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【混迷からの】Another-CU_3【脱出】
[450]アナカン ◆lphnIgLpHU :2012/05/30(水) 21:39:32 ID:??? 久美の受難…それは予告も無く突然に始まった。 イタズラと思しき怪文書に始まり、登下校や部活の際に感じる視線。 何かがおかしいと…久美が身辺の異常について対策を考え始めた頃には既に遅かった。 加速度的に激化する異変。 家の前に生ゴミが頻繁に捨てられるようになり、中傷の貼り紙がされるようになった。 明らかに誰かにつけられている登下校…街を歩いていて突然誰かに水をかけられた事もある。 久美の心身が疲弊してノイローゼになった頃、異変の原因が遂に明らかになる。 『 山 森 正 吾 に 近 づ く な 』 新聞紙の切り抜きによる文字で作られた、シンプルにて明確な要求書。 一般的には脅迫状と呼ばれる物だが、この書面にはさもなくば≠ェ書かれていなかった。 その事が久美の不安を煽り、想像を掻き立て…恋心という物に対してトラウマを刻み込んだのだった。 幸いにして間もなく山森は南葛中を卒業し、久美には久方ぶりの平穏が訪れた。 しかし平穏なる中学の3年目において、彼女が恋愛を考える事が一片すら無かったのは言うまでもない。 ※またもや一旦ここまでです。
[451]森崎名無しさん:2012/05/30(水) 21:49:23 ID:??? >>448 アナカンさんには料理のうまいお嫁さんがいるじゃないか
[452]森崎名無しさん:2012/05/30(水) 22:38:16 ID:??? 食堂のおねいさんひでえw
[453]森崎名無しさん:2012/05/30(水) 22:48:31 ID:??? これわ怖い
[454]森崎名無しさん:2012/05/30(水) 23:34:51 ID:??? このスレ、スタンドとか普通にあるから おねいさんの超能力も何かのスタンドだったりしてw
[455]アナカン ◆lphnIgLpHU :2012/06/01(金) 21:56:07 ID:??? >>451 ディスプレイの中に入るのってなかなか大変なんです。 ぶっちゃけあまり会えません… >>452-453 この物語はフィクションです。 キャプテン森崎との相関性については一切不明となっております。 >>454 この物語はアラーキーでアナーキーなフィクションです。
[456]アナカン ◆lphnIgLpHU :2012/06/01(金) 21:58:20 ID:??? 恋愛に関する恐ろしい経験を経た久美であったが、それが彼女の性格を大きく変えるには至らなかった。 何故ならば久美は結果的に多くの人間に頼られ、好かれる人物像に成長していたからだ。 翼、森崎を擁した全国大会V3当時とは比べるべくもないが、南葛中は尚も県で屈指のサッカー部であり… そのような強豪のマネージャーとして、3年間経験を積んだ久美は周囲に頼られる存在にまでなった。 また月日を重ねると共に容姿も洗練化されていったにもかかわらず、男を基本的に避け、同性との関係を 大事にする久美の態度が多くの人間に好まれたのは説明の必要もないだろう。 こうして他者に好かれ、多くの笑顔を向けられ続けた彼女の心は暗鬱とならずに済んだのである。 ただし周囲の友人達が次々と恋人を作っていく様、それ故に増してゆく恋話には内心複雑な思いであった。 更に翌年、久美は公立の南葛高校へと進学した。 南葛高校へは中沢早苗や石崎了、山森正吾など良く知る先輩が多く在学しており… やはりと言うべきか、久美はサッカー部へ所属し、再びマネージャーに就任する事となった。 平穏な一年間のインターバルが彼女の心に刻み込まれたトラウマをある程度薄め… そして山森には未だ恋人と呼べる存在が出来ていな事もすぐに判った。 この事がきっかけとなり、久美は再び恋愛を考えても良いのではと思い始める。 しかし…そんな心境もホンの束の間でしかなかった。
[457]アナカン ◆lphnIgLpHU :2012/06/01(金) 22:00:51 ID:??? ある日、校内を歩いていた彼女は冷ややかな視線を感じ取る。 それは忘れもしない、一年間音沙汰がなかったが間違えようもない… 久美が日常に怯え、恐怖した時期によく感じた視線と全く同一であった。 刻み込まれた恐怖がフラッシュバックする…。 歪に貼り付けられた新聞紙による文字列、『山森正吾に近づくな』が映った。 目の前がチカチカし、久美は思わずその場にヘタヘタと座り込むしかなかった。 背中にジットリと冷たい汗を感じていたが、それよりも余程視線に@竄スさを感じていた。 その瞬間、久美にとって山森正吾という存在自体が恐怖へと変貌した。 自分が山森正吾を異性として意識すると、この恐怖は自分の背中を叩いてくるのだと。 故に、入学から1カ月が経過したあの日… その山森に屋上へ呼び出された時も久美の心は嫌な予感で満たされていた。 山森がなかなか喋り出さないでいる間も、早くその場を離れたい気持ちでいっぱいだった。 そして… 久美にとって死の宣告にも思える山森の照れ臭そうな言葉を聞かされた時… 彼女は必死に保っていた平静をかなぐり捨て、絶叫のように言葉を返信していた。 『そんなつもりはなかった、許して下さい』とだけ言ってその場を逃げた。 それは山森に対して言った言葉だったのか、それとも別の誰かに言った言葉だったのか… 久美には一生知る事がないと思われた。 今度こそ久美は『一生恋なんてしない』と誓ったのだから。
[458]アナカン ◆lphnIgLpHU :2012/06/01(金) 22:02:30 ID:??? 高校一年生にして恋をしないと誓った久美。 彼女にとって恋とは恐怖、僅かでも素敵だと思う異性を彼女は徹底して避けた。 夏休みに入る頃には、久美は男嫌いの美少女として学年…いや校内中に認知されていた。 そして夏のインターハイ。 中学時代と違い、南葛高校サッカー部はこの世代で一度も優勝をしていなかったが… それでも岬太郎をキャプテンとして当然のようにインターハイへ出場する強豪であった。 久美にとっては久し振りの全国の舞台であり、自らを必要とするマネージャー業へ躍起になった。 結果、彼女のサポートも一定の甲斐あって(日向の不在が最大要因だが)南葛高校は優勝を果たす。 久美はこの優勝を殊の他喜んだ。 幸せを噛み締めたと言って良いだろう。 恋を避ける彼女にとって、マネージャーとしての仕事の成功は残された数少ない喜びだったのだ。 しかしその喜びに水を注される事件が起こった。 言うまでもない、岬太郎の恋人発覚である。 事もあろうに岬は部員に内緒で中学生の美少女と交際していたのだ。
[459]アナカン ◆lphnIgLpHU :2012/06/01(金) 22:04:58 ID:??? 美形で人当たりの良い、それでいて控え目な岬太郎が誰かと交際している噂はなかった。 誰が接しても嫌悪感を抱くとは思えない、恋人が居たとしても何ら不思議のない岬がである。 久美はその理由を『岬はサッカーに打ち込んでいるから』と考えていた。 打ち込める物があれば、恋などしなくても人は幸せになれると考えていたのだ。 それは自分がマネージャー業に打ち込む事で幸せになれると信じたかった彼女のいじましさだった。 しかし目の前で見せつけられた熱い抱擁、幸せそうなJCの表情。 『このJCと自分と一体何が違っているのだろう…?』 久美は純粋に悔しかった、妬ましかった、パルパルだった。 このJCだけではない、同じように容姿に恵まれ気立ても良い中沢早苗にも大空翼がいる。 何かに打ち込んでいる人間であっても、シッカリやる事はやっているのである。 やはり普通に恋が出来る方が幸せなんだと思い知らされた気分だった。 けれど久美はそれ以上惨めになりたくなくて『応援するわ、貴女は今後顔パスよ』とまで言ってしまった。 …ここまでが、久美がいま抱えているメランコなんたらの原因である。
[460]アナカン ◆lphnIgLpHU :2012/06/01(金) 22:06:34 ID:??? 『岬先輩に恋人がいたの。』 『あれ、あんた岬先輩のこと好きだったの?』 『ううん、別に。』 『ならどうして辛い気持ちになんかなるの? 岬先輩の事好きだったんでしょ?』 『そうじゃないのよ…。』 『ならラブラブっぷりに当てられたのね、誰か紹介しようか?』 『…もういいわ。』 他者が聞いても意味の解らない、久美の態度は下らないへそ曲がりに映るであろう。 当然である、彼女の気持ちを理解する事など並大抵では無理だ。 彼女にも自分の心の深すぎる部分に触れる事など出来ないのに、誰がそれを出来ると言うのだろう。 直接的なストレスにも歪まなかった久美の心が、少しずつ歪を帯び始めた… そんな八月の日。 まだ真夏だった。 ひたすら暑い猛暑日だった。 中山政男が南葛に姿を現したのは。
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0ch BBS 2007-01-24