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【見開き1ページの】キャプテン森崎43【晴れ舞台】
[567]創る名無しに見る名無し:2012/06/06(水) 20:37:06.58 ID:cYvbEojK オランダは殆どアウェイ戦になりつつある
[568]2 ◆vD5srW.8hU :2012/06/12(火) 11:05:55.88 ID:wrcR23MH ★三杉の運命→( スペード9 )★ 7〜11→注意だけで済んだ。 ---------------------------------------------------------------------------- 審判「わざとではないのは分かるが、今後注意したまえ」 三杉「はい。申し訳ありません(よし、カードはなしか)」 クライフォート「(チッ。シミュレーションがバレたのが痛かったな)」 放送「カードは…出ません!ドールマンくんを負傷させてしまった三杉くんでしたが、 注意だけで済みました。これは日本にとってはラッキーと言える裁定でしょう」 観客「おいおい、イエローの1枚もナシか?」「さっきのイスラスのアレのせいだろ」「オランダ、ツイてないなー」 額に切り傷を作る程の反則の割には三杉が受けたペナルティは軽い物だった。 それはクライフォートや一部の観客が想像した通り先程のイスラスのダイビングで 審判の心象が悪くなっていたせいかも知れないし、ただの気紛れかも知れない。 いずれにせよオランダは前半終了間際のピンチを何とか凌いだ物の、小さくない代償を払う事になった。 *ドールマンが「軽傷LV1治療済」の状態になりました。
[569]2 ◆vD5srW.8hU :2012/06/12(火) 11:06:42.50 ID:wrcR23MH ピッ、ピィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!! ドールマンの治療の為の僅かな中断後、前半は何も起きずに終わった。 放送「前半終了の笛が鳴りました!スコアは1−0。日本が1点リードで前半を終えています。 ボールキープ率はオランダが上回っていますが、リードしているのは日本です。 オランダはどうにもゴール運に見放されている感が拒めませんが、 一方で日本も森崎くんの単独突破ゴールを除けばチャンスをモノに出来ていません。 この試合、ハーフタイムの作戦会議次第ではまだまだどちら側にも転びそうです」 見上「(ハーフタイムか…さて、松山は…)」 クラマー「(厳しいな。リスクを増やさねば、この局面は打開できん)」 放送「日本は森崎くんのFW起用と言う奇策が功を成し、一方代役で起用された サブGK若林くんも絶好調と言って良いパフォーマンスを見せています。 しかし逆に言えば二人のGK以外が思う様に活躍出来ていないと言う事で、 試合前の予想通りトータルフットボールに苦慮している事が伺えます。 この先対処を誤れば再びオランダに主導権を渡してしまう危険があります」 超モリサキ「ヘッ、もう2点も取ってやればオランダもいい加減諦めるだろうよ。それまでが勝負だぜ、皆」 全日本メンバー「簡単に言いやがるなァ」「ま、そう出来るに越した事はないな」
[570]2 ◆vD5srW.8hU :2012/06/12(火) 11:06:58.37 ID:wrcR23MH 放送「しかしオランダも”逆転の目はいくらでもある”と言うのは、逆に言えば現在押されている事です。 攻撃チャンスを何度も作りながらそれを決めきれないのは時間と共に焦りを増やしてくるでしょうし、 あらかた攻撃パターンを使い切ってしまい、相手が慣れてしまうと言う事も意味しています。 このままではいけないのは彼らも分かっているでしょう。では何をどう変えるのか?それも注目所でしょう」 クライフォート「………ピンチの時程冷静に、だ。皆、分かっているな」 オランダメンバー『おう』 試合の行方はまだ分からない。だが日本が有利なのは疑い様が無い。 そんな状況では当然全日本ユースの表情は明るく、オランダユースの表情は固い。 だがこの当たり前の光景は、一人の男にゆっくりとした閃きをもたらしていた。 松山「(…これでも慌てないのか?いくらなんでもここまで切羽詰ってきたら崩れ始めると思っていたのに。 あれじゃ追い詰められても希望を捨てない歴戦の戦士の顔じゃないか。なんであいつらにあんな顔が出来るんだ?)」 言わずと知れた松山光である。 この試合のオランダは彼の予想通りに強く、予想通りに汚く…そして予想外に粘り強かった。 松山「(あいつらは…あいつらは都合の良い信念を振りかざすだけのならず者じゃないのか? 自分の欲望を乱暴な手段で叶えようとしているだけじゃないって言うのかよ?)」 彼はどこかで期待していた。勝利の為だけに戦っている”筈の”オランダユースが 敗北の前に怯えだし、自壊する事を。仲間割れすら起きるかも知れない…そう思っていた。 だがオランダは一向にそんな様子を見せず、黙々と固い意志のまま戦い続けた。
[571]2 ◆vD5srW.8hU :2012/06/12(火) 11:07:20.16 ID:wrcR23MH 松山「(そんなのは俺は認めな…いや、あいつらは元々俺に認められる事なんて望んでいないだろうし………!?)」 そしてその姿が彼に一つの事を気づかせた。 松山「(まさか…まさか、あいつらは誰からも認められるつもりはないのか!?認められなくてもいいのか!?)」 オランダが富や名声の為に戦っているのではない事を。 松山「(馬鹿げている!例え勝てても、罵声や恨みの嵐の中だったらそんなのは… そんなのが、あいつらには意味があるのか…?ひょっとして、そもそも自分達の正しさを証明するつもりすら…)」 それが呼び水となって、彼に様々な事を気づかせる。例えば今、ベンチに引き上げてくる全日本ユースの面々。 松山「(………自分の正しさを証明しようとしているのは、ウチにも何人居るだろうか……… 俺の事を認める奴より、認めていない奴の方が多いかも知れない………だけど、これが俺のチームなんだ)」 彼らは皆、松山にとっては大事な仲間である。性格や信念の問題で好感を抱いていない日向なども含めて。 だが彼らが松山をそう思っているとは限らないし、むしろ仲の悪い者同士も少なくない。 それでも今彼らは全日本ユースと言う一つのチームとして一丸に戦っているのだ。 チームワークや雰囲気に問題はあっても、間違いなく一つのチームとして、一つの目的の為に。 松山「(そう、か…)」 それに気づいた直後、松山は向かい側のベンチに引き上げるオランダメンバーの後姿を見た。 数分前までは理解の及ばない怪物に見えていた彼らは今、彼と同じただの人間に見えた。 松山「(俺に認められる事なんて望まない訳だよな。俺があいつらを認める必要もないんだから)」
[572]2 ◆vD5srW.8hU :2012/06/12(火) 11:08:39.57 ID:wrcR23MH 見上「(ほう…)」 松山「監督」 見上「なんだ?」 松山「後半からは俺を使って下さい」 見上「…私がそうする必要が何処にある?」 松山「若島津の跳ね返し方はもう確実に対処されます。後半、オランダが若島津の対処に苦慮する事はないでしょう」 見上「では、お前がそれを改善する事が出来ると言うのか?」 松山「やってみせます…オランダは強敵ですが、やれば出来ます」 見上「(ようやく吹っ切れたか。待たせおって)」 数分後、ロッカールームに引き上げる際の全日本メンバーは 何か雰囲気が変わった松山の表情に首を傾げる者が多かったと言う。
[573]2 ◆vD5srW.8hU :2012/06/12(火) 11:10:33.70 ID:wrcR23MH 今日はこれだけです。 中々更新できなくてすみません。
[574]創る名無しに見る名無し:2012/06/12(火) 12:49:42.91 ID:mpxnWEq2 良かった、もしかしたら2さんがあまりの課題に押しつぶれて雲隠れしたのかと 不安だったけど、書き込みが見れて嬉しかったです。
[575]創る名無しに見る名無し:2012/06/12(火) 19:00:35.00 ID:nqRKRyQI 松山、今がそのときだ!
[576]創る名無しに見る名無し:2012/06/13(水) 01:57:07.19 ID:Y+U+79Ov 松山「時は来た、それだけだ」
[577]2 ◆vD5srW.8hU :2012/06/14(木) 10:57:24.23 ID:s041EdPP 〜全日本ユース控え室〜 見上「まずは1点リードして上出来だと言いたい所だが、試合内容は褒められた物ではない」 ハーフタイムは見上のお説教から始まった。”またか”と言う顔をする選手たちも少なくないが、 今回は心当たりも多かったので反抗的なムードは殆ど無い。 見上「こちらのシュートは4本で、その内実ったのはたったの1本だけだった。 それも向こうにとってデータが少なく対処しにくかったであろう森崎の突撃だけだ」 岬「その通りですが…オランダがこちらを良く研究してきているのは仕方が無いとも思いますよ」 見上「ああ、このレベルの戦いでは相手がデータ収集を疎かにしてくれる事など有り得ない。 だがそれを駆け引きで掻い潜る事こそが必要になるのだ。その点ではオランダの方が上手くやっている。 あちらのシュートは5本だったが、その内2本がGKと1対1に持ち込んで作ったチャンスだ。 あわやPKか、と言う場面すらあった。ハッキリ言って、今日の我々は運に助けられている」 森崎「(何時もの事ながらケチをつけるのが上手いぜ)だったらどうするんです?」 見上「…相手のチャンスを防ぐのではなく、チャンスの数そのものを減らす。その為に若島津と松山を交代させるぞ」 ざわっ… そして見上が松山の起用を宣言した時、ある者は納得した様に頷き、ある者は戸惑い首を傾げ、 またある者は不満げに顔を強張らせた。当然若島津は強張らせた者たちの内の一人である。
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0ch BBS 2007-01-24