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【皇帝の】キャプテン森崎42【逆襲】
[604]2 ◆vD5srW.8hU :2011/10/13(木) 23:47:10.33 ID:M1ROQRJH 〜大会11日目〜 日本とドイツの壮絶な試合が行われた翌日の大会10日目は休養日だった為試合が一切行われず、 どのチームも体を休める事に専念していた。無論既に予選突破を決めたチームもあれば 既に敗退してしまったチーム、更にはまだ結果が分からないチームもあった為各々の精神状態はまるで違っていたが。 このつかの間の休養は同時に嵐の前の静けさでもあった。大会11日目はビッグゲームが2つ予定されていたからである。 この日グループAではブラジルとオランダが。グループBではイタリアとアルゼンチンが。 いずれも勝ち点6で既に予選突破を決めている強豪チーム4つがそれぞれのグループの覇権を賭けて激突する。 ザワザワ… 言うまでもなく全日本ユースはこの日の試合を両方ともテレビで観戦していた。 まずは午前に行われるグループAのブラジル対オランダの試合が中継される。
[605]2 ◆vD5srW.8hU :2011/10/13(木) 23:47:46.34 ID:M1ROQRJH 岬「とうとうグループAのヤマ場だね」 中山「凄い試合が期待出来そうだな!」 政夫「ブラジルは既に得失点差が12もあるんだよな」 和夫「絶好調も良い所だな」 山森「ところで、このメンバーリストの10番の選手なんですが」 次藤「アルツール・アンチネス・コインブラ…こいつ、いっちょん試合に出とらんとは本当っちゃ?」 赤井「本当ですよ。しかもクラブに所属していないアマチュア選手らしいです」 若林「なんでそんなのがブラジルユースに…?しかも10番だなんて」 ブラジルユースは開催国のチームであると同時に森崎と翼の留学先の国でもある。 その強さは今更言葉で説明するまでもないが、特に注目を集めているのは 10番でありながら試合に全く出てこないコインブラの事だった。 マスメディアが騒ぎ立てるまでもなく「この謎の選手は一体何者なのだ?」と盛んに推測を呼んでおり、 監督のロベルトがはぐらかすばかりなのも手伝ってブラジルに一層不気味な雰囲気を与えていた。
[606]2 ◆vD5srW.8hU :2011/10/13(木) 23:48:14.58 ID:M1ROQRJH 石崎「翼も知らないのか?こいつ」 翼「うん。いくら記憶を探ってみても、全然聞いた事がない。森崎は?」 森崎「一度レストランで偶然メシを一緒に食った事はあったが、それだけだぞ。こんな奴が選手だなんて知らなかった」 日向「ひょっとしてただのフェイクじゃねえのか?憶測を呼ぶだけ呼んで他の選手の研究を疎かにさせるとかよ」 森崎「う〜ん…有り得ない手でもないけどよ…それならまだ秘密兵器の切り札って方がしっくり来るな」 翼「ロベルトの性格からして、そんな出し惜しみや小細工をするとは思えないんだけどな…」 この場では誰よりもブラジルに詳しい森崎と翼の二人もコインブラについては全く知らない。 井出や見上も情報を集めようとしてはいたが、彼らも不思議そうに首を振るだけだった。 あるいはそれで良かったのかも知れない。彼らの心の平穏を保つ為には。
[607]2 ◆vD5srW.8hU :2011/10/13(木) 23:48:27.74 ID:M1ROQRJH 松山「オランダめ…!」 三杉「松山。力の入れすぎだ」 松山「分かっている、分かっているさ…でも、どうしようもないんだ!」 政夫「まあな…あいつらを思い出すだけでヘドが出るぜ」 和夫「ブラジルがコテンパンにしてくれると有難いんだけどな」 早田「だが純粋に戦力的な意味だと、ブラジルとオランダどっちが強いんだ?」 三杉「6:4でブラジルと言った所かな。オランダにはアウェーの緊張感なんて関係なさそうだけど」 若島津「となると、一体どんな展開になるか…お、そろそろ始まるぞ」 一方オランダに関しては最初から松山が抑えきれない怒りで震えており、それに同調する者達も 皆苦い表情を浮かべていた。日向など白けた視線を味方に送っていた者も居たが、 全日本ユースの選手たちの大半はオランダを憎んでいたと言っても過言ではない。 彼らがオランダがブラジルに惨敗するのを望むのも無理はなかったが、その願いが叶えられる事はなかった。
[608]2 ◆vD5srW.8hU :2011/10/13(木) 23:48:40.58 ID:M1ROQRJH TV「ただいまスターティングメンバーが発表されました。まずはオランダから…おおっと、これは!」 全日本メンバー「な…なにィ!」「おいおい、こりゃあ…!」 TV「なんとオランダはキャプテンのクライフォートくんを初めとした主力選手が何人も抜けています! これは事実上の降参宣言と言う事でしょうか?知将クラマー監督の思い切った采配です!」 クラマー「(ブラジル相手に勝とうとしたら全身全霊でかからねばならんからな。 わざわざ開催国の恨みを買った挙句に消耗しデータを取られまくるのでは百害あって一利なしじゃ)」 松山「な、なんだよこれ…手を抜いているのか!?」 三杉「…いや、オランダは全力でやっているんだよ。試合に勝つ為ではなく、大会に優勝する為にね」 翼「確かにプロの大会だとこういう例はたまにあるな…」 日向「ヘッ、頭が良いじゃねえか。もう勝ち点6を確保しているんだから極めて合理的だ」 森崎「これじゃブラジルユースも拍子抜け…でもないか。完全に予想外って訳じゃないだろうし」 松山「………くそっ、オランダめ」
[609]2 ◆vD5srW.8hU :2011/10/13(木) 23:48:54.76 ID:M1ROQRJH なんとも奇妙な雰囲気のままブラジル対オランダが始まり、そして大方の予想通りブラジルが勝利を収めた。 無論主力が抜けたと言ってもオランダが全くの無抵抗になった訳ではなく、アピールチャンスだと考えた サブメンバー達が必死に走り回り力の限り戦っていたがやはり主力抜きでブラジルに勝てる訳がなかった。 前半の内にカルロスとザガロが1ゴールずつ決めたブラジルは後半から主力を交代させた。 その甲斐あってかオランダもイスラスが1点取り返したものの、それが唯一の成果になった。 ピッ、ピッ、ピィイイイイイイイイイイイイイイイイイ!! 試合結果は2−1。ブラジルは世論の期待通り1位で予選突破し、オランダは目論見通り2位で突破した。 三杉「完全に三味線を弾いたね」 松山「………」 三杉「まだ納得がいかないかい?」 松山「理屈は理解できる。だけど…オランダがますます嫌いになった」 日向「相変わらず甘ちゃん野郎だぜ。そんなにいきり立っていてもオランダに利用されるだけだぞ」 松山「お前には言われたくないぞ!」 中山「まあまあ…終わった試合はもう良いさ。次のアルゼンチン対イタリアの事を考えよう」 岬「僕、飲み物を補給してくるよ」
[610]2 ◆vD5srW.8hU :2011/10/13(木) 23:49:53.74 ID:M1ROQRJH 今夜はこれだけです。また明日お会いしましょう。
[611]創る名無しに見る名無し:2011/10/14(金) 02:55:30.70 ID:e/JcEmrB 乙でした。
[612]2 ◆vD5srW.8hU :2011/10/15(土) 18:30:21.95 ID:8rsc/rVV なんとも盛り上がりにくいブラジル対オランダの試合から数時間後、今度はアルゼンチンとイタリアの試合のキックオフが迫っていた。 ドイツメンバー「さて、どっちが勝つのかな」「メンバーだけで見ればイタリアが強そうだが」 ウルグアイメンバー「アルゼンチンにはディアスが居るからなあ…」「奴のデータをしっかり取っておくぞ」 オランダメンバー「俺達は準決勝でこの試合の勝者と戦う事になる」「お手並み拝見って所だな」 この試合はさっきとは違う、決勝トーナメントを有利に戦う為にどちらも1位突破したいに違いない… そんな思いを込めた視線を直接観戦している観客のみならずテレビ観戦しているライバル達も注いでいる。 それはついさっき予選一位突破を決めたブラジルユースの面々も例外ではない。 ネイ「つまんない試合だったな〜」 ディウセウ「オラああ言う戦い方は好きじゃねえな」 マウリシオ「まあまあ、楽に勝たせてもらったって事で一つ」 選手たちは皆大きなテレビの前に群がり瞬きもしたくないとばかりに目を見開いていた。 ただしコインブラだけは例外で、一番後ろで腕組みをしつつ退屈そうに見ている。 これは何時もの事で、チーム内で孤立している彼にわざわざ絡む者も居なかった。 ゲルティス「コインブラ」 ブラジルメンバー『!!』 コインブラ「…なんだ?」
[613]2 ◆vD5srW.8hU :2011/10/15(土) 18:30:49.88 ID:8rsc/rVV だが今日この時はゲルティスがコインブラに話しかけた。 元から無口なゲルティスがこれまた必要以上に口を開こうとしないコインブラに 話しかけた事で妙な緊張感が漂うが、当人達はそれを知ってか知らずか淡々と言葉を交わす。 ゲルティス「イタリアの10番…アルシオンを良く見ておけ」 コインブラ「お前と同じミランの奴か?」 ゲルティス「そうだ」 コインブラ「何故だ?」 ゲルティス「もし今大会お前以上の選手が居るとしたら、それは奴しか居ない…俺はそう見ている」 コインブラ「!」 カルロス「(ゲルティスがここまで言い切るだと…?)」 ゲルティス「すぐに分かるだろう。奴の恐ろしさが」
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0ch BBS 2007-01-24