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【混迷からの】Another-CU_3【脱出】
[447]森崎名無しさん:2012/05/30(水) 04:28:29 ID:??? 乙でしたー!
[448]アナカン ◆lphnIgLpHU :2012/05/30(水) 21:36:01 ID:??? >>447 乙感謝でしたーーーーーーー! 昨日からもうずっとビーフシチューが食べたい ============================================= 前述の通り、久美がサッカー部のマネージャーになった理由は大空翼である。 彼が道を歩けば優れ者ぞと町中騒ぎ、その噂を聞いた近所の婆さまも走ると言われていた。 さらにその後には大空翼伝説に尾ひれがつき、彼が歩けばフローラルの香りが漂い、 通り過ぎた足跡からは草木や花が咲き乱れ、首をはねると中から本体が出てきて 巨大化して森を滅ぼしアシタカを追いつめるとまで言われたがそれはまた別の話である。 ええと…そうそう、杉本久美は翼先輩の恋人になると意気込んでマネージャーになったのだ。 そのアプローチはなかなかに熱心であり、周囲に彼女自身を早熟であると思わせたのだが… 実際の所、久美は素敵な恋に夢見ていただけの子供であった。 翼がサッカー(と森崎への反感)ばかりに夢中である事を知ると、サッサと短期決戦を諦め… 長期戦と意気込んでいたのも僅かな期間、ライバルと目していた早苗と仲良しになり、 女子組で楽しくマネージャー業に励む事を優先していたのである。 ハッキリと言ってしまえば、久美は翼の事などたいして好きではなかった。 子供がミーハー心から抱いた憧れ感情でしかなく、周囲の人々と楽しく過ごす事の方が余程大事だった。
[449]アナカン ◆lphnIgLpHU :2012/05/30(水) 21:37:07 ID:??? だが彼女の奥底の恋に憧れる気持ちは失われておらず、むしろ成長と共に大きくなるのは道理。 翼や森崎が卒業した翌年、南葛は山森がキャプテンに就任、マネージャーは久美ただ一人となった。 元々山森は2年の時点で全国大会に起用され、あまつさえ国内選抜に抜擢される程のテクニシャン。 またキャプテンとマネージャーという関係性ゆえ、必然的に二人の接触は格段に増加… 久美が山森の事をちょっとイイなと思い始めるまで、そう時間は必要としなかったのだ。 またこの時点で山森も久美の事を憎からず思っており… もしも山森が久美に対して積極的にアプローチしていれば、二人は交際していた筈である。 幾ばくかの犠牲を必要としたかも知れないが#男美女カップルが成立していた筈なのだ。 …ただ、当時の山森は久美が翼に恋心を抱いていた事を察していた。 それが彼を遠慮させ…いや、大空翼には敵わないと無意識に臆病風を吹かせた。 本質的に積極的(と言うより好奇心が強い)久美が山森に対する態度を変えた始めた時… 他のサッカー部員達がまだ気付かぬほどの変化に過ぎなかった時、それを鋭敏に嗅ぎ当てた人物が居た。 …そこから久美の受難が始まった。
[450]アナカン ◆lphnIgLpHU :2012/05/30(水) 21:39:32 ID:??? 久美の受難…それは予告も無く突然に始まった。 イタズラと思しき怪文書に始まり、登下校や部活の際に感じる視線。 何かがおかしいと…久美が身辺の異常について対策を考え始めた頃には既に遅かった。 加速度的に激化する異変。 家の前に生ゴミが頻繁に捨てられるようになり、中傷の貼り紙がされるようになった。 明らかに誰かにつけられている登下校…街を歩いていて突然誰かに水をかけられた事もある。 久美の心身が疲弊してノイローゼになった頃、異変の原因が遂に明らかになる。 『 山 森 正 吾 に 近 づ く な 』 新聞紙の切り抜きによる文字で作られた、シンプルにて明確な要求書。 一般的には脅迫状と呼ばれる物だが、この書面にはさもなくば≠ェ書かれていなかった。 その事が久美の不安を煽り、想像を掻き立て…恋心という物に対してトラウマを刻み込んだのだった。 幸いにして間もなく山森は南葛中を卒業し、久美には久方ぶりの平穏が訪れた。 しかし平穏なる中学の3年目において、彼女が恋愛を考える事が一片すら無かったのは言うまでもない。 ※またもや一旦ここまでです。
[451]森崎名無しさん:2012/05/30(水) 21:49:23 ID:??? >>448 アナカンさんには料理のうまいお嫁さんがいるじゃないか
[452]森崎名無しさん:2012/05/30(水) 22:38:16 ID:??? 食堂のおねいさんひでえw
[453]森崎名無しさん:2012/05/30(水) 22:48:31 ID:??? これわ怖い
[454]森崎名無しさん:2012/05/30(水) 23:34:51 ID:??? このスレ、スタンドとか普通にあるから おねいさんの超能力も何かのスタンドだったりしてw
[455]アナカン ◆lphnIgLpHU :2012/06/01(金) 21:56:07 ID:??? >>451 ディスプレイの中に入るのってなかなか大変なんです。 ぶっちゃけあまり会えません… >>452-453 この物語はフィクションです。 キャプテン森崎との相関性については一切不明となっております。 >>454 この物語はアラーキーでアナーキーなフィクションです。
[456]アナカン ◆lphnIgLpHU :2012/06/01(金) 21:58:20 ID:??? 恋愛に関する恐ろしい経験を経た久美であったが、それが彼女の性格を大きく変えるには至らなかった。 何故ならば久美は結果的に多くの人間に頼られ、好かれる人物像に成長していたからだ。 翼、森崎を擁した全国大会V3当時とは比べるべくもないが、南葛中は尚も県で屈指のサッカー部であり… そのような強豪のマネージャーとして、3年間経験を積んだ久美は周囲に頼られる存在にまでなった。 また月日を重ねると共に容姿も洗練化されていったにもかかわらず、男を基本的に避け、同性との関係を 大事にする久美の態度が多くの人間に好まれたのは説明の必要もないだろう。 こうして他者に好かれ、多くの笑顔を向けられ続けた彼女の心は暗鬱とならずに済んだのである。 ただし周囲の友人達が次々と恋人を作っていく様、それ故に増してゆく恋話には内心複雑な思いであった。 更に翌年、久美は公立の南葛高校へと進学した。 南葛高校へは中沢早苗や石崎了、山森正吾など良く知る先輩が多く在学しており… やはりと言うべきか、久美はサッカー部へ所属し、再びマネージャーに就任する事となった。 平穏な一年間のインターバルが彼女の心に刻み込まれたトラウマをある程度薄め… そして山森には未だ恋人と呼べる存在が出来ていな事もすぐに判った。 この事がきっかけとなり、久美は再び恋愛を考えても良いのではと思い始める。 しかし…そんな心境もホンの束の間でしかなかった。
[457]アナカン ◆lphnIgLpHU :2012/06/01(金) 22:00:51 ID:??? ある日、校内を歩いていた彼女は冷ややかな視線を感じ取る。 それは忘れもしない、一年間音沙汰がなかったが間違えようもない… 久美が日常に怯え、恐怖した時期によく感じた視線と全く同一であった。 刻み込まれた恐怖がフラッシュバックする…。 歪に貼り付けられた新聞紙による文字列、『山森正吾に近づくな』が映った。 目の前がチカチカし、久美は思わずその場にヘタヘタと座り込むしかなかった。 背中にジットリと冷たい汗を感じていたが、それよりも余程視線に@竄スさを感じていた。 その瞬間、久美にとって山森正吾という存在自体が恐怖へと変貌した。 自分が山森正吾を異性として意識すると、この恐怖は自分の背中を叩いてくるのだと。 故に、入学から1カ月が経過したあの日… その山森に屋上へ呼び出された時も久美の心は嫌な予感で満たされていた。 山森がなかなか喋り出さないでいる間も、早くその場を離れたい気持ちでいっぱいだった。 そして… 久美にとって死の宣告にも思える山森の照れ臭そうな言葉を聞かされた時… 彼女は必死に保っていた平静をかなぐり捨て、絶叫のように言葉を返信していた。 『そんなつもりはなかった、許して下さい』とだけ言ってその場を逃げた。 それは山森に対して言った言葉だったのか、それとも別の誰かに言った言葉だったのか… 久美には一生知る事がないと思われた。 今度こそ久美は『一生恋なんてしない』と誓ったのだから。
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0ch BBS 2007-01-24