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【ストライカーの】幻想のポイズン45【条件】
[729]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/12/17(金) 20:15:23 ID:??? 基本的に弱腰に近い考えばかりであったが……しかし、それでも彼らは諦めてはいなかった。 大会で勝ち進む事を、大会で優勝を手にする事を、諦めていなかった。 心を読み、その本心を見たさとりは信じられないような表情でフランスメンバーを見つめ……。 そして、再びこいしへと視線を落とす。 こいし「勝てるよ……おねえちゃんがいれば、勝てるんだ……」 さとり「こいし……」 アモロ「お、俺じゃ力になれないんだ……でも、フランスが勝てるなら……それでいいんだ。 だから、お願いだから練習に参加してくれ……俺の代わりにゴールに立ってくれ……。 か、勝ちたいんだ……勝てるかもしれないなら、勝ちたいんだ……。 例えベンチから見るだけでも……勝てるなら、それで……」 ナポレオン「(けっ、ヘタレめ……)」 (一応)正ゴールキーパーであるドミニク・アモロはさとりにキーパーを任せたいと……。 このチームの為に、練習に参加してくれとさとりに告げ。 これを見てナポレオンとピエールがため息を吐く中、さとりは困った表情で周囲を見やる。 さとりは未だに信じられなかった。 どうして彼らが戦おうとするのか……敗退する可能性の方が高いのに、どうして勝てると思うのか。 自分達の実力を省みた上で、どうして尚も立ち向かおうとするのか……理解が不能だった。 周囲の者達の言葉や思いに混乱し、困惑するさとりは……それでも尚、頭を振ろうとするのだが……。 こいし「お姉ちゃんは……私を信じてくれてる……?」 さとり「こいし……?」 突如そう呟いたこいしに、さとりはこいしの意図もわからぬまま首を縦に振り頷く。 たった1人の可愛い妹――こいしを信じない、信じていない筈が無い。
[730]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/12/17(金) 20:16:36 ID:??? こいし「それなら……私はお姉ちゃんを信じている」 さとり「え…………」 こいし「幻想郷3大キーパー。一対一では絶対に負けない、PKでは絶対に防ぐ、PA内のシュートは全て許さない。 八雲紫と伊吹萃香と並んで称えられる、お姉ちゃんを信じてる」 さとり「こいし……」 こいし「私はお姉ちゃんを信じてる。 だから……お姉ちゃんは、私が信じるお姉ちゃんを信じて。 ……お姉ちゃんは、本当に凄いんだから。 誰にだって負けない……本当に凄いゴールキーパーなんだから……」 さとり「っ!!」 そして、さとりがこいしを信じているように。こいしもまたさとりを信じていた。 かつては幻想郷3大キーパーと呼ばれていた、あの頃の栄光は嘘ではないと。 地に落ちた今でも、その実力は決して八雲紫や伊吹萃香に劣るものではないと。 幻想郷で最強のゴールキーパーは、古明地さとりなのだと、そう堅く信じていた。 さとり「こいしっ……!」 心を閉じているこいしの心を、さとりは読むことが出来ない。 だからこいしが今何を考えているか、何を思っているのかはわからない。 だが……こいしの想いと、気持ちは……心を読まずとも伝わってきた。 こいしがどれだけさとりを想っているのか、その想いの重さがさとりに伝わってきた。 さとり「こいし……!」 大粒の涙を流しながら、さとりはこいしを抱きしめその名を呼ぶ。 体力の限界だったのか、こいしは既に死んだように眠っており返答をしない。 だが、それでもさとりはこいしの名を呼び続けた。 愛する妹がどれだけ自分を考えてくれていたのか。そして、それに対して自分はどれだけ情けなかったのか。 感謝と、情けなさと、温かさを感じながら、さとりはこいしを強く抱きしめた。
[731]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/12/17(金) 20:17:47 ID:??? ピエール「…………サトリ」 さとり「……私は、私の信じるこいしの為に戦います」 しばらくそうしてさとりはただただ泣きはらしていたのだが……。 見かねたピエールが声をかけると同時、凛とした声で即座に返答し、涙を拭いながら立ち上がった。 目を閉じるこいしの肩を抱きながら、自分に心配そうな視線を向けるフランスメンバー。 それらを一瞥してから、さとりは先ほどまでの情けない表情から一転。 凛々しい表情を浮かべつつ、もう一度口を開く。 さとり「遅くなりましたが、私もこのフランスJrユースの代表として及ばずながら力を貸させていただきます。 古明地こいしの姉として、恥ずかしくないプレイをする為に。 こいしと共に栄光を掴む為に……こいしの為に……」 ナポレオン「ふんっ、そこのヘタレよりは多少なりとマシなんだろうな?」 アモロ「あわわ……」 さとり「ご心配なく」 合宿開始から1週間……ようやく、フランスに協力すると申し出たさとりに対し。 周囲は概ね胸をなでおろしながら歓迎ムードをかもし出すのだが……。 そんな中でナポレオンは突っかかるような物言いをしながら、さとりを睨みつけ。 しかし、それをさとりは無表情の中に小さな笑みを浮かべつつ返答する。 さとり「私がゴールを守る限り……大量失点などは絶対に致しません。 私は地霊殿の主、古明地さとり……幻想郷3大キーパーの1角、古明地さとりです」 大きな声で宣言をした後、さとりはこいしを部屋で寝かせた後、ジャージに着替えフィールドに出る。 まだボールに触れる事は少し怖かった……シュートを受けることは、もっと怖かった。 だが、それでもあえて虚勢を張りながら、さとりはフランスJrユースの者達と共に練習を行った。 こいしの気持ちと思いに応えたい――その一心が、さとりを突き動かしていた。 さとり「(……見返してやります。 強く……強く、なってみせる……! 私達が……必ず、この世界で最高のチームになってみせる……! こいしの為にも……!)」
[732]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/12/17(金) 20:18:52 ID:??? もうちょっとNPCシーン続きます。一旦ここまで……。
[733]森崎名無しさん:2010/12/17(金) 20:31:01 ID:??? >さとり「さとりだって、ボランチとしては優秀……それは姉である私が一番わかっている」 こいし「私の名前がない……だと!?」
[734]森崎名無しさん:2010/12/17(金) 20:37:47 ID:??? うーむ、これだけ盛り上げるということは、今度のさとりんは強いんだろうなあ。 これでまたしてもあっさり折られたら帰ってこれないだろうし・・。
[735]森崎名無しさん:2010/12/17(金) 20:43:11 ID:??? あえてペナルティエリア内から陵辱したくなるよな
[736]森崎名無しさん:2010/12/17(金) 20:50:20 ID:??? PA外からオータム連打でおk
[737]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/12/17(金) 20:56:25 ID:??? >>733 ごめんなさい、大事な場面なのに思いっきり間違えてましたorz さとり「こいしだって、ボランチとしては優秀……それは姉である私が一番わかっている」 に訂正します。
[738]森崎名無しさん:2010/12/17(金) 20:57:16 ID:??? いい勝負したかったけど審判のせいで台無しなんだろうな…
[739]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2010/12/17(金) 22:55:25 ID:??? さとり「………………」 さとりが再び立ち上がり、フランスJrユースの一員として戦う事を誓った日の翌日。 この日、古明地さとりは全体練習を終えた後、昨日と同じように川原へとやってきていた。 あの後、眠りから目覚めたこいしはさとりが再び戦う事に決めたと聞くや否や喜び。 今日も元気にフランスJrユースの面々をしごき抜いた。 さとりも今日から本格的に練習に取り組み、1週間分の遅れを取り戻そうとしていた。 そして、今日もまた居残り練習をしようとする一同と練習に付き合おうとしたさとりだったが……。 1週間練習をしていなかった事によりまだ本調子で無い為に、これ以上の練習は返って自分の首を絞めるだけだと監督に言われ。 フィールドに立ち入る事を許されなかったのである。 さとり「(まだ絶対的な守備力は手に入れる事が出来ていない……。 今のままでは、伊吹萃香や八雲紫にはまだ及ばない……今のままでは……)」 一対一に滅法強く、PKは必ず許さず、PA内からのシュートは全て防ぎきる――。 だが、その能力も全ての場面において万能である伊吹萃香や八雲紫には及ばない。 今のままでは……そう、"今のままでは"まるで及ばない。 さとり「(だから私は強くならなければならない……弱点を消し、長所を伸ばす為に……。 その為には……)」 若林「………………」 さとり「あなたの力が必要です……若林源三君」 こいしの為に強くなると決めてから、再び浮かぶようになったさとりの不適な笑み。 その笑みを崩す事なくさとりは振り返りながらその口を開き……。 今日もまたランニングをし、川原を通りかかっていた全日本Jrユースのゴールキーパーに話しかけるのだった。
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0ch BBS 2007-01-24