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【混迷からの】Another-CU_3【脱出】
[787]アナカン ◆lphnIgLpHU :2012/07/01(日) 23:07:29 ID:??? >>786 ???「誰の事だ?」 スレ主「一応数値的にはヤバい筈ですよ。 中身ないですけど。」 ============================================ <ブラジル・サンパウロ市> パサリッ バンビーノ「ッ……!」 紙がテーブルに置かれる乾いた音が聞こえた。 バンビーノは回想から現実へ引き戻され、目の前の人物を見る。 ロベルト・本郷・ジ・アンドラーテ、サンパウロFC・ジュニオールの監督がそこに居た。 白いペレやトスタンなどの異名を持つブラジルの元英雄は難しい顔をしていた。 いや、難しいだけでなく、バンビーノには計り知れないような……そんな目をしていた。 バンビーノ(かつての師からの手紙か……。 何が書いてあって、この人は何を思ったんだろうな…) 今のバンビーノにはその感情を推し量る事すら出来そうになかった。 自分の経験してきた程度の人生の時間では決して追いつけない、それだけは理解しているつもりだった。
[788]アナカン ◆lphnIgLpHU :2012/07/01(日) 23:09:43 ID:??? スッ バンビーノ(あっ……) ロベルトは不意に立ち上がり、部屋の隅にある卓上電話を手に取った。 そしてボタンを3度ほどプッシュして、受話器を耳に当てた。 恐らくは内線で彼の部屋にかけたのだろう。 ロベルト「翼、今すぐ応接室に来てくれるか? ………………ああ、そうだ。」 バンビーノ(コーチが書いていた通り、最後の決め手になるのは…ミスギ、お前の名のようだ。) 頭の中で既に描いていた中で、比較的順調な方の展開が進んでいた。 間もなく大空翼がやってきて、ロベルト本郷は意見を求める。 恐らくそれで自分の役割は満了するだろう、とバンビーノは内心安堵した。
[789]アナカン ◆lphnIgLpHU :2012/07/01(日) 23:10:57 ID:??? …暫く待つと大空翼は姿を現した。 一応のノックの後にドアを開け、応接室の中へと入ってきた。 翼「失礼します。」 ロベルト「ふむ、すまんな呼び出して。」 翼「いえ…それで何か?」 翼はロベルトとバンビーノの顔を交互に見合わせて首を傾げた。 この二人の話に自分が関わる事になるのを予想していなかったのだろう。 ロベルト「翼、俺が聞くのもどうかと思うが、三杉の事は覚えているか?」 翼「えっ……三杉くんですか? 勿論ですが…」 ロベルト「奴は2年も前に心臓病を完治させ、今はイタリアに居るらしい。」 翼「えぇっ!? 三杉くんが!?」 目をまん丸に広げて驚きを顕わにする翼。 その翼の表情を見て、ロベルトは悪戯っぽい笑みを浮かべ… ロベルト「なぁ、その筈だな、バンビーノくん?」 バンビーノ「えっ、ええ、その通りです。」 悪戯っぽい笑顔をそのままバンビーノの方へスライドさせてきた。 心理状態を理解して、それでいて弄ぶような大人の所業を見せられている気がした。
[790]アナカン ◆lphnIgLpHU :2012/07/01(日) 23:12:38 ID:??? 一方、翼の方はと言えば喜ぶでもなく苦いでもなく、それでいて無関心でもない不思議な表情だった。 思いもよらぬ展開に、文字通り理解が追いついていない人間の顔がこのような感じなのだろうか。 少なくともバンビーノはそのように理解することにした。 翼「三杉くんが心臓病を治してイタリアに…そっか…」 バンビーノ(あのツバサ・オオゾラがこんな顔を…かつてのミスギの奴はそれ程だったという訳か。) 先着で ★ネクストアクション→!card と(!とcardの間のスペースを埋めて)書き込んで下さい、カードやダイスによって分岐します。 《ダイヤ、ハート》 翼「バンビーノ、君はイタリアでの三杉くんを知っているのかい?」 《スペード、クラブ》 ロベルト「どうだ翼、三杉のチームと試合してみたいと思うか?」 《JOKER》 石崎「な、なにぃーー!? 三杉の心臓病が治っただってー!?」 陽子「い、石崎くん!? なんでそこで声を上げちゃうかなぁー!!」
[791]森崎名無しさん:2012/07/01(日) 23:14:46 ID:??? ★ネクストアクション→ スペード7
[792]森崎名無しさん:2012/07/01(日) 23:15:09 ID:??? ★ネクストアクション→ スペード4
[793]アナカン ◆lphnIgLpHU :2012/07/02(月) 01:53:35 ID:??? > ネクストアクション→ スペード7 > 《スペード》 ロベルト「どうだ翼、三杉のチームと試合してみたいと思うか?」 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― バンビーノはフランス国際以後の三杉しか知らない。 かつて翼が三杉をどのように見ていたかを想像する事は出来なかった。 バンビーノ(少なくとも昨日見た試合に限っては、ツバサの実力はミスギより上に見えた… しかし今の翼の目は上から見下す類ではない、客観的に喜ぶのともまた違う。) 何か個人的な確執、或いは執着のような物を抱いている可能性が頭をよぎる。 そしてそれは強(あなが)ち間違いでもなかった。 翼にとって三杉は、日本で勝つ事が出来なかった3人の中の1人であったのだから。 ロベルト「どうだ翼、三杉のチームと試合してみたいと思うか?」 翼「えっ!?」 放心気味の翼に対して不意にロベルトが声をかけた。 もしかすると翼にとってフライングな言葉だったのかも知れない。 しかしロベルトは構わず続けた。
[794]アナカン ◆lphnIgLpHU :2012/07/02(月) 01:54:37 ID:??? ロベルト「プロ4部リーグのチームなんだがな…つい2ヵ月前にはイタリアのユース大会で No.1になったらしいぞ。 …もちろん1部を含めた大会でな。」 翼「えっ、それは…!?」 バンビーノ「先月オーナーが破産して、チームは4部リーグ落ちしたってだけさ。 それ以前はセリエAのプリマヴェーラ…っと、ユースチームだった。 フィオレンティーナという歴史あるチームだったさ…」 若干感慨深さを言葉の端に引っ掛けながら、バンビーノはロベルトの後に付け加えた。 現在の三杉の実力が低い物ではない事は、今ので十分理解したであろう。 翼「三杉くん………そっか、三杉くんは相変わらず…じゃないね、ハンデが無くなって 以前よりも随分と強くなってるんだろうなあ。」 ロベルト「ふふ、恐らくな。 どうだ、もう一度聞くぞ? 翼…」 翼「ううんロベルト、俺の答えは決まっているよ。 三杉くんのチームと試合してみたい。 そして読売ランドで味わわされた…うん、あの時の敗北感を返すよ。」 凛として翼はその時そう言い放った。 空とか翼とか…そう言う名前がなんて似合う奴なんだろうって… オレことバンビーノは素直にそう思ってしまった。 …とにかく、どうやらオレは自分の役目を果たす事が出来たらしかった。
[795]アナカン ◆lphnIgLpHU :2012/07/02(月) 01:55:45 ID:??? ロベルト「そういう事だバンビーノくん。 俺は今から手続きや申請に追われる事になる。 もう君の相手をする事が出来ないが、もう十分だな?」 バンビーノ「えっ? あっ、はい、大丈夫です。 その…」 ロベルト「うん?」 バンビーノ「ありがとうございました…。」 ロベルト「ふふ、こっちのセリフさ。 翼、後は任せた。」 翼「うん。」 急ぎ足で出て行くロベルト本郷は清々しそうな顔をしていた。 ありがとうが自分のセリフだと言った意味は解からない。 しかしあの手紙を届けられた事で運命の歯車がまた一つ回りだしたのだと思った。 それから翼は急に練習したいと言い出し、オレを放っぽり出して行ってしまった。 別にそれが不愉快だった訳ではない。 ただ『こいつは純粋にサッカーが好きなんだ』と言わずとも理解ってしまう顔をしていたんだ。 恐らく三杉は簡単にはこいつに勝てないだろうと…不思議とそんな確信があった。 ※ バンビーノがミッションコンプリート、ヴィオラvsサンパウロが現実化しました。
[796]アナカン ◆lphnIgLpHU :2012/07/02(月) 01:56:56 ID:??? <イタリア・フィレンツェ> あの日、三杉はその日の内に退院し、宿舎へ戻って仲間達に無事を知らせた。 安堵と憤慨に騒ぐ彼らをなだめつつ、三杉は余計な事を暫し忘れる事にした。 バンビーノが上手く立ち回ってくれれば、いずれサンパウロと試合する事になる。 ブラジルで3年間鍛えた翼の実力を想像すれば、正直身震いを覚える程なのだ… 今はその試合がいずれやってくる事をただ信じ、練習に真正面から向き合うだけと決めたのだ。 結局、その後も奪われた鞄とノートは発見されずに数日が過ぎ… とある残暑の残る日、三杉は所用でクラブオフィスに訪れていた。 所用と言ってもちょっとした雑用の類であり、別に何か大事で呼ばれた訳ではないが。 三杉「…ええ、ええ。 そうですね、以上です。」 事務員「どうもありがとう。 …済まないわね、お遣いみたいな真似させて。」 三杉「いいえ、これも仕事ですから。 それでは残務が無ければこれで…。 午後からまた練習がありますので。」 事務員「あっ、ちょっと待って。」 三杉「へっ?」
[797]アナカン ◆lphnIgLpHU :2012/07/02(月) 01:58:13 ID:??? 先着で ★事務員って言っても小鳥さんじゃないよ→!card と(!とcardの間のスペースを埋めて)書き込んで下さい、カードやダイスによって分岐します。 《ダイヤ》 事務員「手間賃程度だけれど…」 三杉「これは…?」 事務員「貴公子Pよ。」 《ハート〜クラブ》 事務員「さっきジャーニ評議員が探していたわよ?」 《JOKER》 事務所「えっと…これ作ったの。 良かったら後で食べて?」
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0ch BBS 2007-01-24