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【受け継がれる】キャプテンEDIT17【魂】
[3]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2010/11/07(日) 02:00:22 ID:??? 森崎「……小田ァ! ぼーっとするな! さっさと誰かに渡せ!」 小田「わ、分かった!」 森崎の怒号に押されるように、小田は滝にボールを叩く。 やす子「……………終わった」 菱野「ま、まだ残り時間は――」 やす子「時間はあっても、もうゴールする手が無い。それくらいは分かっているでしょう?」 菱野「くっ……!」 諦観の表情を浮かべる飯地と、悔恨に口を食いしばる菱野。 彼女らの眼前で、鳴紋中にとって最も長く苦しい10分弱が始まろうとしていた。 … … … ピッ、ピッ、ピィイイイイイイイイイイイイイイイイっ!! 実況「……試合終了です! 後半戦終盤の攻撃に失敗した鳴紋中は、ボールを支配する南葛を追い切れずにそのまま終了の時刻に。 その結果、スコアは3−2で動かず! 南葛中の勝利、そして二連覇達成です!」
[4]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2010/11/07(日) 02:01:32 ID:??? 南葛応援団「うおおおおおおっ!! やった! やったぜ、連覇達成だ!」「しかもチームの主力は二年! 来年の三連覇も夢じゃねえ!」 観客「やっぱ南葛はすげえよ!」「鳴紋、全然駄目だったな」「スコアは迫ってたけど、2ゴールともほとんど運だったし……」 鳴紋応援団「……終わった」「やっぱり優勝は無理だったか……」「元々、ここまでこれたのが奇跡だったんだよ」 終了のホイッスルと共に場内は南葛の連覇達成に意気上がり、数少ない鳴紋サイドの観客は逆に消沈する。 ここでブーイングの一つでも上がれば、逆に選手たちの発奮を促せもしただろう。 だが、そうはならなかった。鳴紋中は所詮は地方の強豪。全国制覇はあくまでも夢。そんな認識が表れた結果だった。 墨田「鳴紋が……負けた」 若尾「マジかよ……あんなに強くて上手い先輩たちでも、勝てないって言うのかよ?」 園村「やっぱり厳しいんですね。全国一になるって」 小豆沢「厳しいからこそ、目指す価値がある。……今は無理にでもそう思っておいた方が良い」 浅村「そうっスね……」 小豆沢が、沈痛な面持ちの一年生たちをそっと慰めた。 比良山「静かですね……俺たちの応援団」 瀬川「騒ぐほどの結果を残せなかったからね……くそっ!」 項垂れる比良山に、髪が乱れるにもかかわらず頭を掻き毟る瀬川。 雪村「…………勝てなかったな。試合でも、プレイでも」 相手の10番――大空翼の背中を見ながら独り言つ雪村。
[5]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2010/11/07(日) 02:03:04 ID:??? 本多「結局、何の仕事も出来ずじまいか」 末松「ちっくしょ〜っ!!」 豊原「これだけ攻め立てられて守り切れず……何のためにDFをやっていたんだ俺は!!」 輝林「…………っ!!」 独語に悔恨を滲ませる本多。身も世も無く悔しがる末松。屈辱に地を叩く豊原。無言で静かに涙を流す輝林。 形はどうあれ2点を取りながらそれを守り切れなかったことに、守備陣が痛恨の念を露わにする。 だが、その中でもこの敗戦が堪えたのは、やはりこの男だろう。 渡会「この決勝で……俺は一体何をしていたんだ! 南葛の森崎に比べて、一体何をやっていたって言うんだ!?」 本多「渡会……」 渡会「くそっ! くそっ! くそくそおっ! うわあああああああああああああっ!!」 3点もゴールを許し、その上同じGKである森崎に決勝点を奪われた渡会。 後悔と自責の念は守備陣の中でも一入だろう。その無念の叫びを前に、友人である本多ですら掛ける言葉を失う。 早瀬「夢、破れたり、か。すまねェ皆……ごめん、小豆沢さん」 最後の得点機を自身のシュートミスによって失った早瀬は、普段の鋭気が抜け落ちたようにぼんやりと佇んでいた。 敗戦の責を一身に背負いこんだ彼だが、誰も責めの言葉を持たなかった。 本条(これが普通の試合なら、最後のミスキックを詰ってやりたいところなんだが――) 最後の最後でボールを奪い返し、シュートにまで持っていけたのは、負傷を抱えたままプレイしていた早瀬しかいなかったのである。 同じチーム内で、誰が彼を責められるだろうか。
[6]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2010/11/07(日) 02:04:21 ID:??? 長池「……監督」 やす子「ええ、分かっているわ」 長池に促されて、飯地が腰を上げる。全国の決勝まで来て、この敗戦。監督として堪えないものがあ無いわけではない。 だが、一番悔しい思いをしているのは選手たちである。こんな時に、ただ一人の大人である監督が感傷に浸っているわけにはいかないのだ。 長池「マネージャー、俺たちも行こう。一人、放っておけないヤツがいるだろう?」 菱野「ひっく……ぐすっ……は、はい……っ」 チームの敗北を我が事の様に悲しんでいた菱野も、長池に連れられてベンチを後にする。 残された面子は、何ともやりきれない思いを抱えたまま座っているしかなかった。 国岡(これが全国一を争う試合かよ……これに俺が出てたとしたら、何が出来た?) 落田(くっそー! 俺が出場さえ出来ていたら!) 宇津木「……俺はスタメンではないがこのままでいるのはどちかというと大反対だな」 水守「うん。分かっている。僕は……来年もこんな思いをするのは、嫌だ」 宇津木「その通りだな。悔しい思いをただ抱えるだけの浅はかさは愚かしい。謙虚な選手なら今からレベルアップに励むべき」 国岡(けっ、一年どもが吹きやがるぜ。……だが俺も、来年と言わず秋からの大会に備えておくべきだな。 肝心の試合で役に立たなかった、あの野郎を追い落としてやるためにもよ) 皮肉げな視線をピッチに向ける国岡。その先には、この試合無得点アシスト無しに終わった大前がいた。
[7]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2010/11/07(日) 02:05:34 ID:EXGvdtzM 大前(何を……何をしていたんだ、俺は。皆が作ってくれたチャンスを潰しまくって、一度もゴールを割れないで!! 鳴紋中は全国で優勝を争えるチームになったって言うのに! そのチームでセンターFWを任されている男のすることかよ、これが!?) 白くなるほど握りこんだ拳。その内では爪が掌を食い破り、血を滴らせる。それは慙愧に堪えない大前が流す、赤い涙だった。 ポストプレイは反則でしくじり、新たに編み出したショートドライブは止められ、ドライブシュートもクリアボムも通じなかった。 今まで築き上げてきた大前良という選手の全ては、より卓越した選手である大空翼と森崎有三に何一つ通じなかった。 その事実が、大前を打ちのめす。 大前(俺は……俺は――っ!!) 感情の飽和点に達した大前は思わず、 先に3票入った選択肢で進みます。メール欄を空白にして、IDを出して投票してください。 A.「憶えていろよ、森崎ィ!! 次は……次こそはお前たちを倒す!」 負け犬の遠吠えと理解しながらも吠えた! B.「すみません、早瀬さん……俺、こんな肝心な時に役立たずで……っ!」 余りにも申し訳無くて早瀬に詫びた C.「うぐ……くっ……! ……うわあああああああああああああああああっ!!」 号泣した! D.その他(自由選択です。大前に取らせたい行動を併記してください)
[8]森崎名無しさん:2010/11/07(日) 02:08:20 ID:Hn3VtMAQ B Aはあんなことやった以上かかわると傷を広げることになりかねないと思ったから
[9]森崎名無しさん:2010/11/07(日) 02:11:20 ID:Vd0vLLbw B
[10]森崎名無しさん:2010/11/07(日) 02:21:41 ID:VtH2tJdE C 今だけはおもいきり無様になっちまえ
[11]森崎名無しさん:2010/11/07(日) 02:32:17 ID:bxPHYPu+ B
[12]森崎名無しさん:2010/11/07(日) 02:35:00 ID:22oKYRvU C
[13]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2010/11/07(日) 03:05:58 ID:??? >>B.「すみません、早瀬さん……俺、こんな肝心な時に役立たずで……っ!」 余りにも申し訳無くて早瀬に詫びた ------------------------------------------------------------------------------------------------------------------ 早瀬「馬鹿野郎……良いんだよ、んなことは」 大前「でもっ――」 早瀬「でもも、しかしも無ェ! ……良いんだよ。お前は十分頑張った」 一喝し、次いで優しい目を向ける早瀬。 早瀬「この試合での出来は良くなかったかもしれねェが、大会中にこのチームを引っ張ってきたFWはお前だよ。 口さがねえ連中は結果が全てだ、なんて言うかもしれない。けどよ、鳴紋が全国を勝ち進んだ。この結果はお前がいなけりゃ為せなかった。 あの三回戦で決勝点をもぎ取ったのは、お前だろ? これまでの試合で得点を重ねてきたのも。 そして、俺の掲げた目標に従って、今まで力を尽くしてきたのもお前だ。……だから、詫びる必要なんか無ェんだ。 むしろ、俺こそ頭が下がる思いだよ」 大前「うっ……ぐっ……!」 胸が詰まって、涙が零れる。 悔しかった。自分の何もかもが通用しなかったことよりも、今自分を労ってくれているこの人に、優勝を贈れなかったことが悔しかった。 早瀬「……泣くんじゃねえ、とは言わねえよ。今は思いっきり泣いておけ。でもって、スッキリしたらまた練習だ。 来年は勝てるように、頑張ろうぜ? お前にはまだ、この鳴紋中でチャンスがあるんだから――」 森崎「そんなもの、無いね」 早瀬・大前「「――っ!?」」 冷笑するような声音に振り向くと、傲岸な笑みを浮かべる森崎の姿があった。
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0ch BBS 2007-01-24