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【迫りくる】キャプテンEDIT25【恋愛パート】
[248]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2011/02/24(木) 02:11:46 ID:??? … … … 冬の競技場は、やはり無人だった。照明の無い辺りを照らすのは、雲間から覗く月明かりと遠い街の街灯だけ。 客席にも雪が積もり、見下ろすフィールドも銀色に覆われている。 あそこを掘り進めていけば、冬枯れの芝に行きあたるのかな、などと想像してみる。 菱野「静かですね……」 大前「うん……」 当たり前のことを確認して、二人は軽く雪を払って席に腰掛ける。 冷たい。それもまた当たり前のことだ。 大前「話って言うのはさ――」 菱野「……はい」 大前「――俺の気持ちを、菱野さんに聞いて欲しいんだ」 ピクリ。 菱野の肩が震えた。 大前「俺、サッカー部に入ってからずっと菱野さんに助けて貰ってきた。 練習試合でヘマした時も、君に喝を入れて貰って、それで一からやり直すことが出来た。 いつもだって、普通のマネージャーがする以上の仕事で俺たちを支えてくれている。 凄く、感謝しているよ。ありがとう」 菱野「そ、そんな……それほどでも、ないです」
[249]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2011/02/24(木) 02:13:20 ID:??? 大前「それでね。最初はこの気持ちも、そんなことの延長じゃないかって、思ってたんだ」 言いながら、胸に手を当てる。 大前「菱野さんに助けられる度、支えられているのに気付く度、何だか温かい気持ちになっているのに気づいたんだ。 いつも、肝心なところで下手こいてばかりの俺だけど、すぐ後ろには君がいる。そのお陰で勇気が湧いてくる。 そのことへの感謝だと、思っていた、けど――」 次第に途切れ途切れになる声。 胸が震えるのは、寒さの所為だけではなかった。 バクバクとがなり立てる心臓がうるさい。 それを振り切るように、言葉を続ける。 大前「――けど、いつからか、そんなんじゃあ足りなく、なってたんだ。 時々、すっごく菱野さんに会いたくなるんだ。会って、声を聞きたくなる。その顔を、じっと見つめていたくなる。 傍に君がいないことが寂しい。もっともっと君の近くにいたい。ずっと、ずっと、……ずっと君の傍にいたいっ!」 二人きりの舞台に、大前の叫びがこだまする。 口から放った声が反響して、幾重にも連なって鼓膜を震わせる。それでも我にかえることは出来なかった。 大前「俺は、君が好きだ……」 菱野「……っ!」 大前「今のままじゃ、我慢できない。お、俺は君と、その…… 一人の男として! 菱野さんと付き合いたい! どうか、お願いしますっ!」 思わずその細い肩を両手で掴みながら、向き直って頭を下げる。 ……再び、長い沈黙。 菱野の応えは無く、大前もこれ以上言葉を重ねられない。 張りつめた緊張の中、掌にあるぬくもりだけが、そこに菱野がいることを伝えてくる。
[250]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2011/02/24(木) 02:14:25 ID:??? 大前「…………」 菱野「…………」 頭を下げたまま、顔を上げられない。 もしもその先に拒絶の表情があったらと思うと、冷たい手が心臓を掴んで動きを止めている。 それでも、黙ったまま耐えられる時間は長くは続かない。 大前の我慢が限界を超える直前、 (ぽこん) 軽い握りこぶしが、大前の頭に落ちた。 菱野「ひ、酷いですよ……大前さん」 大前「ひしの、さん……?」 魔法が解けたように顔を上げる大前。視線の先の菱野は、ぽろぽろと泣いていた。 菱野「傍にいないと寂しいだなんて、もっと近くにいたいなんて……好きだなんてっ! そんなの、そんなの私はとっくの昔からそうだったんですよ!?」 大前「あ、う、えっと……」 菱野「それなのに私、ずっと怖くて言えなかったんですよ? もし、この気持ちがご迷惑だったらって思うと……。 ぐすっ……だから、ずっと、ひとりで、がまんしてたのにぃ……」
[251]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2011/02/24(木) 02:15:33 ID:??? 顔をくしゃくしゃにしながら、ぽかぽかと力無い拳で大前の胸を、顔を叩き続ける菱野。 痛いとも思わないそれを振り払えず、大前は困惑する。 大前「ご、ごめん……」 菱野「ごめんじゃないですよぉ! 大前さんはひどいひとですっ! おにです! あくまです! とーへんぼくで、きわめつけのどんかんですっ!! このさっかーばかァ!!」 大前「ほ、本当にごめんなさい……」 どれほど感情を押さえこんでいたのか、いつもとはかけ離れた激情のままに、菱野は言葉を走らせ続ける。 菱野「ばかばかばかァ!! いじわるぅ! ひとでなしぃ! おんなのてきぃ!! それから、それから、それからぁ――!」 そして、 菱野「――わたくしのほうこそ、だいすきですよォ!!」 大前の叫びにも負けない音量で、世界中に宣誓するようにそう応えた。
[252]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2011/02/24(木) 02:16:49 ID:??? 大前「菱野さん……」 泣き止まない少女を、そっと胸の中に包み込む。 菱野「うくっ……ぐすっ……ひっく……」 大前「そのままで聞いてくれ。何度目になるかも分からない言葉だけど……本当にごめん。 君の気持ちに、今の今まで気づけなくて。君に寂しい思いをさせてしまって。それから……こんなに君を泣かせてしまって」 菱野「…………」 大前「それから、ありがとう。こんなに不甲斐なくて、鈍感で、馬鹿な俺を、今日まで好きでいてくれて。 えっと、その……あつかましいお願いがあるんだけど――」 きゅっと。彼女を抱きしめる手に力を込める。 大前「――こんな俺でも好きでい続けてくれるなら、俺の恋人になってくれないか?」 菱野「あ、う……」 大前の腕の中で、菱野がみじろぎをした。 菱野「少しだけ、力を緩めてくれませんか? こ、こんなに強く抱きしめられてると、首を縦に振れないですよお……」 大前「じゃあ駄目。はっきり言葉で聞きたいんだ」 菱野「う〜……やっぱり大前さんは意地悪な方ですわ……」 覚悟を決める為にか、大きく息を吸い込む菱野。 その胸を膨らませる動きを感じながら、大前はその言葉を待った。
[253]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2011/02/24(木) 02:18:07 ID:PyuelH8k 菱野「は、はい……わ、私なんかで良ければ、大前さんの恋人にしてください」 大前「っ! 菱野さんっ!」 二人、固く互いを繋ぎとめるように抱き合う。 大前「ありがとう! 本当にありがとうっ! そのっ、えっと――俺の、こ、恋人になってくれてっ!」 菱野「こ、こちらこそ……もう……もう私、我慢しませんからね? 大前さんが私のことをお嫌になっても、離れませんからね?」 大前「俺の方こそ! 絶対に菱野さんを離さないっ! 何があっても、どんな目に遭ってもだ!」 菱野「じゃ、じゃあ――」 涙で濡れた頬を、一層赤くしながら、菱野が囁き、 菱野「――その証を、今ここでくださいませ」 そっと瞼を閉じる。 そんな時、男が女性に出来るのはたった一つ。 薄紅色の唇の上に、自分の武骨なそれをそっと落とす。 大前・菱野「「んっ……」」 二つのシルエットが小さく重なる様を、雲間の月だけが静かに見守っていた……。 ※ 大前と菱野の関係が『恋人』になりました! ※ ※ 二人の関係が変化したことにより、ダイヤジスタがダイヤのA〜3で発動するようになりました! ※ ※ 菱野の好感度が凄く上がりました! 一定値を超えたため、後日ボーナスイベントが発生します! ※
[254]森崎名無しさん:2011/02/24(木) 02:19:07 ID:??? カードはないのか
[255]森崎名無しさん:2011/02/24(木) 02:19:39 ID:??? >>254 そんな無粋なものはいらないさ……
[256]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2011/02/24(木) 02:20:07 ID:??? 作者のガッツが足りなくなったところで、今回はここまでです 信じられるか? これ、プレゼント交換まで進んでいないんだぜ? 次回はこの続きからになります。この続き、かあ…… 今回は長々とお待たせした上に無判定パートが続き、大変申し訳ありませんでした
[257]森崎名無しさん:2011/02/24(木) 02:20:26 ID:??? ぐおおお、かゆいーw2828してる自分きめぇw
[258]森崎名無しさん:2011/02/24(木) 02:21:15 ID:??? 何度途中で寝ようと思ったことか、起きててよかったよォ!
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0ch BBS 2007-01-24