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【予測不能な】11人の戦士たち2【イレギュラー】
[371]佐野の人 ◆0RbUzIT0To :2012/03/16(金) 00:16:04 ID:??? なんだかちょっと頭の頭痛が痛いので本日はここまでとさせていただきます。 続きは明日以降。それでは、お疲れ様でした。
[372]森崎名無しさん:2012/03/16(金) 00:21:42 ID:??? お大事に乙です
[373]佐野の人 ◆0RbUzIT0To :2012/03/17(土) 02:00:23 ID:??? >★滝 チューチュートレイン ( ダイヤ2 ) 55+( 6 + 5 )=66★ >★レイ ブロック ( ダイヤ8 ) 49+( 4 + 3 )+(人数差補正+1)=57★ >★剣崎 ブロック ( ハートJ ) 51+( 6 + 1 )+(人数差補正+1)=59★ >★カイン ブロック ( スペード5 ) 47+( 4 + 6 )+(人数差補正+1)=58★ >★律子 パンチング ( ハートK ) 47+( 5 + 6 )+(思い出補正+3)=61★ >≧2→滝のチューチュートレインがゴールにキャリオーン! >※律子のGK経験値が「2/60」になりました。 ============================================================================= 滝 一。 現在は1ボスチームへと籍を置く彼は、外の世界では佐野が選考から外れた全日本ユースに選出された程の実力者であった。 その実力の高さは折り紙付きで、鮮麗されたサイドアタックの技術とクロスの正確さはチームでもずば抜けている程である。 事実彼がかつて通っていた南葛高校、そして常勝チーム南葛中学では彼のサイドアタックから得点を決める事が黄金パターンだったのだ。 しかし、そんな彼も――世界を舞台にしたレベルではまるで戦えず、起用される事のないベンチウォーマーだった。 確かに彼のチャンスメイクの実力だけは一流レベルである。 だが、それ以外の面では滝は三流ですらない程に弱かった。 守備は軽く、ボール争いは苦手……。 これは全日本のFWではスタメンが確実に固定とされている日向以外は、 全員似たような問題を抱えている為そこまで深刻ではないかもしれない。 滝の1番の問題点は、ずばり、自分でシュートを撃つという事が出来ないという事であった。 滝「(立花たちは2人同時じゃなきゃ使えないっていう弱点はあるが、同時に使いさえすればスカイラブツインはめちゃめちゃ強力だ。 来生の奴だってスタミナは無いが、あのローリングヘッドの威力だけは大したもんだ。 新田にしても決してシュート力が高い訳じゃないが、マグレにしてもウルグアイのキーパーからゴールを奪った実績がある。 それに比べて俺は選考落ちした佐野や反町にすら決定力じゃ勝ててねぇ。 ハッキリ言って問題外だ)」
[374]佐野の人 ◆0RbUzIT0To :2012/03/17(土) 02:01:40 ID:??? そして、それが大きな弱点であるという事は彼自身が誰よりもよく知っていた。 シュートが撃てなければ、ボールを持っても最終的には手放さなければならない。 相手に味方をマークされては滝にはどうする事も出来ず、 そうなってしまえば滝のサイドアタックは何の意味も持たない攻撃にしかならないのである。 滝「(このチームじゃ味方がダイレクトシュートが得意なだけあって俺に誰も来なきゃ楽にクロスを合わせられる利点があるが、 全日本に帰れば話は違う。 日向のライトニングタイガーはグラウンダーのパスを受けて撃つシュートだ。 あいつに早田みたいなストッパーを当てられちゃ俺が出来る事なんて何もねぇ……。 日向にマークをつけられてもなんとか出来るような武器を身に着けないといけないんだ)」 アジア大会で己の欠点を改めて認識し、 また、1ボスチームのFWが力不足であると知った滝はそう決心すると、弱点の克服に挑み始めた。 まず彼はFWにしてもあまりにも不足している守備力の強化を図った。 残念な事に体格があまり良く無い事が影響をしてか、タックルは目に見えて上昇をしなかったものの。 己のパサーとしての経験則を生かしたせいか、パスカットの実力は……世界レベルではないものの、まるで駄目というレベルからは脱却した。 ではシュートではどうか……こちらはタックル以上にまるで成果が出なかった。 そもそも滝が己の得点力不足を克服しようとしたのはこれが初めての事ではない。 中学時代、高校時代にも似たような経験はあったのだ。ただ、それが身を結ばなかっただけ。 そして新たに決心をした今回の特訓でもまた、成果が出なかったというだけである。 滝「くそー、やっぱシュートは向いてないのか?」
[375]佐野の人 ◆0RbUzIT0To :2012/03/17(土) 02:02:41 ID:??? 滝は考えうる限りの必殺シュートを試し、練習をした。 だがそのいずれもが、彼には会得出来なかった。 翼のドライブシュートのようなものでは一朝一夕で出来ようはずも無かったし、 日向のタイガーショットのようなパワーシュートは問題外であった。 ならばと試した井沢のバナナシュート・早田のカミソリシュート・岬のブーメランシュートのようなカーブシュートはどうだったかといえば、 こちらも上手くいかない。曲がる事は曲がるものの、コントロールが難しくカーブのかかり方も井沢のバナナシュートに比べ劣る有様だった。 全日本には多くの使い手がいるオーバーヘッドキック、岬や葵、来生が使うダイビングボレーやジャンピングボレーもタイミングが難しく。 そもそもジャンプ力もキック力もお世辞にも高いとは言えない滝には到底使いこなせなかった。 では一対一の時に使えるシュートはどうかと言えば、こちらもまた不可能だった。 GKとの勝負のせめぎ合いの中で咄嗟に股を抜くシュートを放つ、或いは大きなループシュートを放つというのは予想以上に難しかった。 やはり自分にはシュートを撃つ事は不可能なのか。 思わず弱音を吐きそうになった時、彼の前に1人の少女が姿を現した。 ナズーリン「悩んでいるようだな、同士タキーリンよ」 滝「げぇっ、ナ、ナズーリン!」 当然のように現れたのは、滝を拾い、滝を自らが住まう命蓮寺で保護した1ボスチームの攻撃の要、ナズーリンである。 ナズーリン「どうしたタキーリンよ、やはりシュートが撃てぬ事を悩んでいるのか」 滝「ああ……色々試してみたが、どうにも俺は必殺シュートが撃てそうにない……」 このナズーリンに、滝はあっさりと己の悩みを吐露した。 自身が迷い込むと同時、衣食住の世話だけでなく日ごろからなにからなにまで面倒を見てくれるナズーリンに対し、 滝はかなりの信頼を寄せており、言動が時折気になるものの頼りとしていたのである。
[376]佐野の人 ◆0RbUzIT0To :2012/03/17(土) 02:03:42 ID:??? 滝「せめてカーブ系のシュートが撃てれば、サイドから撃てる分有利に働けそうなんだけどな……」 ナズーリン「とはいえ、才覚の無いものを練習しても得られるものは少ない。 我が命蓮寺ではこういう格言がある。 本当にサッカーが上手い者とは出来ない事はやらない者だ、と」 滝「……なんだ? 俺がシュートを磨くのは無駄だって事か?」 ナズーリン「そういう事ではない、即ち視点を変えるのだ」 ナズーリンの暴言とも取れる発言に滝は一瞬表情を強張らせるも、 ナズーリンは慌てず人差し指をチッチッと振り少し意地の悪い笑みを浮かべながら続ける。 ナズーリン「タキーリンよ、君は人に合わせるのが得意だね」 滝「……? まぁ、そりゃそれなりには……」 ナズーリン「ではまずコンビプレイを開発してはどうだろうか?」 滝「コンビプレイ?」 今までのサッカー人生でアシストに命を懸けてきた滝は、誰かと合わせるという事に長けていた。 その協調性は全日本の潤滑油、誰とでも合わせられる岬に負けずとも劣らぬものであり。 実際、滝は小学生の時よりサッカーを共にする来生や井沢といった者達と数々の連携技を持っている。 これは長年付き合ってきたが為に開発出来た技であるのは勿論なのだが、 根本的にマイペースが過ぎる来生や少し我が強く独断専行をする事が間々ある井沢の手綱を滝がしっかり握ってた事も影響していた。 要するに滝一という人間は異常なまでに濃い性格の者が多い全日本、そして1ボスチームの中でも極めて常識的な人間であり、 協調性に優れ、コンビプレイなどの連携技を得意とする選手だったのである。
[377]佐野の人 ◆0RbUzIT0To :2012/03/17(土) 02:04:46 ID:??? 滝「しかしコンビプレイじゃ結局俺がシュートを撃てないっていう根本的原因を解決出来てねぇからなぁ……」 ナズーリン「よいではないか、まずは自分の出来る事から少しずつやっていけばいい。 我が命蓮寺では小さな事からコツコツと、出来る範囲の事からやっていく事を美徳としている。 手のつけられる所から技を身につければ、後々にもつながってゆく筈だ」 滝「……まぁ、今のままでも何も出来そうにないからな。 まずはそれでやってみるか」 ナズーリンの言葉を受け、滝はコンビ技でのシュートを開発する事にした。 ここまで散々シュート練習を行っていたにも関わらずまるで結果が出なかったというのに、 協調性が高く幾多の連携技を持っているだけで果たして本当にシュートが開発出来るのか……。 誰もが抱くであろうその疑問は、あっさりと打ち砕かれた。 ナズーリン「連携技といえど、種類は山ほどある。 まずはどのようなシュートをするかだが……」 滝「やるなら地上シュートの方がいいだろうな。 ダイレクトシューターはリグル、ルーミアがいる。 それに俺もナズーリンも浮き球がそれ程得意って訳じゃないし」 ナズーリン「うむ、ではそうしよう。 では具体的にどうするかだが……」 まず初めに滝はコンビを組む対象であるナズーリンと共にどのような方針の連携シュートを開発するか考えた。 ツインシュートのような両者が共にボールを蹴り合うシュートは、 そもそも滝とナズーリンのキック力ではボールが大きくブレないだろうと考え断念。 立花兄弟のような空中サッカーも、天性のジャンプ力も無ければヘディングも得意でない滝では難しいだろうと考えられる。 何より1ボスチームにはダイレクトシューターが多い割にミドルシュートを撃てる人材が少なく、 ここは地上シュートを開発するのがチームの事を考えれば得策だろうと判断をする。
[378]佐野の人 ◆0RbUzIT0To :2012/03/17(土) 02:05:49 ID:??? ナズーリン「そうすると出来るのはなんだろうな。 ツインシュートでないコンビ技か……」 滝「(ウルグアイのビクトリーノとダ・シルバって奴が使ってたパンサーストリームとかいうのは……。 駄目だな、今からの練習でそこまで練度の高いシュートが撃てるとは思えねぇし、俺もナズーリンもオーバーヘッドは出来ない。 すると俺達が開発すべきは……) 俺達はキック力が弱いんだから、それを補えるようなシュートじゃないと駄目だ……」 ナズーリン「ふむ……つまり?」 滝「蹴る前……シュートを撃つ前の予備動作が特異なシュートを開発するんだ」 ナズーリン「なるほど……では、ブラインドシュートのようなもの……という事か?」 方針が決まってしまえば、後は全てとんとん拍子に話が進んでいった。 滝とナズーリンのコンビシュートの概要は、単純に前の人間を壁として後ろの人間のシュートフォームを見えなくし、 キーパーやDFがどのコースを塞げばいいのか迷わせるもの。 滝「そうだ。 でも、ただのブラインドシュートじゃ威力不足になるだろうな。 だからそれに何かの要素を加えないといけない」 ナズーリン「何かの要素と言っても、具体的にどうするのだ、同士タキーリンよ」 滝「そうだな……事前に出来る事で、かつキック力に影響されず効果が表れそうな事は……」 その後、目標とするシュートのイメージを固めた両者は特訓に明け暮れた。 驚くべき事に滝とナズーリンは練習を開始して僅か3日目にはこのコンビプレーを成功させる。 今までどのシュートでも成果を上げれなかったというのに、ただの3日で結果を残せた以上。 やはり滝には連携技の才覚というものがあったのだろう。 そして、当然ながら……。 幻想郷に滝が来訪してから常に滝を気遣い手助けをしてくれたナズーリンが相手だったからこそ、 これだけ早くシュートを身につけられたというのは、今更言うまでもない事である。 ……… …… …
[379]佐野の人 ◆0RbUzIT0To :2012/03/17(土) 02:06:58 ID:??? ファーンファーン ファーンファーン ファーンファーン ファーンファーン ファーンファーン ファーンファーン レイ「なんだい、思ってたよりもスピードは無いね!」 剣崎「(これなら余裕をもってコースに入れる……点は許さないぞ!)」 滝がシュートを放った瞬間、僅か数秒にも満たない間に、彼はこのシュートを開発した時の事を思い出していた。 そして、当然ながらその間にもボールはイレギュラーズゴールへ向けて何とも奇妙な音を発しながら突き進む。 だが、そのシュートのスピードは、思わずレイや剣崎が呆気に取られる程に遅かった。 否、遅いとはいえ当然ある程度のスピードはあるのだが、奥の手的に出してきたシュートにしては、些か期待外れ。 拍子抜けをすると言った方がいい程に、威力を感じぬシュートだったのである。 これならばまずシュートコースには間に合い、軽々とブロックする事が出来る。 サイドから中央に寄り全速力でシュートコースに向かうレイ、体の頑強さには自信を持つ剣崎、 そして地上戦ではあまり活躍が出来ないカインですら余裕を持ってコースを塞ごうとし……。 バムッ!! その瞬間にボールは突如地面に落下し。 ステステーッ!!! 剣崎「ウェ……!?」 カイン「なんだと!?」 弾むと同時、先ほどとは打って変わって猛烈なスピードでゴールに迫り唖然としていたレイらの間をすり抜け。 律子「……! あ……!?」 ズバシュウッ!! キャリォーンッ!!ピピィーッ!! GKの律子が一歩も動けないままゴールネットへと突き刺さり、得点を告げる審判の笛が鳴ったのだった。 イレギュラーズ 2−1 1ボスチーム
[380]佐野の人 ◆0RbUzIT0To :2012/03/17(土) 02:08:04 ID:??? 霖之助「決まったァァァァアア!? ゴールッ! 1ボスチーム、なんと後半開始早々、いきなり1点を返したァァ〜ッ!! 決めたのは、なんと外界から来た1ボスチームの新戦力、滝一選手! ナズーリン選手との華麗なコンビプレイであっさりとゴールを奪ってしまったァ!! これで点差は1点! まだまだ試合はわからなくなってきましたァッ!!」 観客「な、なんじゃあのシュートは!?」「ただのブラインドシュートに見えたけど……」「なんか地面にバウンドしたぞ!?」 まだゴールに突き刺さったボールが回転をする中、得点が決まった事で実況席の霖之助は興奮したかのように強く言葉を放ち。 また、観客たちは今までに見た事も無いような奇妙奇天烈なシュートに動揺しつつ、 ざわざわとざわめきながら、一体今、何が起こったのかと近くにいる者同士で話し合う。 慧音「むぅ……これはまた、面白いシュートだ」 来生「おお〜! 滝の奴、いつの間にこんなシュート打てるようになってんだよ!?」 その観客の中に交じる3ボス同盟の面々……。 慧音は顎を摩りながら感心したようにそっと呟き、来生は純粋に滝が必殺シュートを開発した事に驚きつつ、 しかし、かねてからの仲間が成長したという事にも喜んでいる様子である。
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0ch BBS 2007-01-24