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【RoadTo】キャプテン森崎39【Brazil】
[275]2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/12(金) 19:24:33 ID:mpF7cUoO 先生「ちょ、ちょっと!無茶な事を言って翼さんを困らせるんじゃないの!」 翼の動揺を無理難題を押し付けられたせいだと思った先生が慌ててやってくる。だが今の翼には彼女の言葉は届かなかった。 スクッ… 翼「横回転をかけた浮き球で、ドライブシュートを撃つ…」 先生「え?つ、翼さん?」 子供達「おおー、やる気だー!」「頑張ってー!」 この時翼を動かしていたのは彼が忘れて久しかった感情だった。 初めてオーバーヘッドキックやドライブシュートに挑戦した頃の懐かしい気持ち。 何時の間にか失くしてしまっていた感情が今一度翼の心の中で静かに燃えていた。 彼はごく自然に自分のボールの前に立ち、当たり前の様に足を振り上げていた。
[276]2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/12(金) 19:24:43 ID:mpF7cUoO バシュン!! ヒュルルルル! 強烈な横回転をかけられたボールが翼の上空に上がり、勢い良く落ちてくる。 翼はそれを迷いなく渾身の力を込めたドライブシュートで撃ちぬいた! 翼「…うぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」 バッギャァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!!! ギュォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!! ズギュルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルル!!! ヒュゥウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウ… 翼「あ………」 そしてボールは天高く飛び、いくつもの建物を超えながら視界から消えていった。螺旋状の軌道を描きながら。
[277]2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/12(金) 19:24:57 ID:mpF7cUoO 子供達「あー!凄ーーーい!!」「飛んでった!竜巻みたいに飛んでった!」 「でもあれじゃゴールに入らないじゃん」「コントロールがしっかりしてればちゃんとゴールに行くって」 好き勝手に騒ぐ子供達の声が何処か遠くから聞こえてくる様だった。 先生「あ…ああ〜、ボール、飛んで行っちゃいましたね…」 呆気に取られた様な先生の呟きもロクに耳に入らなかった。 翼「…すいません、ボールを回収しないといけないので今日はこれで失礼します!」 ダダダダダダッ!! 先生「あ………」 子供達「バイバーイ!」「また来てねー!」「今度は完成版サイクロン見せてー!」 その時の翼の表情は、どんな子供達の物よりも子供らしく見えたと言う。
[278]2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/12(金) 19:26:53 ID:mpF7cUoO いったんここまで。
[279]創る名無しに見る名無し:2010/11/12(金) 19:35:28 ID:2FPDbd4K 元祖サッカー小僧を救ったのはまたサッカー大好きな子供たち。 胸熱ストーリーですな
[280]2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/12(金) 20:47:33 ID:mpF7cUoO 翼は走っていた。ボールを回収する為ではなく、チームの練習用グラウンドに向かって。 あのボールは彼のサイン入りだったので、痩せても枯れても名門サンパウロFCのプロ選手である 彼のボールはそれなりの値段で売れてしまう。故に翼は最初からボール探しは諦めていた。 それよりも早く、一秒でも早く、もう一度あのシュートを撃ちたかった。 息を切らせても、脚が震えても、翼は走り続けた。ただただサッカーを求めて。 翼「ハアッ、ハアッ…」 もどかしい時間の後練習場にたどり着いた翼は汗を拭く事すらせず シュート練習に入ろうとしたが、既に先客が居た。チーム1のベテラン、ネルソンである。 ネルソン「ツバサ…?」 翼「どうも、こんにちは」
[281]2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/12(金) 20:47:46 ID:mpF7cUoO 挨拶もそこそこにさっさとボールを用意する翼の姿にネルソンは目を丸くするしかなかった。 これがあの日夜悲壮感と無気力に苦しむ若者と同一人物なのか、真剣に疑いたくなる程だった。 だが次に彼の目の前で行われた風景は更に信じがたい物だった。 翼「(ボールにスピンをかけて自分の真上に蹴り上げる!)」 バシュン!! ヒュルルル! 翼「(そして落下するボールにドライブシュートをかける!!)」 グワァアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!! 翼「(蹴り上げた時の回転力、ボールのスピードと高さ、そしてドライブシュートのパワー! 4つの力が1つになる時、ボールは無敵の力を秘めたサイクロンになる!!)」 バッギャァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!!!
[282]2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/12(金) 20:48:02 ID:mpF7cUoO ネルソン「なにィ!!」 ギュォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!! ズギュルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルル!!! ガァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!! ヒュー… ポトッ… コロコロコロ… 翼「くっそ〜…ポストか…」 ドライブシュートの様に上空から急降下しながら、横倒しの竜巻の様に螺旋状に回転する。 そんな軌道の超高速シュート。非常識としか言い様が無い光景をネルソンは目の辺りにした。
[283]2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/12(金) 20:48:13 ID:mpF7cUoO 翼「もう一度…あれ?」 グラ、グラ… ヨロッ… バタン。 ネルソン「…当たり前だよ。高速で回転する物体はエネルギーが増す。あんな超高速回転をかけた ボールを蹴ったらインパクトの瞬間に足首に伝わる衝撃は普通のシュートの比ではないだろう。 ましてや何があったか知らないが、長距離を全力疾走したらしい後で体力が尽きない訳が無い」 翼「ハ、ハハ…言われてみたら当たり前ですね…俺ってバカだなあ…」 ネルソン「湿布と水を取ってきてあげよう。休憩しながら話を聞かせてくれ」 翼「はい…」
[284]2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/12(金) 20:48:27 ID:mpF7cUoO 数分後、翼はネルソンにほんの少し前の経緯を話していた。 ネルソン「君がオフの度に何処に行っているのかと思ったら、そんな事があったのか」 翼「はい…あの」 ネルソン「何だね?」 翼「サイクロンって…あれで良いんでしょうか?」 ネルソン「…知らんよ。もし原理を知っていたら私だって挑戦していただろう」 翼「そうですか…ネルソンさんならひょっとしたら、と思ったんですが」 ネルソン「本当に知りたかったらジャイロに聞くしかないだろうが…あの方は引退後は世捨て人の様な 暮らしをしたらしい。そして数年前病気で亡くなった。今となっては真相を知る者は恐らく居ないだろう」
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0ch BBS 2007-01-24