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【RoadTo】キャプテン森崎39【Brazil】
[287]2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/12(金) 20:49:49 ID:mpF7cUoO 長々と熱弁をふるったネルソンはここで息をつき、じっと翼を見つめた。 彼と出会って以来まるで見せなかった炎を瞳に灯している翼を。 翼「…ネルソンさん。俺、やります。俺の新しいサイクロンで新しい伝説を作ってみせます。 今までサンパウロにかけた迷惑の分も…俺はやってみせます」 ネルソン「その言葉を聞ければ、喉が渇くまで長話をした甲斐があったと言う物だ」 翼「有難う御座います…色々と」 ネルソン「ならば早速恩返しをしてもらいたいな。さしあたっては、私だけペラペラ喋るのは公平ではない。 一度君とじっくり話し合いたいと思っていたし、君について聞かせてくれないか?」 翼「俺について?」 ネルソン「ああ。無礼を承知で言うが、サッカーに関しては論外だと思っていた日本人の君に どうしてここまでの力を得たのかに興味は尽きない。はっきり言って突然変異の珍獣同然だ」 翼「珍獣って…酷いですよ」 苦笑と共に翼はゆっくりと語り始めた。自分の生い立ち。サッカー後進国である日本。 出会ってきた敵と友。今までの激戦。味わってきた苦難と栄光。そして自分がそれらをどう感じたかを。
[288]2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/12(金) 20:50:00 ID:mpF7cUoO この時翼は気付かなかった。練習場のすぐ外に居たオリベイラとバモラが一部始終を見ていたのを。 バモラ「ん〜、何て言ってるのカナ。ここからじゃ聞こえないネ」 オリベイラ「あの顔を見れれば十分だ。もう行くぞ」 バモラ「ちょっとツマンナイけど、そうしようか。オリベイラの教育方針は上手く行ったみたいダネ」 オリベイラ「全く、手間をかけさせてくれた物だ。スーパールーキーはこれだから困る」 バモラ「そう思うんならネルソンさんに後始末押し付けるんじゃないヨー」 オリベイラ「俺は鞭担当だ。飴はネルソンさんに任せるさ」 バモラ「物は言い様だネー」
[289]2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/12(金) 20:51:13 ID:mpF7cUoO いったんここまで。 "../test/read.cgi/morosaki/1288245294/279" >>279 キャプ森でもたまには(たま、と言う程でもない?)王道があっても良いと思うのです。
[290]創る名無しに見る名無し:2010/11/12(金) 20:58:23 ID:045r9X2U 森崎にもこういうイベントありますか?
[291]2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/12(金) 20:59:58 ID:mpF7cUoO "../test/read.cgi/morosaki/1288245294/290" >>290 別タイプのイベントを用意してあります。ただし選択や乱数に 影響されるので、どうなるかはまだ私にもわかりません。
[292]創る名無しに見る名無し:2010/11/12(金) 21:55:37 ID:znJ8SUTA dです これは慎重に行かないといけませんね
[293]2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/13(土) 07:13:22 ID:S7luakBp 翼「…そして、今に到ります」 翼の話は小一時間にも及んだ。ネルソンは時折相槌を打ちながら熱心に耳を傾けていたが、 終盤に近づくにつれ段々呆れた表情になっていき、終わった時に深々とため息をついた。 ネルソン「君は実に馬鹿だな」 翼「うっ」 ネルソン「愛妻家の私としては、君がそのサナエと言う少女にした事は許されざる事だ。 自分自身が作り上げた問題を助けてくれようとした想い人に罪をなすりつけるとは何事だ。 タイミングが悪い失言だったとしても、彼女が言わなければ別の誰かが言っていただろう。 もう君は彼女の前に立つ資格は無い。謝罪すらしない方が良い。彼女が早く忘れられる様にな」 翼「…返す言葉も、ありません…」 ネルソン「確かに何も言えんだろうな。愛する女性を失い、更にサッカーまで 自ら手放そうとしていたのだ。これを愚かと言わずに何と言おうか」
[294]2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/13(土) 07:13:35 ID:S7luakBp 容赦の無い言葉に翼は縮こまる事しかなかった。温厚なネルソンをしてこうまで言わせるのだから 第三者の目から見れば自分が早苗にした事は言語道断なのだろう。 ネルソン「だが…君は男としては言い訳のしようが無いが、サッカー選手としてなら同情の余地はある」 翼「…同情、ですか」 ネルソン「同情だ。哀れみとも言う。要は見下しているだけだが、拒絶よりはマシだろう?」 翼「具体的に、どんな所が同情に値すると感じたんですか?」 ネルソン「………」 ここでネルソンは一旦言葉を切り、空に目を向けてから物憂げに話を再開した。
[295]2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/13(土) 07:17:01 ID:S7luakBp ネルソン「サッカーには嫌な事、苦しい事、醜い事が沢山ある。一つ一つ述べるのも嫌になる程な。 私自身失敗と後悔続きだよ。サッカーを止めたくなった事も何度もある。そこに同情した」 翼「………」 ネルソン「君はそう言ったサッカーの嫌な部分から目を逸らそうとして潰されかけていた。 パルメイラスのモリサキに勝てば何かが変わると信じて、実際に勝ったのに何も変わらなかった。 当然の話だ。プロサッカー選手のキャリアは長い…18歳でデビューしたとして、28歳で引退しても10年。 33歳なら15年。私の様に20年以上続けている者すら居る。たった一人のライバルに たった一回勝つだけで燃え尽きてはプロは務まらない。どんなに特別な相手でもな」 翼「(何か言い返したいけど、何も言えないってこういう時なんだろうな…)」 ネルソン「だが…今の君の瞳には闘志が戻っている。辛くても、上手く行かなくても、 サッカーをしたい、続けたい、戦いたい…そんな気持ちが篭った良い目だ。 その気持ちを大事にしたまえ。そうすれば君はもう迷う事は無いだろう」 翼「………はい!」 そして彼の話が終わった時、翼は力強く頷く事が出来た。 ネルソンも優しく微笑む事が出来たが、内面では割と不謹慎な事も考えていた。
[296]2 ◆vD5srW.8hU :2010/11/13(土) 07:17:15 ID:S7luakBp ネルソン「(く〜…これだ。ダンディなベテランと悩めるルーキーの交流とはかくあるべきだ。 決まった。今の私はとてつもなく渋い!渋すぎて自分が怖い位だ)」 翼「ネルソンさん?」 ネルソン「(おっといかん、ダンディなナイスミドルはニヤニヤしたりせん)何だね?」 翼「そろそろ練習に戻ろうかと…」 ネルソン「いや、焦るな。今日はもう止めて、明日から怪我防止の準備を山ほどしてから習得に励みなさい。 あのシュートは君ですらコントロール出来ない程の超難度だが、本当に恐ろしいのは足に来るダメージだ。 なまじバランス良く恵まれた君の足首だと、気付かない内に巨大な爆弾を抱える事になりかねない。 時間をかけてサイクロンを撃てる技術だけでなく、サイクロンに耐えうる肉体を作り上げなさい。 さもなくば君は折角会得した超大技を封印するか、選手生命を削って戦うかの二択を迫られてしまうよ」 翼「なるほど、確かに。これからもご指導よろしくお願いします」
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0ch BBS 2007-01-24