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銀河シュナイダー伝説5 〜求道篇〜
[247]外伝〜世紀末中山伝〜:2011/05/07(土) 00:51:24 ID:IhSWfLO+ C.奇跡の逆転を狙って必殺技を放つ! 今は戦闘時の緊張によって筋収縮が行われ出血はそこまで酷くはない。しかし出血が完全に止まっている 訳ではなく、はやく止血処置をしなくては近いうちに死をいただくのは間違いなく…うだうだと 戦闘を継続するわけにはいかないのだ。 中山(…やるしかないのか…) そう意を決すると、今までの沸騰しそうな感情の荒波が次第に静まり、冷静に森崎との距離を 感じることが出来るようになる。 森崎「………」 しずかに気を高めながら近づく森崎に… 中山(3.2.1…いまだ!!!) ザシュ!!! 気合一閃!スピードを命とする南斗聖拳のそれよりも速く、手刀が森崎を… 森崎「残像だ」 それは対拳王戦の再来。しかし、立場は逆転しており背後を取られたのは中山。背後を取ったのは森崎。
[248]外伝〜世紀末中山伝〜:2011/05/07(土) 00:53:07 ID:IhSWfLO+ 森崎「コレで終わりだ。南斗孤鷲拳奥義、千首龍撃!!」 シュシュシュシュシュシュ!!!! それは一息に千の抜き手で完全粉砕する面制圧の最高手の一つ。 だが。 ズシャ!! それが中山の体を絶命させるよりも速く…森崎の体はくの字になり、そのまま倒れこむ。 中山「秘伝林技最終奥義…闇蛍」 両手で自身の体ごと貫いたその浸透剄はほぼ密着状態にまで近づいた森崎の中で右掌と左掌の頸が 交差しまるで音叉のように共鳴、直接的に受けた自身の数倍…いや、数十倍の威力で森崎の内腑を 破壊しつくす。 森崎「ボ…グヮ…」 肺までも破壊し口から血を吐き出す森崎。しかし、先ほど大きく切られた斬激と新たに 背後からの数十発の致命撃受けた中山の体もまた、その浸透頸に耐えられず、体が崩れ落ちる。
[249]外伝〜世紀末中山伝〜:2011/05/07(土) 00:54:11 ID:IhSWfLO+ 中山(結局相打ちか…だが、まだ…まだ終わっていない) 薄れゆく意識を無理やり奮い立たせ… どうする? A.生きるために助けを探す。 B.最後に森崎の真意を聞く。 C.森崎を生かすために止血処理をする。 D.その他 先に1票入ったものを選択します。
[250]森崎名無しさん:2011/05/07(土) 01:43:42 ID:mvvf3rRE C
[251]外伝〜世紀末中山伝〜:2011/05/07(土) 03:27:18 ID:IhSWfLO+ C.森崎を生かすために止血処理をする。 中山(結局お前の真意を聞き出すことは出来なかった。だが、コレだけはわかる…お前はまだ こんなところで死んでいいようなやつじゃない。) 今回の戦い。中山にとっては意味のないもの…いわば降りかかる火の粉を払うための戦いの連続だった。 だがしかし、今にも死にそうに横たわる男は違う。長らく続いた群雄割拠の乱世、それを 長い下準備の期間があったとしてもたった数週間でトップ全員を死に追いやった人物である。 中山(なし崩しにサザンクロスのトップになったと思っていたが、結局それすら森崎の掌の上 だったのか。そして、今回の…最後に残った2人…俺とお前の相打ちすら…… ………だが、最後まで森崎の計画通りにはさせないよ) 既に絶命してもおかしくない中山。怪我の酷さで言えば間違いなく森崎よりも悪い。今、息をしているのは 最後に残った『意地』である。全てが彼の目論見どおりだとしても…最後に彼にはしてもらわなければ いけないことがある。それを放棄して死んでもらっては困るのだ。 折れた肋骨が肺に突き刺さる。血を吐く。だが、まだ意識は失わず、体が欲する酸素を生きている肺の その数分の一だけで最低限供給し、残りの悲鳴は完全に無視する。
[252]外伝〜世紀末中山伝〜:2011/05/07(土) 03:28:42 ID:IhSWfLO+ この世界において最も価値のあるものの一つ、清潔な包帯で外傷を覆う…自分の裂傷ではなく、遥か 以前からの友人の傷を。筋肉の収縮効果はとうになくなっており、一秒ごとに視力が落ちていく… 清潔な包帯がみるみる真紅に染め上げられるが、それでも生きていて欲しいとの願いから 命を吹き込むように動脈の近くをきつく縛り、止血を完了させ、チアノーゼ反応を起こしている顔 を下に向け肺に溜まった血溜りを無理やり吐き出させる。 森崎「げ、ゲホ…な、なにを……」 そこでようやく森崎の意識が戻り言葉をかけてくる。 中山「今は喋るな。俺の命の炎は長くない。消える前に助ける」 生気のない言葉で…かすれる言葉をかけながら持ってきていた水筒で口をすすがせる。 森崎「無駄…だ。最後の技で内臓がボロボロだ。お前の……勝…ち……」 中山「黙ってろ。お前が生きること…それが今回の俺の勝利条件だったんだ」 森崎の言葉にそう答えると、息を整え…否、もう整える力すら残ってない浅い呼吸だが、それでも 自らの最後の残り火を燃やし尽くすがごとく力を溜める。
[253]外伝〜世紀末中山伝〜:2011/05/07(土) 03:30:37 ID:IhSWfLO+ 中山「フン!!!」 森崎の死装束のような純白だった衣装の上に手を当て、最後の最終奥義、闇蛍を再び森崎に打ち込む。 森崎「ブ…ホォ……」 再び血を吐き出す森崎だったが…先ほどのとは逆に一気にチアノーゼ反応が薄まっていく。 中山「間…に…あった…か」 破壊しつくされたと思われた内蔵だったが、元々揺らす技であり破壊させる技ではない『闇蛍』 非常に難しく繊細ではあるが逆ベクトルで発動させればかなり伸縮する内臓器官を元の位置に戻す事も 不可能ではなく、死の半歩手前…ある意味神の領域にたどり着こうとする中山の手によって奇跡的な 処置が施される。 中山(…もう…言葉を口にすることも…意識をつなげとめる事も……) 既に目はほとんど見えない。血が失われることで最も弱い器官…眼球が深刻なダメージを受けており、 ブラックアウトを起こしているのだ。 森崎「俺が…憎く…な…い……のか?利…用し、殺そ……うとした……」 中山(だから……俺を殺し、俺に殺されようと?) 不意にかけられた言葉に意識を繋ぎとめ言葉に出来ない言葉で返事をする中山。
[254]外伝〜世紀末中山伝〜:2011/05/07(土) 03:31:42 ID:IhSWfLO+ 森崎「この……世…界に強者など…必…要…なかっ…た。」 まるで独り言のように話す森崎。もしかしたら中山の心の声が聞こえているのかもしれない。 中山(だが…誰かが強くなければ…統一など……) 森崎「守護…者……など、おこがまし…い。俺は…生きていては…いけない……」 遠のく意識の中、その言葉を聴いた瞬間…倒れこみ、肺の中から空気が吐き出るほんの一瞬だけ 言葉が出ることが許された。 中山「贖罪は死の中には……ない」 最後はかすれてしまって森崎の耳に届いただろうか?それはわからないが、体が楽になっていくのが わかる。それが脳が生きる事をやめ、最後に快楽中枢を刺激する事で楽になろうという本能から だろうか、それとも、自身の言葉が森崎に届けられた事を喜んだからだろうか? 森崎「………」 返事は聞こえない。ただ、自分の死が安らかなものである事に僅かに感謝するだけだった…… 〜〜〜
[255]外伝〜世紀末中山伝〜:2011/05/07(土) 03:32:42 ID:IhSWfLO+ 〜〜〜 一年後。 旧サザンクロス…現、新東京。 わっしょい!わっしょい!! 活気の良い声が響き渡る。一年ほど前に起きた謎の首領連続死亡の原因は結局突き止められず、群雄割拠の 時代は終わった。それから一時的に小悪党が第二、第三のトップになろうと躍起になるが、いずれも 巨大な帝国となる前に謎の瓦解をとげ、皆は安全とされるサザンクロスに集まるようになっていた。 ???「これなら種芋の分を除いてもかなりの量になるな」 流石に肉を常食とできるほど豊かではないが、この地に植えられた作物はモヒカンやマッチョに 取り上げられる事無く、収穫できるようになっていた。
[256]外伝〜世紀末中山伝〜:2011/05/07(土) 03:33:42 ID:IhSWfLO+ 核の炎の中でも残ったコンクリ造りのビルやマンションは比較的のこっており、ある程度の規律を 皆が守ろうという意識…所謂道徳的観念が復活してからは、ある程度のすみわけと職業に近いものが 存在するようになっていたのだ。 マッチョやモヒカンは旧時代の遺跡…廃棄された施設やコンテナから使えそうな資材を探し、それを 提供する代わりに食料を手に入れ、若者はその労働力で1次産業に力をいれ、力ないものは編み物で 衣服を作り、最低限のサイクルを作る事に成功している。 …それを確立し実行させたのはたった今ジャガイモを収穫し、それに満足げな男、たった一人の手によって… いや、彼を助け、彼の命を救い、彼に道しるべを与えた人物の二人と、その周辺の様々な人間達の 努力によって出来たサイクルだと、それを知るものは少ない。 ???「森崎、今年はわさびを作らないか?ポテトとワサビでワサビーフなんて最高だろ?……」 外伝 〜世紀末中山伝〜 FIN
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0ch BBS 2007-01-24