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【名監督?】ファイアーモリブレム35【ジェイガン】
[695]森崎名無しさん:2011/12/19(月) 23:02:04 ID:??? 乙でした
[696]モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2011/12/20(火) 15:15:19 ID:??? なんか長くなってしまって昨日は更新出来なかったよ…ごめんなさい… >>695 乙感謝です! ============ メクネス「(足の振りが鋭いネ。これは…シュート!)」 世界的な選手と比べれば実績も実力も無いとは言え、プロのGKとして養ってきた経験は決して裏切らない。 アベルの行動を瞬時に読みきったメクネスは頭をかばいながら素早くボールへと滑りこむ。 ガッ…! メクネス「(やったネ。ワタシの方が早くボールを抑え……!?)」 アベル「うおおおおおぉぉぉぉおおあああああああああっ!!!」 ゴ ッ ! メクネス「ノ……ノォ〜〜〜〜〜〜〜ッ!!」 ガシュッ!!ズッシャアアアアァァァァッ!! 自分がアリティア騎士として生きてきた全ての事柄をこのフィールド内に焼き付けるように。 アベルの至近距離のシュートはメクネスごとゴールネットへと突き刺さった。 アベル「(……入った……)」 幾多のシュートチャンスを潰しては、ショックに打ちひしがれてきた弱々しい獣の姿は既になく。 アベル「う……うおおおおおおおお!!!」
[697]モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2011/12/20(火) 15:16:30 ID:??? 狩りを成功させた『黒豹』が猛々しく勝利の雄叫びを上げる姿がそこにはあった。 ワアアアアアアァァァァァァァアアアアアアア!!!! アベル!!アベル!!アベル!!アベル!! アベル!!アベル!!アベル!!アベル!! 観客の波が押し寄せるような歓声。過去に落ちぶれた者の大活躍を見て興奮しないものなどいない。 会場全体のアベルコールが、彼が真の強者になったことを証明するかのように地鳴りのように続いていく。 だが、そんな中でもこの二人だけは別次元を眺めるような冷たい視線を向けていた。 ラムカーネ「……ムカツクぜ」 ガーネフ「アリティアが得点したことですかな?それとも……」 ラムカーネ「それもあるけどな。一番腹が立つのは『奴』の態度さ。 見ろよ、あのうれしそうな顔を。大事な親友が貫禄のゴールを決めてはしゃぐ子供のような顔を」 ラムカーネの侮蔑の視線は、自分と瓜二つの存在へと向けられていた。 森崎「よくやったぜアベル!!俺はお前ならやってくれると信じてたんだ〜〜!」 ラムカーネ「どう見ても『脇役』じゃねぇか。いくら偽物だろうと、俺の姿をした奴のあんな様子を見たくはなかったぜ」 拳を握り、歯をギリギリと軋ませながらラムカーネは続ける。 ラムカーネ「周りを見れば一目瞭然じゃねぇか。この会場の奴らはアリティアの『アベル』しか見えてねぇ。 マルスやシーダなんかもそうだ。……誰も『奴』を見ちゃいねぇ……」 あまりにも耳障りがする賛美歌のようなアベルコール。彼にとって最も忌むべき存在を否応にも思い出させるものだった。
[698]モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2011/12/20(火) 15:17:32 ID:??? ガーネフ「ふぇふぇふぇ…それは仕方のないことですじゃ。誰しもがより強く、より素晴らしい者へと心酔するもの。 あの『まがい物』の性格と実力では……とても表舞台の中心で輝ける存在とは思えん」 ラムカーネ「だろ?奴はすっかり忘れてしまっているのさ。この俺様が!森崎有三という存在が 如何にして地位を築き上げのし上がってきたのかを。 森崎の本質とはかけ離れた情けない存在に自ら成り下がっちまったのさ!!」 ガーネフ「しかし、どうせ奴はそのうちお主に吸収される供物にしかならぬじゃろうて。 いちいちそこまで気にかけるものでもあるまいて」 ラムカーネ「……ちっ。んなこた分かってるっつーの。ただ、奴が森崎の姿をしてるくせに まったくもって森崎らしくないのが気になってな。 俺は本当に奴を吸収して正真正銘本物の森崎に戻れるのか不安になってきたぜ」 ガーネフ「ふぇふぇふぇ……人の人格などというものは1年もすれば変わりゆくものじゃ。 気にすることもありますまい。むしろ、奴が周囲の信頼を集めている今の状況こそ……」 ラムカーネ「ああ。分かってるさ。分かっちゃいるんだが……あーくそっ!ムカツクムカツク!」 ガーネフ「(……しかし、おかしな話じゃな。どう見てもこの男、物語の主役を任せられるような魅力も容姿も才能も皆無に等しい。 何故故ガトーはこの男に『星』の力を授けたのじゃ?何か見落としていることがあるのじゃろうか……)」 主役に相応しくない男が主役になろうと必死になる姿に、何か違和感を感じ始めるガーネフ。 それこそ今のラムカーネは森崎の姿をした別人のような存在に思えて仕方がなかったのだ。 ガーネフ「(この男は知っている。力無きものが力在りしものに打ち勝つ方法を。 その知恵を最大限に生かし、ここまでの力を手に入れているのじゃろうが……)」 互いの命の恩人であり、共に野望の協力者として手を結ぶことになったガーネフとラムカーネこと超モリサキ。 暗黒地竜メディウスという絶対的な存在を失い、マフーを形成する闇のオーブで辛うじて命をつなぎ止めている現状、 この身の丈に合わない野望を抱き、それを叶えようとする男の存在をより詳しく知ろうと考えていた。
[699]モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2011/12/20(火) 15:18:43 ID:??? ガーネフ「(下等な存在故に成り上がろうとする知恵や欲が大きいのは確かじゃが…それだけでは無い? ふむ……これは少々調べまわってみる必要がありそうじゃな)」 アベルの得点で盛り上がる観客席の中に、暖かな涙を浮かべて微笑む姿があった。 彼の恋人であり、騎士団復帰を最後まで躊躇していた彼の背中を押したエストだった。 エスト「……よかった。ほんとに……よかったね、アベル……」 仕事に熱心になればなるほど、彼のやり残したことに対する未練が浮き彫りになっていく姿をエストは間近で見ていた。 それがすごく辛かったし、それを放って置けるほどエストは薄情ではなかった。 何よりもアベルの気持ちを理解し、それを支えていくと誓ったのだ。 店の経営の負担はこれまで以上に重くのしかかってきたけれど、それでもアベルの本当の笑顔を取り戻させてやりたかった。 自分の選択は間違っていなかった。胸がじんわりと熱くなっていくのを感じながら、エストは目尻に浮かべた涙をそっとタオルで拭う。 エスト「…って、あれ?どうしてこんな所に都合よくタオルが?」 しかもよく見ればこのタオルには見覚えがある。一定の買い物をした客に無償で配っている『パンサー』の広告が入ったミニタオルである。 ふと顔を見上げると、つい先日大量のユニフォームとスパイクを買っていってくれた黒髪の青年が座っているではないか。 エスト「わぁ!貴方は確か……この間の!」 イスラス「…ども」 ひざ掛けにしていたタオルをいきなり横からぶんどられ、 唖然とした表情を向けているイスラスに、エストは反射的な営業スマイルを向けて語りかける。 イスラス「あの緑髪の選手が……」 エスト「そうそう。ちゃんと覚えていてくれたんだね〜、えへへへ。 何を隠そう、彼こそがアカネイア大陸ナンバーワンプレイヤー、 元アリティア王宮騎士団筆頭のアベル!どーお?すっごいでしょ!」
[700]モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2011/12/20(火) 15:19:44 ID:??? まるで自分のことのように自慢するエスト。だが、イスラスの目から見ても あのアベルと言う選手は周囲の選手と比べて格段にレベルが違っているのが分かった。 イスラス「(いいドリブルだった。雄大に、自由に、体で風を切っていくような……)」 イスラスの脳裏には幼い頃、友人家族たちとピクニックで訪れたキューケンホフ公園が映っていた。 大量のチューリップやパンジーが咲き誇る花壇の花を踏み荒らさないようにボールを追って駆けまわったあの頃。 イスラス「(……なんでだろうな。奴のドリブルを見ていると今にもボールを蹴りたくなってくる。 奴を追いかけ、並び、追い抜き……想像しただけで……胸が躍る)」 今の自分の全力ダッシュでも追いつけるのは容易ではない。それだけの魅力がアベルのドリブルから感じられたのだ。 それ故に、自分たちがこれから彼に対してしなければならないことを思い出し胸が詰まる。 イスラス「(……バビントン、ストラット、中山。お前たちは……お前たちは本当に……)」 試合が始まる数刻前。中山たちはガーネフから改めてアリティア選抜に対する妨害工作の指示を受けていた。 ストラット「……今のがガーネフからの指示の全てだ。最後にもう一度だけお前らに聞いておきたい。 この妨害工作を、本気でやろうとしているのかどうかを」 ストラットが皆を見回す中、中山がハッキリとした意志を瞳に宿して口を開く。 中山「…それが森崎の意思だというのなら、俺は断るつもりはない」 バビントン「……ねぇ、中山。でも、これは流石に――」 中山「俺は森崎を助けてやりたいんだ!その為だったら……」
[701]モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2011/12/20(火) 15:21:12 ID:??? イスラス「他人がどうなろうと構わん、か。随分身勝手な思想だな」 中山「軽蔑してくれても構わない。だけど俺にとって森崎は……かけがえのない存在なんだ。 ……トモダチなんだ。救い出してやりたいんだ。俺が、アイツを……傷つけてしまったから……」 ストラット「親友への償い、か」 中山「……俺に出来ることなんてこれくらいのことしかない。 なけなしの才能を闇のオーブで補っている俺には……もう、こうすることしか……」 ストラットは中山の気持ちが痛いほど理解できていた。 自分も過去に親友に対して許されない罪を犯してしまったのだ。 それが原因で周囲に及ぼした迷惑ははかりしれず、 そしてそのことをキッカケに自分はスランプに陥ってしまった。 そんな彼が目の前に吊るされた闇のオーブへと手を伸ばすのにそこまで時間はかからなかった。 ストラット「お前がそこまで本気だというのなら。……いいぜ。付き合ってやるよ」 中山「ストラット…!」 イスラス「! 貴様…本気なのか!?」 バビントン「イスラス……仕方が無いよ。昨日もあの女の子が言ってたでしょ? 監視の目がある以上、僕達はガーネフさんに従うしか無いんだよ…」 イスラス「…………」
[702]モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2011/12/20(火) 15:22:14 ID:??? イスラス「(……俺は、奴の自由に風をきっていくドリブルを……この手で奪おうとしている……)」 エスト「ね。君、さっきから怖い顔してるけどさ。お腹でも痛いの?」 イスラス「! いや……なんでもない」 エスト「無理をしちゃだめだよ。そだ、こんな事もあろうかと……はいこれ」 イスラス「……これは?」 エスト「痛み止め。このエストちゃんの特製配合だから効き目ばっちり間違いなーし! あなたはお得意様だからね。特別に無料にしちゃうよ〜! ……さっきタオル勝手に使っちゃったのもあるしね。てへへ」 イスラス「……ども」 アヤックスアカデミー時代。よく足を滑らせ怪我をしていた自分を世話してくれた一人の少女。 やけに明るい笑顔で、ときに煩わしくなるくらいに接する彼女がエストの姿にだぶついた。 オランダユースのマネージャーも勤め上げた彼女は、今何をしているだろうか。 全日本ユースとの戦いに敗れた直後。謎の力に体を支配され体力をを使い果たして倒れてしまい 医務室に担ぎ込まれる自分の手を最後の瞬間まで握っていてくれた彼女は、今。 イスラス「(……シャル。俺は今、実力で勝てないからと他の手段で 扱き下ろそうとしている外道に手を貸している。お前が今の俺を見たら何を思うだろうな?)」 エスト「どーいたしまして。あ、もう試合再開するみたいよ。 いっけー!アベル〜!このままもう1点かましちゃえ〜〜っ!!」 小さな体をゆすらせて、アベルを懸命に応援する姿が春の日差しを浴びて輝いている。 あまりにも眩しい。闇のオーブで力を保っている今の自分ではあまりにも眩しい姿だった。 純真な人を応援する心が、そしてそれを受けて奮起する者の関係が、今のイスラスには眩しすぎる。
[703]モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2011/12/20(火) 15:23:25 ID:??? イスラス「(…俺が…俺が伸ばす手の先は…)」 アリティアの絶対的エース、アベルの恋人であるエストを人質に取り、脅迫せよ。 彼女はあまりにも無防備だ。昏倒させ、担ぎ、自慢の俊足で逃げきる事は容易である。 イスラス「(俺の手は……)」 自分の手を握り締める手。その手は温かくなければならない。 優しくなければならない。暗く冷たい闇などではなく。暖かな、今目の前にあるような光でなければ。 イスラス「(クッ……クックック……俺は何を迷っていたんだろうなぁ……)」 中山が自分の意志を貫き通すように。ストラットがその心を進んで労るように。 バビントンが善意と悪意の狭間で恐怖するように。 自分も自分のやりたいことを選択すればいいだけなのだ。 結果的にその選択が間違いを招く結果になってしまったとしても。 自分が選び、それを見ていて応援してくれる人がいるならば、迷うことはない。 イスラス「(リブタ、三杉。…俺はもう二度とお前たちと共にサッカーができなくなるかもしれん。 だが、それでも俺は……俺たちのサッカーを。オランダの誇り高きサッカーを。 あの下衆野郎の加勢のためだけに汚してしまうのお断りなんだ。 俺の手を握り続けてくれたあいつのためにも、俺はこの手を汚すわけにはいかない)」 イスラスはエストの背後に伸ばしかけた手を引っ込めると、鞄に入れてある仮面の感触を確かめる。 体に大きな負担を強いる闇のオーブの力を制御するための、今のイスラスにとっては命を守る大事なものだ。 イスラス「……邪魔なんだよな。視界は狭まるし。何より走っても風を顔で感じられん」
[704]モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2011/12/20(火) 15:25:50 ID:??? 前半戦も半分を過ぎた頃。南葛ウイングスは2点のリードを許したことで浮き足立っていた。 特に、エースストライカーのナポレオンの荒れっぷりは前評判以上であった。 ナポレオン「何故俺にボールを回さない!俺に回せばすぐに点をとってやれるってのに!」 井沢「お前には何人ものマークがついていただろ! 前半最初にこぼれ球を運良く拾えた時と違い、お前へのパスコースが封じられてるんだよ!」 ナポレオン「マークなんか関係ねえ!俺があんなひょろっちい奴らに競り負けるとでも思ってんのか!」 滝「こらこら、言い争ってる場合じゃないだろ。井沢、お前も何か考えがあるんだろうが うちで一番得点力があるのは間違いなくナポレオンだぞ。もう形振りかまってる暇はないと思うぜ」 高杉「…悔しいが滝の言うとおりだ。奴の力を借りなければ、森崎を、アリティアを倒すことは今の俺達には出来ない」 ナポレオン「けっ、ほーら見ろ。素直に俺に頼っていればそれで解決するんだよ!」 井沢「……分かった。だが、お前までボールを繋ぐための算段は俺が練る。 お前がこのチームのエースなのは事実だが、俺がこのチームのキャプテンなんだ。 俺はお前を信じてパスを繋ぐ。だからお前も俺を信じてパスを待て」 井沢の最大の危惧は、ナポレオンの全力シュートが森崎に通じなかった場合である。 森崎の弱点がスタミナ不足という情報は得ているが、問題はその限りあるスタミナをどの状況で注ぎ込んでくるかだ。 ナポレオンの必殺シュートは絶対的な得点力がある切り札である。 できるだけ確実に得点を稼ぐためには、森崎が消耗した状況をつくりだしてから打ち込んでもらいたかったのだ。 だが、ナポレオンはWYの借りを返すためにこの日本まで乗り込んできたという。 そんな彼の言うことだから、疲弊した森崎ではなく全力の森崎と戦いたいはずである。 何よりも、これから開催される日本リーグにおいて、ナポレオン以外の得点パターンを確立しておく必要がある。 井沢は祈るような気持ちでナポレオンからの返答を待った。
[705]モリブレム ◆RK7RVcZMX2 :2011/12/20(火) 15:27:24 ID:??? 彼の辞書には→!card !とcardの間のスペースを消してカードを引いてください。カードで分岐します ダイヤ・ハート→「…分かった。だが、今度しくじったらもう我慢の限界だぜ。 スペード→「いいだろう。だが、俺の体力はあまりに余ってるってことを忘れるんじゃないぜ クラブ→「ふざけるな!俺は今すぐこのメガキャノンシュートで森崎をふっ飛ばしてやりてぇんだ! JOKER→「お前の気持ちは分かった。そんじゃ、あの『秘密兵器』を早速試そうぜ…!
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0ch BBS 2007-01-24