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【魔王の足音】幻想のポイズン55【天才の意地】
[661]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/11/28(月) 02:40:48 ID:??? 森崎「(超化すりゃあ……弾ける、か? ちっ、でたらめなシュートだ!)」 全日本の正ゴールキーパー、森崎有三。 彼は冷静にこのシュートを自分なら止められるかどうか判断しようとしていた。 そこに怖れは無かったが、出来るなら戦いたくない相手だという本音はあった。 早苗「(みらくるセービングでも弾ければいい方……超化出来れば……いや、それでも弾くのが……!!)」 幻想郷の正ゴールキーパー、東風谷早苗。 彼女は本当にこの勇儀がいるウルグアイを相手に、1失点で済んだのかと唖然としながら。 それでも冷静になろうと努めつつ、自分なら止められるかどうか判断しようとしていた。 ……しかし、何度シミュレートをしても、ガッチリキャッチをする構図はハッキリ浮かばなかった。 魔理沙「(……生まれ持った強靭なパワー、か)」 幻想郷のストライカー、霧雨魔理沙。 彼女は勇儀の右足を恨めしそうに眺めながら、懸命に頭を振った。 才能を微塵も持たない彼女は、テクニックではなく純粋なパワー勝負に逃げるしかなかった。 だが、それも鬼の力には到底敵うものではない事を改めて認識させられた。 ……新たな力を得たものの、それでも超人的な力というものに彼女は嫉妬をしていた。 反町「(これは入る……! 同点だ!!)」 幻想郷キャプテン、反町一樹。 彼もまた、このシュートをさとりは止められないと断定した。 フォームには癖がある、狙いは十分に定まっていない、ある意味、反町のシュートとは対極の存在の勇儀のシュート。 ……だが、勇儀のシュートにはそれを補ってあまりあるほどの破壊力があった。 これをさとりが弾けるビジョンを、反町はどうしてもイメージ出来なかった。 こうして観客席にいる者たちの十中八九は、ウルグアイの同点を予想した。 一部の例外を除いて。
[662]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/11/28(月) 02:41:54 ID:??? 若林「(……確かに、どうやっても入ったようにしか見えん。 あの位置から、全力のシュートを、フリーで撃たれれば……誰でもそう思うだろう)」 1人は失意の中から立ち上がり、古明地さとりと共に特訓を繰り返した男――若林源三。 腕組みをしながら、彼はこのシュートは入らない、と考えた。 お空「(さとり様なら止めてくれる……! さとり様なら……!!)」 1人は古明地さとりを主とする地獄鴉、霊烏路空。 彼女はさとりの力を信じていた……さとりなら負けないと強く信じていた。 彼の、彼女の視線は、フィールドのただ1点――勇儀の足元に注がれていた。 若林「(しかしそこは――!)」 お空「(だってそこは――!)」 若林・お空「( ペ ナ ル テ ィ エ リ ア の "中" だ ! ! )」
[663]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/11/28(月) 02:43:35 ID:??? 勇儀「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!」 奴が叫ぶ。 大地が鳴る。 巨大魔人激突! ここまで来たらもうどこにも、逃げ場所は無い。 さとり「(ピエール君……よくぞ触れてくれました……! その5cmが……僅かな5cmの軌道の変化のお陰で……!!)」 シュピンッ!! さとり「(星熊勇儀のトラップした位置が……ペナルティエリア内になった!!)」 振りかざしたその手で、お前は何を掴むのか。 熱く高ぶる勇気は、誰の為。 さとり「(ピエール君だけじゃない……点を取ってくれたボッシ君、チャンスを何度も作ったジョルジュ君とフェレーリ君。 守備で何度もピンチを未然に防いでくれたブラボー君、ドゴール君、ルスト君、ベルジェル君! ここにはいないナポレオン君も……昨日の試合で、勝利に貢献! 大量の得点差を、稼いでくれた!! 何よりこいし……! 誰よりも、あなたがいてくれたから……! 私はもう一度立ち上がれた!! 必ず勝ちましょう、皆さん! 私たちは……勝って! 勝って、決勝トーナメントに上がるのです!!)」 共に目指した場所に、答えはきっとあるのだろう。 走り続ける先に未来を見つめている。 さとり「甘いですよ、星熊勇儀!! いつまでも弱点を放置すると思っていましたか!? 今の私は、ペナルティエリア内のシュートを、必ず………」 勇儀「なにィ!?」 ギュバッ!! バゴッ……ギュギュギュギュギュギュギュギュギュギュ……ギュン……ピタ さとり「 と め ま す ! ! 」 今 希望になれ!
[664]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/11/28(月) 02:45:04 ID:??? これは逆に幻想郷との試合でダイスるフラグ。 という事で本日はここまで……試合終わらなかったorz ごめんなさい。 明日こそは試合終了までいきたいと思います。 それでは、お疲れ様でした。
[665]森崎名無しさん:2011/11/28(月) 02:54:34 ID:??? たった5センチの乙でしたー そういやPA内の方が得意だったなー。すっかり忘れてたww
[666]森崎名無しさん:2011/11/28(月) 03:02:05 ID:??? お疲れ様でしたー PA内のさとり=早苗のみらくる並かそれ以上、か? 相当強化されてんな。こりゃ魔理沙達も帰ってくるわ
[667]森崎名無しさん:2011/11/28(月) 03:11:31 ID:??? JAMのBGMとかなにこれ燃えるー! 乙でした!
[668]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/11/28(月) 23:03:36 ID:??? ドヮアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!! ジョン「な……なっ、なっ……なんという……!? なんという、超! 超! 超ッ!! ファインセーブ!! ビクトリーノ選手のスルーパスを受けた星熊勇儀選手! 再びその豪快なパワーシュート、三歩必殺を放ち! これは決まったかと思われましたがァ……!? し、しかし! しかし!! しかァァァァアしッ!! このシュートを、古明地さとり選手! 真正面から受け、完全にキャッチングをしてしまったァァァアアアア!!! す、凄いッ!! 凄いとしか形容出来ぬ、私の語彙の無さを、今、これほどまでに恨んだ事はありませんッ!! これがフランスの守護神、古明地さとり選手の実力なのかァァァアアアッ!?」 観客「アモロなら宇宙まで吹き飛ばされてた……」「アモロでなくてもふつうなら吹っ飛んでる! さとりん最高や!!」 「さとり! さとり! さとり!!」「フランスの守護神、さとりんりん!」
[669]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/11/28(月) 23:04:37 ID:??? お空「見たかァ! これがさとり様の実力だー! さとり様には、絶対絶対! PA内のシュートは通用しないんだから!!」 早苗「な……なんで……なんでさとりさんがあのシュートを止められるんですか!?」 反町「…………完全に、キャッチ? 弾くんじゃなくて……?」 霊夢「……やっぱり、パワーシュートに対してもさとりセービングが有効になるようになってる。 おかしいと思ったのよ、勇儀の大江山嵐を"キャッチ"したのも。 フランの495年目の波紋を"キャッチ"しにいったってのも」 リグル「(うーん、鬼って弱いなぁ……。 そういえば今日戦ったアルゼンチンにも大敗してたんだし……。 それじゃああの覚り妖怪からゴールを奪えなくても仕方ないのかなぁ……)」 森崎「……あれを、完璧にキャッチしやがったか」 天子「……ちょっと待ちなさいよ、なんだってあの地底の覚り妖怪如きがあんなセービング出来てんのよ!?」 衣玖「(総領娘様があまりのショックの為に口調が元に戻ってる!?)」 藍「(……これは、予想外だ。 まさか、あの地霊殿の主がここまで強力なゴールキーパーに育っていたとは……。 あれでは生半可なダイレクトシュートは通用しない……無駄に体力を消耗するだけになる……!)」 若林「(PA内のさとりは無敵だ。 そして、PA外のミドルシュートに対してもほぼ完璧と言えるセービングに行ける。 ……今のあいつに、もはや死角は無い)」 三杉「(……フランスがこのまま2位抜けをすれば、僕たち全日本は決勝トーナメントで戦う可能性がある。 それまでに、何とか対策を考えなければならないな……。 ……古明地さとり、PA内でのシュートだけに関しては、彼女は間違いなく森崎よりも上だ!)」
[670]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/11/28(月) 23:05:38 ID:??? それは観客席にいる観客、選手、実況者までもが唖然とし、半ばパニックとなる程のプレーだった。 どれだけ優れたゴールキーパーでも、殆どがこれは止められないと断定をしたシュート。 そのシュートを、完全にキャッチングした古明地さとり。 これを見て騒ぐなという方が無理であり、しばしこの熱狂は収まらない。 萃香「馬鹿な……! なんで地底の覚り妖怪が勇儀のシュートを止められる!?」 ビクトリーノ「……カス当たりなんかじゃねぇ、今のはちゃんとインパクトして撃ったシュートだぞ!?」 文「(……冗談きついですよ。 なんですかこれ? あの覚り妖怪、中身がスキマ妖怪と入れ替わってたりしません?)」 ピエール「……ナイスセーブだ、サトリ! よくぞ止めてくれた!!」 ブラボー「ブラボー! 実にブラボー!!」 こいし「見たか! これがお姉ちゃんのセービングだァ! 鬼にだって、負けないんだから!!」 フィールドに立つ選手達も、それぞれが対照的な表情を浮かべながらボールを持つさとりを見つめた。 ウルグアイにとって、勇儀の三歩必殺は唯一さとりからゴールを奪える可能性のあったシュート。 PA内からではなく、半歩だけでも外から撃てていれば、或いは入っていたかもしれないが……。 そんな仮定は今のウルグアイには何の慰めにもならない。 一度きりの奇策であるビクトリーノと勇儀のポジションチェンジは今後同じ事をしても見破られ、対策をされる。 もはや勇儀にパスを通す――シュートを撃たせる事は難しく、ここから逆転するのは不可能にしか思えなかったからだ。 逆にフランスは九死に一生を得、気勢を取戻していた。 もうこいしとドゴールは勇儀からマークを外す事は無いだろうし、ブラボーとベルジェルもマークがついているのだからと油断はせず。 仮に勇儀が再びボールを持つ事があっても、フリーには絶対にさせないようにとボールを奪いに向かえる気持ちでプレーに取り組むだろう。 勇儀に打たせなければ、残るウルグアイが持つ得点手段は文とビクトリーノのダイレクトシュートかドリブルゴール狙い。 だが、それは古明地さとりには通用をしない。 彼女に、PA内でのシュートは全て通用をしない。
[671]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/11/28(月) 23:06:43 ID:??? 勇儀「……お前さん、本当にあの地底のご令嬢かい? 本当に、あの古明地さとりかい?」 勇儀は思わず、ボールを持ったままのさとりにそう問いかけた。 古明地さとりは確かにPA内での全ての行動に強く、その分野では圧倒的な力を見せていた。 だが、それにはただ一つの例外があった。 それは、さとりの貧弱な体では到底抑えきれないようなパワーシュートにはさとりセービングは適用されないというもの。 事実、幻想郷にいた頃はその弱点を突かれ、さとりは幾度となくゴールを許してきていた。 故に、勇儀は信じられなかった。 破壊力だけで言えば間違いなく今大会でも随一の自分のシュートが、例えPA内から撃たれたものだとしてもさとりに止められたという事に。 さとり「……私は古明地さとりですよ。 もっとも、貴方の知る私ではないでしょうが……」 さとりは口元を僅かに吊り上げて微笑を浮かべながら、小さく呟いた。 フランスへの派遣が決定し、全てに絶望し、自暴自棄となっていたさとり。 派遣された国は他の派遣選手が送られた国に比較をし、比べ物にならないくらいに弱い弱小国。 派遣をされたこいしとさとりも、他の国に派遣されたレミリアや永琳、四季映姫といった幻想郷トッププレイヤーには到底及ばない実力者。 おまけにその頃、さとりは精神もプライドもズタズタにされていた。 幾度となく失点を重ね、ザルキーパーと揶揄されるようになった彼女は、もはやサッカーを恐れてすらいた。
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0ch BBS 2007-01-24