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【待ち受ける】幻想のポイズン54【天才たち】
[149]森崎名無しさん:2011/10/28(金) 00:00:32 ID:??? かもしれないね
[150]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/10/28(金) 01:32:06 ID:??? >>147 間に一旦小休止置かないと頭がフットーしちゃいそうだよォッ! だったんですYO。 決して中の人がSなんじゃないですよ。 >>148-149 さぁどうでしょううふふ。 という事で残り投下します。
[151]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/10/28(金) 01:33:23 ID:??? (BGM:?SuperSonicSpeedStar? 原曲:星の器〜Casket of Star http://www.nicovideo.jp/watch/sm2902209) 『魔理沙……お前は、自分を何者だと思う? ……凡才か? もしそう考えているなら、それは正しい。 そうだ、お前は凡才だ。 ここまでくるまで何度も書いたが、お前は凡才なんだ。 霊夢のような天賦の才は無い。お前が自慢できるものは、磨きに磨いた速さとパワーくらいなものさ。 それ以外はお世辞にもうまいとは言えない。どれだけ鍛えても、一流には及ばんだろう。 お前の言う弾幕はパワーという言葉は、パワーしか自慢できるものが無いが故の虚言だ。 ……そう、パワーしか自慢できるものが無いというのが虚言だ。 いいか、魔理沙。 お前は、自分を何者だと思う? 凡才――違うぞ。 お前は、正しくは、凡才の"魔法使い"なんだ。 ただの凡才とは、違うんだ。 違わなくちゃいけない。 お前は魔法使いなんだから。 魔法使いとはいったい何か――魔女とはいったい何なのか。 定義としては、"魔法"を使える者、という事になるんだろうが……私はそう思わん。 魔法使いの条件とは、即ち、いつでも、どこでも、何をしていても……常に何かを"考えている"者だ。 そうだ、魔法使いは常に頭を動かさなきゃいけない。 悩み、焦り、それでも考える。 考えて考えて考えて……目的を達成する。 それが、魔法使いだ。 目的はなんだっていいんだ、イタズラをする妖精どもがいるからそいつらを追っ払いたい。 そんなちんけなもんでもいい。 だが、それをする上でも考えろ。 思考を休めるな。 面倒だから強力な弾幕で追い払う、それではただの思考停止だ。 もう二度とされない為にはどうすればいいかを考える。 考えて考えて考え抜いて……出した結果が、より強力な弾幕で追い払うしか無かった。 ……それでいいんだ。 考えるという事が重要なんだ。 その考えるという行為は、魔法使いに必須のものなんだよ。 魔法使いは、自由じゃない。 博麗の巫女のように――天才のように、自由であってはいけないんだ。 それは、魔法使いとは"法"を使うものだからだ。 法とは即ちルール。 ルールを守り続けなければならない』 スッ……
[152]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/10/28(金) 01:34:46 ID:??? 『お前も成長をしたのならわかるだろう。 魔法とは、夢や希望だけで出来るものじゃない。 杖を振れば星が出る、呪文を唱えれば人が動物に変わる。 そういった魔法だって、事前の準備が必要だ。 そういう意味で、魔法使いとは天才とは対極の存在だ。 そして、そんな魔法使いも、天才に対抗できる。 天才とは、多かれ少なかれ、無の状況から有を生み出す。 だが、魔法使いは違う。 有から有を作り出すのが魔法使いだ。 魔法使いが持ち合わせる有は、天才が生み出す有よりもずっとずっと質の低いものだ。 しかし、それをどうにかして、天才が生み出すものと同等かそれ以上に引き上げる。 どうにかして……どうするのか? それを、"考える"んだ。 努力は裏切らないなんて陳腐な妄言は私は言わん。 だが、努力というものは蓄積する。 錆びつく事はあっても磨けば光る。 そして、それは時に天才という宝石よりも光り輝く。 魔理沙、お前は何を持っている? お前の持つ有はなんだ。 それは、それだけでは霊夢たち天才には敵わないだろうな。 なら、それをどうするんだ? ただ放置するか? 魔法使いなら、それを使いこなせ、魔理沙。 無駄だと思っているものにも思わぬ価値があるかもしれない。 思考を止めたら魔法使い失格だ。 いいか、魔理沙、考えろ。 常に考え続け、そして歩き、前を向き、動き続けろ。 頭でっかちである必要はない。 動き回っていい。 動きながら考えろ。 考えながら動け。 お前がここまでこのノートを読んだという事は、つまりはお前に覚悟があるという事だ。 だから私は言う。 いつも、いつでも、可能性を探し試行錯誤を繰り返せ。 机上の空論でも試せ、試して駄目なら捨てずに取っておけ。 後で役に立つかもしれん。 この世にいらんものというものはある。 だが、そのいらんもんも取っておけ。 いらんもんでも使い時はきっとある。 無限にある可能性を、膨大な手間をかけて全て解き明かせ。 出来る事から手を出せ。 天才みたいになんでもかんでもしようとするな。 自分の範囲で、しかし、最高のものを生み出し続けろ』 ペラリ
[153]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/10/28(金) 01:35:55 ID:??? 『お前はただの人間だ。 矮小な妖怪でもお前をひと殴りすれば、お前の首はすぐに飛ぶだろう。 だが、お前はその前に魔法使いだ。 魔法使いなら構わん、逆に殴り飛ばせ。 傲慢でもいい、弱くてもいい。 ただあるがままに生きていい。 誰に遠慮をする事もない。 才能が無いからといって卑屈になる事だって無い。 ただし法は守れ。 魔法使いはルールに縛られなくてはならない。 それを忘れた時点で魔法使いではなくなる。 そして、誰よりも魔法というものを愉しめ。 魔法とは楽しいものだ、魔理沙。 だから目いっぱい楽しんだらいい。 サッカーもそうだ。 弾幕でもいい。 日頃の友達のお喋りだっていいぞ。 もちろん、飯を食うのも楽しめ。 彼氏を作ってみてもいい。 遊びだって勉強だって、楽しみながらしろ。 いいか魔理沙。 人生は楽しまなきゃ損だ。 楽しいと思えれば、それだけでお前は笑顔になれる。 だから私はお前にめいっぱい楽しんでほしい。 それが私の幸福だ。 二足の草鞋で不満なら、三足でも四足でも構わん。 なんだってやっていい。 それをやりながら、全てで満足できる方法を"考えろ"。 普通の人間は何か一本に集中するという事は、殆ど出来ない。 寺子屋の子は勉強をしながらも遊ぶ。 母は子を育てながらも田畑を耕す。 どれも器用にやっている。 完璧でなくてもいい、目標さえ達せられればどんな形だっていい。 お前はただ、お前のあるがままに愉しみ続けろ。 お前は何の才能もない、ただの"普通の魔法使い"だ。 でも、それでも私にとって誰よりも大切な弟子だ。 これを読んだら、すぐに動き出せ。 壁があれば、吹き飛ばしてもいいし飛び越えてもいい。 回り込むのもいいんだ。 なんなら別の道を探しても構わない。 それは逃げじゃなく、一つの考えだからだ。 悩んでもいい。 間違えてもいい。 それでいいんだ。 お前は普通の人間なんだから。 悩まず間違えない人間なんて、この世にいない。 だからめいっぱい悩み、間違え……それでも楽しみ、考え続けろ。 また迷いそうなら、このノートを思い出せ。 いつだって……』
[154]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/10/28(金) 01:37:11 ID:??? 『あたしゃここにいるよ』 パタン
[155]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/10/28(金) 01:38:14 ID:??? ポタ… ポタ… 全てを読み終え、閉じた本の上に数粒の水滴が零れ落ちる。 それは霧雨魔理沙の流した涙であった。 魔理沙「魅魔様……」 溢れる涙をそのままに、魔理沙は涙と鼻水でぐじゅぐじゅになった顔のままノートをそっと胸に抱いた。 そこに、魅魔の魂を感じた。 そこに、魅魔の存在を感じた。 勿論、そんな筈はない――魅魔は今頃、外の世界で魔界Jrユースとして戦っているのだから。 だが、魔理沙は確かに感じた。感じ取った。 だから魔理沙は考えた。 これは、魅魔が残してくれた"魔法"なのだと。 やはり魅魔という存在は、魔理沙にとって大きなものだった。 魔理沙の抱えていた問題を、悩みを、苦悩を、全て打ち砕き――救い出してくれた。 魔理沙「そうだ……わかりきっていた事なんだ。 私に才能が無い事なんて、とっくの昔に。 だから……だから私は努力をして……それだけできっと満足していたんだ。 それだけで追いつける筈が無い。 追い越す事も無い。 天才にただ努力しただけで追いつける筈が無いんだ。 考えなきゃいけなかったんだ。 考えるんだ……私は魔法使いなんだから……!」 やがて魔理沙は涙をぬぐい、鼻水をかみ、寝間着からいつものエプロンドレスへと着替えた。 どうしたらいいのか、これから何をすべきなのか、何をするのが楽しむ事に繋がるのか。 魅魔の言葉を聞いた魔理沙に、迷いは無かった。 既に心は晴れていた。 今まで溜まっていた胸のどす黒い感情が、霧散したようでもあった。 魔理沙「まず、まず私がしなきゃいけない事……そうか、そうだな。 それは決まってるぜ」 そして、決断も早かった。
[156]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/10/28(金) 01:39:18 ID:??? ガララッ 咲夜「魔理沙……もういいの? って……どうしたの、目が赤いわよ?」 魔理沙「そうか? ここはウサギ臭が凄いからな、それで私もウサギに近づいちまったのかもしれん」 魔理沙が部屋を出ると、丁度そこに咲夜が立っていた。 咲夜は泣いたが故に赤くなった魔理沙の目を見て心配をするが、魔理沙は適当に誤魔化しつつ。 帽子を被りなおしながら、にかっと笑みを浮かべて箒を肩にかけて外を見やる。 魔理沙「それより咲夜、とっとと行くぞ」 咲夜「行くって……」 魔理沙「決まってんだろ、異変解決だ」 霊夢ばっかに楽しい思いをさせてられんぜと言わんばかりに、魔理沙は箒に跨り一気に空へと駆け抜ける。 咲夜「……まったくもう。 仕方ないわね……」 これを見て、咲夜は呆れながらも魔理沙の後を追った。 ……文句を言いながらも、咲夜はどこか嬉しそうだったという。 ……2人が去っていなくなった永遠亭の一室に、一陣の風が吹いた。 その風は部屋の中、枕元にしっかりと置かれていた一冊のノートをパラパラパラと音を立てて捲り始める。 やがて風が止み、開かれたページは50ページ。 そこには大きな文字でタイトルとして「禁呪法」と書かれていた。 もしも魔理沙が1ページから読み進めていれば……このページもまた、読んでいただろう。 その時、彼女が今のような笑顔をしていたか……それは誰にも、わからない。 ただ、それは彼女の師匠が望んだ結果にならないであろう事は、容易に想像がつく事でもあった。
[157]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/10/28(金) 01:40:19 ID:??? ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ 早苗「勝ったッ! 神靈廟完ッ!! これで信仰も増えるでしょう!」 妖夢「(妖怪退治で信仰は増えないと思うけどなぁ……霊夢を見てる限り。 って、あれ?)霊夢、どうしたの?」 霊夢「………………」 ステージ3までをクリアした後、一旦休憩の為にと一時休息を取り。 その後、一気に6ステージまでクリアした霊夢一行。 早苗はテンションが上がっているのかにまにまと反町にはとても見せられないような笑みを浮かべてガッツポーズを取り。 一方で妖夢はなんともしらけた顔をしながら、霊夢の様子を伺う。 そして、その霊夢はといえば、何やら難しい顔をしながら腕を組んでいたのだが……。 霊夢「遅いわよ、自称幻想郷最速」 魔理沙「速いぜ」 早苗「あわっ、魔、魔理沙さん!?」 咲夜「私もいるわよ……」 早苗「うっ……(うわぁ、またこっち見てる……やだなぁ……)」 妖夢「魔理沙……それに咲夜さんも……。 もう大丈夫なんですか?」 その霊夢が声をかけた瞬間に返ってくる、この場にいた3人がよく知った声。 慌てて振り向けばそこには魔理沙がいとも平然と、当たり前のようにそこにおり。 更にその後方からは、全速力で飛んでいた魔理沙に離されかけていた咲夜が急いでこちらに向かってきている。 永遠亭で療養をしている筈の魔理沙に、その魔理沙の看病をしていた筈の咲夜がどうしてここにいるのかと早苗らは驚くが……。 一方で霊夢は涼しげな顔をしながら、頭をかきつつ言う。 霊夢「悪いけど、あんた達の出番ないわよもう。 6ボス倒したから」 咲夜「な……なんですってェェェ!?」 妖夢「(咲夜さん……凄いショック受けてる……)」 早苗「(多分妖夢さんは妖夢さんが思ってはいけない事を思っている気がする……)」 魔理沙「もう6ボス倒しただぁ? なんだ、随分とイージーな異変だったみたいだな」 霊夢「結構ルナティックだったわよ」
[158]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/10/28(金) 01:41:23 ID:??? 折角異変を解決できると思ったのにとさめざめと泣く咲夜を早苗と妖夢が困った顔で眺めつつ。 魔理沙と霊夢を軽口を応酬をしながら、遠くを見やる。 そう、6ボスは倒した。異変は解決をした、と言える。だが、まだ彼女たちがやる事は――やれる事はある。 魔理沙「泣くな、咲夜。 EX行こうぜ」 咲夜「! そ……そうね! まだEXステージがあるわね!!」 妖夢「(あ、復活した……そんなに異変解決したかったのかなぁ?)」 早苗「(だから妖夢さんが思っちゃいけない事だと……)」 Extraステージとは、異変解決とはちょっと関係ないようで、実は割と関係あるような。 要するに本編のおまけ的なステージである。 6ボスを倒したばかりという事は、即ちまだEXステージはクリアーをしていない。 それならばそっちを片付ければいいだけだ、と魔理沙は考えた。 逃した獲物を悔いるより、まだ出来る事をやる。 魔理沙「(だったよな、魅魔様……)」 霊夢「……あんた、何かあった?」 魔理沙「あ? 別になんにもないぜ?」 勘に優れる博麗の巫女は、どこか上機嫌で屈託のない笑みを見せる魔理沙に疑問を感じた。 それは、違和感を感じるという訳ではない。むしろ、元に戻ったと言う感覚だった。 霊夢「(……絶対なんかあったわよね、これ)」 魔理沙「そんな見つめるなよ、照れるぜ」 霊夢「はいはい、言ってなさい。 んじゃ、とっとと5人でEXボス蹴散らしに行くわよ。 早く帰ってお茶飲みたいんだから」
[159]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/10/28(金) 01:42:54 ID:??? 霊夢の視線を感じ、からかうように笑う魔理沙。 そして、そんな魔理沙に呆れながらも肩を竦めて苦笑をする霊夢。 そのあまりにもいつも通りの流れと、いつも通りのやり取りを見て、咲夜たちもまた笑みを浮かべる。 彼女たちは、当然のように気づいていない。 それはいつも通りだったが、だからこそ、おかしいのだと。 合宿中――或いはその前から、いつしか亀裂が入り始めた霊夢と魔理沙の関係。 それを考えれば、このいつも通りのやり取りこそがおかしいのだ。 だが、あまりにも自然な為にその事実に誰も気づかない。 では、どうしてそれが自然なのか――そこに何故違和感が発生しないのか。 どんだけ喧嘩をしても、相手を嫌いにはなりきれない。 どんだけ相手が情けなかろうと、それで軽蔑をする事は無い。 意地を張りあっててもつかれるだけで、誰も幸せになりもしない。 きっかけさえれば――きっかけが無くても、いつだって仲直りくらい出来る。 普通に話しかけて、普通にやり取りするだけ。 普通でいいのだ。 友達なんて、そんなもんである。 友達同士が仲良くしてて、冗談を言っていて、どうして違和感が発生するものか。 こうして、久方ぶりに博麗霊夢と霧雨魔理沙は笑いあった。 それを見守る3人も、それぞれ笑顔だった。 ※霊夢と魔理沙の 霊夢→(亀裂)←魔理沙 が 霊夢→(友達)←魔理沙 に戻りました。
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0ch BBS 2007-01-24