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【RoadTo】キャプテン森崎39【Brazil】
[283]2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/12(金) 20:48:13 ID:mpF7cUoO 翼「もう一度…あれ?」 グラ、グラ… ヨロッ… バタン。 ネルソン「…当たり前だよ。高速で回転する物体はエネルギーが増す。あんな超高速回転をかけた ボールを蹴ったらインパクトの瞬間に足首に伝わる衝撃は普通のシュートの比ではないだろう。 ましてや何があったか知らないが、長距離を全力疾走したらしい後で体力が尽きない訳が無い」 翼「ハ、ハハ…言われてみたら当たり前ですね…俺ってバカだなあ…」 ネルソン「湿布と水を取ってきてあげよう。休憩しながら話を聞かせてくれ」 翼「はい…」
[284]2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/12(金) 20:48:27 ID:mpF7cUoO 数分後、翼はネルソンにほんの少し前の経緯を話していた。 ネルソン「君がオフの度に何処に行っているのかと思ったら、そんな事があったのか」 翼「はい…あの」 ネルソン「何だね?」 翼「サイクロンって…あれで良いんでしょうか?」 ネルソン「…知らんよ。もし原理を知っていたら私だって挑戦していただろう」 翼「そうですか…ネルソンさんならひょっとしたら、と思ったんですが」 ネルソン「本当に知りたかったらジャイロに聞くしかないだろうが…あの方は引退後は世捨て人の様な 暮らしをしたらしい。そして数年前病気で亡くなった。今となっては真相を知る者は恐らく居ないだろう」
[285]2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/12(金) 20:48:51 ID:mpF7cUoO 翼「………」 ネルソン「ただ、私は今君が撃った物は本当のサイクロンにかなり近いと思う」 翼「えっ?」 ネルソン「ドライブシュートの様な落ち方と言う条件を果たしているし、サイクロンと言う単語から イメージされる螺旋状の回転もある。なにより、足に尋常ではない負担がかかる事だ」 翼「足への負担が?何故ですか?」 ネルソン「ストライカーは誰しも必殺シュートによる体へのダメージに悩まされる。 当のジャイロも選手生活の晩年はサイクロンが撃てなくなり、それでかなり叩かれたらしい。 これは私が以前聞いた説なのだが…サイクロンの伝承者が一人も現れなかったのは ただ単に撃つのが難しいだけでなく、撃ったらどんどん体を痛めてしまうからでは?と言う説だ」
[286]2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/12(金) 20:49:07 ID:mpF7cUoO 翼「そういえば…さっきからずっと冷やしっぱなしなのに、まだ足が痛いままです」 ネルソン「やはりな。そこで一つの疑惑が生まれてくる。サイクロンの撃ち方は誰も知らないのではなく、 知る者は皆口を閉ざしたのではないか?いくら数十年昔の話とは言えど、 不自然な位情報が残っていないのはそんな事情があるのでは…まあ、検証のしようもない話だ」 翼「……………」 ネルソン「いや、むしろ…本当のサイクロンは誰も撃てないのかも知れない。 サイクロンはジャイロが自分の選手生命を賭けて編み出した奇跡のシュートだ。 そんなジャイロの命とも言えるサイクロンを誰が真似など出来るだろうか?」 翼「ネルソンさん…」 ネルソン「だが君は偶然とは言え…いや、まるで運命に導かれる様に自力でサイクロンに近づき、 ついにスーパーショットを編み出した。それは君が編み出した新しいサイクロンなんだ。時代は代わった。 ジャイロの時代より人体は強くなり、医療技術も進歩し、サッカーも新しいステージに入っている。 サイクロンも墓の中から蘇り、新しい伝説を築いて良いのかも知れん。君がその使い手となってな」
[287]2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/12(金) 20:49:49 ID:mpF7cUoO 長々と熱弁をふるったネルソンはここで息をつき、じっと翼を見つめた。 彼と出会って以来まるで見せなかった炎を瞳に灯している翼を。 翼「…ネルソンさん。俺、やります。俺の新しいサイクロンで新しい伝説を作ってみせます。 今までサンパウロにかけた迷惑の分も…俺はやってみせます」 ネルソン「その言葉を聞ければ、喉が渇くまで長話をした甲斐があったと言う物だ」 翼「有難う御座います…色々と」 ネルソン「ならば早速恩返しをしてもらいたいな。さしあたっては、私だけペラペラ喋るのは公平ではない。 一度君とじっくり話し合いたいと思っていたし、君について聞かせてくれないか?」 翼「俺について?」 ネルソン「ああ。無礼を承知で言うが、サッカーに関しては論外だと思っていた日本人の君に どうしてここまでの力を得たのかに興味は尽きない。はっきり言って突然変異の珍獣同然だ」 翼「珍獣って…酷いですよ」 苦笑と共に翼はゆっくりと語り始めた。自分の生い立ち。サッカー後進国である日本。 出会ってきた敵と友。今までの激戦。味わってきた苦難と栄光。そして自分がそれらをどう感じたかを。
[288]2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/12(金) 20:50:00 ID:mpF7cUoO この時翼は気付かなかった。練習場のすぐ外に居たオリベイラとバモラが一部始終を見ていたのを。 バモラ「ん〜、何て言ってるのカナ。ここからじゃ聞こえないネ」 オリベイラ「あの顔を見れれば十分だ。もう行くぞ」 バモラ「ちょっとツマンナイけど、そうしようか。オリベイラの教育方針は上手く行ったみたいダネ」 オリベイラ「全く、手間をかけさせてくれた物だ。スーパールーキーはこれだから困る」 バモラ「そう思うんならネルソンさんに後始末押し付けるんじゃないヨー」 オリベイラ「俺は鞭担当だ。飴はネルソンさんに任せるさ」 バモラ「物は言い様だネー」
[289]2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/12(金) 20:51:13 ID:mpF7cUoO いったんここまで。 "../test/read.cgi/morosaki/1288245294/279" >>279 キャプ森でもたまには(たま、と言う程でもない?)王道があっても良いと思うのです。
[290]創る名無しに見る名無し:2010/11/12(金) 20:58:23 ID:045r9X2U 森崎にもこういうイベントありますか?
[291]2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/12(金) 20:59:58 ID:mpF7cUoO "../test/read.cgi/morosaki/1288245294/290" >>290 別タイプのイベントを用意してあります。ただし選択や乱数に 影響されるので、どうなるかはまだ私にもわかりません。
[292]創る名無しに見る名無し:2010/11/12(金) 21:55:37 ID:znJ8SUTA dです これは慎重に行かないといけませんね
[293]2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/13(土) 07:13:22 ID:S7luakBp 翼「…そして、今に到ります」 翼の話は小一時間にも及んだ。ネルソンは時折相槌を打ちながら熱心に耳を傾けていたが、 終盤に近づくにつれ段々呆れた表情になっていき、終わった時に深々とため息をついた。 ネルソン「君は実に馬鹿だな」 翼「うっ」 ネルソン「愛妻家の私としては、君がそのサナエと言う少女にした事は許されざる事だ。 自分自身が作り上げた問題を助けてくれようとした想い人に罪をなすりつけるとは何事だ。 タイミングが悪い失言だったとしても、彼女が言わなければ別の誰かが言っていただろう。 もう君は彼女の前に立つ資格は無い。謝罪すらしない方が良い。彼女が早く忘れられる様にな」 翼「…返す言葉も、ありません…」 ネルソン「確かに何も言えんだろうな。愛する女性を失い、更にサッカーまで 自ら手放そうとしていたのだ。これを愚かと言わずに何と言おうか」
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0ch BBS 2007-01-24