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【崩落のステージ】Another-C_8【 前篇 】
[727]アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/11/18(金) 17:48:17 ID:??? 少年「娘の母親…ドナテロ・ウナは公私共に真面目な女性だったようです。 服装、髪型…そして一緒に写っている友人、そして背景。 一応彼女の学生時代を知る友人に評判を聞きこみましたが、この写真が示す通りのようです。」 プロシュート(何を言い出すんだ、コイツ…。) 少年「まず間違いないでしょう、ドナテロは不特定多数の男と性交渉を持つ女性ではありません。」 プロシュート「うん……?(・・・ああ、なるほど………だがそれが一体何になる?)」 少年「彼女の娘の年齢はX歳、誕生日はM月N日…。 つまりドナテロが身ごもった期間は容易に推定されます。 つまり…。」 少年は写真の中から一枚をプロシュートの前に差し出した。 それは夜の海岸を背景に、女性(ドナテロ)がポーズを取って写っている写真だった。 少年「この写真。 日付にしてY年T月S日…時期からして卒業旅行って所でしょうか。 そして注目するべきはこの表情です……一体誰に写真を撮って貰っているんでしょうね?」 プロシュート「そいつボスだ、と言いたいんだろうが…それが正しいとして一体何になる?」 当然の疑問をプロシュートは投げつけた。 目の前の餓鬼はどうやら頭が働く、それは判った。 しかし着地点がなければ推理など思考の弄びに過ぎない。 その事が解っていない場合、プロシュートは彼らをぶっ殺す≠ニ思う事態になっていた筈だった。
[728]アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/11/18(金) 17:58:09 ID:??? 少年「ふふ…先輩、お願いします。」 少女「うん……。 東経DQ度、北緯FF度…かな?」 少年「…と言う事は、時間補正を入れると……」 バサッ プロシュートがぶっ殺すと思う暇もなかった。 少年が少女に写真を見せると、一拍も置く事なく少女は経緯と思しき数字を述べ… そして少年は独り言のように呟きながら、傍らに置いていたイタリア地図を広げた。 少年「此処、サルディニア島の[禁則事項]海岸…それが写真を撮られた場所です。」 プロシュート「待て、今お前ら何をしやがった?」 少年「何も不思議がる事はないですよ、プロシュートさんも不思議な能力を持っているんでしょう?」 プロシュート(スタンド能力・・・!!) 顔には出さないが、プロシュートの身体は間違いなく硬直していた。 スタンド使いである事を予想していなかった訳ではない。 しかしスタンドを発動させた事すら、彼は気付く事が出来なかった。 百戦錬磨、覚悟も度量もチームのメンバーが認めているところのプロシュート。 その彼が今、雰囲気も何もない少年と少女に対して威圧感を感じている。 プロシュートは、まるで人じゃない・・・モンスターか何かを前にしているのではと疑う気分であった。 ********* 一旦ここまでです。 選択もカードもなくてすみません。
[729]森崎名無しさん:2011/11/18(金) 18:10:46 ID:??? 乙でしたー 最近、このスレを読んでいてドキドキが止まらないっす
[730]森崎名無しさん:2011/11/18(金) 22:58:27 ID:??? メリー 「(いや、普通星を見れば経度なんて解るでしょ…)」 それは貴女だけです
[731]森崎名無しさん:2011/11/18(金) 23:54:40 ID:??? オッ、蓮子と間違えたゥー!
[732]アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/11/19(土) 19:21:25 ID:??? >>729 乙感謝です、感想頂けてダブル感謝! とても光栄ですし、書いている甲斐を感じます >>730-731 ニヤニヤ ============================================= ゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・ プロシュート(もう…コイツ≠ェ何を言っても驚きはしねえ…。) 目の前の少年に対するプロシュートの認識はこれにて定まった。 罠という可能性は完全に既に排除された……彼は協力者なのである。 …いや違うか、依頼者だ。 この少年は自らの目的の為に、等価交換として情報を与えているだけだ。 そうでないとしたら、プロシュートは今の時点で自分が無事ではなかったと考えている。 密室での戦闘で、最終的な敗北を自分が喫するとまでは思わないが… 今ほど目前のスタンド発動に気付けなかった時点で、先手を防げなかったと言わざるを得なかった。 少年「さて、これで全ての条件がクリアされましたね。 後はこの地に赴き、先程述べた日時の情景を再生すればお終いです。」 プロシュート「…………」
[733]アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/11/19(土) 19:22:28 ID:??? 少年「それをどうやって為すのか疑問にお思いでしょうが、心配ありません。 貴方にお願いし、ぜひ協力者にと引き入れて貰った男の部下に、それが出来る人間がいます。」 プロシュート「…………」 ゴゴゴゴゴ 目の前の少年の涼やかな表情は少しも歪んでいない。 話す言葉は淀みなく、一切の迷いも不安も感じさせない。 少年「…………………………………。 先輩、有難うございました。 後は僕一人でもきっと大丈夫です、部屋に戻って待っていて下さい。」 少女「えっ…そう………? あ、でも…うん……判った。 それじゃあメリーの事、宜しくお願いしておいてね。」 少年「ええ、土着のネットワークから協力を得られれば、メリー先輩もきっと…ですよ。」 少女「うん、ありがとう…。 頼りにしてるからね。」 それでもプロシュートの纏う空気が変わった事に少年も気付いたのだろう。 彼は少女の方に励ますような笑顔を向け、部屋を出るよう指示する。 すると少女の方は少し躊躇う素振りを見せつつも、少年の言葉に従って席を立った。
[734]アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/11/19(土) 19:24:17 ID:??? ガチャッ プロシュートの後方で扉の開閉音が聞こえた。 それを契機にしてプロシュートは再び口を開き始める。 プロシュート「メリーって奴をどうこうする…ってのが、オレ達への依頼という訳か。 クックッ…まあどうこう≠チて事もねえか。」 少年「………」 スッ プロシュートの言葉へ応える替わりに、少年は一枚の封筒を差し出した。 これまでに2回、プロシュートが受け取ったのと全く同じ封筒である。 依頼の詳細はこの封筒の中に示されている…という事であろう。 プロシュート「………。 こいつを受け取る前に、もう一つだけ聞きたい事がある。」 少年「なんでしょうか?」 プロシュート「テメェーは一体何者だ?」 少年「おや、ボクの事が気になりますか?」 プロシュート「そりゃあな。」 少年「フフ…そんなのわざわざ聞かずとも、調べればすぐに判りますよ? そんな興味、関心事よりも、プロシュートさんは他に僕から聞いておくべき事がありますよ。」 プロシュート「話を反らすんじゃねえ。 答えるつもりがねぇーなら、喋らせてやってもいいんだぜ。」
[735]アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/11/19(土) 19:25:25 ID:??? プロシュートは初めて少年に対して強い警告を放った。 言葉での警告は一度きり、次は戦闘だと持ちかけたのだ。 しかし少年は表情を変えなかった。 少年「貴方が説得し、見事に協力者となってくれた彼… ブルーノ・ブチャラティ≠フ能力を知りたくはありませんか?」 プロシュート「なっ…!」 ガタッ 思わず膝でテーブルを蹴ってしまったプロシュート。 こいつが何を言ってきても驚くつもりはない…その覚悟でいたが、これは予想の範囲を遥かに超えていた。 プロシュート「テメェー……どういうつもりだ?」 ゴゴゴゴゴゴゴゴ 少年「まあまあ…ブチャラティは貴方と同じように、マフィアでありながら気高い覚悟を持った人物です。 プロシュートさんも初めて会ったにも拘わらず、シンパシーを感じたんじゃないですか? 『どうやらこいつは信頼できる、命を預けるに足る奴だ』ってね。」 プロシュート(確かに……ブチャラティは不思議と信頼したくなる奴だ。 立場は違うが、こいつはオレと似ている気がするとも思った…) 少年「そしてブチャラティを口説いた際、彼は一つの条件を出した筈です…。 即ち麻薬ルートの放棄、撲滅=cそして貴方はそれを受け入れました。 何故ならば…貴方は『仲間の仇を討てるなら、麻薬ルートを放棄してもいい』と思ったからです。 それをブチャラティも感じた筈、だから彼はフィレンツェまで貴方に同行して来ているのです。」 プロシュート「何が言いたい…?」 ゴゴゴゴゴゴゴ
[736]アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/11/19(土) 19:26:32 ID:??? 少年「けれど……貴方と、貴方の部下のペッシさんは」 プロシュート「ペッシは部下じゃねえ、弟分だ…。」 少年「…失礼しました。 貴方とペッシさんにとっては仲間の無念を晴らす事が本懐でしょう。 それに組織のボス、幹部に取って代われば、自然と利益は入ってくるようになる。 ゆえにこそ、麻薬ルートを切り捨てる事も……いや、ブチャラティと同調すら出来る。 しかし他のメンバーはどうです? 莫大な利益を生む麻薬ルートを手放しますか?」 プロシュート「なっ…!」 少年「ブチャラティはここでの話を聞いたら、もう一度貴方に問うでしょう。 『本当にお前達は*ヶルートを手放す意志があるか?』と。」 プロシュート「……………。」 少年「そうなったら、貴方はブチャラティにどう答えますか?」 プロシュート「グッ…!」 プロシュートは唇を噛んでいた。 血が滲むほどに強く噛んでいた。 少年「それからもう一つ……ブチャラティは確かに貴方へ協力する事を決めました。 しかし本当に貴方に必要なのは…プロシュートさん、彼の部下の能力なのです。 ブチャラティは部下に敬愛されるリーダーですが… それでも巨大な組織を裏切ってまで、部下達は彼に着いていくでしょうか?」 プロシュート「……やりようはある、奴だってチームのリーダー張ってんだ…。」
[737]アナカン ◆lphnIgLpHU :2011/11/19(土) 19:32:38 ID:??? 少年「ええ…ですが先程言った通り、彼は目的を隠して部下を利用するだけなどという事はしません。 彼にしてみれば、組織への裏切りに自分の部下を巻き込む事になります。 そして彼の性質上、目的を隠して部下を利用するだけなどという事はしません。 だからこそ…彼は一人だけの身で貴方に同行しているんですよ?」 プロシュート「ならばどうする…? テメェーは使えない情報を寄越しただけか?」 少年「フフッ、いいえ……ありますよ。 ブチャラティの部下に進んで能力を使わせる方法が。」 プロシュート「なにっ?」 ドドドドドドドドドドドドドドド 少年「言ったでしょう、ブチャラティは部下に敬愛されているリーダーだって。 それが今、貴方に同行して外に一人で居ます…ああ、ペッシさんも一緒ですよね。」 プロシュート「テメェ……」 プロシュートの背中はいつの間にか汗でビッショリになっていた。 こんな汗を掻いたのは、初めてリゾットに対面したあの時以来… いや、あの時以上に底知れない物を、今ここで感じていた。
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0ch BBS 2007-01-24