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【待ち受ける】幻想のポイズン54【天才たち】
[464]森崎名無しさん:2011/11/02(水) 00:45:46 ID:??? 翼「弱点なんか教わらなくてもリグルさえいれば問題ない!」
[465]森崎名無しさん:2011/11/02(水) 00:46:18 ID:??? 三杉「君は何を言っているんだ」
[466]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/11/02(水) 01:00:15 ID:??? ガルバン「くそっ! 前半戦だけで5失点も喫してしまうとは……!」 ガルトーニ「(俺がもっと頑張れていれば良かったんだけどな……完全に俺はこのチームの穴だ……)」 ディアス「……気にするな、ガルバン、ガルトーニ。 前半で俺達だって点を取れてねぇんだ」 パスカル「……監督、後半からはどう攻めるんです? このままじゃ……」 バルバス「うむ……」 ハーフタイム中、アルゼンチンJrユースの面々は浮かない表情でいた。 圧倒的格下だと思っていたフランスを相手に、天才ファン=ディアスは1点も取れず。 逆にフランスはアルゼンチンを攻めに攻め、5得点を挙げていたのである。 こんな状況では普段陽気なディアスといえど、その表情に笑みが浮かぶ筈もなく。 ただただ悔しげに歯噛みをしながら、パイプ椅子に腰かけ体を休めている。 この状況をどのように打破すればいいのか――パスカルがバルバスに問いかけた瞬間、不意にロッカールームの扉が開いた。 永琳「あら……随分と暗いわね、みんな」 パスカル「エ、エイリンさん……こんな時に一体どこに行ってたんだ? しっかり体を休めないと……」 永琳「大丈夫よ、簡単に倒れるようなヤワな体はしていないから。 ……ディアス君、それに皆、はい、これ」 ディアス「おっ、サンキュー」 パスカルの言葉を受け流しながら、永琳は肩から下げていた袋の中から多量のドリンク剤を選手達に配り始めた。 八意印の栄養ドリンク――疲労回復に効果覿面なこのドリンクのお陰で、 ディアスは毎試合ある程度の無茶は出来るだけの体力を確保しつつ試合に挑み続ける事が出来ていたのである。 永琳「ところで監督さん。 例の件だけど……」 バルバス「上手くいったか!?」 永琳「勿論。 これで後半戦、多少なりとこちらが有利な状況を作れる筈だけど……」 バルバス「……恐らく逆転は不可能だ、と言いたいんだろう? わかっている」 ガルバン「な……何の話ですか?」 バルバス「……いいかお前たち、試合はこの1戦だけで終わる訳ではない。 最終的にリーグを勝ち抜ければ、フランスに負けようが関係は無いのだ。 そこで後半戦は少し戦い方を変える」 ディアス「……どうするつもりなんですか」 バルバス「うむ……それはだな……」
[467]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/11/02(水) 01:01:19 ID:??? ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!! ジョン「さぁ〜、ハーフタイムを終え、両チームの選手達が再入場を果たして参りました! フランスは果たしてどこまでこの点差を広げる事が出来るのか! アルゼンチンは逆に、どれだけ点差を縮める事が出来るのか!? いよいよ後半開始です!」 観客「これは10−0とかもあるで」「フランス! フランス! フランス!」「さとりんペロペロしたい」 「Vやねん! フランス!」「もう許してやれよ……」 ナポレオン「へへへ、後半もひと暴れさせてもらうかな」 ピエール「……後半は落ち着いて行けよ。 前半で3本もシュートを撃っているんだからな」 ボッシ「(俺も1点くらいは決めたいけど……駄目かなあ……)」 こいし「このまま無失点勝利だよ、お姉ちゃん!」 さとり「……そうね、こいし(ただ……アルゼンチンがこのまま終わるとも思えないけれど……)」 ディアス「……まさかこんな情けない戦い方をしなくちゃいけないなんてな」 永琳「戦い方に情けないも何もないわ。 最終的に勝てば、経過などどうてもいいのよ。 ……作戦通りに頼むわよ、ディアス君」 ディアス「わかってるよ。 (確かに……ここから逆転を狙いに行くのは厳しいからな……)」 ハーフタイムが終わり、フィールドに現れる両チームの選手達。 片や既に勝利をしたかのようなムードでいるフランスJrユース。 片やもはや逆転は絶望的だと悟り、しかし、それでも一縷の望みを繋ごうとするアルゼンチンJrユース。 それぞれのチームはポジションに散らばり、フランスのキックオフでの試合再開となるのだが……。 ピエール「(む……? 主審が……)」
[468]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/11/02(水) 01:02:27 ID:??? ジョン「えー、なお、前半で主審を務めていたカネウケトッテ=マスネン氏が謎の腹痛で緊急搬送をされた為。 後半からはキレイーナ=ケッパク氏が主審を務める事となります。 いやぁ〜、南沢さん。 このような事があるんですねぇ」 南沢「どんな時にも事故や不幸というのはつきものですからね。 まぁ珍しいケースですが、こういう事もあるでしょう」 永琳「(そうそう……事故や不幸はどこにでも転がっているものよ。 ふふふ……)」 ピエール「(……主審が変わろうが変わるまいがやる事は同じだ)」 なんとハーフタイム中に前半主審を務めた審判が謎の腹痛を訴え、後半からは違う審判が代行として主審を務めるという。 この珍しい事例に観客席はざわめくのだが、まぁ持病か何かを持っていたのかもしれない……お大事に、の一言で済んだ。 真実は闇の中である。 ピィーッ! アクシデントはあったものの、試合には影響がない。 主審の笛が吹かれるとフランスは再び攻勢に出、まずはフェレーリのドリブルでサイドを突破しようとする。 だが、この突破は失敗に終わった。 フェレーリ「俺は速い俺は速い俺はスーパーカー! スーパーカートリオォォォオオオオオオオオオオオオオオッ!!」 ディアス「うるせぇな叫ぶな!」 永琳「F1セブンの方が好みよ」 ズザァァァァッ! バシィッ!! フェレーリ「……ぷすん」 どれだけ高速ドリブルが上手くても、流石にディアスと永琳という実力者2人を抜くのは難しかったのである。
[469]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/11/02(水) 01:03:28 ID:??? ジョン「あっとぉ!? これはフランス、攻撃失敗! アルゼンチン、今度は突破を阻みました! さぁ、果たしてここからどうやって反撃をしてくるのか……っと、おっとぉ、これは……?」 バムッ! バシィッ! パンッ! 永琳「さぁみんな、落ち着いてボールを回していくわよ!」 パスカル「オーライ!」 パルス「ふははは、素晴らしい。 最高のパス回しだと思わんかね」 ピエール「な……何?」 ナポレオン「……何考えてやがんだこいつら」 5点差。そして、残り時間は後半45分のみ。 同点に追いつくにしろ、逆転を狙うにしろ――或いは、得失点差を縮める為にも点差を少しでも詰めるにしろ。 アルゼンチンJrユースは、攻めなければならない状況にあったのは確かだ。 しかし、アルゼンチンはなんとここで自陣でのパス回しを始めたのである。 これにはフランスJrユースの面々も目を丸くして驚き、観客たちも騒然とする。 何故、限りある時間を無駄に浪費しているのか……誰も理解が及ばなかった。 ボッシ「も、もしかして……これ以上点差を広げられたくないから……キープして時間を稼いでいる、とか? お、俺達って前線での守備力が殆ど無いし……」 ピエール「……それは考えにくい。 まだ時間も残っている。 あいつらがいくら上手かろうと、いずれ俺やコイシあたりがボールを奪うのは明白だ。 自陣で奪われてしまえば、それこそ致命傷になる。 悪手にも程があるが……」 それから十分が経過しても、アルゼンチンは一向に攻める様子を見せずパス回しを続けた。 これに対してフランスは、やや引いた位置で守り積極的にボールを奪いに行く事はしなかった。 相手の考えが読めなかったのもあったし、5点のリードがある以上、時間が潰れてくれるのはありがたい事だったからである。 だが、この事態に一人、我慢が出来ないものがいた。
[470]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/11/02(水) 01:04:53 ID:??? ナポレオン「いつまでもチンタラやってんじゃねぇぇぇえええええええええええ!!」 ピエール「!? ナポレオン!?」 永琳「(よし、かかった!)」 ジョン「あっとぉ!? これはナポレオン選手、猛然とボールに向かって突っ込んでいったァ!! それも当然でしょう! アルゼンチンはまるで攻めるつもりを見せず、ボールを回すだけです。 焦れてしまうというのも無理が無い!」 ルイ=ナポレオンは短気な男だった。 実力はフランスにおいて群を抜く程の選手だが、その凶暴な性格と短気で喧嘩っ早い性質が問題視され。 フランスJrユース内でも、問題児扱いされる程の選手だった。 そして、そのナポレオンの性格についても八意永琳は知っていた。データとして取っていた。 サッカーをするのは人形ではない、人である。 どれだけ優れた選手であろうと、メンタルが弱くそこを突ける選手もいる。 八意永琳はそれを知っていた。故に、一つの作戦を立てた。ルイ=ナポレオンを陥れる為の作戦を。 永琳「(まずは彼をここから更に焦らす……)それ!」 ディアス「ナイスパス! よっ!」 ナポレオン「ド畜生がァッ! ボールを寄越しやがれェェェェェッ!!」 ピエール「よせ、ナポレオン! 熱くなりすぎるな!!」 ナポレオン「うるせぇ!! 5点で満足しちまう軟弱野郎が指図すんじゃねぇ!!」 顔を真っ赤にして怒り狂うナポレオンを後目に、永琳たちは更に焦らすようにパス回しを続ける。 止めるピエールの声を聴かず、ナポレオンは更に頭に血を登らせながら夢中でボールを追い始める。 しかし、当然ながらこのパスをカットできる筈が無い。 ナポレオンはそれほどパスカットが上手い訳でもないし、何より相手が取れるパスコースは多いのだ。 たった一人でアルゼンチンのパス回しを止めようという方が無謀である。
[471]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/11/02(水) 01:06:42 ID:??? 永琳「(……そろそろ頃合いね。 今よ、ボールを!)」 パスカル「(オッケー!)それっ、エイリンさん!」 永琳「ナイスパ……」 そして、永琳はフランスJrユースメンバーに感づかれないようサインを送った。 瞬間、ボールは永琳へと預けられ……それと同時に、近くにいたナポレオンが即座にプレスをかけにくる。 彼に少しでも物事を考えるだけの余裕があったなら、もしかしたら気づいたかもしれない。 パスコースが余分にあるのに、パスカルがわざわざナポレオンがそばにいる永琳へとボールを渡したかを。 ナポレオン「もらったああああああああああああああああああああっ!!」 永琳「っ!? きゃあああああああっ!?」 バゴォッ!! バシィィッ!! ナポレオン「へへへ……ざまあみやがれ! よし……!」 ピピピピピ! ピィーッ!! ナポレオン「……あん?」 永琳「うっ……つつつ……いったぁ〜い」 ピエール「(こ……これが狙いか……!?)」 ディアス「(エイリンさん……そのあまったるい声はやめてくれ……本気で寒気がした……!)」 エル=シド=ピエールはこの時ようやくアルゼンチンの狙いに気づいた。 しかし、気づいた時にはもう遅かった。
[472]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/11/02(水) 01:07:46 ID:??? ジョン「あっ……とぉ!? これはフランス、危険な接触プレイです! 永琳選手、ボールを持った所をナポレオン君の豪快なタックルを受けて吹き飛ばされましたァ!! おっとぉ、今、主審が永琳選手の元へと向かいます! け、怪我でもしたのでしょうか!?」 ディアス「お、おいエイリンさん! 大丈夫か!?」 パスカル「酷い……靴下がズタズタじゃないか。 思いっきり削られてる……!」 永琳「くっ……だ、大丈夫よ……。 この程度……」 ディアス「そんな訳ないだろ! 審判さん! タンカを!」 主審「うむ……」 地面に転がり、脚の部分を抱えながら悶絶をする永琳。 アルゼンチンJrユースの面々は永琳の怪我の様子を心配するように取り囲み、主審はすぐさまタンカを持ってくるよう要求。 すぐさまタンカはフィールドまで運ばれ、永琳はその上に乗せられてベンチへと応急処置の為に運ばれてゆく。 そして、主審は己の職務を全うする為に茫然としていたナポレオンの前に立った。 ビッ! ナポレオン「!!!!!!!」 ピエール「ば、馬鹿な……」 こいし「な……なんで……?」 ドワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!? ジョン「あっ……ああああああああああああああああああああああああああああああああっ!? こ、これは……これは、ナポレオン選手! レッド! 一発レッドカードが出てしまったァ!! 退場だァァアアッ!! し、しかし……しかし、重すぎる罰では決してありません! 永琳選手の怪我の様子はわかりませんが、先ほどのは明らかに危険なプレーでした! これではレッドカードが出ても、不思議ではないでしょう!!」 ここでナポレオンに下された裁定は、レッドカード――退場処分だった。 もしも主審が、前半戦と同じ人物ならば、或いはこの反則も流されていたかもしれない。 だが、後半から入った主審は、このナポレオンの反則を見逃さず、厳しい罰を下した。
[473]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/11/02(水) 01:08:58 ID:??? 観客「な、なんでだ〜! なんでナポレオンが退場しなきゃならないんだ!!」「審判に訴訟も辞さない!」 「せめて軽い注意で済ますべきだろ地元的に考えて……」「っていうかナポレオンいなくなったら次の試合どうすんだよ……」 ナポレオン「お……お、おれが……退場だと……?」 ピエール「……ナポレオン」 ナポレオン「う……」 この裁定に狼狽えていたのは、ナポレオンである。 彼は超危険人物として何度も退場処分を受けた程の問題児だが、しかし、この大会の重要性も理解していた愛国心溢れる少年でもあった。 レ・ブルーの誇りを胸に大会を勝ち上がらなければならないという事は、彼もまたわかっていたのである。 故に、この退場処分は彼にとっていつもの試合とは違う意味を持っていた。 それだけ大きなショックを受けるだけの、裁定だった。 ピエール「……速やかに退場しろ」 ナポレオン「………………」 ピエールの有無を言わさぬ言葉を聞き、ナポレオンは静かにその場を立ち去って行った。 こいし「に、25cm……あんな25cm……見た事無い……。 すっかりしおしおに萎んじゃって……」 さとり「(……八意永琳。 わざと……ですか)」 それを遠くから見つめていた古明地姉妹は、彼にかける声を見つけられなかった。 こいしはいつもの強気な姿からは考えられない程落ち込んだナポレオンの姿にショックを受け。 一方でさとりはベンチで手当てを受ける永琳を見つめながら、小さく息を吐く。 さとり「……こいし。 この試合、反則まがいの守備はやめておきなさい」 こいし「え? な、なんで?」 さとり「審判の印象は先ほどのナポレオン君のプレーで悪くなっている。 ……貴方まで退場したら、この試合はともかく。 明日のウルグアイ戦が厳しい戦いになる」 こいし「う……わ、わかった」 さとり「(八意永琳……汚い、とは言いません。 こちらも同じような事をやっているのですから。 しかし……やはり貴方は、手ごわかった)」
[474]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/11/02(水) 01:09:58 ID:??? バルバス「……上出来だな、エイリン殿」 永琳「ええ。 まさか一発レッドカードだとは思わなかったけれどね……」 ベンチで手当てを受ける永琳は、苦しげな表情を浮かべ、苦しげな声を出しつつ……しかし、心の中でほくそえんでいた。 そう、血気盛んなナポレオンを焦らし、危険なプレーを誘発させやすい状況を作り……。 わざと負傷を負う事によって、ナポレオンにカードを出させる事が永琳たちの狙いであった。 この試合、既にアルゼンチンにとっては負け戦と言っていいものである。 だが、大会は……グループDのリーグ戦は、この試合で終わりではない。 永琳「(現在私たちアルゼンチンが勝ち点4。ウルグアイが3。フランスは……今日の試合で3になるわね。 幻想郷は6、ほぼ通過は見えている位置。 だから私たちが狙うべきはどのようにして勝ち上がるか。 そして、それは既に決まっている。 明日の幻想郷戦で勝ち、勝ち点を7にする。 引き分けで勝ち点5なら、明日のフランスvsウルグアイでどちらかが勝てば抜かれる。 故に、勝ち点7だけが確実に決勝に上がる為の道筋。 しかし、それにも障害がある。 それは、万一にもここからフランスが3連勝をする事。 ……そうすればフランスは、勝ち点が9になる。 即ち、私たちのリーグ敗退が決定する。 そのリスクを回避するには……明日の試合でフランスが負けるようにするのが、ベスト。 そうすれば仮に幻想郷戦でフランスが勝った場合、私たちが7。 フランスは6となり、私たちが決勝に上がれる事となる。 ではどうやってフランスを負けさせるのか……エースストライカーを出場させなくする。 それだけでいい)」
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0ch BBS 2007-01-24