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【まさかの】Another-C_2【色恋沙汰】
[867]アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/02/22(火) 11:06:57 ID:??? その細目は笑っているように見えるが、そうでない事は明らかだ。 そしてこの老人には強気で不敵なルーベンを押さえ付けるほどの凄みがあった。 思わずルーベンも呻るように声を漏らしてしまう。 マチルダ「さっきから大の男がヘソを曲げ、怒りに我を失いおって、挙句の果てにっ……!」 ルーベン「クッ…!」 マチルダ「額に『肉』などと…」 プフッ ルーベン「はぁっ…?」 えも言われぬ迫力を醸し出していたマチルダが不意に吹き出した。 意味が判らず怪訝な顔をするしかないルーベンに、アグィレイラがチョンチョンっと肩を小突く。 そして何故か持っていた手鏡をルーベンに渡した。 ルーベンが手鏡を覗きこむと、そこには信じられない物が映っていた。 自分の額にマジックで書かれた『肉』の文字。(当然彼には漢字が分からないが。) ルーベン「ああぁぁぁぁぁっ!!!!? ひ、額に落書きぃっ!?」 アグィレイラ「いやぁ、格好いいなルーベン。」
[868]アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/02/22(火) 11:08:14 ID:??? ルーベン「こ、これを書いたのは誰だ!!! アグィレイラ、テメェか!!?」 アグィレイラ「失敬な、ボクが来たのは今し方の話、そんな事出来るわけないだろう。」 ルーベン「ぐぎぎぎぎぎっ……! じゃ、じゃあ!! 犯人はテメェだなっ!!!」 そう言ってルーベンは一人の男を指差した。 A ルーベン「ヒノとか言ったな…! テメェだ、テメェしかいねえ!」 B ルーベン「さっきから人を小馬鹿にしてるテメェだろ、じじぃっ!!!」 C ルーベン「んな訳あるか!! こんな事するのはテメェだけだよ、アグィレイラ!!」 D ルーベン「犯人は……オレだ…。」 E ルーベン「…そうだ! 犯人はイスラスだ、イスラスしかいねぇ!!」 2票選ばれた選択肢で続行します。(投票はメル欄空白で宜しくお願い致します。)
[869]森崎名無しさん:2011/02/22(火) 12:30:12 ID:wDVA6c8U C シュートしたボールにスタンプでも仕込んでいたんだろう
[870]森崎名無しさん:2011/02/22(火) 12:35:55 ID:11A609Xo C
[871]アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/02/22(火) 16:54:50 ID:??? > C ルーベン「んな訳あるか!! こんな事するのはテメェだよ、アグィレイラ!!」 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ルーベン「んな訳あるか!! こんな事するのはテメェだよ!!」 そう言ってルーベンが指差したのは、やはり彼のよく知る幼馴染であった。 エンツォ・フランチェスコリ・アグィレイラ… 幼き日、ルーベンと共に2人でサッカーへ未来を馳せた男である。 彼等2人は良いコンビであった…将来の代表候補と期待されるほどに。 だが不幸な事に、アグィレイラはバカで変態だった。 ルーベン「人が寝たり気絶している間に落書きするのはテメェの得意技だろうが! 道端で拾ったセクシーコマンドーとかバカドリルとかいう本を鵜呑みにしやがって…!」 アグィレイラ「いやー、ボクの事をそこまで解ってくれているのはキミだけさ! 流石はルーベン、我が竹馬の髭友にしてライバルだね…ウォンチュッ!」 ビシッ ルーベン「やめろ気持ち悪い!!」 アグィレイラ「ハハハ、照れるなよ。 ところで残念だけどそれ書いたのはボクじゃないんだ。 その模様は漢字と言って日本で使われている文字だからね、ボクは書けない。」 ルーベン「な、なにっ!? 日本? ……てぇ事は………テメェかぁ!?」 火野「チッ、ばれたか。」 言葉とは裏腹に全然悔しそうな様子を見せず、火野は隠し持っていた油性マジックを取り出した。 人をふっ飛ばしといて尚且つ額に落書きするなんて、あまりに最低な奴だとルーベンは憤慨するが…
[872]アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/02/22(火) 16:55:52 ID:??? ルーベン「ぐぬぬぬぬぬ! 馬鹿にしやがって、最低野郎共…!!」 アグィレイラ「まあでも寝ている間に顔に落書きしたら面白いと教えたのはオレだけどね。」 火野「ま、共犯って奴だよ。 おっと怒るな、そいつはヒーローの証なんだぜ?」 ルーベン「あぁっ!? ヒーローだぁ!?」 アグィレイラ「そうそう、オレは教えて貰って知っているが、本当に日本のマンガのヒーローだぜ? “キン肉マン”って言うんだ、マジかっけぇーーーから!!」 格好良いヒーローの証と言われ、尚且つ持て囃された事でルーベンはなんとか怒りを萎めた。 色々と驚かされたが、アグィレイラが現れた時点でほとんどの疑念は取り払われたと同義。 アグィレイラのバカみたいな悪戯についても実は馴れた物であり、彼はほとんど諦めていた。 ここに到ってルーベンは観念を決め、目の前の(バカ)集団の話を聞く事にした。 火野「オレはリョーマ、リョーマ・ヒノだ。 一応言っておくが、列記としたウルグアイ人だぜ? 両親が共に日本人だから見た目はこんなだけどよ…魂は紛れもなくウルグアイの物だ。」 ルーベン「えぇえぇ、さいですかい。」 アグィレイラ「こいつはこの見た目のせいで苦労してるんだぜ。 ストライカーとしての実力はお前が さっき味わった通りだが、それにも関わらずナシオナル・モンテビデオでは干され放し だったんだぜ。 んで、仕方なくトライアウトでリーベルプレートに入団し、 ようやく陽の目を見る事が出来始めてたってわけさ。」
[873]アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/02/22(火) 16:57:46 ID:??? ルーベン「ふぅん…タブーの理由はそういう事ね。」 アグィレイラの説明から、ルーベンは火野が日本人と呼ばれて怒る理由を察した。 見た目だけの判断で中身を評価されなかったのだ、トラウマや鬱屈の原因としては上等である。 火野「…けど、それでもルベンスのバ監督はその後も徹底的に黙殺よ。」 ルーベン「ケッ、あのクズヤローのやりそうな事だぜ! あいつは移民やガウチョを差別するゴミ虫だからな…!」 アグィレイラ「まあオレ達がペニャロール(ウルグアイの名門チーム)を早々に見限ったのと 理由は同じって事だ。 ま、お前はウルグアイ自体を見限ったのかも知れないがね。」 ルーベン「………」 押し黙るルーベン…思いがけず彼は自らの過去を振り返る事になった。 力を求めた理由を、ウルグアイという国を見返してやりたいと思った原点を。 周囲が自分の実力を認めないなら力で屈服させるしかない、主従関係を教え込むしかない。 …その心が今日の彼の精神とプレイスタイルを作ったと言っても過言ではない。
[874]アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/02/22(火) 16:59:30 ID:??? こうして少しセンチメンタルな気持ちになっていたルーベンに対し、マチルダは告げる。 マチルダ「ま…お前さんがウルグアイという国に対して含むところがあるのは承知の上じゃ…。 ゆえに、貴様等にはウルグアイユースというチームをぶち壊してもらいたい。」 ルーベン「はっ!? 爺ぃテメェ、さっき自分でそのウルグアイユース監督っつっただろ? 自分のチームをわざわざ潰してどうしようってんだ?」 マチルダ「ふふふ…教えてやるわ、儂の描くRUX(リアルウルグアイファイブ)を!!」 ルーベン「はああぁぁぁ!!? なんっだそりゃあぁぁぁ!!!!」 火野「オレと」 アグィレイラ「ボクと、そしてお前と」 マチルダ「モンテビデオのサルバトーレ・ヴィエラ、グレミオのダ・シルバで5人。」 ルーベン「…オレも勘定済みかよ!!」 火野「いいねぇ、RUX…戦隊物みたいで燃えるじゃねえか。 言っとくがオレは赤の戦士だからな、ドラゴンレッド。 もう決めてんだ。」 ルーベン「なん…だと………?」 アグィレイラ「ヒノは日本人って侮蔑されるのは大嫌いだけど、日本のアニメや漫画は大好きなのさ。 そんで日本には戦隊物って言って、5色の戦士が力合わせて闘う特撮があるんだ。」 ルーベン「はぁ…パワーレンジャーみてぇなもんか?」
[875]アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/02/22(火) 17:00:47 ID:??? 火野「アメリカ産のパチ物と一緒にされるのはムカつくが、概ね間違っちゃいねえ。 一応言っておくがビクトリーノはパンサーブラックだからな、 最初は敵で後から仲間になる6人目の戦士ってわけよ…クゥ〜〜、燃えるねぇっ!」 ルーベン(バカだ…ホンマもんのバカだ。 こんな本物初めて見た、目を合わせちゃいけない。) アグィレイラ「ちなみにボクはイーグルホワイト。 純白な心を持ったボクにはピッタリじゃないか?」 ルーベン「頭からっぽって意味じゃお似合いだけどな…」 マチルダ「ま、そういう訳じゃ。 お前達には腑抜けきったウルグアイユースを一度潰してもらう。 そうして生まれる敵愾心、憎しみ、嫉妬、ぶつかり合い…そして徐々に育まれる友情。 それらを全て乗り越えたとき、新生ウルグアイユースが爆誕するわけじゃな。 さあルーベンよ、貴様の力を儂に貸せ! 当然」 ルーベン「わかった、やるわ。」 マチルダ「即答そうこなくてはな!」 火野「信じてたぜ、イエロー!」 アグィレイラ「違うよヒノ、ルーベンはピンクだって。」 ルーベン(こんなバカどもが好きにしたらウルグアイは世界の笑いものだ… しかも下手に実力があるから本気でバカを押し通しかねねぇ。 それに…ムカつくが、ウルグアイユースをオレ以外の奴が陵辱するのは我慢ならねぇ。)
[876]アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/02/22(火) 17:03:02 ID:??? こうして…ルーベンはマチルダの元に集うRUXの一員となった。 彼にとっては過去を払拭する新たな戦いの幕開けだった。 まずは悪の手先、現ウルグアイユースメンバーを陵辱するため… 頑張れルーベン、負けるなRUX、彼等の戦いは明日へと続く。 ルーベンの章……完
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0ch BBS 2007-01-24