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【魔王の足音】幻想のポイズン55【天才の意地】
[626]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/11/27(日) 01:37:55 ID:??? 一度、二度、三度……ゆっくりと地面を踏みしめながら、大きく右足を振りかぶる勇儀。 地面を踏みしめるたびにフィールドは振動し、巨大な爆音が周囲に響く。 ビリビリビリと得も知れぬ緊張感に包まれながら、フランス守備陣は慌ててシュートコースを防ぎに向かった。 ピエール「(くっ……完全にフリーになれるようにと下がった位置でボールを受けたか! それだけ自信があるのだろうが……)皆、中央に寄れ! ブロックだ!!」 ボッシ「お、おう!」 こいし「(くそっ、キックオフ直後じゃないとマークされると思っていきなり撃ってきたな〜!)」 ジョン「あ、ああああああああああああああああああああああああああああああ〜っ!? これは勇儀選手、キックオフ直後のロングシュートの構えだァ!! 杯を捨て、本気を出した勇儀選手! 果たしてこのシュートは決まるかァッ!?」
[627]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/11/27(日) 01:39:10 ID:??? 三杉「……! 久しぶりに見たが……相変わらず馬鹿げたシュートだ……!」 次籐「まさか……ただ助走をつけて思いっきりボールを蹴り抜くだけタイ!?」 藍「その通りだ……星熊勇儀のその真の恐ろしさは、ただそれだけのシンプルなシュートが強力なものとなるという点。 ……鬼らしい、なんとも豪快で力任せなシュートだよ」 若島津「(ここにいてもわかる……! あのシュートは……俺には取れん!! あれは……あれの前じゃ、日向さんのネオタイガーショットなんてかわいく見える程だ!!)」 日向「…………!」 レミリア「相変わらずふざけたシュートだ……! やはり東洋の鬼は野蛮だな」 シュナイダー「だが……どれだけふざけたものだろうと、ゴールに入れば同じ事だ。 記録にはふざけたシュートとも汚いゴールとも残らない」 神奈子「ミューラー君、アレ……止められると思うかい?」 ミューラー「……当然だ。 俺に防げぬシュートなど、無い」 幽々子「(……"あれだけの距離があれば"、でしょうけどね。 流石に至近距離で撃たれては、ミューラー君でも弾くのが精いっぱいの筈だわ……)」 観客たちの中にいる優れたストライカー、或いはゴールキーパー達は、そのシュートフォームを見ただけで確信をした。 この勇儀のシュートは、間違いなく今大会でも屈指の威力なのだと。 完全にフリーの状態でなければ撃てないという制約があるものの、その代償を補って余りある威力を持つシュートなのだという事を。 そして、その確信を持った次の瞬間に――勇儀はその右足をただただ強く打ち下ろし、蹴り抜いた。
[628]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/11/27(日) 01:40:12 ID:??? 勇儀「 四 天 王 奥 義 三 歩 必 殺 」
[629]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/11/27(日) 01:41:29 ID:??? ドバゴゴゴゴゴゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!! バギャガガガガンッ!! ピエール「!?!?!? ぐあああああああああああああああああっ!?」 ボッシ「いぎゃあああああああああああっ!?」 咆哮と共に蹴り放たれるは、鬼の力をボールに篭めた文字通り必殺の一撃。 ボールはひしゃげながらも超高速でフランスゴールへと襲い掛かり……。 間に入っていたピエール、ボッシは威力を弱める事など到底出来ず跳ね飛ばされる。 ズギャギャギャゴガンッ!! こいし「わ、私だってブロック技を……うわああああああああああああっ!?」 ドゴール「むがあああああああああああああああああああああっ!?」 ベルジェル「ひげげげげげえええええええええええええっ!?」 ルスト「くそぉーっ! まずいぜこいつはーっ!! ぐわああああああああっ!?」 ブラボー「シルバースキ……い、いかん! ぬわあああああっ!?」 そして、後方でシュートに備えていたボランチ・DFの者たちも衝突事故を起こしたかのように吹き飛ばされた。 ブロック技を新たに取得をしたが、そもそもブロック自体をあまり得意とはしていないこいし。 タックルとクリアー以外ではまるで役に立てないドゴールとベルジェル。 ……守備に関してはあらゆる面で万能であるルスト、 ブロックに関してだけは世界レベルのブラボーでも、そのシュートは止められなかった。 どれだけ距離が離れていようと、勇儀の放った三歩必殺は誰にも止められなかったのだ。 さとり「…………!」 フランスのゴールキーパー、古明地さとりを除いては。
[630]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/11/27(日) 01:42:50 ID:??? ギリギリギリギリギリギリ…………!! 勇儀「(そうだ、覚り妖怪程度が鬼に敵う筈が無い! 身の程を知らないから……!)」 さとり「(遠くて心が読めなくても、貴方が何を考えているかわかりますよ、星熊勇儀! その表情は恐らく……次の瞬間に、凍りつくのでしょうね!)ぐっ……うううううううううううううううううう!!」 小さく口元に笑みを浮かべる勇儀に、歯を食い縛りながら左腕を強く強く振り上げるさとり。 ブォンッ!! さとり「 と め ま す ! ! 」 グバッヂィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイッ!! 振り下ろされたさとりの左腕はボールの上部を叩き、横から強烈な衝撃を加えられたボールは轟音を立ててから高くバウンドをした。 ……そのままゴールに入ってしまうというアクシデントが起こる筈もなく。 しっかりとフランスゴールから離れるような軌道で。
[631]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/11/27(日) 01:43:53 ID:??? キュッ ダンッ!! さとり「(ある程度は予想をしていましたよ……星熊勇儀! あなたなら、キックオフ直後にシュートをしてくるかもしれない……と! 確かに、あなたの知る私ならこのシュートは止められなかった……! 幻想郷にいた頃の私は、PA内以外のシュートにはまるで無力……! 距離があるシュートも、まるで止められなかった! しかし……!)」 勇儀「(ほう、前に出たか!)」 迫りくるボールに対し、さとりは果敢にも真っ向から挑みかかるようにして前に進み出た。 強く地面を蹴り、跳ねるようにしてボールに向かいながらそのか細い右腕を突きだす。 それは星熊勇儀の知る古明地さとりがしたならば、自殺行為としか思えない行動。 貧弱で、虚弱で、体力も筋肉もまるでついていない貧相な少女が、鬼の必殺の一撃に抗える筈が無いのだから。 ガチィィイイイイイイイイッ!! さとり「ぐぅっ……!!」 勇儀「(逃げなかったのは褒めてやる……! だが……その腕では弾き返せん!)」 さとりの右腕は、綺麗にボールの中心部を射抜いた。しかし、そこまでだと勇儀は思った。 さとりの細い腕は悲鳴を上げるようにして小刻みに震え、ボールのパワーを殺し切れていないのが遠目にも見えたからである。
[632]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/11/27(日) 01:45:00 ID:??? ギリギリギリギリギリギリ…………!! 勇儀「(そうだ、覚り妖怪程度が鬼に敵う筈が無い! 身の程を知らないから……!)」 さとり「(遠くて心が読めなくても、貴方が何を考えているかわかりますよ、星熊勇儀! その表情は恐らく……次の瞬間に、凍りつくのでしょうね!)ぐっ……うううううううううううううううううう!!」 小さく口元に笑みを浮かべる勇儀に、歯を食い縛りながら左腕を強く強く振り上げるさとり。 ブォンッ!! さとり「 と め ま す ! ! 」 グバッヂィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイッ!! 振り下ろされたさとりの左腕はボールの上部を叩き、横から強烈な衝撃を加えられたボールは轟音を立ててから高くバウンドをした。 ……そのままゴールに入ってしまうというアクシデントが起こる筈もなく。 しっかりとフランスゴールから離れるような軌道で。
[633]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/11/27(日) 01:46:21 ID:??? ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!? ジョン「とっ……と、止めたァァァアアアアアアッ!! さとり選手、辛うじて勇儀選手の三歩必殺をパンチングゥゥウウウッ!! 一瞬ヒヤッとしましたが……しかし、ゴールを守りましたァッ!!」 勇儀「な……にィ……!?」 ビクトリーノ「(くっそー!! 確かに距離はあったけど、アレを弾くかよォッ!?)」 ピエール「ナ……ナイスセーブだ、さとり!!」 こいし「さっすが、お姉ちゃん!」 さとり「(……紙一重。 一歩間違えば、何も出来ず吹き飛んでいた……やはり恐ろしいですね、星熊勇儀)」 さとりのファインセーブに、観客たちは熱狂し大歓声を上げ。 それを聞きながら、フィールドに立つ両チームの選手達は対照的な表情を浮かべる。 ウルグアイは、いくら距離があるとはいえ勇儀の奥の手のシュートでも決まらないのかと絶望に満ちた表情を浮かべ。 逆にフランスはさとりの鉄壁ぶりに明るい笑みを浮かべ、更に勢いづく。 そして、シュートを放った星熊勇儀は唖然とさとりを見つめていた。 彼女の中での古明地さとりは、本当に貧弱で矮小な存在――少なくとも、距離があるとはいえ己のシュートを受けて止められる選手ではない。 さとりもさとりで、勇儀の事を内心冷や汗を流しながら見つめ返した。 辛うじて弾く事は出来たが……もしも一歩遅ければ、逆に吹き飛ばされていたのは誰よりも彼女自身がわかっていた。 もしも距離の無い、ミドルレンジから撃ってきていたならば……防げたかどうかはわからない。 さとり「(……とはいえ、防ぐ事は出来た。 まだ油断はなりませんが……私はあの星熊勇儀のシュートを防いだ。 ……誰でもない、この私が)」
[634]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/11/27(日) 01:47:42 ID:??? お空「やったあ! さっすがさとり様! さとり様はやっぱり凄いんだ〜!!」 輝夜「ありゃー……同じ一勢力を代表するGKとしては、やっぱ、すこーし落ち込むわね。 あんなシュートを防げるなんて」 ヤマメ「(……一対一だけじゃない。 普通にセービングだって一流だ……。 くそっ! なんだって私の周りにゃこんな化け物どもが多いんだい!)」 リグル「(鬼も大したことないな〜。 私なら決めてたのに……)」 魔理沙「(……ミドルには相当強くなってやがるな。 それでも早苗よりは落ちるだろうが……)」 若林「(……ふん、あれくらいは止めてもらわないと練習に付き合った意味もないからな)」 森崎「危なっかしいセービングだな、おい。 あんな位置からのシュートくらい、もっと余裕を持って防げっての」 三杉「距離はあったが十分強力なシュートだったよ。 君の尺度では大した事が無いのかもしれないけれど……ね」 森崎「へっ(……ま、楽々キャッチとはいかんがなんとかなるレベルだな)」 日向「(気に入らねェ……! どいつもこいつも気に入らん……!! どうしてこうも俺の上を行く奴ばかりが出てくる……!!)」 レミリア「……あれを止めた、か」 マーガス「(確かに距離はあったが……あの距離でもシュナイダーのファイヤーショット……。 レミリアさんのマスターオブレッドサンにも匹敵する威力くらいはあった筈なのに……)」 シュナイダー「……いいGKだな。 モリサキには劣るだろうが」 カルツ「(……内心、あのユウギさんのシュートを見て焦ってるじゃろうに。 クールな奴じゃ。 ま、その奥底では対抗心でカッカ燃えておるんじゃろうがの)」
[635]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/11/27(日) 01:48:47 ID:??? ピエール「よし……ボールを回せ! 落ち着いて攻めていくぞ!」 ビクトリーノ「こんにゃろう……! 勝負しやがれ!」 文「あやややや〜っと(サイドの突破自体は比較的容易なんですよねぇ……問題点はやはり……)」 勇儀「ええい……!」 こいし「あんたをノーマークにする訳ないでしょ〜」 ドゴール「ふんが〜っ!!」 ジョルジュ「行け! ボッシ!!」 ボッシ「よし……もう一度ゴールを……!」 萃香「舐めるなァッ! そうそう何度もゴールを許すか!!」 その後、試合は再び膠着状態に陥った。 2点を取らなければ勝てないウルグアイは、懸命に攻め立て……。 フランスもそれを阻みながら、逆に追加点を取れないかと攻勢にも出る。 だが、両者ともに決め手に欠けるというのがここしばらくのゲーム内容である。 ピエールはビクトリーノとの危険な直接対決をせず、チームの勝利を優先し仲間たちを使い。 ウルグアイ右サイドハーフの文がサイドを駆け上がっても、ストライカーの勇儀には2人のマークがつきパスを通すのは容易ではない。 フランスが追加点を狙っても、そうそう何度も抜かれる程萃香はザルでもなかった。 こうして時間は過ぎ、後半は残り15分という所まで来る。 既に終わりは見えてきていた。フランスJrユースの勝利という形の終わりが。 しかし、そういった時にこそ油断は生まれ、ピンチが生まれるものである。
[636]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/11/27(日) 01:50:06 ID:??? >>630は無視して下さい……間違えて先に投下してしまいました。 オフサイドの件といい、ミスが多くて本当に申し訳ありません。 今日はここまで。明日の更新で、出来ればフランスvsウルグアイを終えたいなぁと思ってます。 それでは、お疲れ様でした。
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0ch BBS 2007-01-24