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【見開き1ページの】キャプテン森崎43【晴れ舞台】
[50]2 ◆vD5srW.8hU :2011/11/03(木) 00:46:52.18 ID:rLFpcHjI 先制されたアルゼンチンはディアス主体の速攻からチーム全体を活かした遅攻に切り替えた。 まだ前半が始まったばかりであり点差もたった1点だからと言う合理的な判断だったし、 彼らにはディアス抜きでも攻撃を成立させる自信もあった。 相手が5バックと言う前の人数が少ないシステムを使っているのだから尚の事である。 ディアス「よーしこっちだ!俺に来い!」 ダダダダッ! イタリアメンバー「うっ、マズい!」「ディアスが来たぞ!」 ヘルナンデス「(いやこれは囮だ!ジェンティーレ、分かっているな!)」 ジェンティーレ「(そうとも!俺はこんな物には引っかからん!)」 バビントン「今だ!」 バシュウウウッ! サトルステギ「よっしゃー!俺の出番だぜ!」 放送「バビントンくん上げた!これはディアスくん…ではない!サトルステギくんへのアーリークロスだ!」
[51]2 ◆vD5srW.8hU :2011/11/03(木) 00:47:19.10 ID:rLFpcHjI 数分後、彼らは見事に攻撃を成立させていた。 ディアスが切り込んで囮になり、彼に合わせるとみせかけたバビントンが サトルステギにアーリークロスを上げたのである。 サトルステギ「いっくぜー!ダイビングダイナマイトだーーーっ!!」 バッ! バッグォオオオオオオオオオオン!! 森崎「ん?サトルステギの野郎、低いボールにも合わせられる様になったのか」 ジェンティーレ「ヘナチョコが!」 ボゴッ! サトルステギ「な、なにィ!?」 森崎「でもあっさり防がれてやんの。しかも読まれてやがるし」 だがイタリアの守備陣全員を惑わすにはそれだけでは足りず、 ディアスに釣られなかったジェンティーレが見事これを受け止めてみせた。
[52]2 ◆vD5srW.8hU :2011/11/03(木) 00:47:32.00 ID:rLFpcHjI 放送「しかしジェンティーレくん素晴らしいブロッキングで彼のダイビングヘッドを防御! ジェンティーレくんの守備力が冴えに冴え渡ります!アルゼンチン、彼の牙城を突破出来ません!」 中山「今のも良いポジショニングだったな」 次藤「あのジェンティーレとやら、頭も切れるばい」 葵「いえ、今のも多分ジノの指示ですよ?」 松山「そうなのか?」 赤井「そうですよ。ヘルナンデスは味方を動かすのが上手いGKですから」 中里「我々の4年前のイメージとは違うな」 この試合、ジェンティーレは開始直後から完璧と言って良い守備をしていた。 その抜群の存在感にフィールドの内外問わずから注目が集まり、同時に期待感が高まる。 いくらこれ程の凄腕DFと言えどもディアスを何度も止めきれる筈が無い。 ディアスはどれ程の神業を持ってしてこの巨大な壁を乗り越えるのか?と。 しかしごく僅かな者達は忘れていなかった。ジェンティーレの背後はヘルナンデスが守っていると言う事を。
[53]2 ◆vD5srW.8hU :2011/11/03(木) 00:48:42.86 ID:rLFpcHjI 今夜はこれだけです。また明日お会いしましょう。
[54]2 ◆vD5srW.8hU :2011/11/05(土) 23:40:23.93 ID:05rRlL0l イタリアユースの者達以外で誰が知っているだろうか?Jrユース大会以後のヘルナンデスの苦難に満ちた歩みを。 当時戦力が致命的に欠けたままのチームを懸命に率いた彼に与えられた報酬は 2試合で7失点と言う屈辱と”金メッキが剥がれ錆びた屑鉄”と言う悪意たっぷりの汚名だった。 ヘルナンデス「(そろそろ来るな…次か、その次辺りにディアスはやってくる)」 だが彼は挫けなかった。どんな嘲笑にもどんな理不尽にもどんな苦境にも屈さなかった。 自分が腐ってはこの世代のイタリアは駄目になると言い聞かせ続けた。全てはこのワールドユースの為に。 そして彼は新たな力を得て戻ってきた。それはフィールドの中からではなく外から得た力だった。 ヘルナンデス「(ジェンティーレ達は良くやってくれている。俺の指示通りに…いや、それ以上に 効果的な守りを敷いていてくれる。だが全てを防げる訳ではないし、そうさせるべきじゃない)」 一つは味方を最大限活かす能力。GKが守りの指示を出すのは半ば当然の事ではあるが、 彼はそれを極みに近い域まで昇華させていた。意図していてそうなった訳ではない。 彼自身がどれだけ努力してもそれが報われなかった過去が、それに負けずに抗い続けた日々が、 気がつけば身につけさせていたのだ。DF達を最適の形で動かす力を。 ヘルナンデス「(ディアス…俺はお前にとって階段の一つにしか過ぎなかっただろう。 あの時の俺はまさしくお前の引き立て役でしかなかった。最早それを悔しく思うつもりはない)」
[55]2 ◆vD5srW.8hU :2011/11/05(土) 23:40:40.32 ID:05rRlL0l ヘルナンデスがこの指揮能力を誇る事は無かった。とてもそんな気にはなれなかった。 頼もしい味方が敵を止めてくれるのに越した事はないが、それは決して彼自身の力ではないのだ。 増してやそれに頼る様になってしまってはGKとしての成長は停滞する。 それを恐れた彼が得たもう一つの力もまたフィールドの中からではなく外から得た力だった。 ヘルナンデス「(大事なのは今、俺に再びチャンスが与えられたと言う事だ。 何時でも来い、ディアス!俺の4年間の集大成を見せてやる!)」 この時ヘルナンデスは覚悟していた。如何にジェンティーレと言えども確実にディアスを止め続けるのは不可能であり、 その時は自分がディアスを止めなければならないと。そして遂にその時は訪れた。 ガッ! マンチーニ「あっ!」 ディアス「よっしゃー!」 放送「マンチーニくんボールを奪われた!再びアルゼンチンの攻撃チャンスです!」 ディアス「(よし、そろそろ仕掛けるぜ!ついてこいよ皆!)」 ダダダダッ!
[56]2 ◆vD5srW.8hU :2011/11/05(土) 23:40:56.73 ID:05rRlL0l ヘルナンデス「来たぞ!ラインを2m下げてから囲め!」 イタリアメンバー『おう!!』 前半20分ごろ、間を空けて体力を回復したディアスはボールを奪い返してから再び自力で切り込んできた。 これ自体はイタリアユースの選手たちも予期しており、何ら驚きはしなかった。 ディアス「(さっきから嫌らしい配置ばっかりしやがって、やり辛いったらありゃしないぜ… 認めてやるよ、お前らの組織的守備はすげえや。だけどな、俺はそんなセオリー何度も強引に覆してきたんだよ!)」 グルッ! タタタタ… イタリアメンバー「な、なにィ!?」「なんだそりゃあ!!」 アルゼンチンメンバー「うおっ…!?」「マジかよ!」「いや、ディアスなら出来る!」 しかしディアスが突如自陣側に向き、背中を見せたままドリブルを始めた時は彼らも目が飛び出さんばかりに驚かざるを得なかった。
[57]2 ◆vD5srW.8hU :2011/11/05(土) 23:41:43.14 ID:05rRlL0l ディアス「そらよっ!」 バババッ! スタッ! ディアス「もいっちょう!」 ササッ! イタリアメンバー『そ、そんなァ!?』 ディアスはボールをまるで見ず、敵と視線も合わせず、通常ドリブルに使う頻度が少ない踵で ボールを主に蹴る非常識なドリブルを繰り出した。こんな物は見かけ倒しのパフォーマンスにしかならない。 しかし彼のそれは背を向けたままなのにも関わらず上下左右に小刻みに動き、 前を向いたままのドリブルと比べてもあまり見劣りしない複雑さと機敏さを保っていた。 放送「な、なんとォ〜〜〜っ!?!ディアスくん、後ろ向きにドリブルしています!私は目がおかしくなったのでしょうか? しかしどうやらこれは現実な様です!しかも後ろ向きのままイタリアDF達をどんどん抜き去っています!」 ワァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!! 観客「うっそーっ!?」「そんなのアリかよ!」「目を瞑ってドリブルするんならまだ分かるが…!」
[58]2 ◆vD5srW.8hU :2011/11/05(土) 23:41:58.26 ID:05rRlL0l バルバス「(よし!ディアスのギアが上がってきた!)」 ジョアン「(ほう!こんな芸当をその場の思いつきで出来るとは)」 アルシオン「(…良い技だ)」 そしてそれ以上に驚異的なのは、背後を見ていない筈のディアスが 正確にイタリアのDF達の動きを察知し丁寧にかわしていた事だった。 逆にイタリアの選手たちはこんな非常識過ぎるドリブルの動きを予測する事など出来ず、 更に迂闊にファウルになったらバックチャージになるかもと言う恐れもあって次々とディアスに手玉に取られていった。 ジェンティーレ「ふっ…ふざけるなァ!!そんな大道芸など!」 ダダッ! シュッ! 頼みの綱のジェンティーレでさえそれは例外ではなかった。流石の彼も動揺は禁じ得ず、判断を誤ってしまったのだ。 彼は相手の動きを読めないから最速で足をボールに向けて突き出すしかないと考え即それを実行した。
[59]2 ◆vD5srW.8hU :2011/11/05(土) 23:42:09.81 ID:05rRlL0l ディアス「大道芸、大いに結構!」 ガッ! クルルッ、ヒューン… ジェンティーレ「………!!?」 ディアス「ピエロに負けた奴はピエロ以下なんだよ!覚えておきな!」 そして瞬時に後悔した。ディアスが足の間のボールを挟み、自分の前に蹴り上げてから頭上を越させ、 ヒールリフトの逆バージョンの様な動きで彼を突破した時思い知らされたのだ。自分の判断は完全に見透かされていたと。 こうしてディアスはイタリアの5バックを全て突破し、とうとうヘルナンデスの目前に辿り着いた。 森崎「うわあっ…相変わらず馬鹿げた事ばっかりしやがる!」 翼「………流石ディアスだ」 三杉「(あれ程の天性は羨ましいとしか言い様が無いな)」 松山「とうとうジェンティーレが抜かれた!」 若林「(…だが何故だ?この予感は)」 放送「抜いた!遂にジェンティーレくんまでもが抜かれてしまったァ!難攻不落の新星が遂に! 残るはヘルナンデスくん一人だけ!5人抜きした直後のディアスくんを止めるのは至難の業だァ!!」
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0ch BBS 2007-01-24