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【侵食された】キャプテンEDIT24【現実パート】
[644]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2011/02/19(土) 03:13:13 ID:??? 思い出すだけで、嫌になる記憶だった。 武蔵のオフサイドトラップは、三杉がいてこそ万全に機能するような不完全なものだったが、ターゲットが一人なら話は別。 大前に放り込むのが基本だったチームは、風車に挑むドンキホーテのように放り込みを続け、 小さいとはいえ穴があったはずの相手に大敗した。 大前「まあ、そんな訳で俺の小学校時代のサッカーは終わったわけだけどさ……本当に良くなかったのはそれからだよ」 なまじ、武蔵が強かったのがいけなかったのだろう。 大前はその後も、自分が自分がという押し出しを隠しもしなかった。 あれは相手が悪かった。違う年に生まれていたら、自分も全国に行けた。自分は強い。 そんなことを、小さなチームで負う様だったことを根拠に信じ続けた。 大前(ホント、どこの金成かってレベルだよ。いや、アイツはちゃんと実力があった分マシか。じゃあ完璧に落田と同類、かな) 思わず自分で自分を笑ってしまう。 大前「で、そのまま負けたのは運とか監督とか仲間の所為にして、そのまま鳴紋に来たって訳。 それで、入学式の日にその足でサッカー部の練習を見に行って……今度こそ気付かされた。 ああ、俺って実は大したことの無いヤツだったんだな、って」 菱野「あ……」 大前「ちょっと小豆沢さんや早瀬さんたちの練習を見ただけで、すっかり自信を失くしちゃってさ。 サッカー、もうやめようかな、なんて考えたりもした。 まあ、そこを通りがかった雪村に引っ張られて乱入騒ぎなんかを起こしちゃったりして。 気が付いたら、泣きそうになってるところを小豆沢さんに誘われて、やっぱりサッカー部に入る、なんてことになっていた。 いや、実際泣いちゃってたかも……」 などとおどけながら言ってみる。そうでもしていないと、この場から走って逃げ出してしまいたくなる。
[645]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2011/02/19(土) 03:14:15 ID:??? 大前「あの時、結構学校で話題になったから、菱野さんも知ってるかもね、乱入騒ぎのこと。……事の真相は実はこうでしたってわけ」 菱野「はい……知って、います」 大前「……それでも、やっぱり三つ子の魂百まで、ってヤツかな。 中学のレベルに慣れて、そこそこ出来るようになったら、また調子に乗っちゃってさ。 あの時の練習試合みたいなことをやらかしちゃった」 当時は六波羅が率いていた氷潤中との練習試合。 自分のスタイルを忘れてスタンドプレイに走った挙句、先輩の忠告を無視してチームのほとんどからそっぽを向かれたのだった。 親友の雪村との間にも亀裂を生んだ中で向けられた、小豆沢の容認と、比良山や早瀬、長池らの助力。 それが無ければ、チームでの立場は完全に取り戻せなかっただろう。 そして、落ち込んでいた大前を菱野が立ち直らせてくれなければ、足掻くことさえ諦めていたかもしれない。 大前「……ははっ、あの時は本当、菱野さんに助けて貰わなきゃ駄目になってたかも。……今更だけど、ありがとう」 菱野「いえ、わ、私の方こそ――」 大前「え?」 菱野「――あ。な、なんでもないです」 大前の反駁に、菱野は出しかかっていた言葉を引っ込めた。 それが気になりはするが……とりあえず、大前が今の段階で話せることはここまでである。 大前「まあ、俺の昔話はこんなところ、かな……な、なんか格好悪いところばかりで面白くなかったでしょ?」 こんな自分でも唾棄したくなる過去を話して、気分を害してはいないか。 そんな焦燥を無理やりに押し殺して聞いてみた。
[646]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2011/02/19(土) 03:15:37 ID:??? 菱野「い、いえ! 面白い、などと言えば失礼であるかもしれませんけど……お聞き出来て良かったです」 大前「そ、そうかな?」 菱野「はい。……私が想像していたのとは違いますけど、それでもいいお話だったと思います」 大前「え?」 菱野「だって大前さん……自分でもよくないと思っている過去と、ちゃんと向き合っていられるじゃないですか。 そして、それを糧にして大きく成長されてもいます。それってとても素敵なことではないでしょうか?」 菱野からの、思いもよらない言葉に、大前は胸が詰まる。 過去の汚点では無く、現在に至った成長。それをこそ菱野は讃えてくれている。 大前「成長、か……」 菱野「ええ。大前さん、一年生の頃に比べて、見違えるほど強く御成りになっています。 それは私……と監督が一番良く知っていますわ。何しろ、サッカー部の皆さんのデータは、こちらの領分ですから。 本当に、凄い勢いで成長していますよ? このままで行けば、きっと来年こそ日本一の選手になれるくらいに」
[647]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2011/02/19(土) 03:16:44 ID:??? 大前「う、うん。日本一の選手、か。そうだよな、そうならなきゃ駄目なんだよな。南葛に勝つには」 菱野「勝てますよ、来年の大前さんなら……びっくりするくらい強い今より、もっと強くなった大前さんなら!」 大前「……そう言われると、何だか自信が湧いてくるよ。 ふふっ、なんかおかしいな。俺、菱野さんと昔話していたはずなのに、いつの間にか励まされちゃってるなあ」 菱野「あ。そ、それは失礼いたしました。えぇと、そんな差し出がましいことを――」 大前「ああ、いや。別に嫌とかじゃなくてだね――」 過去を語り、今を語り、未来を語る。 そんな、ある意味では年相応の話題で盛り上がる二人。 それに対して、カウンターで煙草の紫煙をくゆらせる店主はそっと嘯く。 マスター「……ホットカルピス一杯で、どれだけ粘る気だ」 ※ デートに誘ったことと、正直に過去を語ったことで、菱野の好感度が大きく上がりました ※
[648]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2011/02/19(土) 03:18:00 ID:WSps1ABY 〜その後〜 大前「……結局、マスターにせっつかれて店を出ちゃったな」 菱野「ううっ……すみません、私の分のお代まで払って頂いて――」 大前「いや、いいんだよ。ちょっと年に合わない雰囲気の店に連れて来ちゃったのは俺だし。まあ、迷惑料ってことで」 暖房の効いた喫茶店から11月の寒空の下に逆戻りした二人は、互いに詫び合いながらも岐路に着く。 ……今回誘った名目の喫茶店行きは、これでおしまい。 互いにこれ以上時間を共にする理由は無い。 だけど―― 大前(このまま帰っても、いいんだろうか……) 菱野(あと、もう少しだけ……) 先着2名様で以下の文の『!』の後のスペースを消してカードを引いてください。 ★初めてのデートなので→ !card=★ ★効果が出る確率は低めに→ !card=★ カードの数値・絵柄で結果が変化します 絵柄がダイヤで一致 → 二人の間に、いわく言い難い雰囲気が流れ始め……? それ以外 → もやっとした気持ちを抱えつつ、今日はお別れ どちらかがJOKER・ダイヤのK → 自動的にダイヤで一致の結果に 完全一致……だと? → ダイヤで一致の結果+??? JOKER、ダイヤのKで一致だと……?
[649]森崎名無しさん:2011/02/19(土) 03:18:59 ID:??? ★初めてのデートなので→ ハート5 =★
[650]森崎名無しさん:2011/02/19(土) 03:19:11 ID:??? ★効果が出る確率は低めに→ スペード9 =★
[651]森崎名無しさん:2011/02/19(土) 03:27:48 ID:??? いいなぁこの二人、見ていてなんかほっこりする。 人気投票の結果も納得ですね。 ところで人気投票で上位に食い込んだキャラにボーナスとかは考えたりしているのでしょうか? 大前だったら幻想ポイント上がったり、菱野だったら少し料理が上手になったりとか
[652]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2011/02/19(土) 04:32:19 ID:??? >>651 ありがとうございます。書いてる時は「これ臭すぎないかな」とか不安に思っていましたが、そう言って頂けると幸いです 人気投票結果のボーナスは、今のところ考えておりません ただでさえバランス取りに失敗してしょっちゅうルール改訂のあるスレなので、あまりゲームに関わる不確定な要素は入れられないのです 駄目なGMですみませんorz ★初めてのデートなので→ ハート5 =★ ★効果が出る確率は低めに→ スペード9 =★ それ以外 → もやっとした気持ちを抱えつつ、今日はお別れ --------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 大前「(無理に引き止めるのも悪いかな……)じゃ、じゃあ今日はこの辺で! その……色々恥ずかしい話もしちゃったけど、楽しかったよ」 菱野「は、はい……っ。わ、私こそ、その、ご迷惑を掛けちゃいましたけど、楽しかったです!」 名残惜しさと心中で互いを思い合う渇望を押し隠して、二人は別々の方向へ。 大前「それじゃあ――」 菱野「――はい。また学校で」 挨拶を交わし合ってふりむき、一歩、また一歩と遠ざかっていく。 いつの日か、今日とは真逆にこの距離を詰めていけるのだろうか。 それはまだ、二人には分からないことである。 ※ 菱野との初デートを終えました。デートの経験を積んだことで、次回の関係変化イベント発生率が上がりました ※
[653]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2011/02/19(土) 04:33:56 ID:??? 一方その頃。遠く距離を隔てたある場所にも、同じ空間を共有する少年少女があった。 しかしこちらの方は、親密とはあまり言い難い雰囲気だったが。 三杉「うぅん、分からないな。全国大会からこっち、暇を見ては調べているけど……あの大前という男の事が今ひとつ分からないな」 デスクに向かい合い、雑誌、新聞etc.を繰りながらそう独語するのは、件の男・三杉淳。 ここしばらく心臓の治療に専念しピッチに立つことが出来ないままであるが、サッカーへの情熱は衰えを知らない。 家の窮状で前ほど広範にとは行かないが、サッカーに関する知識・情報を集めることに余念は無かった。 だが、その彼をしても、大前の過去は突き止められない。 三杉「彼は来年も間違いなく全国に上がってくる選手だ。入念にチェックしておかなければならない。 それなのに、どうしてこうも過去のデータを得られないんだ?」 弥生「キャプ――じゃなかった、三杉くん。こっちにも目立った情報は無いです」 そう言って、三杉よりは遅い速度で調べ物をしていた手を止めて言うのは、武蔵中サッカー部マネージャーの青葉弥生。 休日も甲斐甲斐しくその手伝いを申し出て三杉の部屋に来ている弥生だが、それに対する三杉の態度はすげないにも程があった。 三杉「……確かに、僕は夏に『昔の癖でキャプテンと呼ぶな』と言った。 けどね、こうして正式にキャプテンになった後も名前で呼ぶのはどういう心境かな? もしかして、僕は武蔵中のキャプテンに相応しくない、と思っているんじゃなかろうね?」 弥生「そ、そんなことは無いですよー!?(うう、一度付いた癖って、そうそう消えるものじゃないわよぅ……)」 辛辣にして粗略な態度にも、強く反抗できない弥生。 三杉「まったく……本当にどうしようもないな、この調査も君も」 弥生(き、君も!?)
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0ch BBS 2007-01-24