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【迫りくる】キャプテンEDIT25【恋愛パート】
[240]森崎名無しさん:2011/02/23(水) 23:52:33 ID:7iirdgMA E
[241]森崎名無しさん:2011/02/23(水) 23:53:42 ID:qxyoDRsc E
[242]森崎名無しさん:2011/02/23(水) 23:54:09 ID:X10+DsPc E
[243]237:2011/02/23(水) 23:55:21 ID:FN3UCa2I E 確認したら合ってましたorz勘違いです。恋呪いコッチのスレだと思ってた
[244]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2011/02/24(木) 02:06:41 ID:??? >>E.マネージャーと話したい --------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 〜12月24日・放課後〜 やす子「よーし、今日の練習はここまでー! みんなー、しっかりクールダウンして、汗もきっちり拭いたら帰ってもよーし!」 鳴紋中部員一同「「ありがとうございましたー!!」」 例え暦の上では聖なる日でも、サッカー部員たちのやることは変わらない。来年に向けての練習あるのみである。 ……ただ、その日の練習がいつもに増して激しかったのは、誰かの私情が絡んでいそうではあるが。 渡会「ふいー、キツかったなぁ今日の練習は」 浅村「監督、怖いくらい張り切ってったっス。背中に鬼が見えたっスよ……」 比良山「……そのことについては、あまり触れない方が賢明だな」 などと軽口を叩きながら帰り支度を始める部員たち。 落田「よーしっ、練習終わり! 俺たちの24日はこれからが本番だぜ!」 国岡「ハァ……また馬鹿に火が付きやがったか」 落田「菱野さーん! 良かったら今日は俺と一緒に――むぐっ!?」 いつもにまして能天気に声を掛ける落田だが、突如として背後から伸びた手に口元を押さえられる。 やす子「お・ち・だ・くぅ〜ん? まだまだ元気がありそうねえ? そんなに力があり余っているなら、もうちょっと練習していかないかな〜?」 落田「ひぃいいいいいいいいいいっ!?」
[245]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2011/02/24(木) 02:07:59 ID:??? 国岡「……言わんこっちゃねえ」 大前(な、ナイスです監督!) やす子(やれやれ。この私がクリスマス・イブに良からぬことをたくらむ男女の手助けとはね……) 菱野「え、えーっと、皆さん! それではお先に!」 連行されていく落田を後目に、そそくさと部室から抜けだす菱野。 比良山「む? 何やら急いでいるようだが、マネージャーはこの後に予定があるのか? もう日が落ちる時刻だが」 大前「…………悪い、比良山。俺、今日は一人で帰るよ」 比良山「?」 後を追うように、大前もそっと部員たちの輪の中から離れた。 … … … 若い二人に与えられた時間は、大人たちのモノに比してあまりにも短い。 制服から着替える間もなく、いつもの待ち合わせ場所へ向かう。 大前(いつもの、か……そうは言っても、実際にそこで待ち合わせするの、今日で三度目なんだよな) それが多いのか少ないのか、量る術は知らない。 ただ、そんなことを繰り返す二人の間柄が、単なる『選手とマネージャー』というままでいるのに、大前は我慢できなかった。 果たして菱野も同じ気持ちを共有しているかどうか。
[246]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2011/02/24(木) 02:09:06 ID:??? 菱野「あ。大前さん……」 待ち合わせの場所で、菱野は待っていた。 大前の姿を認めた時にそっと微笑んだ、ように見えた。 寒さか、それとも別の原因か、微かに顔が赤い。 大前「い、行こうか」 菱野「は、はい……」 上ずりそうになる声を押さえて言ったセリフは短かったが、菱野はそれに確かに答えた。 そして、二人は並んで歩きだす。 大前「…………」 菱野「…………」 言葉も無く足を進める中、ちらちらと雪が降り始める。 ……風の無い聖夜に、しんしんと雪が舞っていた。 大前「雪、積りそうだね」 菱野「ええ……」 互いに交わす言葉はやはり短く、ぎこちない。 それは何かが終わることを予感するゆえのことか。 そして、終わった後に別の何かが始まるか分からない所為か。 二人は、残り僅かな時間を惜しむようにゆっくりと歩を進める。一年と八ヶ月前から続いていた『今』の終わる場所へと。
[247]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2011/02/24(木) 02:10:38 ID:??? 大前「……着いたよ」 菱野「あっ。こ、ここは……」 大前が菱野を導いた先。そこは、これまでサッカー部が幾多の戦いを演じてきた競技場だった。 大会の時には喧騒や歓声がこだましていたそこは、今日はしんと静まり返っている。 大前「二人っきりで話せそうなとこ、他に思いつかなくてさ」 菱野「わ、私は大丈夫です。でも、勝手に入っちゃっても大丈夫でしょうか?」 大前「誰も見ていない。……入れるよ。ほらっ」 封鎖を意味するテープを軽く跨いで見せる。 いけないことをしている、と分かっているのに、大前に動揺は無かった。 いや、動揺しているとすればそれはさっきからずっとだろうか。 菱野「わ、分かりました。えいっ」 菱野も意を決して大前と同じ側へ。 菱野「……私、悪い子になってしまいましたわ」 大前「ぷっ……」 菱野の純な感想に、思わず吹き出してしまう。緊張が少し解けた気がする。 菱野「わ、笑わないでくださいまし……わ、私、これでも意を決して中に入ったのですわよ?」 大前「うん。……ごめん」 そうして、二人は奥へ奥へと進む。
[248]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2011/02/24(木) 02:11:46 ID:??? … … … 冬の競技場は、やはり無人だった。照明の無い辺りを照らすのは、雲間から覗く月明かりと遠い街の街灯だけ。 客席にも雪が積もり、見下ろすフィールドも銀色に覆われている。 あそこを掘り進めていけば、冬枯れの芝に行きあたるのかな、などと想像してみる。 菱野「静かですね……」 大前「うん……」 当たり前のことを確認して、二人は軽く雪を払って席に腰掛ける。 冷たい。それもまた当たり前のことだ。 大前「話って言うのはさ――」 菱野「……はい」 大前「――俺の気持ちを、菱野さんに聞いて欲しいんだ」 ピクリ。 菱野の肩が震えた。 大前「俺、サッカー部に入ってからずっと菱野さんに助けて貰ってきた。 練習試合でヘマした時も、君に喝を入れて貰って、それで一からやり直すことが出来た。 いつもだって、普通のマネージャーがする以上の仕事で俺たちを支えてくれている。 凄く、感謝しているよ。ありがとう」 菱野「そ、そんな……それほどでも、ないです」
[249]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2011/02/24(木) 02:13:20 ID:??? 大前「それでね。最初はこの気持ちも、そんなことの延長じゃないかって、思ってたんだ」 言いながら、胸に手を当てる。 大前「菱野さんに助けられる度、支えられているのに気付く度、何だか温かい気持ちになっているのに気づいたんだ。 いつも、肝心なところで下手こいてばかりの俺だけど、すぐ後ろには君がいる。そのお陰で勇気が湧いてくる。 そのことへの感謝だと、思っていた、けど――」 次第に途切れ途切れになる声。 胸が震えるのは、寒さの所為だけではなかった。 バクバクとがなり立てる心臓がうるさい。 それを振り切るように、言葉を続ける。 大前「――けど、いつからか、そんなんじゃあ足りなく、なってたんだ。 時々、すっごく菱野さんに会いたくなるんだ。会って、声を聞きたくなる。その顔を、じっと見つめていたくなる。 傍に君がいないことが寂しい。もっともっと君の近くにいたい。ずっと、ずっと、……ずっと君の傍にいたいっ!」 二人きりの舞台に、大前の叫びがこだまする。 口から放った声が反響して、幾重にも連なって鼓膜を震わせる。それでも我にかえることは出来なかった。 大前「俺は、君が好きだ……」 菱野「……っ!」 大前「今のままじゃ、我慢できない。お、俺は君と、その…… 一人の男として! 菱野さんと付き合いたい! どうか、お願いしますっ!」 思わずその細い肩を両手で掴みながら、向き直って頭を下げる。 ……再び、長い沈黙。 菱野の応えは無く、大前もこれ以上言葉を重ねられない。 張りつめた緊張の中、掌にあるぬくもりだけが、そこに菱野がいることを伝えてくる。
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0ch BBS 2007-01-24