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【ボクは】キャプテン平凡【翼太郎】
[319]キャプテン平凡 ◆Dk7Hmjukqo :2011/03/20(日) 22:09:47 ID:??? 〜控え室・試合終了時〜 ピーーーーーーーーーーーーーーー! 翼「……!」 控え室まで聞こえた長い笛の音に、翼は身体をびくりと震わせる。 翼「試合が……終わった」 結果は誰に聞くまでもない。ある意味翼自身が一番それを知っている。 前後半60分、延長前半10分、退場になるまでの後半約5分。 そして、退場してから試合が終わるまで、ピッチに立つことの出来なかった5分。 雨に濡れた体は既に乾き始めている。肌に張り付いた泥は乾いて砂になっている。 身体の熱は冷め、早かった息は落ち着き、早鐘のように拍っていた鼓動は静まって、痺れるような全身 の疲労は、時間と共に癒えた。 にも関わらず、翼は外で雨に打たれている21人の誰よりもやつれて見えた。 翼「……僕は……何故こんな事に……どこで……何を間違えたんだ……」 誰もいない控え室で、翼は虚空へ向かい問いかける。 答える者は居ない。それは翼も知っている。しかし、それでも翼は呟かずには居られない。 翼「どこで……何を……」 再び答えるもののない問いが虚空に放たれる。それはさざ波のように小さな部屋を満たし、白い壁に 阻まれ、吸い込まれるように消える。 ……筈だった。
[320]キャプテン平凡 ◆Dk7Hmjukqo :2011/03/20(日) 22:14:08 ID:??? ???「全てだ……始まりから全てが、全てのものが間違っていた……」 それはあり得べき事か、虚空が翼の問いに答えた。 翼「な……んだ?」 廃人のように呆然としていた翼も、事態の異常さにふと我を取り戻す。 虚空は続けて言う。 ???「全てが、全ての始まりから間違っていた。かの者がこの世界に現れた時から……」 翼「なんだ?何なんだこれは……?」 幻聴とも思えないその事態に狼狽する翼。 声は尚も続ける。 ???「お前はお前の定められた道を踏み外した……」 そして厳かに告げる。 ???「だが案ずるな……善の皆善なるを知らしめ、その定める道を取り戻し世界の行く手に正しき 道を敷くのだ……」 翼「何を言って……!」 ヴォンッ……! 突然、翼の周辺を光が包む。 翼「うあっ……うあぁぁぁぁぁ!」 そして一瞬の後、その光は翼と共に消える。 ……………… そして、静寂だけが残った。
[321]キャプテン平凡 ◆Dk7Hmjukqo :2011/03/20(日) 22:16:28 ID:??? 〜同時刻〜 若林「また、サッカーやろうな」 凡太「ああ……」 死闘の末なにがしかの感情を共有した若林と凡太。 石崎「負けちまったなぁ……」 その光景を遠くに見ながら、石崎は溜息もような呟きを洩らす。 石崎「でもまあ、あいつらは全力を尽くしたしな……満足なのかもな」 と、その時翼の事を思い出す。 石崎「でもアイツは……大丈夫かな。叩きのめされてなきゃいいが……」 ある意味自業自得だが、それでも苦楽を共にしたチームメイト。ばっさりと切り捨てる気にはなれない。 石崎「明日にでも足腰立たなくなるまで特訓させるか……今はそれが一番の薬だろう……」 そんなことを考えながら、ぼんやりと凡太達の方を見ている時、その異変は起こった。 ヴォンッ……! 石崎「な、なんだアレは!?」 突然凡太と若林の身体が強い光に包まれる。 石崎「いけねぇ!ヤバイ感じがする……!」 光の強さに不吉な者を感じ、石崎は慌てて凡太達の方へ駆け寄る。 しかし、その石崎を拒むように、光は弾ける様に強さを増した。 石崎「うわぁ!」 思わず目を瞑り足を止める石崎。 石崎「くそっ、何なんだ一体……」 そして目を開けた時、そこには凡太の姿も、若林の姿もなかった。 石崎「そ、そんな……そうなってるんだ!?」 そう叫び、凡太立ち退いた場所へ駆け寄る石崎。だが、既にそこには何もない。 何の跡形もなく、翼も若林も消えている。 石崎「二人とも……どこへ……」 呆然と呟く石崎の声、それのみが、虚空に響いた……。
[322]森崎名無しさん:2011/03/20(日) 22:16:59 ID:??? 一体何が始まるんだw
[323]森崎名無しさん:2011/03/20(日) 22:18:28 ID:??? やっぱ「おのれ凡太!貴様のせいでこの世界も破壊されてしまった!」じゃね?
[324]キャプテン平凡 ◆Dk7Hmjukqo :2011/03/20(日) 22:22:21 ID:??? 短いですが、今日はこの辺で。 地味さを愛してくれた人には申し訳ないですが、これから先はかなりの超展開で地味さはダウンしてしまいます。 展開も振り幅が大きいので付いてきてもらえるかも正直心配ではあるんですが……。 何とかヨロシクお願いします。
[325]キャプテン平凡 ◆Dk7Hmjukqo :2011/03/20(日) 22:27:23 ID:??? あ、後この世界では覚醒出来なかった翼ですが、覚醒していたらこんな技能を覚えました。 ヒールリフト(1/4でドリブル+4) ジャンピング回避(1/4でドリブル+2) オーバーヘッドキック(高シュート力+2) レジェンドデストラクション(SGGK伝説無効) アキちゃんの声援(対若林判定に+2) 一個も覚えませんでしたが。
[326]キャプテン平凡 ◆Dk7Hmjukqo :2011/03/21(月) 13:14:04 ID:??? 修哲MF1「な、何だったんだ今の光は!?」 その異常な現象は、当然修哲イレブンにも騒ぎを起こしていた。 修哲SB右「わ、わからん、わからんがしかし……キャプテンが消えちまった!?」 修哲MF右「お、おい、冗談じゃねぇぞ!試合が終わったばっかりだってのに、なんなんだよこの怪現象は!」 修哲CB前「俺に聞かれたって分かる訳ねーだろ!」 修哲FW右「もしかしたら何かの爆発……キャプテンは吹っ飛ばされたのかもしれない!」 修哲MF左「爆破ったって、何の音もしなかったじゃないか!?」 何が起こったのか全く理解出来ず、大混乱に陥る修哲イレブン。 修哲CB奥「落ち着けお前ら!とにかくキャプテンを捜そう!」 修哲SB左「あ、ああ……そうだな」 修哲CB奥の提案で一応の方向性を与えられた修哲イレブンは、ほんの少しだけ落ち着きを取り戻す。 修哲DMF「キスーギ、お前もキャプテンを……」 と、そこで初めて気付く。 修哲DMF「あれ、キスーギの奴は……?」 修哲CB前「おいどうした、早く探しに行こう!」 修哲DMF「いや、キスーギの奴が……どこにも居ない!?」 修哲CB奥「何だって?」 慌てて辺りを見回す修哲CB奥。だがどこを見渡しても、さっきまで居たはずのキスーギの姿はない。 修哲CB奥「キスーギまで……消えた!?」
[327]キャプテン平凡 ◆Dk7Hmjukqo :2011/03/21(月) 13:15:55 ID:??? ……気が付くと、凡太は混沌に漂っていた。 凡太「ここは……!」 凡太は既に何度か体験した感覚である。その暗闇に驚きはしたが、慌てはしない。 若林「な、なんだここは!?」 だが若林はそうはいかない、突然虚空に放り出された不思議な感覚に狼狽する。 凡太「落ち着いてくれ若林!大丈夫だ……多分」 若林「多分って……て言うかここはどこだ!?何で俺達はこんな所に居るんだ!?」 凡太の言葉でも、若林は冷静さを取り戻すことはなかった。この異常な状況では、当然といえば当然 といえた。そして…… ヴォンッ…… ???「ここは世界の海……」 若林「な、なんだ?誰だ!?」 声が響く。凡太にはもう馴染みの声だ。 凡太「……やっぱりお前か。なんだ、今度何の用だ?若林まで巻き込んで……」 ???「ふふっ、私はただの仲介者。人と神の挾間をつなぎ、選択者の行く先を照らす燈火……。 誰かが世界の渦に巻き込まれたとしても、それは私のせいではないよ」 若林「わ……訳のわからねぇ事言ってんじゃねえよこの電波野郎!」 姿を見せぬ声の意味不明な言動に激昂した若林が怒鳴る。 ???「お前の問いに答えただけだ、振られ男……」 若林「だ、誰が振られ男だっ!!」 ???「お前だよお前。告白した翌日の試合中に振られるって……ぷぷっ、ハズカシー」 若林「てっ……テメーは殺す!絶対殺す!」 ???「まあ落ち着けよ、振られ林」 若林「若林だ!てか姿見せろ、この卑怯者が!」 凡太「お、落ち着け若林!アイツの言うこといちいち相手にしてちゃ駄目だ!」 真っ赤になって暴れる若林を、凡太は懸命になだめる。
[328]キャプテン平凡 ◆Dk7Hmjukqo :2011/03/21(月) 13:18:26 ID:??? ???「若林、お前がここにいるのは私の仕業ではないが、私は親切にもお前を救いに来たのだ。 もう少し感謝してもいいと思うがの?」 若林「感謝だと〜……馬鹿も休み休み言え!」 ???「お前が……」 ふっと、見えぬはずの姿が、若林の足下を指さした様な気がした。 ???「混沌に溶けることを望まぬのであれば……」 若林「なんじゃこりゃあ!?」 そして若林が叫ぶ。 凡太「わ、若林……!?」 同様に凡太も叫び声を上げた。見るとあろう事か、若林の身体が足下から暗闇に溶けてゆく! 若林「じょ、冗談じゃ似ないぜ!なんなんだ一体!?」 凡太「おい!これはどういう事だ!」 声に詰め寄る凡太。だが声は、少しも慌てず答える。 ???「世界の海……混沌の海原を渡れる者は選択者だけだ。それ以外の者がここを渡ろうとすれば、 混沌に溶け太極に帰る……」 若林「で、電波過ぎる!そんな電波な理由死ぬのは嫌だ!」 ???「死ではない。混沌に溶けるだけだ」 凡太「そんな意味の分からない理屈はいい!若林を何とかしてくれ!」 ますます薄くなって行く若林の身体に、凡太は切迫した叫びを声にぶつける。 ???「落ち着け。言ったであろう、救いに来たのだと……」 そう言うと、声はまた見えぬ指で若林を指し示す。 ヴンッ…… 若林「な、何だ!?」 すると、若林の身体が光に包まれる。 凡太「この光は……!?」 ???「恐れるな……」
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0ch BBS 2007-01-24