただただブラックボールを蹴り続ける。 辺りにある木々がボールが当たるたびに悲鳴を上げ、わさわさと葉を揺らしても……。 魔理沙はそれらを全て無視し、何かに取り付かれたようにボールを蹴る。 魔理沙「(早苗にももう負けん……霊夢が編み出せないような新技を今度こそ編み出す……。 そして……あの優男……反町を越える得点力をつける……!)」 全幻想郷に選出をされた、自分を負かした者、自分の新技をあっさりと模倣した者。 そして、自分を超えるストライカー……それぞれへの対抗心を燃やし。 霧雨魔理沙はこの日も遅くまで、シュート練習を繰り返し続けたのだが……。 しかし、最後まで必殺技を開発する事は出来ず。 合宿前に他の選手たちに大きなアドバンテージをつける事は、終ぞ出来ないのだった。
[641]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/10/24(日) 00:24:00 ID:??? 〜博麗神社 寝室〜 こうして魔理沙が深夜の猛特訓に励んでいた頃。 その魔理沙の相棒であり、他者からは幻想郷のトッププレイヤーと見られている博麗霊夢はといえば……。 お風呂を浴びてさっぱりした体で、ほかほかのお布団に包まれて眠っていた。 霊夢「ZZZ……」 基本的に緊張などとは無縁な霊夢にとっては、合宿前最後の夜もいつもの夜と変わりなく。 また、自身が合宿で最後まで残る事も。そして、スタメンとなる事も確定しているものだと考えていた為。 1ミリもまるで緊張などせず、高いびきをかいて眠っていたのである。 霊夢「むにゃむにゃ……クソババア……今度こそ……ほえ面かかせてやるわ……」 類稀なる才能――神から授かった、不公平すぎるサッカーセンスのみでサッカーを行い。 努力を何よりも嫌う博麗霊夢。 そんな彼女も、しかし、こと姉である靈夢の事になれば感情を露にし、真剣になる。 ただ、その霊夢の真剣の度合いは――やはり練習をするという行為には直結しなかった。 それは彼女が、努力というものは無意味なものだと判断をしている為である。 霊夢「ZZZ……」 姉である靈夢の圧倒的過ぎる才能を前にすれば、どんな努力も意味を成さないと知っている霊夢。 彼女は靈夢に、才能だけで渡り合おうと考えていた――それしか道は無いと考えていた。 それが間違ったものなのか、それとも妥当な判断だったのか……。 それはいずれ、わかる事である。
[642]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/10/24(日) 00:26:50 ID:??? 〜守矢神社 早苗の部屋〜 そして、こちらは妖怪の山にある守矢神社――その本殿の奥にある、早苗の部屋。 ここではまだ明かりがともっており。 部屋の主である早苗は、明日から始まる合宿の準備の最終確認を行っていた。 指差し、声出ししながら、大きなキャリーバッグに入った物品を確認しつつ。 早苗はうんうんと頷き、必要なものが全て揃っている事を確認してからジッパーを締め。 キャリーバッグを部屋の出入り口付近へと置いて、明日何があっても忘れず持っていけるようにしてから……。 しかし、そういえば火の元や戸締りの確認をしていなかったと部屋を出。 火の元などを見て周り、問題ない事に安堵をしてから自室へと戻り電気を消して就寝をする。 早苗「(神奈子様、諏訪子様が外界へ戻ってしまったから、今日だけは一人なんですよね……。 ……私も明日になれば、合宿所で皆さんと合流できるようになるんですが……)」 いつもはいる筈のこの神社が祀る二柱――八坂神奈子と洩矢諏訪子の二人は、オータムスカイズの面々が夕食時話していたように。 外の世界のJrユースチームへと派遣に向かっている為、不在。 その為に早苗は、この大きな神社で一人だけで過ごすという――ちょっとだけ不安な一日を過ごしていたのである。 しかし、それも目をつぶって眠り、明日になればおしまい。 明日からは合宿所で幻想郷代表の面々と一緒にいれるのだから大丈夫だと、内心自分を励ます。 早苗「(そうです……寂しいなんて言ってられません。 今度の大会では……諏訪子様や神奈子様と戦う事になるんですから。 あのお二方にも……絶対にゴールは割ら早苗。 外の世界で……私の力を。 私の奇跡のセービングの力を、見せ付けるのです)」 こうして早苗は、明日からの合宿にその大きな胸を期待に膨らませて眠りについていった。 因みに、折角先ほど出入り口付近へと置いたキャリーバッグは、戸締りなどの確認の為に部屋を出て行った為。 現在は入り口付近から離れた場所に置かれてしまっていた。 東風谷早苗……微妙にツメが甘い、奇跡の風祝であった。 八十日目 日曜日 終了 ※普通の時間に寝たので反町のガッツが回復しました。 450/880→650/880
[643]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/10/24(日) 00:28:28 ID:??? 短いですが本日もこれだけです。すみません。 明日はもうちょっと長く更新できると思います。 それでは、お疲れ様でした。
[644]森崎名無しさん:2010/10/24(日) 00:37:26 ID:??? 乙でしたー
[645]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/10/24(日) 22:43:23 ID:??? 八十一日目 月曜日 朝 反町「……いよいよか」 明くる朝――オータムスカイズキャプテン、反町一樹は誰に起こされるでもなく、自然に起き出していた。 昨日の試合の疲れは若干体に残っているが、それでも目はパッチリと冴え、意識も覚醒している。 外の小鳥の囀りを聞きながら、反町はしばらくそのまま布団に包まっていたのだが……。 やがてそれも止めると、ガバリと布団を剥がして起き上がり、素早く着替えを済ませた。 反町「(緊張してるのかな……? ……うーん、合宿で下手に失敗しないようにしないと)」 それが今日から始まる新たな戦いを前にして緊張している為なのかなと思いつつ。 反町は顔を洗ってから今一度部屋に戻ると……しばらく使う予定の無い布団を丁寧に畳み。 手早くシャツや下着など、合宿に必要な手荷物を纏めてから居間へと向かった。 ちょっと早く起きたかなと思いもしたが、居間では既に反町を除く全てのメンバーが揃っており。 合宿に向かう面々は、それぞれその脇に手荷物らしきものを持っている。 反町「おはよう」 穣子「おはようさん。 ほら、朝ごはんできてるから座りなさい」 反町「ん……わかった」 穣子に促されるままいつもの自分の席に着席し、いつものように一同揃ってのいただきますの合掌。 それと同時にオータムスカイズの面々は箸を取って食事を進めて行くのだが……。 いよいよもって、このチームから一時的とはいえ殆どの選手が離れるのが現実味を帯びてきた為か。 朝食の席ではあまり会話が無く……。 結局、特に何も無いまま時間はただ過ぎてゆき、食事を終えた一同は一旦一休み。 そして、合宿所への集合時間が近づいてくると……誰ともなく立ち上がり始め、いよいよ出立の準備を始める。
[646]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/10/24(日) 22:44:23 ID:??? ヒューイ「それじゃあ、いってくるね、サンタナ!」 サンタナ「うん! 頑張ってきなさいよ、ヒューイ! 妖精1!!」 妖精1「……努力はするわ。 (ベンチウォーマーにはもうなりたくないもん……)」 合宿に召集を受けていないサンタナは、玄関に立って振り返るヒューイとサンタナにエールを送り。 ヒューイは無邪気そうな笑みを浮かべながら元気良く頷き。 妖精1は小さく微笑を浮かべ、小さく頷く。 生まれた時から常に過ごしてきた妖精トリオ――三人の妖精が、別れ別れとなる。 それに対して三者が思う所が無かった訳ではないが……しかし、別れの挨拶は意外にも笑顔でのものとなった。 レティ「ホワイトとブラックも気をつけてね……しばらくは帰ってこれないから」 リリーW「大丈夫ですよ〜。 何かあっても私達には」 リリーB「フュージョンがある……あれ、サッカーだけじゃなくて弾幕ごっことかでも強くなれるみたいだから」 メディスン「(っていうか、サッカーじゃなくて普通の戦闘に使うのが主目的じゃないの? あの技)」 一方でレティやメディスン、リグルといった者達はリリーWとリリーBに声をかけていた。 オータムスカイズの人数が多い為か、殆どの選手たちがかなり濃い為か、はたまた両方か。 あまり目立った事が少ない春を告げる妖精、リリーWとリリーB。 しかし、そんな彼女達もかつて幽香らと結成をしていた春夏冬同盟からの付き合いであるレティや。 幽香を通じて縁のあったメディスンやリグルとは仲が良く。 それらの者達に心配をされつつも、笑みを浮かべて一同に合宿を頑張ってきてくれとやはり応援の言葉を送る。
[647]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/10/24(日) 22:45:25 ID:??? リリーW「私達も、代表には選ばれなかったけどサッカーはするつもりですよ〜」 リリーB「……次に会う時は、もっと強くなってるから……」 サンタナ「合宿で強くなったと思って家に帰ったら、サンタナのが強くなってたでござるの巻ね。 ま、そーいう訳だから、あんたたちもしっかり合宿してきなさいよ!」 反町「ああ……それじゃ、またな!」 サンタナ「おうさ!」 元気良くサンタナに送り出され、家を発った合宿に召集をされた一同。 玄関の戸を閉める際、不意に反町は一度その家を見上げ……。 この家であった出来事、そして、幻想郷であった様々な出来事をもう一度振り返る。 反町「(……本当に色々あったなぁ。 ……懐かしいとすら思える)」 たかだか2ヶ月と少ししか生活をしていないこの家も……。 しかし、不思議と愛着が沸き、反町は小さく家に向けて一礼をすると……。 すぐに振り向き、先を行く者達に追いつく為、小走りに自宅を後にした。 またこの家に帰ってくるのか、それともこの家を巣立つのか。 もしも帰ってくるならば、その時、反町は笑顔でいられるのか、それとも敗北感に塗れた顔で帰ってくるのか。 それら全ては、これからの反町の行動、選択……そして、実力如何によって決定されるものである。
[648]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/10/24(日) 22:46:30 ID:??? 家を出た一同は、人里の中を通り抜け――自宅と人里を挟んで丁度反対側の場所にある。 全幻想郷Jrユースの為だけに建設をされたという、合宿所を目指して歩いていた。 人里の中に入ると、やはりオータムスカイズの知名度は凄まじいのか道行くサッカーファンに声をかけられ。 反町達はそれらの対応に追われつつも、少しずつ歩いて合宿所へと向かう。 反町「(そういえば、人里を挟んで反対側って言えば……何度か行った命蓮寺もこっちの方にあったよなぁ。 今日はちょっと寄り道してる暇が無いから、寄っていくことは出来ないけど……)」 不意にそんな事を思った反町だったが、彼にとってはその判断はよかったと言えるだろう。 何故ならばこの時、既に命蓮寺は船となってとある場所へと移動を果たしていた為。 かつて命蓮寺があった場所は、現在、何も無い平坦な野原となってしまっていたのである。 そんな場所にわざわざ行っても無駄足になる為、反町のその判断は正解であった。 そして、反町がその事実を知り――命蓮寺がどこへ行ったのかを知るのは、もう少し先の話となる。 〜 全幻想郷Jrユース合宿所 〜 人里を抜けて数十分後、反町達は人里の離れに建設をされた全幻想郷Jrユース合宿所。 その入り口付近に立ち、建物を見上げて小さく感嘆のため息を吐いていた。 この合宿の為にわざわざ建設されたという合宿所は、しかし、立派過ぎると言っていい建物であり。 下手な宿泊施設よりも、豪勢な居住まいをしている。 入り口から中を覗いて見れば、内部にはサッカーコートが3面も用意されており。 練習するのにまるで不自由はしそうにない。 反町「ずいぶんと立派な……こんな建物、本当にこの合宿だけに作ったのか? 金掛かりすぎだぞ」 うどんげ「……まあ、作ったのは八雲紫らしいし。 これくらいあの妖怪にかかれば普通なんじゃない?」 反町「なんという無駄遣い……」 リグル「まーいーじゃん、いい施設で泊まれるんなら文句は無いんだし」 仲間達と合宿所の感想を言い合いながら、とりあえず中に入ってみようと足を踏み入れる一同。 玄関口から施設の中へと入り、ロビーと思しき場所に移動してみるが……。 どうやら早く着き過ぎたらしく、まだ誰もおらず、反町達はしばらくそこで時間を潰す事となる。 そして、それから数分後――。
前
次
写
0ch BBS 2007-01-24