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【崩落のステージ】Another-C_8【 前篇 】
[718]アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/11/17(木) 17:50:53 ID:??? >>716 いやー、異能生存体って凄まじい能力ですよね。 リスクレベルを操るスタンドとか言っても良いのでは…とかスレ主はスレ主は呟いてみたり。 >>717 その乙に返せるだけの感謝の言葉を、私はまだ持っていない…! ============================================= 過去の経緯、その流れの一連を順に再生し終えたプロシュート。 このまま未来についての予想、シミュレーションに移行しようと考えていた。 ペッシ「ねえ兄貴ィ…。」 プロシュート「………なんだ?」 その矢先、隣で運転している弟分のペッシが話しかけてきた。 ここからまさに思考を働かせようとしたタイミングである。 思考を阻害されたプロシュートは3秒少々沈黙し、やや不機嫌そうな反応をペッシに返した。 ペッシ「いや…あの。 こんな十数枚の写真が一体なんになるんですかねぇ?」 プロシュート「んなこたぁ行ってみなけりゃ判るわけがねーだろ?」 ペッシ「いや…そーなんすけど……信用できんですかい、その手紙は?」
[719]アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/11/17(木) 17:52:07 ID:??? プロシュート「ま、信用出来るかどうかは会ったその場で判断する事だがよ… 現実問題“ペリーコロ”が消え、ボスの素性への道筋は断たれた。 …つまりオレ達に残された当ては、この手紙の主だけっつーわけだ・・・判るな?」 ペッシ「むむ…。」 プロシュート「ボスの正体に辿り着くためのチャンスがこれしかねえっつーんならよ・・・ 腕の1本や2本引き換えにしても食らいつく、それがオレ達のチームだろ。」 ペッシ「・・・へっ、そーでした。 判りました、兄貴がそこまで言うならオレも覚悟を決めますよ。 何が起こっても・・・たとえ罠だったとしても、オレが網を全て引き千切りゃいい事です。」 プロシュート「フッ・・・。」 自分への鼓舞でも大口でもない・・・淡々と自分のやるべき事を述べたペッシ。 以前のようなマンモーニとはすっかり見違えた弟分に、プロシュートは信頼を込めた笑みを返す。 同時に彼はこう思っていた。 『…手紙の主は、今回の連絡において“情報の代価としての仕事依頼”を銘打ってきている。 これまでの事態の流れと合わせて考えても、組織の罠という可能性はかなり低い筈だ・・・』と。 ただ、油断を招かぬ為に敢えてそれを口にはしなかった。
[720]アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/11/17(木) 17:56:06 ID:??? ???「………」 後部座席の男は一言も口にせず、プロシュートとペッシの会話を黙って聞いていた。 この2人の遣り取りは、暗殺チームと言っても人として腐っている訳ではないと彼に再確認させる。 プロシュートに、自分の過去に所以する組織への不信を指摘され… そしてボスを倒す協力を要請された時、彼は正直に迷った。 完全に組織への裏切りを意味する誘いを、しかも初めて顔を合わせた男に告げられたのだ。 彼の過去に事情があり、組織に不信を抱いていたとしても、普通は『No』だ…有り得ない。 組織の人間としては、その場で始末するというのが正道だったろう。 しかし彼は、このプロシュートという男に不思議な気高さを感じた。 暗殺チームの他のメンバーの事は知らない、しかしこのプロシュートは信頼に値する人物に思えたのだ。 そして何より決め手になったのは、ボスを倒した後の彼の望みに対する プロシュートの『是』という回答…これに嘘が無かったという確かな確信である。 結果…彼は自らのチームに一時の留守を告げ、プロシュートに同行する事を決めた。 浅はかな選択だったのかも知れない…。 しかしそれでも選んだのは、彼がそれほどに自分の信じられる道を行きたかったという事だろう。
[721]アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/11/17(木) 17:58:20 ID:??? ―――数時間後 3人はフィレンツェのサンタマリア・ノヴェラ駅から200mほどの高級ホテル・ミネルヴァへ到着した。 このホテルの一室で写真を持って落ち合う旨、先の手紙によって指定されていた。 ホテルのフロントにて部屋のナンバーを伝え、部屋を借りている人物への面会を申し出る。 すると『プロシュートという人物だけ通すように窺っております』と即座に返答された。 少し待ってくれとフロントに告げ、3人は離れた場所で方針を話し合う。 ???「お前一人だけご指名ね…。」 ペッシ「兄貴ィー…やっぱこりゃあ罠じゃあ……」 プロシュート「………」 ???「どうするんだ? 今ならまだ引き返せるぞ。」 プロシュート「いや、行こう。」 ペッシ「ま、ま、マジっすかあー!?」 プロシュート「ああ、罠だったら始末すればいい。 それでこの筋は終わりだ。」 驚愕するペッシとは対照的に、プロシュートはどこまでも淡々と冷静だった。
[722]アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/11/17(木) 18:11:58 ID:??? ???「ふむ…戦闘になると仮定して、バックアップはどうするつもりだ?」 プロシュート「まあ・・・そこはお前が気にする事じゃあない。 お前の手を本格的に借りるのは、この話が罠でないと判明してからの話だ。 …おいペッシ、お前のアレ(針)を貸せ。」 ペッシ「へっ…へぃ!」 プロシュート「戦闘になったらこいつで合図する・・・そしたらオレ以外の奴を窓から“狙撃”だ。」 プロシュートの指示にペッシは乗り気な顔で胸を叩いた。 自分に任せてくれと言わんばかりの顔で。 プロシュート「だがな、もしも合図を送る間もなくオレの生命活動が感じられなくなったら・・・ その時はソッコーでこの場から立ち去れ、わき目も振らずにネアポリスへ戻るんだ。」 ???「!!」 ペッシ「な、何を言い出すんですか兄貴ぃー!?」
[723]アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/11/17(木) 18:13:29 ID:??? プロシュート「落ち着けペッシ、相手が何人だろうと密室の戦闘ならオレのスタンドは負けねえ。 当然やっこさんとの対面には、下準備は終わった状態で臨むしな。 万が一それでオレが負けるような相手なら…分断された時点でリタイヤだったって事だ。 その後にお前らが乗り込んでも、外から狙撃したとしても勝てる奴じゃねえ。」 ペッシ「んなバカな話がありますかい!」 ???「いや、いいだろう。 その時は出直して、いずれこの坊やにお前の仇を取らせる…って事でいいな?」 プロシュート「ああ、十分だ。」 それだけ言って、プロシュートはフロントの方へ向かった。 彼の予想では罠の可能性は低く、そして場所が密室において“偉大なる死”を前に相手は逃げ道が無い。 『自分がペッシに言っているのは万が一、億が一の事態に過ぎない』・・・彼はそう確信していた。 ******* 一旦ここまで
[724]アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/11/18(金) 17:44:18 ID:??? ガチャッ ???「遠路遥々(はるばる)ようこそ。」 部屋のドアを開けて中に入ると、奥からの声に迎えられた。 男・・・かなり若い声であり、少なくとも学生かそこらの年齢と考えられる。 プロシュート「・・・・・・」 ギィンッ プロシュートは自らのスタンド、“偉大なる死”を早速発現させた。 反射的に老化ガスを発生させられるよう、一歩毎に警戒レベルを上げつつ奥へと進む。 そこには先程思った通り、学生くらうの少年が・・・同世代くらいの少女と共にソファに座って待っていた。 少年の方は顔の彫りが深く、肌はやや浅黒い・・・南米か中東のいずれかと思うが判断は出来ない。 そして少女の方は彫りが浅く、肌は黄と桃の中間職、そして美しい黒髪顔・・・こちらは明白に東洋人だ。 しかしプロシュートに最も強い印象を抱かせたのは、両者の身体的特徴の差異よりも何よりも・・・ 少年の方のひどく涼しげな表情であった。 ここが図書館や植物園などであるならば、彼の様子は極めて自然だったろう。 しかし今、彼の前に立っている男…即ち自分はマフィアの一員。 その中でも暗殺チームに属するスタンド使いであり、指折りの危険人物な筈だ。
[725]アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/11/18(金) 17:45:30 ID:??? プロシュート(罠ではない、純粋な協力者だから安心してやがるってわけか…? …いや、協力者だとしても多少の緊張は避けられない状況だろ。 だがこの何も感じない日常のような空気、戦闘を仕掛ける素振りすら…っ!?) シュッ 動揺する程でもないが、不可解には違いない相手を慎重に観察していたプロシュート。 そんなプロシュートに対し、少年は無造作に手を伸ばした。 反射的にバックステップで距離を取ったプロシュートだが、能力は発動させなかった。 少年が手を伸ばしたのは、自分にソファへの着席を勧める為だったと判ったからである。 少年「どうぞお座り下さい。」 プロシュート「………………お前はオレに封筒を寄越した奴の代理でここに居るのか?」 少年「いいえ。 貴方に連絡を取ったのは間違いなくボクです、プロシュートさん。」 プロシュート「なるほど……。」 餓鬼の悪戯などではない事をプロシュートは理解している。 ここまで相手が示した情報が、パッショーネの内部事情に余りに精通しすぎた物だからである。 …であれば、この落ち着きようから考えても目の前の少年が只者でない≠ニ判断するしかない。 プロシュートは警戒を緩める事なく、取り敢えず話を聞いてみる事に決めた。
[726]アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/11/18(金) 17:46:33 ID:??? プロシュート「まぁ、そんじゃ…」 少年「ええ、早速話を始めましょう。 先ずはこちらの情報提供から。」 プロシュート「ああ…。」 少年「では、写真をお願い致します…渡して頂けなくとも、手に持って1枚ずつ見せて貰えれば良いです。」 プロシュート「いや、構わねえさ。」 パサッ 持ってきた十数枚の写真を惜しげなくテーブルに投げ出すプロシュート。 相手の欲しい物が実はこの写真…と考えるなら、これは出し惜しむべき交渉の道具。 しかしプロシュートは、相手がこの写真に価値を見出していない事を察していた。 その代わりとして、プロシュートは少年が写真に手を伸ばした時にこう告げた。 プロシュート「ただしこの写真で何が判るのか、何故お前がそれを知っているのかは教えて貰う。」 少年「構いませんよ。」 散らばった写真を掻き集めながら、少年は動じた気配すら見せずに即答した。 そして1枚ずつ写真を捲りをながら話し始める。
[727]アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/11/18(金) 17:48:17 ID:??? 少年「娘の母親…ドナテロ・ウナは公私共に真面目な女性だったようです。 服装、髪型…そして一緒に写っている友人、そして背景。 一応彼女の学生時代を知る友人に評判を聞きこみましたが、この写真が示す通りのようです。」 プロシュート(何を言い出すんだ、コイツ…。) 少年「まず間違いないでしょう、ドナテロは不特定多数の男と性交渉を持つ女性ではありません。」 プロシュート「うん……?(・・・ああ、なるほど………だがそれが一体何になる?)」 少年「彼女の娘の年齢はX歳、誕生日はM月N日…。 つまりドナテロが身ごもった期間は容易に推定されます。 つまり…。」 少年は写真の中から一枚をプロシュートの前に差し出した。 それは夜の海岸を背景に、女性(ドナテロ)がポーズを取って写っている写真だった。 少年「この写真。 日付にしてY年T月S日…時期からして卒業旅行って所でしょうか。 そして注目するべきはこの表情です……一体誰に写真を撮って貰っているんでしょうね?」 プロシュート「そいつボスだ、と言いたいんだろうが…それが正しいとして一体何になる?」 当然の疑問をプロシュートは投げつけた。 目の前の餓鬼はどうやら頭が働く、それは判った。 しかし着地点がなければ推理など思考の弄びに過ぎない。 その事が解っていない場合、プロシュートは彼らをぶっ殺す≠ニ思う事態になっていた筈だった。
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0ch BBS 2007-01-24