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【ストライカーの】幻想のポイズン45【条件】
[725]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/12/17(金) 20:10:38 ID:??? バムッ! ダダダダッ!! こいし「はぁっ……はぁっ……。 どうしたの、もう終わり?」 ナポレオン「こっ、この野郎……!」 ピエール「(やはり強い……! だが……そろそろこの動きに目が慣れてきた! もう少し……もう少しだ!!)」 さとり「……こい、し……?」 日が暮れ、既に規定の練習時間が過ぎたこの時間帯。 寄宿舎へと帰り着いたさとりは……ライトのついたフィールドで、未だにボールを追い続けるフランスJrユースメンバー。 そして、その中心で疲れ果てた様子ながら……それでも尚、一同を指導しようとボールを持ち。 一同にディフェンスを強いるこいしの姿を見つけ、目を見開いて驚いたのだった。 ルスト「く、くそっ! ええいっ!」 ジョルジュ「うわああああっ!!」 こいし「あなた達オフェンスも下手だけど、ディフェンスは更にへたっぴ! そんなんじゃ私からボールはとれないよ!」 ブゥゥゥン……! 無意識を操り、敵の視界から文字通り消えて突破をする消えるフェイント。 ボランチとして必要なキープ力を、そこそこ備えるこいしを相手にフランスJrユースはボールを奪い取れず。 しかし、それでもすぐ起き上がり尚も立ち向かおうとする。 さとり「………………」 さとりから見て、ピエールとナポレオンを除いたフランスメンバーのディフェンスはあまりにも下手糞だった……。 それこそ、オータムスカイズのサイドドリブラー、橙とどっこいどっこいといったレベルだった。 しかも正規のDFまでもが下手糞だった。救いようの無い程までに、下手糞だった。 だが、それでもフランスメンバー達は汗を流し、肩で息をし、泥に塗れながらも練習に励んでいた。
[726]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/12/17(金) 20:11:40 ID:??? さとりはしばらくその光景を、ただ呆然と見つめ……一同はそんなさとりに気づかぬまま、練習に明け暮れる。 だが、それから約1時間が経過した頃。 ドサリッ…… こいし「はぁっ……はぁっ……! ゲホッ!」 さとり「! こいしっ!!」 何時間もたった1人でチーム一同を指導し、動き回っていたこいし。 八意永琳のようなスタミナもなければ、効率的に指導も出来ないこいしの身体には当然ながら疲労が蓄積し。 痙攣する足を引き摺りながら、今日何度目になるかわからない消えるフェイントを見せた瞬間、その場に倒れこむ。 その姿を見た瞬間、さとりはこいしの名を呼びながらフィールドへと駆け出し。 ここでようやくさとりが見ていた事に気づいたフランスJrユースの面々は目を丸くして驚き。 こいしはさとりの声を聞くと薄く微笑みつつ、地面に倒れながらさとりに視線を向ける。 こいし「お、お姉ちゃん……はぁっ、はぁっ……」 さとり「こいし……こんなになるまで……どうして……!」 地面に倒れたこいしを抱き起こしながら、さとりは今にも泣きそうな顔をしこいしの名を呼ぶ。 愛らしい顔は泥に塗れ、フィールドを駆け回った為に巻き上げられた埃で服は汚れ。 額――否、顔全体には大きな汗の粒が浮かび上がっている。 ポケットからハンカチを取り出し、こいしの顔を拭いてやりながらさとりはどうしてここまでと呟くのだが……。 それに対してこいしはやはり笑みを浮かべながら、薄っすらと口を開く。 こいし「こ、こいつらが私達に見合うくらい強くなってくれないと……困るでしょ。 私達は……大会で、優勝するんだから……」 さとり「そんな……無理よ、こいし。 優勝なんて大それた事……出来る訳が無いでしょう」
[727]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/12/17(金) 20:12:45 ID:??? 八雲紫によって事実上の左遷をされ、弱小国のフランスへと派遣されたこいしは。 八雲紫を見返してやる為にも、必ず大会を優勝で飾ってやると誓っていた。 どことなく冷めたところがあり、達観した考えを持つこいしは、初めて本気になろうとしていたのだが……。 だが、さとりはそれは不可能なのだと考え、こいしの言葉をかたくなに否定した。 さとり「確かに、ピエール君は他国のエースにも通用するだけの力がある」 ピエール「………………」 さとり「ナポレオン君も、エースストライカーとして申し分ない力がある」 ナポレオン「ふん……」 さとり「さとりだって、ボランチとしては優秀……それは姉である私が一番わかっている」 こいし「………………」 さとり「だけど……サッカーは3人だけで出来るものではないのよ……」 ボッシ「うぅ……」 ルスト「………………」 間違いなく世界屈指の実力を持つピエールに、そのピエールについていける実力を持つナポレオン。 ボランチとして攻撃も守備もそつなくこいしの3人は、間違いなく大会でも通用をする選手達であったが……。 しかし、それ以外の選手達が問題であった。 いくらピエールが世界屈指の選手といえど、広いフィールドをたった1人ではカバーしきれない。 いくらナポレオンの実力がストライカーとして高いものでも、百発百中でゴールは射止められない。 いくらこいしが名ボランチといえど、抜かれる時は必ず来る。 たった3人だけで、世界の強豪たちを相手に出来る訳が無いのだ。 自身たちの力不足を把握しているボッシやルスト、アモロといったピエールたちとは違う。 所謂、「お荷物」でしかない選手達はその残酷なまでのさとりの言葉を聞いてうめき声を上げるのだが……。 こいし「だから鍛えてるんだよ……それに、成果はちゃんと出てきてるよ……」 さとり「……無理よ。 いくら鍛えても、伸びないものは伸びない……」 こいし「そんなこと無いよ……」 さとり「そんなことあるわ……。 私にはわかる……いくら希望を持っても、いずれはそれは蹂躙されてしまう……。 私達は、そんな願いを持ってはいけない……期待をするだけ、落胆も大きくなるのだから……」
[728]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/12/17(金) 20:14:15 ID:??? 自分達のような者が、光を求めてはいけない。 ひなたの道を歩けるのは、自分達のような者ではないのだ。 こいしの言葉に対して、ネガティブにもそう返答しさとりは頭を振る。 これ以上は傷つきたくない……後ろ指をさされ、笑われたくは無いと、さとりは言い……。 それでもこいしは笑いながら、さとりの肩に手を乗せつつ呟いた。 こいし「私は……このチームでも勝てると思うよ。 だって、ちゃんと成果は出てるもん……。 このチームなら、優勝だって狙えるんじゃないかな……」 さとり「……でも」 ナポレオン「うざってぇな! ガタガタ抜かして練習の邪魔するなら25cmキャノンでぶっ飛ばすぞ!!」 ピエール「よせ、ナポレオン。 ……サトリ、君の言う事もわかる。 だが、俺達はそれでも諦められない。 諦める事は、許されない」 さとり「……どうしてですか。 どうしてそこまでして、戦えるんですか……。 どうやったって勝ち目の薄い大会に……どうして自信を持って挑めるんですか……」 ピエール「それは俺達が誇り高きレ・ブルーのユニフォームを纏っているからだ。 このユニフォームを着ている限り、俺達は諦める事は許されない。 自国の名誉の為にも……自分自身の為にも、だ」 うじうじとするさとりを見ていい加減堪忍袋の緒が切れたのか、罵声を浴びせるナポレオン。 それを咎めつつ、ピエールは紳士然とした態度でさとりに今現在、着用しているユニフォームを見せ付けるようにしつつ告げる。 そして、ピエールが周囲に視線を向けると……周囲のメンバーはおずおずとした様子ながらも。 しかし、ピエールの言葉に同意を示すかのように頷いた。 ルスト「(コイシが来てから、ピエール程とまでは言わなくても……差だって、少しは縮まった……)」 ボッシ「(必殺シュートだってあるんだ……! せめて……1ゴールくらい……!)」 ジョルジュ「(コイシが来てくれたお陰で弱点の守備も改善されたんだ!)」 フェレーリ「(狙える筈なんだ! これだけ練習をして、報われないなんて事がある筈が無いんだ!)」 さとり「………………」
[729]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/12/17(金) 20:15:23 ID:??? 基本的に弱腰に近い考えばかりであったが……しかし、それでも彼らは諦めてはいなかった。 大会で勝ち進む事を、大会で優勝を手にする事を、諦めていなかった。 心を読み、その本心を見たさとりは信じられないような表情でフランスメンバーを見つめ……。 そして、再びこいしへと視線を落とす。 こいし「勝てるよ……おねえちゃんがいれば、勝てるんだ……」 さとり「こいし……」 アモロ「お、俺じゃ力になれないんだ……でも、フランスが勝てるなら……それでいいんだ。 だから、お願いだから練習に参加してくれ……俺の代わりにゴールに立ってくれ……。 か、勝ちたいんだ……勝てるかもしれないなら、勝ちたいんだ……。 例えベンチから見るだけでも……勝てるなら、それで……」 ナポレオン「(けっ、ヘタレめ……)」 (一応)正ゴールキーパーであるドミニク・アモロはさとりにキーパーを任せたいと……。 このチームの為に、練習に参加してくれとさとりに告げ。 これを見てナポレオンとピエールがため息を吐く中、さとりは困った表情で周囲を見やる。 さとりは未だに信じられなかった。 どうして彼らが戦おうとするのか……敗退する可能性の方が高いのに、どうして勝てると思うのか。 自分達の実力を省みた上で、どうして尚も立ち向かおうとするのか……理解が不能だった。 周囲の者達の言葉や思いに混乱し、困惑するさとりは……それでも尚、頭を振ろうとするのだが……。 こいし「お姉ちゃんは……私を信じてくれてる……?」 さとり「こいし……?」 突如そう呟いたこいしに、さとりはこいしの意図もわからぬまま首を縦に振り頷く。 たった1人の可愛い妹――こいしを信じない、信じていない筈が無い。
[730]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/12/17(金) 20:16:36 ID:??? こいし「それなら……私はお姉ちゃんを信じている」 さとり「え…………」 こいし「幻想郷3大キーパー。一対一では絶対に負けない、PKでは絶対に防ぐ、PA内のシュートは全て許さない。 八雲紫と伊吹萃香と並んで称えられる、お姉ちゃんを信じてる」 さとり「こいし……」 こいし「私はお姉ちゃんを信じてる。 だから……お姉ちゃんは、私が信じるお姉ちゃんを信じて。 ……お姉ちゃんは、本当に凄いんだから。 誰にだって負けない……本当に凄いゴールキーパーなんだから……」 さとり「っ!!」 そして、さとりがこいしを信じているように。こいしもまたさとりを信じていた。 かつては幻想郷3大キーパーと呼ばれていた、あの頃の栄光は嘘ではないと。 地に落ちた今でも、その実力は決して八雲紫や伊吹萃香に劣るものではないと。 幻想郷で最強のゴールキーパーは、古明地さとりなのだと、そう堅く信じていた。 さとり「こいしっ……!」 心を閉じているこいしの心を、さとりは読むことが出来ない。 だからこいしが今何を考えているか、何を思っているのかはわからない。 だが……こいしの想いと、気持ちは……心を読まずとも伝わってきた。 こいしがどれだけさとりを想っているのか、その想いの重さがさとりに伝わってきた。 さとり「こいし……!」 大粒の涙を流しながら、さとりはこいしを抱きしめその名を呼ぶ。 体力の限界だったのか、こいしは既に死んだように眠っており返答をしない。 だが、それでもさとりはこいしの名を呼び続けた。 愛する妹がどれだけ自分を考えてくれていたのか。そして、それに対して自分はどれだけ情けなかったのか。 感謝と、情けなさと、温かさを感じながら、さとりはこいしを強く抱きしめた。
[731]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/12/17(金) 20:17:47 ID:??? ピエール「…………サトリ」 さとり「……私は、私の信じるこいしの為に戦います」 しばらくそうしてさとりはただただ泣きはらしていたのだが……。 見かねたピエールが声をかけると同時、凛とした声で即座に返答し、涙を拭いながら立ち上がった。 目を閉じるこいしの肩を抱きながら、自分に心配そうな視線を向けるフランスメンバー。 それらを一瞥してから、さとりは先ほどまでの情けない表情から一転。 凛々しい表情を浮かべつつ、もう一度口を開く。 さとり「遅くなりましたが、私もこのフランスJrユースの代表として及ばずながら力を貸させていただきます。 古明地こいしの姉として、恥ずかしくないプレイをする為に。 こいしと共に栄光を掴む為に……こいしの為に……」 ナポレオン「ふんっ、そこのヘタレよりは多少なりとマシなんだろうな?」 アモロ「あわわ……」 さとり「ご心配なく」 合宿開始から1週間……ようやく、フランスに協力すると申し出たさとりに対し。 周囲は概ね胸をなでおろしながら歓迎ムードをかもし出すのだが……。 そんな中でナポレオンは突っかかるような物言いをしながら、さとりを睨みつけ。 しかし、それをさとりは無表情の中に小さな笑みを浮かべつつ返答する。 さとり「私がゴールを守る限り……大量失点などは絶対に致しません。 私は地霊殿の主、古明地さとり……幻想郷3大キーパーの1角、古明地さとりです」 大きな声で宣言をした後、さとりはこいしを部屋で寝かせた後、ジャージに着替えフィールドに出る。 まだボールに触れる事は少し怖かった……シュートを受けることは、もっと怖かった。 だが、それでもあえて虚勢を張りながら、さとりはフランスJrユースの者達と共に練習を行った。 こいしの気持ちと思いに応えたい――その一心が、さとりを突き動かしていた。 さとり「(……見返してやります。 強く……強く、なってみせる……! 私達が……必ず、この世界で最高のチームになってみせる……! こいしの為にも……!)」
[732]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/12/17(金) 20:18:52 ID:??? もうちょっとNPCシーン続きます。一旦ここまで……。
[733]森崎名無しさん:2010/12/17(金) 20:31:01 ID:??? >さとり「さとりだって、ボランチとしては優秀……それは姉である私が一番わかっている」 こいし「私の名前がない……だと!?」
[734]森崎名無しさん:2010/12/17(金) 20:37:47 ID:??? うーむ、これだけ盛り上げるということは、今度のさとりんは強いんだろうなあ。 これでまたしてもあっさり折られたら帰ってこれないだろうし・・。
[735]森崎名無しさん:2010/12/17(金) 20:43:11 ID:??? あえてペナルティエリア内から陵辱したくなるよな
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0ch BBS 2007-01-24