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【甦れ】ファイアーモリブレム26【勇士たち】
[766]モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2011/02/23(水) 02:02:15 ID:??? 中山の卑屈に歪んだ笑顔が、狼狽する森崎へと向けられた。 メディウス「辛く、苦しいものだろう……心弱き人間よ……」 森崎「(これは幻…これはマルスの手…だけど……今俺の眼の前にいる中山の言葉は――!)」 森崎も自覚していた。この中山はメディウスたちが見せてきた幻。罠だ。 本物の中山は絶対にこんな相手の心を傷つけるようなことは言わないだろう。 彼は強い人間だ。自分の多大な不幸を試練なのだと解釈し、人知れず努力を重ねていくだろう。 だが、この幻の中山は間違いなく自分が産み出した存在だ。自分の行動、そして自分の選択によって 本来の彼とは大幅にカテゴリーが違ってしまった、運命を大きく狂わされた存在。 超モリサキという自分中心に考えることで良心の叱咤を無視する、ある意味都合の良い性格を失った今だからこそ。 これまでの反動が一気に帰ってくるかのように、森崎の心は謝罪の念に押しつぶされていく。 森崎「(今までの俺がしてきたことは…無かった事になんて出来ない。 そんな俺が今更仲間を大事にする生き方を選んだとしても…… もう後には引けない状況になっているんだ……もう……俺は……)」 もう自分は今更仲間思いの優しい選手には戻ることは許されない。 リセットの力があったとしても……既に『キャプテン森崎』という 自分の確固たる存在からは逃れることが出来ないのだから。 森崎「(…………)」
[767]モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2011/02/23(水) 02:03:51 ID:??? ☆どうしますか? A幻の恐怖に屈して手を振りほどく B自分の過ちを後悔し手を振りほどく C中山へ顔を向けられず手を振りほどく Dそれでもマルスの言葉を思い出し手を握り続ける Eその他(好きな言葉、台詞をお書きください) 2票集まった時点で確定です。メール欄を空白にしてIDを表示して投票してください。
[768]森崎名無しさん:2011/02/23(水) 02:05:34 ID:PCDQTQBo D 過去から逃げることだ…
[769]森崎名無しさん:2011/02/23(水) 02:06:57 ID:??? 768、「ここで手を離すのは」が抜けてて訳のわからんことに…すまんw
[770]森崎名無しさん:2011/02/23(水) 02:08:35 ID:8d2cPKU6 D 俺は森崎を、マルスを、中山さんを信じている…!
[771]モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2011/02/23(水) 03:20:46 ID:??? >Dそれでもマルスの言葉を思い出し手を握り続ける 森崎「(今更善人面であいつらのもとへと帰れるなんて都合のよいことなんてあるわけない。 きっと周りの連中は俺のことを奇異の目で見るだろう。 頭でも打ったんじゃないか?病院に連れていったほうがいいんじゃないか? そんなことを当たり前のようにしてくるだろう。そりゃそうだ。 俺は……俺が今までしてきたことは確かに『正しいこと』ではなかったから)」 だが、周囲に流されるように、自分のできることだけをするだけでは。 若林を、そして翼を出しぬき、自分がチームの中心に立つことなど絶対に無理だったのだ。 森崎には悪行を重ねる必要があったのだ。誰かを扱き下ろし、自分がのし上がるためには… 森崎「(だけど……俺だって自分が間違ったことをしてるんだってわかっていたんだ。 頭の中では……翼に任せよう、若林に従っておこう。そんな普通の案だって浮かんではいたんだ。 中山だけじゃない。俺を恨んでいる人間はきっと、もっと大勢いるだろう。 彼らに許してもらおうだなんて思ってはいない。俺のやってきたことを無かった事になんて出来ないから。 過去に遡ることなんて……やり直すことなんて……できっこないんだから……)」 徐々に右手の握力が抜けていく。日向曰く、心が弱くなった今の森崎では 親友からの恨みつらみ篭った言葉の攻撃には、とても耐えることなど出来なかったのだ。 だが、かろうじて自分の意志を保っていた森崎はマルスの言葉を思い出し右手に力を再び込める。 森崎「(あいつは俺の心の弱さが産み出した中山の幻… だから、俺が、俺自身が心を折らない限り……負けたりはしない!)」 森崎は激しく顔を歪め、必死に目の前の存在から顔を背け続ける。 この幻の障害が早く霧散してくれることを願いながら。 中山「だけど森崎。俺は一つだけお前に感謝したいことがある」
[772]モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2011/02/23(水) 03:21:51 ID:??? 森崎「…え?」 一点変わって穏やかな口調になった中山に驚き、森崎は顔を上げた。 中山「お前の様々な行動で、俺の人生は大きく狂った。 だけど……そのおかげで、俺は普通では絶対に見ることのできない風景を見ることができたんだ。 俺はもう一度あの頃の栄光を取り戻したい。一流の選手しか見ることの出来ない風景を見たいんだよ。 どうせ平凡な選手に終わるって言うのなら…例えリスクが大きくたって 何か大きなことを成し遂げたくなってくる。お前は、そう考えていたんだろう?」 森崎「…………」 中山「だから俺も……やってみるさ。お前のように。なりふり構わず。 すべてを蹴落としてでも……誰かを犠牲にしても……力を取り戻してみせるさ」 中山の口調は穏やかな風のようだった。だが、その表情は氷のように冷たいようだった。 森崎「俺のように…だと?」 中山「いつか……いつか、俺が以前のような力を取り戻したとき…… 俺と戦ってくれないか?森崎。平凡なレールから逸した凡人同士、さ。 いいか、忘れるなよ?約束だからな森崎。俺の……一番の……」 ト・モ・ダ・チ
[773]モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2011/02/23(水) 03:23:10 ID:??? メディウス「(…なるほど。これだけ精神に揺さぶりをかけても耐えてみせるか。 しかし、お前が耐えられたのはこれが幻という先入観があったからこそ。 もしも実際に同じ状況に立たされたとき……はたして今のように 確固たる自分の意志を貫き通すことができようか…? 人間よ。誰かを裏切り、奪い、のし上がることでしか生きることの出来ない愚かなる存在よ。 お前の今の選択を……よく覚えておくがよい。ククク……フハハハハハッ…!)」 バシュンッ!! 森崎「……はっ!?」 何かが弾けるような音が鳴り響く。どうやら自分はあの幻惑を耐え切ったようだ。 ほっと胸を撫で下ろし辺りを見渡す。だがそこに残っていたのは 右手を握っていたマルスと、マルスの右手を握っていたシーダだけであった。 森崎「なにィ!み、みんながいないぞ!?」 シーダ「そんな……一体どうして?」 マルス「僕たちはメディウスに幻を見せられていたんだ。 ミネルバ王女やミディア将軍、そしてアベルたちは 逃げるように僕達から離れていった……くそっ!メディウスめ!」 まんまとドルーア軍の思惑通りになってしまった。 戦力を分散されたアカネイア同盟軍は、他の部隊との連絡手段も断たれてしまい それぞれが孤立するという苦しい状況から戦闘を開始しなければならなくなってしまったのだ。 マルス「これが……メディウスの力だというのか? 人の心を…我が物のように操り、蝕んでいく力…!」
[774]モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2011/02/23(水) 03:24:19 ID:??? シーダ「玉座までの道のりはそれほど遠くは無いはずだけれど… 私たち3人では、きっといつもの力を発揮できないわ……」 森崎「(くそう……嫌なものを見させてくれやがって。メディウスめ…)」 ???「ふむ…なかなか苦戦しておるようじゃな、森崎よ」 森崎「な!?」 いきなり背後から話しかけられ、慌てて後ろを振り向く森崎。 そこに立っていたのはマケドニアにて世話になった大賢者ガトーであった。 マルス「あっ、ガトー様!どうしてここへ?」 ガトー「勇敢なる戦士たちよ。よくぞここまで頑張った。お前たちこそ真の勇者と言えよう。 安心せい。お前たちの仲間たちもメディウスの幻惑を完全に打ち破れなかったとは言え 本当に心から信頼している者同士の絆はしっかりと保てていた。 ミネルバ、パオラ、バーツ、マリアは西の門に、ミディア、オグマ、ジュリアン、レナは北の門に。 そしてアベル、カシム、カチュア、マリクは東の門からそれぞれ メディウスの待つ玉座へと向かっているはずじゃ」 シーダ「本当ですか!?それじゃあみんなは今のところは無事なんですね?」 ガトー「うむ。しかし中々驚いたぞ。あのメディウスの幻術に心を折られること無く しっかりと戦う意志を保つことができようとは…」 森崎「(はたして耐え切ったと言えるんだろうか…?少なくとも、俺は少しは同様しちまったな…)」 苦々しく翼や中山のことを思い出す森崎を見て、ガトーはどこか神妙な面持ちで語りだした。
[775]モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2011/02/23(水) 03:25:56 ID:??? ガトー「わしは遥か昔愚かな人間たちに愛想を尽かし、この世との関わりを絶った。 だが、お前たちを見ているうちに人間もまだ捨てたものではないと思うようになってのう。 …微力ながらここからはわしも手を貸そう。さあ、まいるがよい! 神によって選ばれしアリティアの光の王子よ。 地の底から蘇った暗黒地竜メディウスを、再び闇の中へと封ずるのだ!」 どうやらガトーが直々にマルス達の仲間になってくれるらしい。 俗世との関わりを絶ち、生ける伝説となったアカネイア大陸の魔道の創立者。 彼の魔道の力は、きっとドルーアの兵士たちの妨害を乗り越える助けとなってくれるだろう。 マルス「…よし!これより我らアカネイア軍は四方向から同時にドルーア城を攻略していく! 森崎、今回の指揮は僕に任せてもらっても構わないかい?」 森崎「ああ、構わないぜ。タリスでの情けない戦い方からどれだけ変わったのか、お手並み拝見と行こうじゃないか」 マルス「ありがとう。それじゃあまずは移動しようか。警備の兵たちになるべく気取られないように玉座を目指そう」 シュタタタタタタ…… 城の中を素早く駆けていくマルス達。そんな中、シーダは強い決意を秘めた瞳をマルスに向け口を開く。 シーダ「マルス様。私、マルス様とここまで戦えて本当に嬉しいと思っているの…」 マルス「シーダ……僕の方こそ、どれだけの力を君から受け取ってきたか…」 最終決戦の場だからこそ、熱く燃え上がっている二人を、後方から生暖かい視線で森崎とガトーは見守っていた。 森崎「あーあー。こっちまで火移りしそうだぜ。 でもまあ確かにシーダ姫がいればこそだよな。マルスの強さってのは」
[776]モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2011/02/23(水) 03:27:12 ID:??? ガトー「誰かを思い、守ろうとする力…か。確かに強い人の感情は時に大きな力を呼び起こすものじゃ。 今でこそ魔力を触媒に精霊を呼び出す形をとっている魔法も、はるか昔は 感情を様々な現象へと変換し、力を行使するという形をとっていたのじゃ」 森崎「ふーん。魔法のことはよくわからんけど… 相手に勝ちたい、負けたくないって強く思うだけでも確かに力が湧いてくるような気もするな」 ガトー「それじゃよ。単純じゃが、その感情のエネルギーこそ魔法本来の形なのじゃ。 誰かを信じ、己の心を託すこと。その穏やかな流れが人に益を与える良き魔法を生み出すのじゃ。 最も…時が進むにつれ、利便性を求めるあまり、人は感情の流れを操ることを忘れてしまったのじゃがな… そういえば…お主にはマルスに対するシーダ姫のような… 命を賭してでも守ってゆきたい存在などはあるのかのう?」 森崎「んな!?こ、こんなときにい、いきなり何を言い出すんだよガトー司祭!」 ガトー「先ほど自分でも言ったじゃろう。今のマルスの力の大半はシーダ姫を守ろうとする強い意志。 そういった強い意思や感情は強い力を生み出す魔法を引き起こすのじゃよ。 相性のよい者同士が連なることで普段以上の力を発揮する… 今でこそ当たり前のような現象じゃが、元を正せば古代の魔法による力なのじゃ。 お主はもっと強くなりたいのじゃろう?ほれほれ、誰か気になっておる人はおらんのか?」 森崎「(うぐぐ……大賢者だかなんだか知らんが図々しい質問をしてきやがって……)」 ずかずかと秘めたる心の領域に乗り込んでくるガトーの態度に対して森崎は…
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0ch BBS 2007-01-24