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【魔王の足音】幻想のポイズン55【天才の意地】
[945]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/12/04(日) 18:04:38 ID:??? >★反町→ JOKER ポイゾナスオーバー 67 +(カードの数値)=82★ >★ドゴール→ ダイヤ4 低いクリアー 54 +(カードの数値)+(人数差補正+1)=59★ >★ベルジェル→ スペード7 ロケットクリアー 62 +(カードの数値)+(人数差補正+1)=70★ >★さとり→ ダイヤ9 さとりセービング 72 +(カードの数値)+(体勢悪-3)+(とめます!+2)=80★ >≧2→反町のシュートがゴールに突き刺さる! ========================================================================================== バシュウッ!! 反町「(! 決まった……!!)」 それは会心の当たりだった。 零れたボールに飛び込みながら、低空オーバーヘッドを放つ反町の右足は、完璧にボールを捉え。 ゴール右隅、一番さとりから遠い位置の上部へとボールを蹴り放った。 ドゴール「うがーっ!?」 ベルジェル「キャラは立ってないけどクリアーは一流なのにーっ!!」 これにはクリアーに来たドゴール、そしてベルジェルも触れる事は出来ずボールはそのままゴールへ吸い込まれてゆく。 ギュッ ダンッ!! さとり「と……とめますッ!!」 しかし、さとりは諦めず急いで体勢を整え飛び上がった。 ボールの行方を視認するまでもない。 心を読みシュートコースを把握している以上、さとりはただ立ち上がって飛ぶだけで良かった。
[946]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/12/04(日) 18:05:38 ID:??? さとり「(届けっ……!)」 さとりのその反応速度は、幻想郷でプレーをしていた時から比較をすれば考えられない程に研ぎ澄まされていた。 少なくとも、PA内でのその動きは……幻想郷の正GKである東風谷早苗や全日本の森崎有三よりも遥かに優れていただろう。 事実、さとりの手は僅かにではあるが反町の放ったシュートに触れたのだから、それは疑う余地も無い事だ。 チィッ カァンッ!! さとり「!!」 だが、結局さとりが出来たのはシュートに触れる事だけだった。 それを止める事は出来なかった。 ズバァッ!! ピ、ピピィーッ!! さとりの振れたボールは僅かに軌道を逸らし、ゴールバーの内側を跳ねた。 そして、そのまま反射をしてゴールネットに突き刺さり……遅れて、審判のゴールを知らせる笛が鳴り響く。 もしもさとりの体勢が万全ならば、確実に防げていただろう。 しかし、そんな言葉はゴールを許したこの状況では何の言い訳にもならなかったし。 ましてやさとりの慰めにもなる筈もなかった。 幻想郷Jrユース 1−0 フランスJrユース
[947]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/12/04(日) 18:06:59 ID:??? ワァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!?!? 観客「畜生! あの野郎、さとりんのゴールをあっさりとこじ開けやがったな!!」「訴訟も辞さない! 法廷で会おう!!」 「誰か、ゴルゴ呼んで来い! あいつスナイプしてもらおうぜ!!」 このゴールを受けて、まず最初に反応を示したのはフランスサポーターで埋め尽くされた観客たちであった。 フランスを応援する者が大多数を占めるこの状況。 前半10分、早くも幻想郷が先制点を挙げたという事実は彼らにとって望んでいたものではなく。 一斉に幻想郷――得点を決めた反町に向けてブーイングが起こる。 橙「……なんか、反町さん。 前にも増して凄くなってますよ……」 藍「うむ……」 その声を聴きながら、観客席にいた藍は怯える橙の頭を安心させるように撫でつつ。 フィールドで項垂れるフランスメンバー、フィールドで喜びを見せながらも……ブーイングに戸惑う幻想郷メンバーに視線を移し。 それからゆっくりと天を仰いで、考える。 藍「(……彼という人間に、常識は通用しない。 それは幻想郷で西行寺快食友の会として、ネオ妬ましパルパルズの一員として戦ってきた時からわかっていたつもりだが……)」 彼女の思う事は、この先制点を決めた反町一樹について。 ……古明地さとりは、間違いなく力を上げていた。 ミドルシュートにも以前以上に強くなり、PA内の強さは……彼女の主である八雲紫をも凌ぐだろう。 だが、そんな相手をも反町一樹は攻略してしまった……たったワンチャンスで、彼女のもっとも得意とするPA内のシュートで。 藍「(これをマグレと取るか、実力通りと取るかは……意見が別れる所だろうが……)」 少なくとも、藍はマグレではないと受け取った。 しかし、実力的には決してさとりは如何に体勢が悪かったといえど反町に負けていなかった筈である。 ならば何が悪かったのか……何も悪くは無い。 ただ、反町一樹は――どのような状況でもゴールを射抜く、そのような天命を受けていた、ように藍には見えた。 それは才能だとか、そういうものではなく、運命である。
[948]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/12/04(日) 18:08:13 ID:??? 魔理沙「(入るかもしれんとは思っていたが……こうもあっさり、点を奪うかね……)」 藍「(……それまで中心だった者は、嫉妬に狂い己を見失う)」 穣子「おっしゃあ! でかした、反町!」 藍「(お調子者は、素直に……単純に喜ぶ)」 大妖精「(や、やっぱり反町さんに逆らったら駄目なんだ……チルノちゃんにもちゃんと言っておかないと……)」 藍「(賢き者は、そもそも勝負をしない。 張り合うのを避ける)」 ヒューイ「わーい!」 藍「(目下の者は憧れを抱き、すり寄りを見せ……)」 輝夜「(うーん……入ったかー。 ちょっと分が悪いかと思ったけど、入れるのね……)」 藍「(統べる者はそのものを特例として扱う)」 再びフィールド、そして幻想郷側ベンチに視線を移して藍は思う。 藍「(彼を初めて見たとき、私はただの人間だと思った。 だが、違う……)」 今でも目を瞑れば思い出せる、僅か3ヶ月程前の夕方。 橙と人里に買い物にやってきていた藍は、そこで主の紫が呼び出した少年に会った。 あの時はまだ知らなかったのだ、彼が持つ者であるという事に。 藍「(彼はふつうの人間ではない……ましてや、才能がある、というレベルの人間でもない……。 ……彼は、サッカーをする。 ……シュートを撃つ為だけに生まれてきた、存在だ)」
[949]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/12/04(日) 18:09:13 ID:??? その後、試合は今度はフランスのキックオフで再開をされた。 1点を失いながらも、これはただの出会いがしらの失点。 体勢の整わない状況から撃たれたのでは失点をしても仕方がないという諦めもあり、フランスに精神的ショックは少なかった。 むしろこの1点を早々に返そうと攻勢に出、幻想郷もこれを止めるべく決死の守りを見せた。 しかし、前半26分、ナポレオンの放ったハイメガキャノンシュートを早苗が弾いた所、ボッシが強引にねじ込み同点弾を叩き込む。 幻想郷の先ほどの得点を彷彿とさせるようなこのゴールにより、フランスは息を吹き返した。 だが、後半に入るとほぼ拮抗していたかのように見えたこの両者の戦いは一気に幻想郷Jrユースへと流れが移った。 かねてより反町とてゐの間で交わされていた密約――フランス贔屓の判定を行う主審を下ろすという計画がハーフタイム中に行われたのだ。 これにより幻想郷は前半以上に積極的にプレスをかける事も、ドリブルでの攻勢に出る事も出来るようになった。 そうなってしまえば、咲夜とヒューイというボール狩りに特化したダブルボランチを抜くのはフランスでも至難の業。 逆にフランスの守備陣は霊夢の天才的なドリブルを止められず、攻められず攻め込ませる場面が増える。
[950]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/12/04(日) 18:10:13 ID:??? そうして後半15分、霊夢からのパスを魔理沙が再びファイナルスパークで決め、今度こそさとりの右腕を弾き飛ばし2−1とする。 それでもフランスは尚も諦めず、ピエールとナポレオンのワンツーで強引に中央を突破。 2人がかりでのツインシュート――スライダーキャノンを放ち、後半28分2−2の同点に再び追いついたが……フランスはここまでだった。 再び点を取って突き離そうと攻勢に出る幻想郷に、守るフランス。 ここでこの試合最大のミスをしでかしてしまったのは、ボランチのこいしである。 この試合何度も中盤でボールを奪い、ピンチを未然に防いでいたこいし。 だが彼女はここで霊夢の足を引っ掛けるという反則をお越し、フリーキックを与えてしまったのである。 ゴールまで距離はまだ多少あるが、十分狙える絶好の位置。 これを反町が決められない筈もなく、綺麗な弾道で放たれたオータムドライブはさとりを跳ね飛ばしゴールに突き刺さった。 結果だけを見れば、3−2。 どれだけ審判の贔屓を得ても、どれだけ努力をしても、フランスはただ1人のシュートの天才に勝てなかった。
[951]森崎名無しさん:2011/12/04(日) 18:11:18 ID:??? うぇ!? 終わった!?
[952]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/12/04(日) 18:11:29 ID:??? そして予選リーグは終わり、いよいよ一度負ければ即敗退となる決勝トーナメントが始まる。 トーナメント初戦の相手は、全日本との直接対決で敗れ2位でトーナメントへ進出した西ドイツ。 カルツとシェスターという幻想郷で力をつけた優秀な中盤メンバー、レミリアとシュナイダーという今大会トップクラスのFW。 ミューラー、幽々子の鉄壁の守備陣も……結論から言えば、幻想郷には敵わなかった。 西ドイツのフォーメーションは4−3−3……中盤をカルツとシェスター、神奈子に任せ。 前線に長いボールを放り込んでマーガスに落とさせ、レミリアとシュナイダーに撃たせるのが基本的なスタンスである。 だが、そもそも西ドイツは中盤での争いからして幻想郷に劣っていた。 カルツもシェスターもいい選手だが、霊夢・咲夜・ヒューイという超が付く程の優秀な選手達とは対等にやりあえない。 中盤での主導権は、7:3の割合で幻想郷が押していた。 強引に長いボールを放り込んでマーガスに合わせても、クリアーを買われて試合に出場した美鈴が高い確率で弾き返す。 それでも何度かチャンスを作り、レミリアとシュナイダーは己でボールを運ぶ事もありながらシュートを撃ち続けた。 その甲斐もあってか、前半・後半、合わせて2点を奪う事は出来たが……。 それ以上に幻想郷は西ドイツから点を奪った。 元々空中戦は上手いがそれ以外の守備力はパスカット以外特に見る所のない幽々子は、地上戦では役に立たない。 フランス戦同様、反町のオータムドライブ、魔理沙のファイナルスパークと幻想郷はミドルシュートで西ドイツを攻め立て。 世界最高峰のキーパーであるミューラーから合計4得点を奪い、4−2で西ドイツを下した。 続いて準決勝、幻想郷は魔界Jrユースと当たった。 間違いなく今大会で一番のプレイヤーと言える博麗靈夢。 霧雨魔理沙の師匠であり、優れたFWである魅魔。 かつて反町たちと共にチームに在籍していた幽香。 彼女らは間違いない強敵であったが……しかし、この試合でも幻想郷は無類の強さを発揮して勝った。
[953]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/12/04(日) 18:12:35 ID:??? 魔界Jrユースは中盤、前線の攻撃力は申し分なく、その攻撃力は大会でも屈指と言えた。 反面、守備は脆弱だった。脆弱過ぎた。 命蓮寺ナムサンズのDFをそのまま起用する方がまだマシという守備陣に、キーパーとしての力量は決して高いとは言えない夢子。 彼女たちに反町、魔理沙、リグルの攻撃を阻めと言う方が無理難題であろう。 結果、スコアは6−3……ダブルスコアをつけての勝利となった。 決勝へと上がった幻想郷は、いよいよ全日本Jrユースと対決をする事となる。 何をまかり間違ったのかリグルをエースと勘違いしてしまった大空翼。 この日の為に新たなシュートを開発し、反町に挑んできた日向小次郎。 そして、鉄壁を誇る全日本の――東洋の守護神、森崎有三。 これまで以上に強い……間違いなく最強の敵を相手に、幻想郷は一歩も引かなかった。 中盤での争いは、ほぼ五分。 優れたゲームメイカーである博麗霊夢と大空翼の実力はほぼ拮抗しており。 脇を固める他の中盤メンバーの実力も白昼をしていた。 守備陣で言えば、全日本がやや優勢であったと言える。 早田・次籐・中里という不動のメンバーは正に鉄壁であり、些か実力不足が目立つ幻想郷はそれらに比較し見劣りをしていた。 だが、それを超えるだけの攻撃力が幻想郷にはあった。 反町、魔理沙、リグルという圧倒的な火力と実力を有する3者は幾度となくその大砲を全日本ゴール目掛けて打ち込む。 無論森崎もそれらを続けてセービングしゴールを許さないが、彼の気力は無限でも体力は有限であった。 結果、後半すぐに森崎は途中交代――サブキーパーの若林が続いて出場するも、幻想郷はこれを攻略。 結局、反町のオータムドライブが決勝点となり、3−1で優勝を手にした。 反町一樹率いる幻想郷Jrユースは、こうして栄光を手にしたのである。
[954]幻想のポイズン ◆0RbUzIT0To :2011/12/04(日) 18:13:37 ID:??? その後、幻想郷へと帰還をした反町一樹はしばしオータムスカイズで過ごした後、守矢フルーツズへと移籍をした。 愛する東風谷早苗のサッカーをする理由は、彼女が仕える二柱への信仰を集める為。 反町がオータムスカイズでサッカーをする事は彼女の生業を手伝わないばかりか、それを邪魔する事にもなったからである。 この反町の移籍を契機に、オータムスカイズに所属をしていた選手達はそれぞれ離散をした。 まず一番に反応を見せた大妖精は反町の敵となる事を恐れ、チルノを誘い強引に守矢フルーツズへと移籍。 体力に不安の残る早苗はこれを快く了承し、大妖精をサブキーパーとして加入させ。 チルノがいれば守備力も強化できると、大層喜んだ。 更に反町の弟子であるヒューイは、反町がいなくなると強くなれない、レギュラーを取れないと感じ同じく守矢へ移る。 そして、元々八雲一家の所属である橙もまた紫と藍の元へと戻ってゆき。 昔の獰猛さを取り戻した幽香は静葉らとは相いれる事が出来ず、レティ、リリー姉妹、メディスンを引き連れて離脱をした。 結果的に残ったのは、初期から所属をする秋姉妹と河城にとり、サンタナ、妖精1に藤原妹紅、リグル=ナイトバグだけである。 数だけはそれなりにいるように思えるが、一線級で戦えるのはリグルのみ。 他のチームはかつてのオータムスカイズの名有りの多さから多分に戦力を補強している中。 これでは当然勝ち上がれる筈もなく、オータムスカイズは次第に強豪・名門という評判を下げてゆく。 一方で反町という絶対的ストライカー、ヒューイという優秀なボランチ、大妖精というサブキーパーを得た守矢は、 怒涛の勢いで力を伸ばし、名声を手に入れ、信仰を集めた。 うなぎ上りに勢いを増す守矢に、一気に失墜をするオータムスカイズ。 神奈子、諏訪子の信仰は高まり早苗は喜び反町もまたそれを喜ぶのだが……。 逆に秋姉妹には信仰も集まらず、次第に彼女たちは幻想郷の歴史から姿を消してゆく。 だが、そのような事は反町一樹には何ら関係の無い事でもあった。 今日も反町一樹は、幻想郷でその右足を振りかぶる。 幻想のポイズン 終わり
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0ch BBS 2007-01-24