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【行く者】キャプテンEDIT36【残る者】
[756]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2012/06/07(木) 19:50:33 ID:??? 実況「一条くん、防いだ! 彼もまた新田くんと共に南葛SC二連覇に貢献した守護神、やはりそこいらのキーパーとはモノが違う!」 一条「へへへ……この前の誰かさんと比べたら、同じ曲がるシュートでも雲泥の差だぜ!」 西尾「ナイスセーブ、一条!」 園村(TV観戦中)「うわ、今のバナナシュートに良く反応出来たなァ(俺だったら無理……ていうか、同い年なのに差がデカくね?)」 水守(TV観戦中)「彼もこの前の試合から腕を上げたみたいですね(とはいえ、比良山さんもあれから異常にシュート力が……)」 ボールは大友のDF平岡がフォローし、前線へクリアー。 前半数分で、試合は早くもカウンターの応酬の様相を呈していた。 大前(TV観戦中)「南葛の大空、大友の中山と、両チームともに司令塔を封じ合いながら試合が進んでいるな。 普通だったら、お互いに抱えている第二のキーマンとも言うべき井沢や浦辺たちの出来で、展開が変わるところ何だけど――」 菱野(TV観戦中)「――南葛には、ちょっと普通とは言いかねる方がお一人いますしね」 そう言った矢先だった。 中尾「よし、俺がフォローしたぞ! 新田、先に上がって今度こそ――」 新田「な、中尾さん! そっちに行ったぞーっ!」 中尾「――えっ?」 ボールを持った中尾が前を向いた瞬間、
[757]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2012/06/07(木) 19:51:48 ID:??? 森崎「いつまでもチンタラとやっているんじゃねェ!」 中尾「うわああっ!?」 ゴール前を飛び出した森崎が、タックルでボールを奪う。 実況「なんと! 森崎くん、早くも自らが動いた! ゴールを離れてタックルでボールを奪います! そして十八番のオーバーラップ開始ィ!」 翼「なにィ!? も、森崎め、いきなり過ぎるだろっ!」 森崎(ふっ、中山ほどの相手ならば翼は密着してマークに専念せざるを得ない。つまり、俺が活躍する好機だ! 向こうの一条も悪いキーパーじゃないが、この俺ほどの硬さじゃねえ。ウチの攻撃力をそう何度も跳ね返せはしない! つまり――オーバーラップから俺が点を取ってもよし、アシストしてチームメイトに恩を売るもよしだァ!) 中山(想定よりも早く動いてきたな、森崎……だが、好都合だ!) やす子(TV観戦中)「噂をすればなんとやらね、菱野ちゃん」 達也(TV観戦中)「話にゃ聞いてたけど、やっぱ信じられねえ……序盤も序盤から、どうしてこんな博打を打つ気になるんだ!?」 渡会(TV観戦中)「目立ちたいから、じゃね?」 テレビを通して見ている鳴紋の面々も驚いたが、実際に試合会場にいるものたちは更に驚いた。 観客席では南葛応援団の面々が、泡を喰って叫び始める。 南葛応援団「も、森崎!? 早いよ! 早過ぎるよ!」「まだそんなに焦って出る時間帯じゃないだろー!?」
[758]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2012/06/07(木) 19:52:56 ID:??? 高杉「ま、また危険なスタンドプレイしやがって、この野郎ーっ!」 滝「翼が中山と押さえ合っている今がチャンス、とか思ってるのかなー」 岩見「だとしても、もう少し俺たちにやらせてくれてからでも良かっただろうに」 石崎「きったねーぞ、森崎ィ!」 井沢「な、なんだっていい! もう一度俺に持ってこい、森崎!(翼が動けないのがチャンスなのは、俺も同じだ!)」 岸田(お、南葛の連中も予想より早いオーバーラップに驚いてるな?) 西尾(ということは――) 浦辺(ここで森崎から奪えればデカい。……イケるか?) 中山(無論だ。そろそろ試合から消えているのにも飽きていた頃さ) 味方にも動揺を強いる森崎のオーバーラップ。それに場内が混乱する中で、大友カルテットは冷静にアイコンタクトを交わす。 次の瞬間、 中山「……隙ありっ!」 翼「えっ!?」 動揺を突いて、中山が翼を引き離して森崎へと向かう。 実況「おっと、ここで動くのは中山くん! これまで翼くんに着かれて沈黙していた彼が、マークを振り切って森崎くんへと向かうぞ!」
[759]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2012/06/07(木) 19:53:58 ID:??? 森崎「へぇ? お前自らが来てくれるかよ? ……面白ェ!」 かつては最も頼りとしたチームメイトだった男とのマッチアップ。 そのシチュエーションに、森崎の中で常の功名心とは別の何かに火が着いた。 この時ばかりは、打算に満ち溢れていた彼の内心も、原始的な闘争本能に支配される。……それが中山の付け目だった。 中山(俺との対決に燃えてくれるか、森崎? 嬉しいことだ。だが――) 一方の中山はそれに流されず、猛然と森崎に向かうふりをして密かに速度を調整。忍びよる仲間たちと呼吸を合わせる。 中山「――真っ向勝負は、またの機会だ! 今は確実にお前から奪う!」 森崎「っ!? なにィ!」 正面から中山がタックルを仕掛けてくる。同時に、側面から浦辺と岸田が迫り、西尾がバックパスを遮断する位置へ。 浦辺「お前と翼対策の大友カルテット四人がかりだ!」 岸田「ちょいとリスキーだが、ここでお前から奪って先制するぜ!」 西尾(スナイパーへ合図は……まだ早いか) 実況「い、いつの間に!? 大友中、四人がかりで森崎くんを囲む! CBの西尾くんまで上げての包囲網だ! 大友中、一か八かの賭けに来たか!?」 森崎「(中山に挑まれたら応じるだろうって、最初から読んでいたのか!?)ちっ、あこぎな真似をしやがって!」 浦辺「へっ、王者を気取るんだったら、あこぎな手の一つや二つ、跳ね返してみやがれっ!」 中山「そういうわけだ、悪いが頂くぞォ!」
[760]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2012/06/07(木) 19:55:05 ID:??? 雪村(TV観戦中)「出た! 大友中の連携ディフェンス!」 比良山(TV観戦中)「一度は大前が破ったが、森崎に通じるか……?」 大前(TV観戦中)「中山も、あの練習試合以来ブランクを埋めようと必死だったはずだ。もしかしたら――」 固唾を飲んでこの攻防を見る者たちの前で、森崎は奮闘していた。 四人がかりで包囲された狭いスペースの中、あらん限りのフェイントを尽くして打開を試みる。 森崎(まずはタイミングをずらして、包囲に隙を作る!) 浦辺「し、シザースフェイント!?」 岸田「しまっ、ぎゃ、逆か!?」 森崎(次に、後ろでちょこまかする野郎を料理して、本命を相手取れる余地を作って――) 西尾「な、なんで後ろ向きに突っ込んでくるー!?(やばっ、バックチャージにならないようにしないと!)」 森崎「でもって、最後ォ! お前を抜いて終わりだ、中山ァーっ!」 中山「……させんっ!」 神がかったフェイントの応酬で大友カルテットのほとんどを攻略する森崎だったが、最後に立ちはだかった相手はそうもいかなかった。 横をすり抜けんとする森崎の足元を、中山の左足が微かに捉える。
[761]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2012/06/07(木) 19:56:06 ID:??? ――バチィ! 森崎「ぬお……っ!?」 中山「ぐゥ……っ!?」 そしてボールはこぼされた。 実況「な、なんという攻防! 森崎くん、あわや四人抜きというところでボールをこぼされた! GK離れした凄まじいドリブルテクニックです! しかし、この勝負は大友中の勝ちだ! 彼らは森崎くんを止めさえすれば、それでいい! 南葛ゴールはがら空きという無防備状態を晒しているぞォ!」 墨田(TV観戦中)「と、止めたァ!? あの、森崎の常識離れしたドリブルを!?」 若尾(TV観戦中)「お、大友中の大チャンスだぜ!?」 南葛応援団「ぎゃーっ!?」「や、やっちまいやがったァ!?」「だから! オーバーラップするなら状況読めよーっ!?」 大友応援団「チャンス! 千載一遇のチャンスだ!」「誰でもいいから、拾ってシュートしろォ!」「先取点、貰ったーっ!」 悲喜交々の声が上がる会場。喧騒に包まれた中、運命のボールを拾ったのは、 只見「な、ナイスディフェンス!」 大友中の只見だった。 実況「こぼれ球を押さえたのは大友中! 空っぽのゴールにボールを叩きこめば、それで彼らの先取点です! しかァし――!」
[762]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2012/06/07(木) 19:57:06 ID:??? 翼「……中山が離れたってことは! 俺が動けるということでもあるんだぞ!」 実況「――今度はこの人が動いた! 翼くんが只見くんに猛然と突っ込む!」 浦辺・森崎「「げぇーっ!?(折角のチャンスがっ!?)(俺のミスをコイツにカバーされたら、良い恥さらしじゃねーか!)」」 只見からボールを奪い返そうと、水を得た魚の様に生き生きと突っ走る翼。 その姿に奮闘を無にされかかっている浦辺と、彼の活躍を望まない森崎が悲鳴を上げる。 しかし、この男はあくまで冷静だった。 中山「……多少雑でも構わん! 放り込めっ!」 只見「わ、分かった!」 中山の喝が飛ぶや否や、翼に着かれる前にボールを蹴り込む。 只見の蹴ったボールは万全とは言い難い体勢だった為か、山なりのハイボール。 前で待つ新田にとっては、不得意な形である。 新田「……このっ! 決まれっ!」 それでも新田は、強引にヘディングで決めに行く。 高杉「舐めるなよチビ助! にわか仕込みの空中戦で、俺に勝てるかっ!」 新田「ぐあ……っ!?(や、やっぱりヘディングじゃ無理か!?)」 実況「高杉くん、頭突きする様な強烈なクリアー! しかし、まだ少し短い! 大友中にまた拾われるぞーっ!?」 中山「……十分だ、新田っ! 貰ったぞっ!」 高杉のクリアーを受けてエリア外ギリギリにこぼれたところを、体勢を立て直した中山がねじこみにいく。
[763]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2012/06/07(木) 19:58:44 ID:??? 森崎「ちくしょー! 誰か防ぎやがれェ! 俺ももう少しで戻るっ!」 石崎「うるせー! てめェに言われなくたって――げぺぇ!?」 そして石崎の顔面ブロック。中山渾身のシュートは、儚くも防がれて大きく弾かれる。 実況「南葛、これも防いだ! 好機に攻め込んだ大友中の波状攻撃を、幾重もの盾が立て続けにシャットアウト! 森崎くん以外の守りも堅いぞォ!」 輝林(TV観戦中)「……流石は高杉さん、去年はしてやられたものですが」 国岡(TV観戦中)「ハッ! そういやあの細目には苦戦してたっけなァ? 今年は大丈夫なのかねェ?」 大前(TV観戦中)「……言われるまでも無いさ」 末松(TV観戦中)「石崎も堅いな〜。ブロックだけなら輝林並かも〜。さ〜て、これで大友の攻撃は終わりかな〜」 菱野(TV観戦中)「いえ、まだですわ」 石崎のブロックで弾かれたボールは中盤に転がり岩見がフォロー。 岩見「ウチともあろうチームが、撃たれっぱなしじゃないか。そろそろ反撃――」 浦辺「させるかよ馬鹿がァ!」 岩見「――うわァ!?」 しかし、浦辺の強烈なタックルがすぐさま奪い返す。 実況「大友中、食い下がる! 南葛陣内で奪い返し、またボールを持った! なんとしても先取点は譲れないとでも言う様な、気迫のプレイです! ギアをフルに上げて、まだまだ攻撃を続ける気だァ!」
[764]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2012/06/07(木) 19:59:54 ID:??? 翼「だが、そうはさせないぞ! 石崎くんたちが気迫で守ったんだ! 俺が奪い返す!(それにこのままだと試合から消えてしまう!)」 浦辺「……中山が前に出たとなると、お前が動きまわるよなあ翼。だがよォ!」 只見の時に続いて、素早くプレスを掛ける翼に対し、浦辺は、 浦辺「わざわざ、お前を相手に真っ向勝負なんてしないぜ!」 すぐさまボールを横に流す。 西尾「よしきた!」 実況「翼くん、徹底して相手に避けられています! 彼も中学サッカー界でも最高峰とも呼ばれる名手、それも当然でしょう! しかし、だからこそここは味方の援護が欲しいところです!」 井沢「ちっ……何してる翼ーっ!? 守備に専念するならするで、前にボールを渡せるよう仕事しろォ!?」 本多(TV観戦中)「(仕事だと!?)本来なら井沢が大空の援護に回って仕事をするべき場面なんだがなァ」 雪村(TV観戦中)「彼も修哲小時代は攻撃的MFだったからね。大空がディフェンシブハーフ起用の今回は、攻めに専念したがっている」 宇津木(TV観戦中)「メインMFを助けようともしない浅はかさは愚かしい。 そももも攻めに回ってミドルシュート失敗している時点で攻撃に専念とかいう言い訳は説得力が決壊している。 その点、ひ必要とあらばA+といったところのタックルやパスカットで守備もできる雪村さんは格が違った」 大前(TV観戦中)「それはそうだが……それよりも『あの』西尾が南葛陣内でボールを持ったぞ」 菱野(TV観戦中)「そして中山、新田両選手がゴール近くですわ! これは、出ますわよ!」 大友カルテットによる連携タックルには、副次的効果がある。 それは、本来大友ゴール前に陣取っているべき西尾が、前線に進出すること。 ただそれだけならば守備が薄くなるデメリットであるが、大友中にはこれをメリットに昇華させる秘策があった。
[765]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2012/06/07(木) 20:01:28 ID:??? 西尾「(こんなに早く使うことになるとは、誤算だったぜ!)うおりゃあああああっ!」 気合一声、西尾が大きく足を振り上げる。 実況「大友中西尾くん、早くもシュート体勢! ゴールまでは35メートルといったところか! センターバックである彼に、この距離から南葛ゴールを奪う手立てがあるというのでしょうか!?」 森崎「へっ! もう俺がゴールマウスに戻っているっていうのに、無謀なロングシュートかァ?」 高杉「(グフフ、森崎まで出番は回さん!)そんなもの、この俺が止めてやるっ!」 石崎「来やがれっ! また跳ね返してやるぜっ!」 中里「(あの目、仔細は分からぬが何かを狙っているでゴザるな)小田! 拙……俺たちも飛ぶぞ! 嫌な予感がするでゴザる!」 小田「分かっ……ゴザる!?」 南葛守備陣の反応は大きく分けて二つ。西尾のロングシュートを見縊ってかかるか、何かあると見て警戒するか。 だが、どちらに転んでも大友中の思う壺だった。 西尾を甘く見て備えが甘くなれば、それはそれでよし。そして西尾に気を取られれば取られるほど、このシュートは防ぎにくくなる。 西尾「(しめたっ!)行けェ!!」 実況「そして、西尾くんがシュートォ!! しかし、確かに西尾くんはノーマークでしたが、やはり少し距離があり過ぎるのでは……!?」
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0ch BBS 2007-01-24