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【混迷からの】Another-CU_3【脱出】
[793]アナカン ◆lphnIgLpHU :2012/07/02(月) 01:53:35 ID:??? > ネクストアクション→ スペード7 > 《スペード》 ロベルト「どうだ翼、三杉のチームと試合してみたいと思うか?」 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― バンビーノはフランス国際以後の三杉しか知らない。 かつて翼が三杉をどのように見ていたかを想像する事は出来なかった。 バンビーノ(少なくとも昨日見た試合に限っては、ツバサの実力はミスギより上に見えた… しかし今の翼の目は上から見下す類ではない、客観的に喜ぶのともまた違う。) 何か個人的な確執、或いは執着のような物を抱いている可能性が頭をよぎる。 そしてそれは強(あなが)ち間違いでもなかった。 翼にとって三杉は、日本で勝つ事が出来なかった3人の中の1人であったのだから。 ロベルト「どうだ翼、三杉のチームと試合してみたいと思うか?」 翼「えっ!?」 放心気味の翼に対して不意にロベルトが声をかけた。 もしかすると翼にとってフライングな言葉だったのかも知れない。 しかしロベルトは構わず続けた。
[794]アナカン ◆lphnIgLpHU :2012/07/02(月) 01:54:37 ID:??? ロベルト「プロ4部リーグのチームなんだがな…つい2ヵ月前にはイタリアのユース大会で No.1になったらしいぞ。 …もちろん1部を含めた大会でな。」 翼「えっ、それは…!?」 バンビーノ「先月オーナーが破産して、チームは4部リーグ落ちしたってだけさ。 それ以前はセリエAのプリマヴェーラ…っと、ユースチームだった。 フィオレンティーナという歴史あるチームだったさ…」 若干感慨深さを言葉の端に引っ掛けながら、バンビーノはロベルトの後に付け加えた。 現在の三杉の実力が低い物ではない事は、今ので十分理解したであろう。 翼「三杉くん………そっか、三杉くんは相変わらず…じゃないね、ハンデが無くなって 以前よりも随分と強くなってるんだろうなあ。」 ロベルト「ふふ、恐らくな。 どうだ、もう一度聞くぞ? 翼…」 翼「ううんロベルト、俺の答えは決まっているよ。 三杉くんのチームと試合してみたい。 そして読売ランドで味わわされた…うん、あの時の敗北感を返すよ。」 凛として翼はその時そう言い放った。 空とか翼とか…そう言う名前がなんて似合う奴なんだろうって… オレことバンビーノは素直にそう思ってしまった。 …とにかく、どうやらオレは自分の役目を果たす事が出来たらしかった。
[795]アナカン ◆lphnIgLpHU :2012/07/02(月) 01:55:45 ID:??? ロベルト「そういう事だバンビーノくん。 俺は今から手続きや申請に追われる事になる。 もう君の相手をする事が出来ないが、もう十分だな?」 バンビーノ「えっ? あっ、はい、大丈夫です。 その…」 ロベルト「うん?」 バンビーノ「ありがとうございました…。」 ロベルト「ふふ、こっちのセリフさ。 翼、後は任せた。」 翼「うん。」 急ぎ足で出て行くロベルト本郷は清々しそうな顔をしていた。 ありがとうが自分のセリフだと言った意味は解からない。 しかしあの手紙を届けられた事で運命の歯車がまた一つ回りだしたのだと思った。 それから翼は急に練習したいと言い出し、オレを放っぽり出して行ってしまった。 別にそれが不愉快だった訳ではない。 ただ『こいつは純粋にサッカーが好きなんだ』と言わずとも理解ってしまう顔をしていたんだ。 恐らく三杉は簡単にはこいつに勝てないだろうと…不思議とそんな確信があった。 ※ バンビーノがミッションコンプリート、ヴィオラvsサンパウロが現実化しました。
[796]アナカン ◆lphnIgLpHU :2012/07/02(月) 01:56:56 ID:??? <イタリア・フィレンツェ> あの日、三杉はその日の内に退院し、宿舎へ戻って仲間達に無事を知らせた。 安堵と憤慨に騒ぐ彼らをなだめつつ、三杉は余計な事を暫し忘れる事にした。 バンビーノが上手く立ち回ってくれれば、いずれサンパウロと試合する事になる。 ブラジルで3年間鍛えた翼の実力を想像すれば、正直身震いを覚える程なのだ… 今はその試合がいずれやってくる事をただ信じ、練習に真正面から向き合うだけと決めたのだ。 結局、その後も奪われた鞄とノートは発見されずに数日が過ぎ… とある残暑の残る日、三杉は所用でクラブオフィスに訪れていた。 所用と言ってもちょっとした雑用の類であり、別に何か大事で呼ばれた訳ではないが。 三杉「…ええ、ええ。 そうですね、以上です。」 事務員「どうもありがとう。 …済まないわね、お遣いみたいな真似させて。」 三杉「いいえ、これも仕事ですから。 それでは残務が無ければこれで…。 午後からまた練習がありますので。」 事務員「あっ、ちょっと待って。」 三杉「へっ?」
[797]アナカン ◆lphnIgLpHU :2012/07/02(月) 01:58:13 ID:??? 先着で ★事務員って言っても小鳥さんじゃないよ→!card と(!とcardの間のスペースを埋めて)書き込んで下さい、カードやダイスによって分岐します。 《ダイヤ》 事務員「手間賃程度だけれど…」 三杉「これは…?」 事務員「貴公子Pよ。」 《ハート〜クラブ》 事務員「さっきジャーニ評議員が探していたわよ?」 《JOKER》 事務所「えっと…これ作ったの。 良かったら後で食べて?」
[798]森崎名無しさん:2012/07/02(月) 01:58:34 ID:??? ★事務員って言っても小鳥さんじゃないよ→ スペード7
[799]森崎名無しさん:2012/07/02(月) 02:06:15 ID:??? このスレの影響で新作のゲームに出てくる気球船の名前をラピュタにしちゃった♪
[800]アナカン ◆lphnIgLpHU :2012/07/02(月) 02:44:57 ID:??? >>799 それは光栄至極でございますw ============================================ > 事務員って言っても小鳥さんじゃないよ→ スペード7 > 《スペード》 事務員「さっきジャーニ評議員が探していたわよ?」 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 三杉「なにか?」 事務員「えっと、私じゃないんだけど…さっきジャーニ評議員が探していたわ。 なんでも伝えたい事があるみたいね?」 三杉「へえ…なんでしょうか?」 首を傾げながら三杉は踵を返した。 エムスカ・ジェニオ・ジャーニ・ラピュタ評議員…即ち現状でヴィオラの仮オーナーである。 フィオレンティーナ1926フロレンティアを私財を投じて設立した人物であり、 少ないなくない数の市民に恩人やら英雄やら思われている。 三杉(つまり…オーナールームに行けば良いという事だろう。) 役職が決まっていれば腰を落ち着かせている場所も決まっている。 そう信じて三杉は足取りを迷わせる事なく一つの部屋へと向かった。 辿り着いた先は大仰な木製扉の部屋…言わずともがなオーナールームである。
[801]アナカン ◆lphnIgLpHU :2012/07/02(月) 02:46:29 ID:??? コンコン 三杉「評議員、いらっしゃいますか? ジュン・ミスギです。」 エムスカ「おお、来たかキャプテン。 さあ遠慮なく入ってきたまえ。」 三杉「失礼します。」 扉を開けて早速デスクの方に目をやると、エムスカが肘掛椅子に座っていた。 探していたと聞いていたが、どうやらドッシリと待っていたようである。 エムスカ「よく来てくれた、3分間待ったぞ。」 三杉「(ヴィオラ設立の際も相当尽力したらしいし相当な大物だな、人間的な意味で。) ええと…事務員から私を探していたと聞きましたが?」 エムスカ「その通り、是非ともキミに紹介したい人物が居てな。」 三杉「紹介したい人物……(ハッ)もしや監督やスポンサーでは!?」 仮であれ、現オーナーである人物から人を紹介されるという話だ。 当然ながら三杉はチーム運営について重要な役職を担う人間が見つかったのかと想像した。 若干身を乗り出しながらエムスカに返答を急かすが…
[802]アナカン ◆lphnIgLpHU :2012/07/02(月) 02:48:03 ID:??? エムスカ「いやいや、紹介したいというのは他でもない。 それ、そちらのソファーに座っている人物だ。」 三杉「えっ…?」 驚き振り向く三杉。 この部屋にもう一人存在していた事を、三杉は全く気付けなかった。 それほどエムスカの話を楽しみにしていたか、集中していたか… いずれにせよ、三杉は自らの不覚を思いながらソファーの人物と顔を合わせた。 三杉(女性……いや、少女か?) そこにはブロンドで橙に近い琥珀色の瞳をした少女が座っていた。 当然ながら三杉にとって初めて目にする人物である。 過去にニアミスしていた(遇っていた)かも知れないが、とにかく記憶には無かった。 三杉「評議員、彼女は?」 エムスカ「キミのチームのマネージャーだ、名前は…っと。」 エムスカが紹介しようとしたのを、少女は嫌味のない手振りで妨げた。 自ら自己紹介をするつもりである意図は容易に理解できた。
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0ch BBS 2007-01-24