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【読み合い競り合い】Another-C_3【騙しあい】
[983]アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/04/04(月) 19:28:16 ID:??? タイムの叫ぶ声に、皆慌てて彼が指を指した方を見た。 スポット的にライトアップされた鐘楼の側に映った者は… 自分達と同じくらいの子供が遥か高く、空中で逆さまになり…落下していく様であった。 バジリコ「子供が頭から落ちた! 誰かに突き落とされたんだ!」 セージ「ウワアアアアア!!!」 タイム「なんまんだぶなんまんだぶ…じゃない、ジーザス! OMG!」 バジリコの叫びを皮切りに、皆パニックになって走り出す。 しかしジョバンニは動かなかった。 落下したと皆が思ったその子供が、空中で体勢を切り替えて猫のように着地するという… その信じ難い光景を、普段から暗い環境に慣れていたバンビーノの目は確(しっか)り捉えていたのだ。 ジョバンニ「みんな違うよ。 あの子はちゃんと立ってる、ホラ見t……」 バジリコ「に、逃げるぞ!」 セージ「あんな高さから落ちて立ってる筈あるか! どけバンビーノ!!!」 タイム「幽霊だあぁぁぁぁぁ!」 ジョバンニは見たままの事実を皆に伝えた筈だったが、これが逆に混乱を呼ぶ。 即ち幽霊の噂をこの3人に思い起こさせてしまったというわけだ。 散り散りに走り去っていく彼らの後姿をジョバンニは呆然と見送った。
[984]アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/04/04(月) 19:29:19 ID:??? ジョバンニ「……」 スタ…スタ… ジョバンニ(足音……!) 騒音が止んで静寂が戻ると、後方から足音が聞こえてきた。 自分が既に1人だと今更気付き、急に不安が押し寄せてきた。 こうなると冷静だった自分の判断が間違いで、やはり幽霊を見たのではという思いが支配的になる。 彼等と一緒に逃げ去るべきだったんじゃ…と、下手に落ち着いてた自身の不覚を今更になって呪った。 ジョバンニ(ううう……) 走って逃げようにももう遅い、身体が硬直して動かなくなっていた。 足音がいよいよ真後ろまで近付いて来て、緊張の極限にあったジョバンニの耳には意外な言葉が届いた。 ???「幽霊って…もしかしてボクのこと?」 ジョバンニ「うわぁ…って、え?」 幽霊のくせに緊張感がないと頭の中で批判しつつ、ジョバンニはようやく身体が動いて振り向いた。 そこに立っていたのはサッカーボールを腕に抱いた少年… ブロンドとブラウンの中間色のような髪を少し長めにフワリとさせた姿は幽霊どころか天使を思わせた。
[985]アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/04/04(月) 19:30:29 ID:??? ???「ねえ、聞いてた?」 ジョバンニ「えっ、ああ…えーと。」 A 幽霊というより…もしかしてキミ、天使? B あ、あんな高い所から落ちて平気なの? C さっきから聞こえていた音はそのボールを蹴る音だったのかー。 D いやいや、それよりもこんな夜中にキミは一体何を? E 祓いたまえ清めたまえ天にまします我等が神よ… F ボ、ボクの名前はジョバンニだ! 名乗ったんだからキミも名を名乗れ! 2票選ばれた選択肢で続行します。(投票はメル欄空白で宜しくお願い致します。)
[986]森崎名無しさん:2011/04/04(月) 19:31:57 ID:qepEM6G2 E
[987]森崎名無しさん:2011/04/04(月) 19:36:13 ID:dvVMSMSI B
[988]森崎名無しさん:2011/04/04(月) 20:01:46 ID:e0hO0bD6 F
[989]森崎名無しさん:2011/04/04(月) 20:39:51 ID:PT8UAjMU F スレタイ採用ありがとうございます
[990]アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/04/05(火) 18:10:47 ID:??? >>989 素晴らしいスレタイありがとうございました、心の中で唸りましたw ============================================= > F ボ、ボクの名前はジョバンニだ。 名乗ったんだからキミも名を名乗れ! ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― こういう時に弱みを見せてはいけない、ジョバンニはその事を知っていた。 彼は精一杯の虚勢を張り、強気を見せるように相手へ言い放った。 ジョバンニ「ボ、ボクの名前はジョバンニだ。 名乗ったんだからキミも名を名乗れ!」 ???「え……?」 …すると、相手の少年はキョトンとし…それはじきに怪訝そうな目つきへと変わった。 何か不味い事を言ってしまったのかとジョバンニはこの反応に内心戸惑う。 ジョバンニ(いきなり名前言ったのは迂闊だったかなぁ…まさか住所の特定はされないよね… と言うか…この子の質問って何だったっけ!? 全然的外れで怒らせたかも…!) 頭がパンクしそうなくらいに混乱していたが、ジョバンニは何とかそれを表に出さずにいた。 見当外れの応えに、もしかして怒らせたのではないかと徐々に不安が増していくなか… 相手が遂に再び口を開き、ジョバンニを驚愕へと叩き込んだ。
[991]アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/04/05(火) 18:14:14 ID:??? ???「名前、バンビーノじゃないの? さっき他の子に言われてたでしょ。」 ジョバンニ「(怪訝な目つきは)そっちかーい!! って言うかバンビーノ違う、ジョバンニ!」 ???「そうなの? でもバンビーノの方がジョバンニなんかより良い名前じゃないか。」 ジョバンニ「なんでさ!? バンビーノって『おこちゃま』って事だよ!?」 ???「ふぅん、そうなんだ…ボクはあまりイタリア語の事は解らないから。 でもやっぱりバンビーノが良いよ、なんだかスゴく安心する素敵な名前だ。」 ジョバンニ「えっ……(な、なんだコイツ。 って言うか…)」 ジョバンニはいつのまにか目の前の少年と平気で会話をしていた事に気づいて驚いた。 さっきまでは相手は幽霊かもしれないと、ドキドキしていたのがバカバカしく思えるくらい普通に。 気が抜けると、ジョバンニは先程の少年の質問を思い出した。 (???「幽霊って…もしかしてボクのこと?) 話してみると、そんな気は全然しなかった。 気を悪くするような事を言ってしまったとジョバンニ反省し、相手に謝ろうと思った。
[992]アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/04/05(火) 18:15:54 ID:??? ジョバンニ「えっと…ごめんね、この辺りに夜な夜な幽霊が出るって噂があって、 それでてっきりキミがその幽霊じゃないかって勘違いしたんだ。」 ???「そうだったんだ。 でも別に謝らなくてもいいよ…」 似たようなものだから…と相手が呟いたように聞こえてジョバンニはまたドキリとした。 空耳だと思いたくて、ジョバンニは強引に話題を変える事にした。 ジョバンニ「と、ところで……そうだ、キミの名前は? ボクは名乗ったんだから教えよ。」 ???「ボクの名前? うん…えっと……アルシオン。」 ジョバンニ「アルシオンだって!?」 随分格好良い名前だな…とジョバンニは内心嫉妬を覚えていた。 アルシオン「うん、アルシオンだよ。 …宜しくね、バンビーノ。」 ジョバンニ「宜しく。 …て、バンビーノじゃない!」 アルシオン「ハハ、バンビーノだよ。 バンビーノがイイ!」
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0ch BBS 2007-01-24