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【暗黒から】ファイアーモリブレム30【英雄へ】
[897]森崎名無しさん:2011/05/23(月) 20:57:29 ID:??? >そのことを言い訳にすると森など無い。 何かと思ったら言い訳にするつもりなど無いか。
[898]森崎名無しさん:2011/05/23(月) 21:20:17 ID:??? へんたいの人か
[899]モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2011/05/23(月) 22:18:25 ID:??? >>896 ハーディンの代わりに新たな戦乱を巻き起こす者。それは―― >>897-898 これまたとんでもない誤字を!緑は大事にしましょうね〜 ============ >B「いや、この勝利は皆のおかげだ。これは皆の力で勝ち取った優勝なんだ! 森崎「いや……」 森崎はゆっくりとした動作で次藤の腕を丁寧に払いのけると、がっちりと握手をする。 森崎「この勝利は皆のおかげだ。これは皆の力で勝ち取った優勝なんだ!」 自分を取り囲む全日本ユースの仲間たちの目を見渡しながら、森崎はそう答えた。 ここまで勝ち上がってこれたのは少なくとも自分一人だけの力ではない。 翼や日向、新田が何本もゴールを決め、岬や三杉が試合をコントロールし、 松山や早田が相手の攻撃の芽を摘み、そして中山、次藤、石崎の奮闘が得点の危機を防いでくれた。 その中で森崎もまた、相手チームのシュートに必死に食らいつき日本ゴールを守り続けた。 それぞれが自分の持てる力を発揮したに過ぎない。だが、その一つ一つの力が組み合わさることで 何倍、何十倍、何百倍もの力を発揮できるということを、森崎はアカネイア大陸で学び、そして培ってきた。 そしてこれまでずっと同じチームに居ながらもいがみ合ってきた森崎のライバルたちも ブラジルを圧倒し世界一の栄冠を手に入れた感動が後押ししてくれているのか 森崎の皆の力で勝ち取ったという言葉に酔いしれて、心を震わせながら口を開く。 日向「森崎……」 次藤「森崎の言うとおりタイ。ブラジルユースを倒したのは皆の闘志と気迫タイ」 三杉「優勝…長い道のりだった」
[900]モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2011/05/23(月) 22:19:27 ID:??? 松山「ああ、みんな。ここまでよく頑張ったぜ」 岬「うん」 翼「俺達はこれまで随分長い間遠回りをしてきたと思っている。 互いの主張をぶつけ合う事だけに気を取られ、決して一つになることなど出来ないと思い込んでいた。 だけど……俺達はようやく辿りつけたんだ。全日本ユースという一つのチームに」 森崎「翼…?」 翼「森崎。俺は君のことをずっと認めようとしなかった。 自分が一番チームを引っ張っていくことが出来るんだってずっと思っていた。 だけど……ようやく分かったんだ。どうして君の周りに人が集まっていくのかを。 そしてどうして俺がこれまでキャプテンになれなかったのかを」 森崎「…………」 翼「アカネイアの人たちと戦って理解できたよ。君を変え、そして俺達も変えてくれたこの力…… 皆の力を合わせてサッカーをする……俺がずっと忘れていた大事なことを、森崎は思い出させてくれたんだ」 森崎「…俺は何もしちゃいねぇよ。それはお前が勝手に忘れて…そして勝手に思い出しただけのことだ」 よりにもよってあの翼に真正面から感謝の言葉を言われ、森崎は思わず視線をそらして頬を掻く。 翼「うん。そうかもしれない。だけど今日、こんなに澄んだ気持ちでサッカーが出来たのは…… これまでずっと君と衝突してきたおかげなのかもしれないね」 森崎「ふ、ふん。言っておくが俺はまだお前を認めたわけじゃないからな。 ただ今日優勝できたのはたまたま全員の力がひとつの方向に向かっていっただけで…」 翼「ああ。分かってるよ。これからも俺とお前はキャプテンの座を争っていくんだろうね。 でも……今度こそは負けないよ。だって、俺もようやく森崎と同じスタートラインに立てたんだから」
[901]モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2011/05/23(月) 22:21:05 ID:??? 森崎「望むところだ。いくらお前の実力がすごかろうと、仲間の力を活かし伸ばせるのは俺の方だってのを思い知らせてやるぜ」 翼「その台詞そっくりそのまま返してもいいかな?悪いけど偶然はそう何度も続かないよ?」 森崎「な、なにをー!!」 松山「おいおい。なにも優勝を決めたこんな所でキャプテン争いの話題を出さなくてもいいじゃないか」 三杉「フフッ。こればかりは僕達の手には負えない話題だね。まぁ、彼らのこの闘争心もまた、僕達の力の一つだろうね」 岬「ははは。でも……森崎と翼くんらしくていいんじゃないかな?ほーんとこの二人は見ていて飽きないなぁ」 さっそく次の代表キャプテンを争う誓いを立てる二人に、松山は呆れ顔で溜息をつく。 その隣で三杉もやれやれと首を振りながら、けれども貴公子に相応しい爽やかな笑顔で呟く。 そして岬もようやく心を通わせたものの根本的なものは何も変わっていないことを知り愉快そうに笑った。 中山「(勝ったんだ……俺は、森崎と一緒に世界の舞台で戦う夢を……叶えたんだ)」 非常に無理をしているような引きつった笑顔で握手をする森崎と翼の姿を見て、中山は満足そうに微笑んだ。 そしてゆっくりと森崎の方に近づこうとすると、突然全身が凍えてしまうかのような寒気に襲われる。 中山「(そう……か。これが……夢の代償。俺の……限界……)」 足先から指先にかけて痺れが広がっていく。せめて。せめて最後くらいは森崎の側で祝福をしたい。 頼む。あとほんの数分、いや、数秒でいい。俺にもう少し……夢の続きを見させてくれ…… 森崎「中山…!お前の助けがなかったらあの10番のシュートは止められなかったぜ!」 中山が近づいたことに気がついたのか、森崎は今日一番の笑顔をこちらに向けてくる。 ああ。そうだ。この笑顔がずっと見たかったんだ。どれだけ自分に才能がなかろうと、 決して下を向くことも諦めることもせず。ひたむきに前を向き続け、時にはそれが大きな騒動を巻き起こすことになろうとも―― 自分の信じた道を歩き続けた彼の背中に憧れ、ずっと、そしてこれからも側で共に戦いたいと願ったんだ。
[902]モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2011/05/23(月) 22:23:04 ID:??? 中山「森崎……俺…夢がかなって嬉しいんだ。諦めかけていたことだったけど…… こうしてお前と一緒に世界の頂点に立てたこと……本当に嬉しいんだ……」 森崎「中山…?おい、お前…顔色が真っ白だぞ?」 力なく言葉を紡ぐ中山を見て、森崎はこの光景には見覚えがあった。 全国中学選手権静岡代表決勝戦。今の中山はあの試合の後のように弱々しい声を絞り出していた。 中山「俺を……俺たちをここまで導いてくれた……キャプテン。 最高の試合をすることができて……本当によかった…… さ、最後に……握手をしてくれないか?」 スッ…… 差し出された右手を見て森崎は驚愕する。 それはまだ10代の若者の腕とはとても思えない、筋張った鳥のような細い腕だった。 ガラス細工のような、触れれば中心からポキリと折れてしまいかねないその腕を伸ばし、 中山は笑った。 スッ…… ドサッ…… 森崎「――中山ァ!!」 自分の胸にもたれかかってくる中山を抑え、森崎は叫んだ。 見上「むっ…!何事だ?」 若林「(まさか……!)」 バッ!
[903]モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2011/05/23(月) 22:24:32 ID:??? 見上「源三!」 血相を変えて飛び出していく若林に驚きつつも、見上はすぐに医療スタッフへと連絡を飛ばした。 森崎「中山!おい!しっかりしろ中山!やめてくれよ…何かの冗談だろ!?おい!中山!!」 三杉「森崎駄目だ!乱暴にしてはいけない!離れろ!」 森崎「うっ……くうっ……!」 突然の中山の異常事態に、森崎たちは優勝の喜びなど忘れ狼狽する。 医療の心得がある三杉が慌てて森崎を引き剥がし、中山の様子を伺う。 そこへ若林が担架を一人で抱えて息を切らして現れた。 若林「すぐに医務室に運べ!森崎、お前も手伝え!」 森崎「! お前に言われなくたって……!」 森崎は中山の肩を支えると慎重に中山の体を担架の上へと下ろし、そして担架をゆっくりと持ち上げる。 翼「森崎!」 森崎「俺は中山に付き添う!もう二度と……失うわけにはいかねぇんだ! 優勝セレモニーだか何だかはお前たちに任せる!」 石崎「だ、だけどよぉ…キャプテンのお前が表彰式を抜けるわけには…」 森崎「これはキャプテン命令だ!……頼む。行かせてくれ……」 石崎「お、おう……」
[904]モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2011/05/23(月) 22:25:55 ID:??? 今まで見たこともない森崎の悲痛な叫びを聞き、石崎も引っ込まざるを得なかった。 こうして全日本ユースの表書式は異例のキャプテン不在で行われることとなった。 カシム「(森崎くん……なんだか、なんだか嫌な予感がする。…行かなきゃ!)」 そしてその様子を観客席から見守っていたカシムは拭いきれない不安感に煽られ、自然と日本の控え室へと足を向かわせるのだった。 森崎「そ、それじゃあ……命に別状はないんですね!?」 スタッフ「ええ。以前の古傷への衝撃が過去の心臓への負担を呼び起こしたのでしょう。 その痛みのショックにより気を失ってしまっただけです。…大丈夫ですよ」 分厚い眼鏡と大きなマスクで顔を隠した少し怪しい医療スタッフの言葉を聞き、森崎は安堵の溜息をつく。 だが、先ほど間近で見た中山の枯れ木のような細い腕が森崎の脳裏からどうしても離れないでいた。 若林「……それじゃあ俺は見上監督に伝えてくる。お前はもう少しそいつの側についていてやれ」 森崎「余計な気遣いはいらない……が、今回ばかりは素直に受け取っておく」 若林「ふん。人の好意を何時までも穿った目で見ないほうがいいぜ。……じゃあな」 若林はスッと立ち上がると医務室を出て行く。すると森崎は彼のいた場所に残されたものに目をつける。 森崎「(帽子…?ふん、いつも肌身離さず身に付けているようなものを忘れるだなんて、あいつも相当テンパってたみたいだな)」 いつも誰に対しても堂々とした態度の若林だったが、仲間の危機を前にすれば相応の焦りが生まれることに気がつく。 結局はあの男も一人の人間なのだ。天才キーパーともて囃されてはいたものの、歳相応な未熟な青年…… 自分とは体格も才能も違うが、こうして改めて振り返ると彼もまた自分と同じように悩みながら生きてきた一人の人間だったのだ。
[905]モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2011/05/23(月) 22:27:37 ID:??? 森崎「(何だか今まで無駄に豪壮に見ていた節があったからな。 まぁ、これからは胸をはってあいつより上の立場にいられるんだ。 なんといっても大会優勝GKとして俺の名はこれから語り継がれていくんだからな――ん?)」 ぱちり…… 森崎「中山!」 中山「……森崎……」 森崎「いや〜よかったよかった。一時はどうなることかと思ったぜ。 なんども無理な体制からブロックに飛んだことで体に負担がかかりすぎたんだと。 でもこうして意識を取り戻してくれてほっとしたぜ。……もうあんな悪夢はゴメンだからな」 中山「ああ……そうだな。悪夢はもう……終わる」 ガタッ。 森崎「お、おいおいいきなり立ち上がって大丈夫なのか? ちょっとスタッフさーん!中山が目を覚ましたんですけどー!」 隣の部屋にいるスタッフに声をかける森崎だったが、その時突然森崎の体が固まった。 この感覚には覚えがある。確かカダイン砂漠で暗黒魔法マフーに襲われそうになったとき…… 森崎「なっ…?なんだ……これは……か、体が……!!」 必死に体を動かそうとするが、強い力で抑えつけられているかのようにびくともしない。 なんとか首を動かし中山の方へ視線を向けるが、そこにいたのは中山一人だけではなかった。 森崎「き……貴様は……!!」 ラムカーネ「よぉ。久しぶりだな。会いたかったぜ」
[906]モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2011/05/23(月) 22:28:43 ID:??? 中山「…………」 自分と同じ体格、同じ顔。唯一違うところといえば髪の一房が心を奪われるほどの黄金色に輝いているということ。 かつて自分がより大きな力を発揮するために頼っていた未知なる力。 ガトーの館にて抑制された成長の力を解放するために自分の意志で追い出した『超モリサキ』の姿であった。 ラムカーネ「くっくっく……はっはっはっはぁ!まずは優勝おめでとうと言っておこうか。 『森崎有三』の名に恥じない実にご立派な活躍だったぜ。 まぁ、少々味方のDFの助けになりっぱなしだったのはいただけなかったがな」 森崎「ぐっ……どうして貴様がここにいる!あの時俺の体から消し飛ばしたはずなのに!」 ラムカーネ「なぁに。簡単なことさ。お前が『仲間』と協力し大きな力を得たように 俺もちょっとばかし『仲間』と友情を育んで協力してもらっただけさ」 森崎「なんだと…!?」 するとラムカーネの横にゆらりと黒い影が現れる。その影は徐々に人の姿へと変わっていき… 森崎のよく知る人物をはっきりと映し出していた。 森崎「ガーネフ……!馬鹿な!お前はあの時リンダのスターライトで……!」 ガーネフ「ふぇふぇふぇ……あれしきの魔法でこの魔王ガーネフが滅びると思いてか。 まぁ……こうして未だ実体化が出来ない不便な姿にまで追い込まれたことは素直に認めるがのう」 相手の不快感を煽るような相変わらずのしゃがれた声で愉快そうに喉を鳴らすガーネフに、森崎は拳を震わせる。 森崎「いったい何を企んでやがる!中山に何かしたのか!?」 ガーネフ「何かした?いや…これは彼が自分で望んだことなのじゃよ。 自らすすんで闇に堕ち…闇を求め……そして願いを叶えようとしたのじゃよ」
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0ch BBS 2007-01-24