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【最終兵器】Another-C_6【ファンタジスタ】
[981]埋めアナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/18(木) 17:51:54 ID:??? ナムリス「ボク達をからかう作り話にしてはチョット手が込みすぎてますね、メリー先輩。」 呆れたように苦笑して見せているのがナム、ナムリス・ユブンタイ。 学年は1つ下の後輩だけれど、実は年齢はもっと下・・・ 去年、飛び級で私達と同じK大に編入してきた秀才だったりする。 飛び級なんか出来ちゃう秀才が、うち程度の偏差値の大学に何の用かと周囲は言うけれど・・・ 私も蓮子もそういうのを気にした事はない。 ナムリスの多用な知識や調査・リサーチの正確さは、今や秘封倶楽部にとって必要不可欠。 元々の情報源だった、蓮子の表裏ルートのそれを上回っているみたいだから、きっと相当よね。 最初、蓮子はその事に地団駄を踏んで悔しがっていたけど、効率を考えて割り切ったみたい。 それに彼の人となりが不快とは対極なのも大きい。 この気難しい蓮子が心を許す数少ない人物と言えば理解も早いかな。 後は・・・親が石油王だとかそんな噂を聞くけれど真偽は不明で、私も蓮子も特に追求はしていない。 そこには興味ないし、(事実は別にして)それを鼻にかけていないという事の方が私達には余程重要。 まあそんな感じで蓮子の次くらいに、一緒に過ごすのが当たり前と思える存在。 白い肌の私、浅黒い肌のナム、その中間の蓮子・・・うん、なんだか凄く国際的でしょ? ・・・ちなみに秘封倶楽部は私と蓮子、それとナムの3人だけの霊能サークル。 けれども一般にイメージされる霊能サークルのような、除霊・降霊といった霊能的の事はやってない。 そのせいで、周囲の人間からは不良サークルと云われてたりもするけれど・・・ でも本当は色々と活動はしてる。 ・・・私と蓮子の目と、それからナムの情報を使ってね。
[982]埋めアナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/18(木) 17:53:09 ID:??? 蓮子「だからさ、このタケノコは一体どういう事なの?」 メリー「説明した通り夢の中の竹林で拾った物よ、夢から覚めたら2人に見せようと思ってね。 ・・・ベッドで目を覚ました時、実際手に持っていた時は流石に混乱した訳だけどね・・・。」 そうなのだ・・・夢だとばかり思っていたのに、向こうで採った物が現実に現れた。 赤い屋敷でお茶を御馳走になったり、竹林でタケノコを拾って黒い鼠の様な何かに襲われたり・・・ 走ったり、空を飛んだり・・・・そうだ、色々とあった筈なのに身体は全然疲れてなかった。 夢じゃない訳がない、そう思うけれど・・・手の中にあったタケノコだけが私を悩ませていた。 メリー「ね、どう思う? これって一体何なのかな・・・夢遊病?」 ナムリス「からかっている・・・という事じゃないみたいですね。」 私が冗談めいた態度をやめて真剣に相談の言葉を投げかけると、ナムの目の色が変わった。 どうやら彼も真剣に話を受け止める気になったようだ。 蓮子は最初からそのつもりだったみたいで、硬い表情がずっと変わらない。 私の周囲、または私自身に何が起こっているのか・・・世界の仕組み全てが見えている(ような気がする) この親友なら、少なからず混乱している私に対して何かヒントを出してくれる筈だって。 ・・・この時はそういう事を期待してた。 何だか判らないけれど妙に不安な気持ちになっていたから。
[983]埋めアナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/18(木) 17:54:37 ID:??? 2−2)Change ability of Strange Dream 蓮子「能力が“結界を操る物”に変わりつつあるんじゃないかな・・・。」 突拍子もないかとも思ったが、私は自分の考えた結論を口に出していった。 あー、やっぱり思ったとおり。 メリーはこれを聞いて目を真ん丸くしている。 メリーは『結界の境目が見える』っていう、ちょっと気持ち悪い目を持っている。 この目があるからこそ、我が秘封倶楽部は秘封倶楽部として活動が出来ているわけだが。 あ・・・つまりね、秘封倶楽部の活動って言うのは、世の中に点在している結界を暴き・・・ その結界の向こう側の世界を覗き見る事にあるの。 つまりは世界の隠された秘密を知りたい、世界の仕組みを知りたいって言う・・・ まあぶっちゃけた話、興味をそそられるからってだけで活動しているんだけどね。 前にも裏表ルートから“冥界”の写真とやらを手に入れて、 私の目で星と月から位置を割り出して、世界の秘密を暴こうとしたわ。 そう、“西行法師”で有名な“蓮台野”での話。 その時も確かにちょっと不思議な光景を見たわけだけど・・・あ、それは別のお話だったわね。 ともかく、私にはメリーの話が只の夢の出来事だなんて思えなかった。 ****** 一旦ここまでです、まだ続きます
[984]アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/23(火) 16:37:32 ID:??? 蓮子(普通の人間は一生知る事のない、密やかな世界の仕組がある事を、私たちは経験している。 だから質悪く私たちをからかおうとしているのでない限り、メリーの話は全て現実と解る。 でなければ夢の中で拾ったタケノコが、起きたら実際にあったなんて事は起こらないし。) 色々と可能性は考えられたが、それでも私はメリーの身に起こった事実を確信していた。 蓮子(きっとメリーは夢の中で行ったんだ……結界の向こう側に。) メリーは夢の中で秘封倶楽部の活動の一つの到達点に達していた。 それはとてもとても素晴らしく、羨ましい事だった。 そして夢の世界で拾った物が、現実でもその手の中にある…最高じゃない? ・・・けれど、これは同時に危険な事実も私たちに告げていた。 蓮子(メリーは夢の中で怪物のような物に追われたと言っていた… つまり“その世界”には、人間に危害を及ぼす可能性のある生物も存在していると言うこと。 そして夢で拾った物が現実でも現れるとしたら…) 夢の中で負った傷は現実でも負う、夢の中で死ねば現実でも死ぬ。 こう考える事に対して何の疑問も生じない。 つまり秘封倶楽部がやろうとしている事は、そう言った世界に足を踏み入れるという事と同義なのだ。
[985]アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/23(火) 16:39:42 ID:??? ・・・それから、何故メリーがこの様な不思議に巻き込まれたのか言う考察。 これについては、一つの可能性しか頭になかった。 理系ならば、もっと他の可能性も挙げて証明と反証を繰り返すべきかも知れなかった。 けれどもこの時の私はそんな事も出来なかった。 メリーだけが得体の知れない何かに巻き込まれ、何処か遠い世界の人になろうとしている… そう考えるのが、とてもとても嫌だった。 蓮子(置いてかれたくない。) …だからそう言った。 『能力が“結界を操る物”に変わりつつある』と、努めて冷静な声で。 不思議な力が更に不思議な力に変化する過程で起こった事件と… メリーがまだそれを使いこなせなかったから起こった事件なのだと思いたくて。 そう、私もメリーやナムと一緒にその世界へ行ってみたいと思っているんだ。 ・・・って、ちょっと私にしては重い事を考えていた。 それくらいの大事件と私が捉えていたって・・・皆には解ってもらえるかな。
[986]アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/23(火) 16:54:10 ID:??? 2−3)此方 メリー「・・・聞いておいて何だけどさ、やっぱり夢だったんだと思う。 だって、あんなに色々な事があって走ったりもしたのに、筋肉痛とか全然無いし。」 蓮子「そう? ・・・でもさ、現実だったらワクワクじゃない? ねえ?」 そう言うと蓮子はナムリスの方を向いて同意を求めた。 ナムリスは『全くです』と笑顔で答える。 蓮子「ほら、メリーだってそうでしょ?」 メリー「確かにそうだけどねー、なんか実感が湧かないって言うか・・・混乱してるのかな・・・」 流石に体験した当人としては胸湧く気持ちと不安の間で揺れているのか、言葉の抑揚はいつもよりも小さい。 蓮子もナムリスも普段のメリーの様子を知ってか、もろ手を上げるような喜び方はしなかった。 とは言え、内心ではこれがどれほど興奮を呼び起こす事なのかは想像に難くない。 もしも蓮子の仮説が正しければ、秘封倶楽部は新たなステージに立つ事が出来るからである。 ただ、その鍵となる当人の気持ちを置いて勝手に盛り上がる真似は彼女達には出来ない。 それだけの事であった。
[987]アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/23(火) 16:55:15 ID:??? 蓮子「私は、さ・・・メリーの見た夢を現実にしたいな。」 メリー「え・・・?」 蓮子「多分、蓮子は結界の向こう側に行ったんだよ。 ・・・と、私は思ってるんだけどね。 少なくともさっきのメリーの話は、私が今まで生きてきた中で、一番ワクワクする話だった。 現実かも知れない夢を見た・・・それは夢のような現実が待っているって私に思わせた。」 メリー「蓮子・・・」 蓮子「私はメリーの夢の世界に行きたい、夢を現実にしたい。」 メリー「!」 大学生が言うと大概の人間は呆れるか失笑するような事を、蓮子は大真面目に口にしていた。 何処か冗談めいた所があり、でも行動自体は毎回超本気の蓮子。 探究心と遊び心・・・秘封倶楽部で活動する彼女が発する空気は、まるでいけない事を楽しむ悪戯っ子だった。 そんな彼女がこうしてシリアスに生の声を2人に聞かせている。 メリーにとってこんな蓮子は初めてであり、それだけに心動かされる何かがあった。
[988]埋めアナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/25(木) 18:52:34 ID:??? メリーと蓮子…2人の間で気持ちの整理がついていた。 蓮子の希求がメリーへと伝播し、彼女の得も言えぬ不安感を拭ったのである。 2人の様子をナムリスは外から笑みを浮かべながら見ていた。 まるでこうなる事が分かっていたかのように、ここまでのナムリスは出来る限り言葉を発せず、 存在感も可能な限り減じてきていた。 だがここでようやく彼が主体的に言葉を紡ぎ始めた。 ナムリス「メリー先輩の話が夢か現か、真偽は今の我々には知り得ません・・・。 けれど、ボクはメリー先輩が夢の中で結界の向こう側へ行ったと考えます。」 メリー「結界の向こう側…」 蓮子「うん、私もそう思う。」 ナムリス「それが何によってもたらされたか…メリー先輩の力なのか、それとも外的要因なのか? ……蓮子先輩はメリー先輩の能力が変わってきていると仰っていますが…。」 蓮子「何か反証でもあるの?」 ナムリス「いいえ、非常に興味深い考察だと思います。 問題はそれが今後の我々の活動にどのような変化をもたらすか、です。」
[989]埋めアナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/25(木) 18:54:06 ID:??? 蓮子「相変わらず奥歯に物を挟んだ話し方をするのね… 言いたい事、主張があるんだったらハッキリ言いなさいよ。」 ナムリスの物言いに焦れた蓮子が直球で不平を示す。 言われた側のナムリスは肩を竦めて困り笑いの顔をする。 いつもの光景である。 ナムリス「ふふ、すみません。 ではハッキリ申し上げます。 それが100%メリー先輩の能力だと言うならば、我々の活動に変化はありません。 今まで通り結界を暴いて行く中で、自ずと結果の方から飛び込んでくるでしょう。」 メリー「そうね、私の力だと仮定すればそうなる筈よね。」 蓮子「それじゃあ外的要因の方は?」 ナムリス「・・・研究と検証が必要になるでしょう。 偶発的な物ならば、二度と同じ状況は有り得ないかも知れませんが。」 蓮子「はぁ……ちょっとナム、何を言いたいのか解らないんだけど?」 ナムリス「今のままの活動だけでは、我々はいずれ行き詰る……そう申しています。」 断じて告げたこの言葉は、蓮子とメリーの2人にも確かに理解が出来た。 これまで秘封倶楽部の活動は、点在する結界を暴き、覗き見る事が主体であった。 突き詰めれば、そこから得た情報から世界の隠された秘密を考察し…… 世界の矛盾を解き明かす事にあった。
[990]埋めアナカン ◆lphnIgLpHU :2011/08/25(木) 18:55:07 ID:??? ・・・しかし今回の事件によって、秘封倶楽部の活動は転機を迎えようとしていた。 何故ならば、結界の向こう側に行きたいという望みが発生したからだ。 覗き見る事よりも更に先の世界がある、これを彼女たちは知ってしまったのだから。 メリーの能力に100%依存する現象だったならば、なんら問題は無い。 結界の向こう側にはいずれ行けるだろう、メリーの力の変化が顕実化すれば。 だが外的要因があるとすれば、いつまで経っても結界の先に行く事は出来ない。 そこに辿り着くには、同じような偶然を待ち続けるしかないのだ。 これまでの秘封倶楽部の活動だけではいつまでも満足する事はないだろう。 メリー「解ったわナム。 貴方の言う通り、私達は今までの結果では満足出来なくなるわよね。」 蓮子「活動範囲・・・って言うか分野を広げたいという提案って事ね。」 ナムリス「仰る通り・・・ですが、そこまで深く考える必要はありません。 既に我々は副次的にその活動へと手を染めているのですから。 たとえば蓮子先輩・・・」 蓮子「・・・なぁに?」 ナムリス「貴女が超弦理論を研究しているのは、既存の自然物理学では証明できない事象があるからです。 それを解き明かし、別のアプローチから世界の仕組みを知る手段が“ひも”に在ると・・・ そう考えているのではないでしょうか?」 蓮子「・・・・・・!」
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0ch BBS 2007-01-24