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【見開き1ページの】キャプテン森崎43【晴れ舞台】
[65]2 ◆vD5srW.8hU :2011/11/08(火) 22:13:32.76 ID:Fw/0xzEK シーーーン… 過去何度もその脅威を味わわせてくれたディアスの突撃が通用していないと言う衝撃的な場面を見た 全日本ユースの面々はほぼ全員がしばしの沈黙を強いられた。そしてそれを破ったのは日向のドスの効いた声だった。 日向「おい、葵」 葵「はっはい!?」 日向「テメエ抜かしていたな?ヘルナンデスに特に新しい武器はないと。これは何だって言うんだ?」 葵「えええっ!?な、何の事ですか一体!俺は何も隠したりしていませんよ!」 赤井「え、えーと、なんか俺と葵の認識が皆さんの認識と大幅に食い違っている気がするんですが…」 次藤「それは一目瞭然じゃけんのう」 早田「俺たちの知るヘルナンデスはこんなに鉄壁じゃなかった筈だぜ!」 葵「そ、そう言われても…俺にとってはジノはこれ位が当り前で…」 まるで襟元を鷲掴みにされる様なプレッシャーをかけられた葵は目に見えて怯えてしまった。 慌てて赤井が庇う様に口を挟むも、今度は重苦しく居心地の悪い沈黙が訪れる。
[66]2 ◆vD5srW.8hU :2011/11/08(火) 22:13:48.31 ID:Fw/0xzEK 若林「…そうか、そう言う事か」 次に口を開いたのは何かに気付いた表情の若林だった。普段は余り会話に参加せず 黙っている事が多い若林の唐突な発言に注目が集まり、視線で続きを促す。 若林「翼、お前はジャパンカップで俺に一対一を挑んだ時の事を覚えているか?」 翼「うん…あの時は若林くんに全ての動きを見切られていた気分だった。と言う事はまさか!?」 若林「そうだ。俺はあれ以来徹底的に一対一を鍛えた。恐らくはヘルナンデスもそうした…だろう?葵」 葵「は、はい!俺はもう何度も何度も一対一の練習につき合わされましたから!」 中山「それだけじゃないぞ。さっきから観察する限り、イタリアのDF達の理想的としか言い様が無い あのポジショニングと連携!あれもヘルナンデスが指示を出しているからなんだろう?」 赤井「そうッス。イタリアでは有名なんですけど…世界レベルだと、それが一層際立ちますね」 続く説明で間も無く誰もが理解した。ヘルナンデスはあの屈辱の大敗をバネにし、別人になっていた事を。 森崎「おいおい…これじゃアルゼンチンは完全にイタリアのかませ犬になっちまうぜ。立場逆転ってか?」 全日本メンバー『……………』
[67]2 ◆vD5srW.8hU :2011/11/08(火) 22:15:32.02 ID:Fw/0xzEK バルバス「(ま、まさか…あの状況に持ち込めたディアスが止められるとは!こ、これではもう成す術が… くっ、何がいけなかった!?私の、私のチーム育成は間違っていたと言うのか!!)」 ジョアン「(バルバスよ、お前は何も間違っていなかった。この世代のアルゼンチンユースは ディアスを脅かせる者が居ない以上ディアスによるディアスの為のディアスのチームになって当然。 監督としてもそれが最善じゃ。事実我々イタリアユース以外が相手ならこうはならなかったじゃろう。 しかし…ヘルナンデスとジェンティーレが力を合わせれば、ファン・ディアスを止められるのだよ!)」 ディアス「く、くそっ…!」 アルゼンチンメンバー「そ、そんな…」「信じたくねェ…」 アルシオン「(アルゼンチンのショックは大きい。ここで試合を決めるべきだな)」 無敵だと思っていた最大の武器が受け止められた事で今度はアルゼンチンユースの面々も 動揺を隠す事は出来なかった。それはイタリアユースから見ればトドメを刺す最善のチャンスである。 程なくしてそのチャンスはやってきた。中盤でアルシオンがボールを持った事で。 放送「ここでアルシオンくんにボールが渡りました!この試合彼は未だに一度もボールを奪われていません! 異名のカンピオーネに相応しい支配力の高さです!ですがそんな彼の記録を崩そうとディアスくんが向かいます!」
[68]2 ◆vD5srW.8hU :2011/11/08(火) 22:15:50.06 ID:Fw/0xzEK ディアス「(こいつのパターンも大体分かってきた!奪えるまで何度でもトライしてやるさ!)」 アルシオン「(さて、まずは…)バンビーノ、マンチーニ!始めるぞ!」 バンビーノ「おう!」 マンチーニ「分かった!」 パーン! ポンッ! バシュッ! バコッ! ディアス「!?!」 ここまでディアス以上に高いキープ率を見せていたアルシオンは当然ディアスに執拗に狙われており、 何時かはボールを奪われるだろうと見られていた。ディアスの個人技は攻撃だけでなく守備でも光るのだ。 だが突如としてアルシオンが他のMF2人と連続ワンツーを始めた事でその目論見はあっさり覆される事になる。 放送「おおおおおっ!?ここでアルシオンくん意表をついて壁パスの応酬を始めました! しかしこれが速い速い速いっ!見る見る内にアルゼンチンの守りを切り裂き突破していきます! 素晴らしいドリブルに勝るとも劣らないパスワークを見せられアルゼンチンは意表をつかれたか!?」
[69]2 ◆vD5srW.8hU :2011/11/08(火) 22:16:15.09 ID:Fw/0xzEK それはただの連続ワンツーではなかった。高速で縦横無尽に走りながらダイレクトワンツーを繰り返すだけなら 高度な技術ではあるが他にも出来る選手はいくらでも居る。ディアス自身パスカルと同じ事が出来る。 だがアルシオンが軸となって行われるそれは味方どころか敵まで操っていた。 ボールがある所には味方が必ず居て、敵はボールがない所に誘導されている。 敵味方の区別なくフィールダー全員がアルシオンの意思に従わされ動く様はまるで芸術… イタリアの評論家達はそう褒め称え、この連続ワンツーにラ・オルケスタと言う名前をつけた。 三杉「…そんな、バカな!!こ、こんな…こんなパスワークが出来るのか!?」 岬「(技術面だけじゃない、心理面でも敵味方全てを操らないとあんな事は出来ない!)」 翼「これが…これが、マルク・アルシオンか…!」 メッツァ「(僕の存在意義台無し〜…)」 フライハイト「…凄い男だ」 クリスマン「ま、まさかここまでの域に達しているとは…!」 クライフォート「…クッ。おのれ」 ゲルティス「オーケストラの様なパスワークだと言う意味で、イタリアではラ・オルケスタと呼ばれている」 サンタマリア「最早疑い様が無い。奴が今大会のナンバー1ゲームメイカーだ!」 コインブラ「(あれは…あれは、俺には出来ない…!?)」
[70]2 ◆vD5srW.8hU :2011/11/08(火) 22:16:29.58 ID:Fw/0xzEK ラ・オルケスタは知らなかった者には勿論事前知識があった者にも強大な驚きを与えた。 特にいずれはアルシオンのドリブルを見切れるつもりだったディアスは逆にパスカットは苦手としていた為 目の前が真っ暗になった錯覚に陥った。一体どうやったらこの化け物からボールを奪い取れるのだ?と。 アルシオン「(順調だ…さあ死に体にしてやろう、アルゼンチンよ)」 ジョアン「(やる気かアルシオン。いいだろう、そろそろ封印を解いても良かろう)」 そんなディアスの焦りをアルシオンは振り返って確認する暇はなかったが、見なくても手に取る様に分かっていた。 そしてそこに衝撃を積み重ね焦りを絶望に変える事まで計算していた。その為の切り札が彼にはあった。 バコォン! 放送「ここでバンビーノくんが前方に大きく蹴りだした!そこにランピオンくんが駆け込みます! イタリアユース、ポストプレイを狙っています!アルゼンチンの大ピンチだァ!!」 ガルバン「くそっ!ストラットにだけは渡してたまるか!」 ランピオン「(いや…この距離とタイミングなら…)」 ダダダダッ! アルシオン「(折り返せ、ランピオン!)」 ランピオン「やはりな。それっ!」
[71]2 ◆vD5srW.8hU :2011/11/08(火) 22:16:45.54 ID:Fw/0xzEK バッ! ボコォオン! 放送「おおっとこれは…ストラットくんへのポストプレイではない!?やや後ろの真上に打ち上げました!」 アルゼンチンメンバー「なんだ!?」「ミスか?」 ディアス「(ミスじゃない!あれはアルシオンに向けたパスだ!オーバーヘッドキックでもするつもりか?)」 アルシオンはこのワールドユースの間、予選も含めて今までずっとゲームメイクとアシスト役に徹していた。 また彼が普段プレイするACミランの一軍では世界屈指のFW達が何人も居る為わざわざ彼が シューターになる事も稀であり、自然と彼が得点役として認識される事はなくなっていた。 今日、ライバル達は思い知る事になる。アルシオンは巨大な爪を隠していただけだと。それも誰も予想していなかった形で。 バッ! ディアス「は…?」
[72]2 ◆vD5srW.8hU :2011/11/08(火) 22:16:59.52 ID:Fw/0xzEK アルシオンが跳び上がった時ディアスは思わず間抜けな声を発した。 観客たちもテレビ観戦しているライバル達も似た様なリアクションを発していた。 それは跳躍と言うには余りにも高すぎた。何も無い場所でただただ己の脚力のみで飛んだのに、 先天的に身軽な選手がゴールポストを蹴って跳べばここまで届くかも、と思わせる高さまで跳んでいた。 アルシオン「(良い眺めだ…俺はこの瞬間、誰をも見下ろす事が出来る。 さながら機嫌を伺う庶民を玉座から見下ろす国王の如く… そしてここから生まれるゴールが俺の栄光の証明だ! 俺の存在を、俺の力を、天空から刻み付ける!)」 ストラット「(相変わらずデタラメ過ぎるジャンプ力だぜ)」 ジェンティーレ「(高さだけで言えば、奴に勝てる者など居るまい)」 ヘルナンデス「(とうとう出すのか…シューティングスターを)」 そのままアルシオンはボレーシュートの体勢に入った。余程空中戦に強い選手でも オーバーヘッドキックがやっとと言う高さのボールをジャンピングボレーで打ち下ろそうとしているのだ。 アルシオン「もらったァアアアッ!!」 バッシュゥウウウウウウウウウウウウウウウウッ!!!
[73]創る名無しに見る名無し:2011/11/08(火) 22:21:29.66 ID:WTL8xoNb 支援
[74]創る名無しに見る名無し:2011/11/08(火) 22:39:39.80 ID:wxnu3pjS ヒュォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン! ビリィッ! ドンッ!トントントン… この有り得ない高さからのジャンピングボレーをアルシオンはシューティングスターと呼んでいる。 天から落ちてきて誰にも止められないままゴールに突き刺さる様を流れ星に例えているのだ。 事実このシュートはアルゼンチンユースの選手たちには流れ星に見えた。 自分たちの絶望的な運命を告げる災いの流れ星に。 ピィイイイイイイイイイイイイイ!! 放送「き…き…決まりましたァアアア!!ゴーーーーーール!!し、しかしこれは… ジャ、ジャンピングボレーだったのでしょうか!?あの高さでオーバーヘッドキックではなく ジャンピングボレー!?実況する立場でありながら我が目を疑いたくなる光景でしたが…VTR再生を 見る限り、ジャンピングボレーなのは間違いありません!イタリアの2点目はまさかのアルシオンくん! 今まで全く得点力を見せなかった彼が天空の王者と化しド派手なゴールを決めました!!」 イタリア 2−0 アルゼンチン
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0ch BBS 2007-01-24