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【敵味方問わず】幻想のポイズン53【白黒判定】
[883]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/10/19(水) 00:15:59 ID:??? 一旦ここまで。 >>869-870 >>872 三杉君の安定した突っ込み。 >>871 私が参加したイベントには参加されいなかったようですが、委託された本がありました。 しっかり入手しました。おいしいれす^q^ >>873 >>875 なんという10対12…… >>874 パルス「口を慎みたまえ、君はサッカー王の前にいるのだ」
[884]森崎名無しさん:2011/10/19(水) 00:20:23 ID:??? また加齢なドリブルですかw
[885]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/10/19(水) 01:26:58 ID:??? 前半戦が終了し、ハーフタイムに突入をした所で……視点を観客席からスタジアム内部――医務室へと向けてみよう。 試合が始まってから45分……イタリアとの試合中、体力が枯渇した為に気絶をした秋穣子は。 この時間になって、ようやく意識を取り戻した。 穣子「ぅ……あー……だっるぅ……」 妹紅「あ、穣子! 気が付いたんだね!! うん、良かった良かった!! 体は何とも……」 穣子「ぁー……悪い、妹紅。 ……ちょい、マジでうっさい」 てゐ「病室では静かにお願いしますウサ」 この穣子の復活に対して瞬時に反応したのは、燃える闘魂、血液がマグマでできているかのような熱血漢――藤原妹紅。 良かった良かったと嬉しそうにする妹紅であるが、当然、起き抜けの穣子にとっては鬱陶しい事この上なく。 てゐは呆れたように苦笑いをしながら、静かにするよう言い聞かせる。 そして、そのまま穣子の体調を改めて確認。 永琳はおろかうどんげにも医術の知識では劣るてゐではあるが、この分ならしばらく横になって栄養を取れば問題ないだろうと診断し。 未だにぶつぶつと喜びをあらわにしている妹紅と共に、観客席にいる輝夜たちに穣子の件について報告に向かう。 そうして静かになった部屋の中で、穣子は上体だけを起こしてきょろきょろと周囲に目を向ければ……。 カチャッ…… 穣子「……! ……姉さん」 静葉「あら、気が付いたみたいね。 穣子、喉は?」 穣子「ん……カラッカラね」 静葉「なら丁度良かったわ。 お茶を買ってきたの」 不意にドアが開き、穣子は瞬時にそちらへと顔を向け……そこに立っているのが静葉であるのを見て、少しだけ眉をひそめた。 一方、入ってきた静葉は微笑を浮かべながらその手に持っていたペットボトルのお茶を穣子に差し出し。 受け取った穣子は、蓋を開けようとするのだが……中々手に力が入らず、ぐぎぎと声にならない声を上げる。
[886]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/10/19(水) 01:27:59 ID:??? 静葉「……私が開けるわ」 穣子「悪いわね姉さん」 静葉「弱っている貴方に開けさせようとした私が悪かったのよ。 ……ところで、妹紅たちは?」 穣子「あー……お姫様たちに報告だって出て行ったわ。 ただの過労で、なーんも問題は無いって」 静葉「そう」 妹紅たちの不在の理由を聞いた静葉は納得したように頷きつつ。 ペットボトルの蓋を開け、それを穣子に手渡しベッドの横に備え付けられたパイプ椅子に座る。 一方で、お茶を受け取った穣子はよほど喉が渇いていたのかそれをがぶがぶと飲み始める。 しばらくはそうやって、ただ穣子のお茶を飲みこむ音だけが室内に広がっていたのだが……。 静葉「ところで穣子……」 穣子「ん?」 静葉「さっきは誰を探していたの?」 穣子「ぶっ……!」 静葉「あら汚い」 不意に静葉が問いかけると、穣子は飲んでいたお茶を思いっきり吹き出し。 静葉はそれを微笑を浮かべたまま眺めつつ、ベッドのシーツに飛び散った液体をハンカチでトントンとやり始める。 穣子「べっ、別に誰も探してないわよ……」 静葉「そう? ……でも、薄情よねその人も。 穣子を心配して来てもくれないなんて……」 穣子「仕方ないじゃない、超がつくサッカー馬鹿なんだし」 静葉「……そう、超がつくサッカー馬鹿を探していたのね」 穣子「……図ったな姉さん」
[887]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/10/19(水) 01:29:21 ID:??? 姉妹で互いに言葉の応酬をするも、やはり口では一枚も二枚も静葉が上手。 なんともあっさりと子供だましのような静葉の問いかけに引っかかった穣子は帽子をぎゅっと掴み頬を膨らませ……。 一方で静葉は微笑を浮かべながらも、凛とした声で続ける。 静葉「……どうして、探してたの?」 穣子「べっつにー。 ……ただ、まぁ……そりゃ……いてくれりゃ、嬉しいでしょ。 気遣ってくれてるんだ、って……わかるしさ」 静葉「……どうして、彼なの?」 穣子「なんだかんだで、姉さん以外じゃ一番仲いいからかな……」 至極機嫌が悪そうながらも、ふてぶてとした態度を取りつつ返答を重ねる穣子。 機嫌が悪いのは、静葉に一本取られたからか、それともその"彼"が来てくれなかったからなのか。 それは静葉にもわかりかねていたし、穣子にしてもそうであった。 穣子「あいつ、サッカーの時はやるけど……普段が普段でしょ。 なーんか頼りないっていうか、ほっとけないっていうか。 最近ちょっとは強気になったような気もするけど、それだっていつまで持つかわかんないし」 静葉「……可愛い弟なのね」 穣子「そうね……」 静葉の言葉にゆっくりと頷き同意をする穣子。 その眼はどこか遠くを見ていて……だからこそ、静葉はそっと息を吐く。 静葉「だけど……弟じゃないわ」 穣子「………………」 静葉「わかってるわよね、穣子?」 穣子「……そうよ。 違うってのはわかってる。 弟じゃないし、家族でもない。 それどころか、種族だって違うってね」 静葉「……わかってるのね?」 穣子「わかってるわよ」
[888]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/10/19(水) 01:30:25 ID:??? 秋穣子は、世話好きである。 そして、姉の静葉に比較をすれば至ってフランクで人情家な性格の持ち主だった。 神として、常に周囲とある程度の間隔を持てる静葉とは違い、人との壁をあまり作るタイプではない。 彼と懇意になったのも、ある意味必然とも言えるのだが――。 それはやはり、神としてあまりいい行いではないと、彼女は本能の部分で知っている。 穣子「けど……やっぱり気になるじゃない。 ……私たちの近くにずっといる人間なんて、初めてでしょ。 それに……やっぱ、私がついてないと何しでかすかわかったもんじゃないわ」 静葉「でも、それは貴方の役目ではない」 穣子「……………………わかってるわよ」 静葉「……人には人の、神には神の役割がある。 神と人とが近すぎるのは……やっぱり、大きな問題よ。 貴方の持つ、その感情も……人に対して一柱の神が持つには多分に過ぎるものだわ。 神は等しく、信仰をする者に徳を与える為に存在する。 それを違えば……」 穣子「……………………」 それは姉として、そして同じ神としての警告だった。 静葉は何も間違った事を言っていないし、それを否定するだけの根拠も理由も穣子は持ち合わせていない。 だから、無言で聞き……ぽすん、とベッドに横たわる。
[889]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/10/19(水) 01:31:26 ID:??? 静葉「少年は大人になる。 今もそう、なっている途中――少しずつ少しずつ、成長をしてゆく。 ……姉のような存在は、いつまでもいらないのよ」 穣子「……………………」 静葉「いつか……ううん、もう、かもしれない。 彼にも彼にふさわしい"人"が見つかるでしょう」 穣子「……わかってるわよ」 静葉「さっきからそればっかりね……」 穣子「だって、わかってる事ばっかなんだもん」 感情が見えない穣子の言葉を聞いて、静葉は困ったように首を傾げた後……自分の分のお茶を買ってくると、一旦席を立つ。 再び静寂に包まれた部屋で、秋穣子はベッドに横たえたまま、不意に右手をぐっと伸ばし天井に向けた。 穣子「……わかってるわよ。 そんなもん。 誰に言われんでも、私が一番。 でも、いいじゃない。 今くらい……少しくらい……」 そのままぐっと右手を握りしめ……すぐに開く。 その手のひらの中は、空っぽだった。 それが穣子には、なんだか無性に悲しかった。
[890]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/10/19(水) 01:32:39 ID:??? >>884 他にどんな人が加齢なドリブルを使えるかみんなで考えよう! はい、という事で本日はここまで。 明日以降は後半戦から書かせていただこうと思います。 NPCシーンばっかりでごめんなさいです。 それでは、お疲れ様でしたー。
[891]森崎名無しさん:2011/10/19(水) 01:34:59 ID:??? 乙でした これは穣子ルートあるでって解釈でいいのかな?
[892]森崎名無しさん:2011/10/19(水) 01:55:14 ID:??? 単純にキャラの掘り下げか、 穣子の好感度あげたのに別ルート選んだから軋轢が始まる予告って気がするなあ
[893]森崎名無しさん:2011/10/19(水) 02:44:10 ID:??? 反町の秋空離れの伏線じゃないか 第三部あるなら守矢行く事になるんだろうし
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0ch BBS 2007-01-24