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【読み合い競り合い】Another-C_3【騙しあい】
[990]アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/04/05(火) 18:10:47 ID:??? >>989 素晴らしいスレタイありがとうございました、心の中で唸りましたw ============================================= > F ボ、ボクの名前はジョバンニだ。 名乗ったんだからキミも名を名乗れ! ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― こういう時に弱みを見せてはいけない、ジョバンニはその事を知っていた。 彼は精一杯の虚勢を張り、強気を見せるように相手へ言い放った。 ジョバンニ「ボ、ボクの名前はジョバンニだ。 名乗ったんだからキミも名を名乗れ!」 ???「え……?」 …すると、相手の少年はキョトンとし…それはじきに怪訝そうな目つきへと変わった。 何か不味い事を言ってしまったのかとジョバンニはこの反応に内心戸惑う。 ジョバンニ(いきなり名前言ったのは迂闊だったかなぁ…まさか住所の特定はされないよね… と言うか…この子の質問って何だったっけ!? 全然的外れで怒らせたかも…!) 頭がパンクしそうなくらいに混乱していたが、ジョバンニは何とかそれを表に出さずにいた。 見当外れの応えに、もしかして怒らせたのではないかと徐々に不安が増していくなか… 相手が遂に再び口を開き、ジョバンニを驚愕へと叩き込んだ。
[991]アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/04/05(火) 18:14:14 ID:??? ???「名前、バンビーノじゃないの? さっき他の子に言われてたでしょ。」 ジョバンニ「(怪訝な目つきは)そっちかーい!! って言うかバンビーノ違う、ジョバンニ!」 ???「そうなの? でもバンビーノの方がジョバンニなんかより良い名前じゃないか。」 ジョバンニ「なんでさ!? バンビーノって『おこちゃま』って事だよ!?」 ???「ふぅん、そうなんだ…ボクはあまりイタリア語の事は解らないから。 でもやっぱりバンビーノが良いよ、なんだかスゴく安心する素敵な名前だ。」 ジョバンニ「えっ……(な、なんだコイツ。 って言うか…)」 ジョバンニはいつのまにか目の前の少年と平気で会話をしていた事に気づいて驚いた。 さっきまでは相手は幽霊かもしれないと、ドキドキしていたのがバカバカしく思えるくらい普通に。 気が抜けると、ジョバンニは先程の少年の質問を思い出した。 (???「幽霊って…もしかしてボクのこと?) 話してみると、そんな気は全然しなかった。 気を悪くするような事を言ってしまったとジョバンニ反省し、相手に謝ろうと思った。
[992]アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/04/05(火) 18:15:54 ID:??? ジョバンニ「えっと…ごめんね、この辺りに夜な夜な幽霊が出るって噂があって、 それでてっきりキミがその幽霊じゃないかって勘違いしたんだ。」 ???「そうだったんだ。 でも別に謝らなくてもいいよ…」 似たようなものだから…と相手が呟いたように聞こえてジョバンニはまたドキリとした。 空耳だと思いたくて、ジョバンニは強引に話題を変える事にした。 ジョバンニ「と、ところで……そうだ、キミの名前は? ボクは名乗ったんだから教えよ。」 ???「ボクの名前? うん…えっと……アルシオン。」 ジョバンニ「アルシオンだって!?」 随分格好良い名前だな…とジョバンニは内心嫉妬を覚えていた。 アルシオン「うん、アルシオンだよ。 …宜しくね、バンビーノ。」 ジョバンニ「宜しく。 …て、バンビーノじゃない!」 アルシオン「ハハ、バンビーノだよ。 バンビーノがイイ!」
[993]アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/04/05(火) 18:20:02 ID:??? 冬の夜空に満天の星が輝く下で、2人は誰にも邪魔されずやかましく騒いでいた。 まるでずっと前から友達だったみたいに、2人は気を許しあっていた。 それは本当の孤独を知る者同士、何かを感じあったからなのかも知れない。 こうしてボク達は出会った。 これはボク…ジョバンニがバンビーノになるまでの話。 アルという不思議な少年との出会いによって、サッカーボールと友達になるまでの話なんだ。 2-3)バンビーノとアル ※一旦ここまで
[994]アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/04/10(日) 17:29:30 ID:??? 遅くなりましたが続きを… ************ 2-4)流れ星 それからの数日間、暫くジョバンニはアルシオンと名乗った少年とボールを蹴りながら交流を深めた。 毎晩の深夜に抜けだす事は子供のジョバンニにとっても難しいので… 朝、教会で簡単な仕事(お手伝い)があるジョバンニは、早朝 日が昇る前に起き出して アルシオンと約束のように交流する日々を送っていたのである。 そしてジョバンニはある理由から、このアルシオンに対しては学校の友達とは違って心を開いていた。 ジョバンニはアルシオンのボール捌きのあまりの巧みさに舌を巻く事になったが… アルシオンの方もジョバンニのボールの扱い、コントロールの巧みさに感心を見せていた。 何故これほど巧いのか…ジョバンニには何となく想像がついていた。 あの夜、鐘楼ほどの高さから『飛び降りて』空中で体勢を立て直して着地する様からも、 ジョバンニはアルシオンの境遇と言うものに確信を持っていた。 ジョバンニ(恐らくキミも以前のボクと同じ境遇なんだろうね。 もっと小さいボールでジャグリングとかしてたんだろう?) ブランクはあるものの、ジョバンニは自分の経験からサッカーボールくらい大きな球の扱いはお手の物だった 当然アルシオンも似たような環境ではないかと思いこみ、勝手に仲間意識を持つに至ったのだ。 だがジョバンニにとってもあまり思い出したくない過去であり… その事をわざわざ口に出すのは何となく憚(はばか)られ、心の中でだけ相手に問いかけた。 その相手であるアルシオンはと言えば…本当に楽しそうにボールを蹴っていた。 心底楽しそうに…と云うところがジョバンニとは異なる点と言えばそうと言えた。
[995]アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/04/10(日) 17:31:12 ID:??? ジョバンニ「アル。」 ジョバンニはアルシオンの事をアルという愛称で呼ぶ事にしていた。 アルシオンもジョバンニをバンビーノという愛称で呼ぶ事を頑固に譲らない為…というのは表向き。 その本心はと言えば… ジョバンニ(アルシオンだなんて格好良すぎるよ。 ボクがバンビーノじゃあバランスが取れない。 だからアルシオンの事はアルでいい、アルがいいんだ。) この様な子供っぽい理由からなのであった。 ジョバンニはこの夜明け前の交流のお陰で、球の扱いについては以前の勘を取り戻していたが… それでもこのアルシオンのボール捌きはジョバンニのそれに比べて一段も二段も上であった。 まるで底なし沼のように技術の引き出しが深い事に、ジョバンニは不思議に思うようになっていた。 そんなある日…とうとうジョバンニは我慢できなくなり、アルシオンに尋ねてみる事にした。 いつもの通り二人でボールを蹴り合いながら…。 ジョバンニ「アルってさ…昼間はどうしているんだい?」 アルシオン「昼間……? 寝ているか、教会の屋根裏でサッカーボールと遊んでいるか…かな?」 ジョバンニ「そうなのか……(やっぱり人買いに芸人一座へ売られたりして…逃げてきたんだろうな…) でも、それじゃあいつまでそうしているんだい? こうしてたってきっと何も変わらないよ。」
[996]アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/04/10(日) 17:32:14 ID:??? アルシオン「うーん、でもジョアンさんにここで待てと言われてるからね…。」 ジョバンニ「ジョアンさん……?(もしかしてそいつが人買いか!?)」 アルシオン「そう、ジョアンさんは凄いんだ。 ボクに沢山サッカーを教えてくれて… いつか太陽の下で皆と試合出来るようにって約束してくれたんだよ?」 ジョバンニ「サッカー……え、芸とかじゃなくって? ほら、ジャグリングとか…」 アルシオン「芸…? 芸ってなんのこと? ボクはサッカーしか知らないけど…」 『芸』という言葉へのこの反応にジョバンニは少なからず驚いた。 アルシオンは自分と同じ…親がおらず、人買いの手で芸人の一座に売られたりした経験などは無かった。 そこから逃げ出して、色々な苦節の紆余を経てこのクレモナに流れ着いたわけでは無かったのだ。 ジョバンニ「(意外だ…けど、ボクが勝手に勘違いしてただけか…。 でもそれじゃあ!?) あのさ、初めて会った時…凄い高さから飛び降りてたじゃない? あれって…」 アルシオン「飛び降りる…? あぁ、もしかして! バンビーノ、ボールを高く上げてくれない? センタリングを上げるつもりで…高すぎるくらいでいいんだ。」 頭を傾げるジョバンニの言葉に、アルシオンも少々ピンと来ていない様子であったが… やがてハッと思い当たる事があったのか、ジョバンニに手伝いをお願いする指示を出した。 ジョバンニは何をするつもりなのか、怪訝に思いながら言われた通りにボールを蹴った。
[997]アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/04/10(日) 17:33:18 ID:??? ポーーーーーーン… 街灯だけの小さな光の中、ボールは高く…あの日のように教会の鐘楼ほどの高さまで蹴り上げられた。 それを確認すると、ジョバンニは視線をアルシオンの元に戻し、何をするつもりなのか問おうとする。 だが直後、彼は彼の常識では信じられないものを目にする事となった。 ジョバンニ「アル、一体なにを……………」 絶句、それしかなかった。 アルシオンは地上から教会の鐘楼…小さい教会と言っても4〜5mはあろうかという 高さのボールに向かって跳び上がった。 しかも彼の跳躍はそのボールへ十分達している。 バシュッ!! 彼はボールをオーバーヘッドの形で蹴り落とした。 それは凄まじいスピードと重さを伴なって地表へと叩きつけられ、ジョバンニの腰を抜かせた。 しかもアルシオンは見事に着地まで決めて「どんなもんだい」と言わんばかりにこちらに笑いかけてきた。 アルシオン「見た、バンビーノ!? すっごいだろー!」 ジョバンニ「す…すごいって言うか……な、なんなの? キミって一体…… い、今のこれも、そのジョアンさんって人がアルに教えて…?」 あまりの出来事にジョバンニは口を震わせ、ギリギリで言葉を返すが… それをさせているアルシオンは何食わぬ顔で笑顔のまま答えてくるのだ。
[998]アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/04/10(日) 17:42:26 ID:??? アルシオン「ううん、これはジョアンさんが教えてくれたんじゃないよ。」 バンビーノ「じゃ、じゃあ最初からこんな滅茶苦茶な事が出来たの…?」 アルシオン「最初からって言うか…… あれ…、いつから出来たんだっけ…」 アルシオンは笑顔を失い、自分自身に疑問を投げかけた。 それは演技ではなく、本当の疑問である事がその表情から判伝わってくる。 ジョバンニ(もしかして自分が何者なのかも判らないの…? アル、キミは……) 彼は自分が何者なのか、何故こんな事が出来るのかをどうやら判っていなかった。 ジョバンニは、彼がつい半年ほど前から記憶のほとんどを失っている事を知らない。 そしてジョバンニのこの問いかけはアルシオンに対して自分の中の記憶の断面を… ポチャン…と記憶の泉に投石され、それによって舞い上がった水底の砂粒を掬うかのように 何かを思い出させようとしていた。 先着で ★アルシオンは何かを思い出す→!card と(!とcardの間のスペースを埋めて)書き込んで下さい、カードやダイスによって分岐します。 《ダイヤ》 アルシオン「誰かボクにこの技を教えてくれくれた人がいる…」 《ハート、スペード、クラブ》 アルシオン「誰かにこの言葉を教えられた気がする…」 《JOKER》 アルシオン「あの日々の事を全て思い出した…」
[999]森崎名無しさん:2011/04/10(日) 17:44:16 ID:??? ★アルシオンは何かを思い出す→ クラブ8
[1000]アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/04/10(日) 17:48:06 ID:??? とゆわけで、このスレはここで閉店でーす。 思ったよりスレ末が進まない…次回はもう少し容量を取ることにします。 こんなの早く終わらせましょう。 皆さんお付き合い下さりどうもありがとうございました。
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0ch BBS 2007-01-24