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【混迷からの】Another-CU_3【脱出】
[779]アナカン ◆lphnIgLpHU :2012/07/01(日) 20:25:38 ID:??? >>773 ミアータ「あら、それってストラットを想って毎日書いた私の日記帳?」 >>775-776 三杉「そ…そうなのかい、バンビーノ?」 バンビーノ「………そんな事もあった。」 >>777 基本的に伏線というか先の展開はかなり容易に予想出来るようにしております。 当然サンパウロ戦は予定していた流れですので気張って下さいね。 >>778 オルケスタ関連が物語にどう絡んでくるか…それはまだ謎に包まれてるぜメーン。
[780]アナカン ◆lphnIgLpHU :2012/07/01(日) 20:26:52 ID:??? > A バンビーノを信じて託す ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 三杉「判った、ここは君の事を頼らせて貰うよ。」 そう言うと三杉はバンビーノへ親愛の微笑を向けた。 バンビーノも元々細い眼を一層細め、その笑みに応えた。 三杉「それじゃ、これを…。」 バンビーノ「ああ、託された。」 三杉「悪いね、借りばかり作っている。 昨日の試合だって君の計らいなんだろ?」 バンビーノ「なんの事だか? …それに、このお遣いはオレ自身の目的の為でもある。」 三杉「えっ?」 バンビーノ「Wトーナメントで是非とも昨日のリベンジをしたいって事さ。 折角の大舞台だ、お前達に借りを返すには持って来いだと思わんか?」 三杉「(プッ)ああ、そういう事か。」 冗談めいて話すバンビーノに三杉は軽く吹き出した。 恐らく半分以上本気ではあるのだろうが、それでもバンビーノの言う目的は利己的とはかけ離れている。 彼のこの辺りの生真面目な性根を、三杉は毛頭バカにする気になれなかった。
[781]アナカン ◆lphnIgLpHU :2012/07/01(日) 20:28:06 ID:??? バンビーノ「………」 三杉「…? どうしたバンビーノ、手紙をジッと見て?」 バンビーノ「いや………。 案外そうかも知れんなと思って…。」 三杉「うん?」 バンビーノ「旧フィオレンティーナにリベンジをしたいとは考えている… しかしそれは切磋琢磨が理由でなく、ただ単に大舞台で叩き潰したいというだけ。 だから下手に強く成られるのは勘弁…そんな風に思っているのかもな。」 三杉「……誰の事だい?」 バンビーノ「犯人だよ…。 コーチのノートだけを奪い、手紙に手を着けなかった奴さ。」 三杉「ほう……なるほど、そういうのもあるか。」 突然思いついたかのようなバンビーノの推理。 それは中々否定的な要素を見つけられない物であり、三杉も少し身を乗り出した。
[782]アナカン ◆lphnIgLpHU :2012/07/01(日) 20:29:42 ID:??? バンビーノ「しかし、それならば余りに浅はかと言わざるを得ないな。 そいつはフィオレンティーナというチームを何も理解していない。」 三杉「ふふ、そうかもね。」 バンビーノ「どれ程の事が書かれているかは知らないが、たかがノート一冊だ。 何試合もの強者との戦いで得られる経験とは比べるべくもないだろうに。」 三杉「もしかすると、努力と経験によって得られる成長を識らないのかもね。」 二人は今度は苦笑を交わす。 そんな程度の低い人物の事を彼らが思い当てる筈がなかった。 どちらにせよ、今回の犯人の鼻を明かしてやろうという意志に変わりはないのだから。 ???「よう、話はすんだかよ?」 バンビーノ「むっ!?」 突如かけられた声に振り返ると、ドアによっかかるように男が一人立っていた。 隈(くま)のせいで目つきと顔色の良くない印象が第一に来るその男は… 三杉「先生…。」 どうやら三杉の主治医だったようである。 不気味な薄笑いを浮かべているので怪しい人相だが、人を顔で判断してはいけない。
[783]アナカン ◆lphnIgLpHU :2012/07/01(日) 20:31:12 ID:??? _ -‐ `ヽ ,、 ::: l:::} ヽ / ,,, l::!. /::、 _ l:::} ヽ / ,,、 '''' /::l ´ l:::/ l::::) ヽ__ { ,、゛"_ l:::ノ l::} _ --― ::: ̄ ̄ :::  ̄ヽ {、 l:::l l::} _ -‐  ̄ ::: ::: ::: :::: ::: } {::l ` _ -  ̄ ::: __;;;;__;;;;_,,_/ ,ゝ‐'´ l:::} _;;;;;,ィイlヽヽミミミミミ} / l , 、 .::: ,.-‐''´ `川l^| |ミミミミミ|´ r‐、 { ,,,, l:::!/ / ,ィュ 川llニコトヽゞヽゞ、 l l. { l:::} ., ヘ_ / / ノノ 川ニコ __ヽ___ | _.|. ヽ ∠_,,, `l / /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ . |´ レ-、 / /. | ノ / /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;} . | _|_ゝ| /.‐/ レへ / /、 /_;;-‐;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/ |´ |. |' !_ -‐、 `iijjjjj//;;;;;;;;;;;_;;_;;,`ー―---‐一'! . | -! !‐-ヽ_.ヽ ヽ‐、 ノ;;-‐´ ̄;;;;;;;;/ ! !!ヽ __; / _/_/ ,'´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;! ! . !! ヽ、`ー/ / / /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;! ! ! `、l_lフ_フ /,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;! ! ! } j /,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;! ! ヽ ノィ、 r'' /,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;! ! `, '"´l | | /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;! ! ロー「気分はどうだよ貴公子屋。」
[784]アナカン ◆lphnIgLpHU :2012/07/01(日) 20:33:21 ID:??? 三杉「全く問題ないです。 …回診にしては早い時間ですが、何か異常でも?」 ロー「いやいや、ったく心配性だなおい。 レントゲンとMRIの結果が出たから早速持ってきてやっただけだ。」 三杉「そ、それでっ!?」 ロー「打撲だ。 基本なんでもねえからサッサと帰れ。」 三杉「そ…うですか………良かった。」 全然大した怪我じゃない事に拍子抜けする三杉。 看護師ではなく主治医がわざわざ出向いて知らせに来るのだから、只事ではないと想像したのである。 嬉しい事には変わりないが、一瞬魂が抜けかけたのでそれなりに恨めしくはあった。 そんな三杉の様子を察してか、バンビーノが半笑いでフォローに入る。
[785]アナカン ◆lphnIgLpHU :2012/07/01(日) 20:35:01 ID:??? バンビーノ「ほ、本当に良かったじゃないか…だから元気だせよ。」 三杉「うん、ありがとうバンビーノ……」 ロー「…つっても打撲は打撲だからな、練習はセーブしてやれよ。 オレは友情出演に過ぎねえからな、なんかあってもミラクルなオペとか出来る訳じゃねえんだぜ。」 三杉「判りました…。」 バンビーノ「ハハ…。 まっ、オチもついた所でオレはそろそろ行かせて貰う。 ミスギ、先生の言う通り暫くは大事にな。」 三杉「ああ、色々とありがとうバンビーノ。 …次はWトーナメントで。」 バンビーノ「約束だ。」 そう言ってバンビーノは病室から出て行った。 三杉の出来る事は、もはや彼が上手くやってくれる事を祈るのみとなっていた。 この年の9月はそうやって始まったのだった。 ※※※※※※※※※※※※ 一旦ここまでとします。
[786]森崎名無しさん:2012/07/01(日) 20:35:36 ID:??? 乙デース。犯人の???(笑)さんは安定して小物扱いだなぁw
[787]アナカン ◆lphnIgLpHU :2012/07/01(日) 23:07:29 ID:??? >>786 ???「誰の事だ?」 スレ主「一応数値的にはヤバい筈ですよ。 中身ないですけど。」 ============================================ <ブラジル・サンパウロ市> パサリッ バンビーノ「ッ……!」 紙がテーブルに置かれる乾いた音が聞こえた。 バンビーノは回想から現実へ引き戻され、目の前の人物を見る。 ロベルト・本郷・ジ・アンドラーテ、サンパウロFC・ジュニオールの監督がそこに居た。 白いペレやトスタンなどの異名を持つブラジルの元英雄は難しい顔をしていた。 いや、難しいだけでなく、バンビーノには計り知れないような……そんな目をしていた。 バンビーノ(かつての師からの手紙か……。 何が書いてあって、この人は何を思ったんだろうな…) 今のバンビーノにはその感情を推し量る事すら出来そうになかった。 自分の経験してきた程度の人生の時間では決して追いつけない、それだけは理解しているつもりだった。
[788]アナカン ◆lphnIgLpHU :2012/07/01(日) 23:09:43 ID:??? スッ バンビーノ(あっ……) ロベルトは不意に立ち上がり、部屋の隅にある卓上電話を手に取った。 そしてボタンを3度ほどプッシュして、受話器を耳に当てた。 恐らくは内線で彼の部屋にかけたのだろう。 ロベルト「翼、今すぐ応接室に来てくれるか? ………………ああ、そうだ。」 バンビーノ(コーチが書いていた通り、最後の決め手になるのは…ミスギ、お前の名のようだ。) 頭の中で既に描いていた中で、比較的順調な方の展開が進んでいた。 間もなく大空翼がやってきて、ロベルト本郷は意見を求める。 恐らくそれで自分の役割は満了するだろう、とバンビーノは内心安堵した。
[789]アナカン ◆lphnIgLpHU :2012/07/01(日) 23:10:57 ID:??? …暫く待つと大空翼は姿を現した。 一応のノックの後にドアを開け、応接室の中へと入ってきた。 翼「失礼します。」 ロベルト「ふむ、すまんな呼び出して。」 翼「いえ…それで何か?」 翼はロベルトとバンビーノの顔を交互に見合わせて首を傾げた。 この二人の話に自分が関わる事になるのを予想していなかったのだろう。 ロベルト「翼、俺が聞くのもどうかと思うが、三杉の事は覚えているか?」 翼「えっ……三杉くんですか? 勿論ですが…」 ロベルト「奴は2年も前に心臓病を完治させ、今はイタリアに居るらしい。」 翼「えぇっ!? 三杉くんが!?」 目をまん丸に広げて驚きを顕わにする翼。 その翼の表情を見て、ロベルトは悪戯っぽい笑みを浮かべ… ロベルト「なぁ、その筈だな、バンビーノくん?」 バンビーノ「えっ、ええ、その通りです。」 悪戯っぽい笑顔をそのままバンビーノの方へスライドさせてきた。 心理状態を理解して、それでいて弄ぶような大人の所業を見せられている気がした。
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0ch BBS 2007-01-24