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【行く者】キャプテンEDIT36【残る者】
[861]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2012/06/09(土) 00:48:54 ID:??? 鳴紋中が清栄を降し、南葛中と大友中の戦いの中で悲劇が起きたのと時を前後し、各地で強豪が全国出場の勝ち名乗りを上げていた。 実況「……決まったァ! 明和東、これで4−1と相手を突き放す! 今年も地元埼玉の代表は、彼らだァ!」 沢木「よっしゃあ! 絶好調だぜっ! 去年はまさかの一回戦負けだったが、今年こそは頂点狙うぞ!」 成田「あ、ああ。本戦では、なるべくフェアプレイで行こう。な?」 ――開催地埼玉県代表、特攻部隊・明和東中。 実況「出た! 長身FW武井くんのパワーヘッド! これでハットトリック達成! 南宇和中、圧巻の強さで全国初出場に王手ェ!」 武井「へへっ! またお前のアシストから決まったな!」 石田「俺がキープし、お前がフィニッシュ……この黄金パターンで、日本一を取るぞ!」 南宇和中監督(ふふふ……私の監督生活の中で、間違いなく今のお前らが最強のチームだよ……) ――四国愛媛県代表、新進気鋭・南宇和中。
[862]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2012/06/09(土) 00:50:02 ID:??? 実況「三年連続全国出場を目指す難波中、まさかの大苦戦! 対戦相手東一中の守備陣を崩せない! このまま0−0で延長突入か!?」 早田「はっ、冗談! そんなチンタラした試合、俺としても遠慮願いたいね! ……そらァ!」 実況「おっと、ここで東一中キャプテン早田くん、パスカットに成功! そのままグングンとオーバーラップゥ!」 早田「今年全国大会に行くのは、俺だーっ! カミソリシュートっ!!」 実況「そして強烈な横回転が掛かったロングシュートォ! キーパー、これは止められないっ! 延長突入間際に決定的ゴール! 東一中、これは全国初出場は決まったかァ!?」 ――関西大阪府代表、堅守速攻・東一中。 政夫「――和夫っ!」 和夫「――兄ちゃんっ!」 実況「立花兄弟、高速ワンツーからの空中戦でまたまたゴール! みちのくの名門、花輪中! 今年も全国に行くのは彼らだ!」 立花兄弟「ウキャキャ!(待ってろよ南葛、そして鳴紋!)」「フギー! フギーッ!(今年の俺たちは一味違うぜ!)」 小野「お前ら、頼むから日本語で喋れよ……」 ――東北秋田県代表、ミラクルサッカー・花輪中。
[863]6-0で負けなくて良かったね! ◆wM6KXCkaLk :2012/06/09(土) 00:51:47 ID:??? 実況「長崎県代表を決める県大会決勝のこの一戦、試合は現在1−0で停滞しております。 リードしているのは意外にも無名チームの比良戸! 対して優勝候補筆頭の呼び声高い西海中は無得点に抑えられています!」 西海中選手「一点取ったら、即引きこもりかよっ!? や、やる気あるのか、お前らーっ!?」 次藤「そがんこと言われてものう……どうにもこの勝負、気乗りがせんタイ」 佐野「そうですね(次藤さん、強くなり過ぎだぜ……もう全国常連程度じゃ、火を付けるに足りる相手とは言えないってか)」 次藤「……あーあ、死ぬごと暇な試合だのお。はよう本番で燃える様な大勝負に挑みたかばい。……おっとと、クリアー!」 西海中選手「ば、馬鹿な……全国常連の俺たちが、たかが県大会で……しかもこんな無名校から一点も取れないなんて!?」 実況「……そしてここで試合終了! なんという大番狂わせ! 比良戸中、虎の子の一点を守りきり西海中を撃破しましたーっ!」 ――九州長崎県代表、大物食い・比良戸中。
[864]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2012/06/09(土) 00:52:47 ID:??? 松山「……ここだ、ここで決めるんだっ!」 対戦相手GK「ぎゃーっ!?」 実況「相手GK吹っ飛んだーっ!? ふらの中キャプテン松山くん、お得意のロングシュートでゴール! スコアはこれで――」 山室「は、ははははっ(こ、今年も自重してないなこの人……)」 金田「さ、流石、キャプテン!(誰か止めて! この人を止めて!)」 実況「――9−0! 流石は昨年度全国ベスト4! 地元北海道では地力が違う! よ、予選決勝でも敵はいない!」 松山「よしっ! 今年も絶好調だ! ……行くぞ、みんなァ! 更に強くなった俺たちの力、本番の前に日本中へ見せつけるんだ!」 小田(ふ)「そ、そうですね(どうしてこんなになるまで放っておいたんだ!)」 藤沢「ああ、松山くん……最高に輝いてるわ(ウットリ」 ふらの中マネージャー「べた惚れねえ藤沢さん。でも、その分なにかあった時の反動が怖いわー。あ、それと私の名前は(ry」 対戦相手GK「どうしてこんな連中と戦うことを……強いられているんだ!?」 松山(鳴紋中……今年こそは俺たちが勝つぜ! それこそがライバルである長池、お前への最大の手向けだっ!) ――最北の地・北海道代表、さわやか(?)旋風・ふらの中。 ――そして首都東京では、
[865]森崎名無しさん:2012/06/09(土) 00:54:05 ID:??? 北海道で地獄みたいな光景が広がっている… さすが地獄兄弟の素質を持つ男
[866]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2012/06/09(土) 00:54:25 ID:??? 真田「おおぅ……(グギュルル)」 一之瀬「い、痛い……(ピーゴロゴロ)」 本間「こ、こんなんじゃ試合にならない……(キュルルルル)」 異常な量の脂汗を滲ませて脇腹を押さえながら、亡霊のようにふらふらとフィールド上を徘徊する武蔵中の選手たち。 体調と共に判断力を低下させた彼らは、その時々でボールが転がる方へ、反射的に足を向けるだけのカカシと化していた。 いや、前半からフル出場している選手の中には、既に棒立ちになったり、酷い時には座り込んでいたりする者もいる。 観客「おいおい、どうした武蔵中!?」「今度こそ日向の天下に終止符を打つんだろ!?」「立てーっ! 走れーっ!」 実況「現在、後半10分を過ぎるかというところ! スコアはなんと8−0! 東邦学園がライバル武蔵中を圧倒しています! それにしても、武蔵中選手たちの動きの悪さはどういうことなんでしょう!? まるで試合に入れていません! この夏場で体調を崩したのか、一様に顔を赤くしたり青くしたり、全員まるで運動量が上がらないっ!」 三杉「そ、そんな……どうしてこうなるんだ……僕は、やっとフィールドに帰って来たのに……」 痛む腹に手をやりながら、絶望的な戦況に顔を歪める武蔵中キャプテン・三杉淳。 折角、中学生活三年を掛けて心臓のコンディションを回復させ、なんとか1ハーフ試合に出れるようになった矢先のことである。 小学生時代も経験した、下剤を盛られたことによる腹痛。それがまたしても三杉を苦しめていた。 いや、彼のみならず、チームメイト全員が同じ症状に見舞われていた。 日向「(ブヒヒっ! やはり下剤より古くなったドリンクの方が効果的だな)おらおらどーしたっ!? 相手はほとんど、くたばりかけだぞ! 目標となるスコアは50−0! もっと点を取りやがれーっ!」 反町(いやいや、無茶言わんで下さいよ!?) 小池(常識的に考えて、いくら相手が不調でも50点なんて取れるスポーツじゃないだろ、サッカーは!) 松木(ふざけた指示ですねえ。何故か離脱している沢田が今いても、15点行けるかどうかでしょう)
[867]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2012/06/09(土) 00:56:05 ID:??? フィールドに立ってはいるものの、ほとんど試合になっていない武蔵中を前に、東邦キャプテンである日向が声を上げる。 だが、部員のほとんどは嫌な顔をするだけだ。 それもそのはず。でっぷりと肥えた日向の身体は、あの鳴紋の末松より不健康な肥満だ。 この試合、珍しくピッチに立っているも、調整の『ち』の字も無い様な状態で、まるで動けていない。 それこそ、日向の工作により不調に陥った武蔵中の面々の方が、まだマシなくらいだ。 若島津「……俺だ! 俺に持ってこい!」 その時、声を上げたのは日向の数少ない純粋な支持者・若島津だった。 なんと、ゴールマウスを飛び出して、オーバーラップを仕掛けようとしている。 実況「おっと、ここで攻め上がるのはなんとGK若島津くん! まるで南葛の森崎くんを思わせるプレイです!」 若島津「……ゴールをとびだすほどの超攻撃的プレイは! 本来は俺のスタイルなんだ!」 小池「(くそ、日向の犬め)……ほらよっ!」 渋々と出された小池のパスを受けて、若島津はドリブルを開始する。 本来、小学生時代に吉良監督に見出された時には、日向とコンビを組むFWと見られていたという若島津。 そのドリブルは、流石にトップクラスには及ばないまでも、全国区の平均的なFW並には上手い。 三杉「はぁ……はぁ……ここで奪えれば、せめて一点――」 若島津「させるかよォ!」 三杉「――うわァ!?」 若島津から奪ってせめて一矢をと足掻いた三杉だが、腹痛の状態では普段の鋭いボールカットは見る影も無い。 本来なら取れたはずのボールを、みすみす逃してしまう。 若島津(この武蔵中の様子……おそらく日向さんが何がしかの工作をした結果だろう。 だが、これも力のうちだ。権力、そして財力、この現代と言う時代で最もモノを言う力だ!)
[868]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2012/06/09(土) 00:57:18 ID:??? 実況「若島津くん、誰にも止められなァい! まるで無人の野を行くがの如く武蔵ゴールへ向けて突っ走るーっ!」 若島津(そしてっ! 俺は昔から日向さんの力に着いて来たっ! 俺が信じるのは他を圧する力のみ! 俺を見込んでくれた日向さんに応える為にも、汚い試合だろうと全力で勝つっ!) 日向「そうだ。それでいい若島津……」 子飼いの部下の意欲あふれるプレイに、日向は弛んだ頬を歪ませる。 その眼前で、若島津はついにゴール前に侵入しシュートに行く。 若島津「でりャアァアアアアアアアアァ!!」 三杉「だ、誰か止めろォ!」 悲痛な声を上げて、味方守備陣がこの攻撃を凌ぐことを祈る三杉。 ここを凌げば、若島津がいないゴールをカウンターで襲撃して、一点くらいは返せる。その思いが絞り出した嘆願は、 ――ピィイイイイイイイイイイイイイイイっ! 無情にも、得点を告げるホイッスルで掻き消された。 三杉「あ……ぐっ……(だ、駄目か……)」
[869]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2012/06/09(土) 00:58:23 ID:??? 腹痛を常備している薬で軽減しつつ戦ってきた三杉だが、流石にもう限界だった。 元々、心臓病を抱えていた彼の身体は、それほど強くはない。 生来の持病に加えて、体調の悪化まで抱えていては、最早プレイしているだけで奇跡と言える域の状態なのだ。 三杉(行きたかったな……全国。もう一度、あの翼くんと森崎と、今度は万全の体調で、心行くまで勝負したかった。 そして、あの大前とも――) 後半戦から監督に無理を言って強行出場した三杉。 だが、彼は十五分足らずの出場時間で、勝負を諦めることを強いられてしまった。 自身の非才などではなく、残酷で狡猾な謀略によって。 ……あるいは、この謀略を看破することが出来なかったのが、彼の最大の責任だったかもしれない。 … … … 実況「あっと、ここで試合終了のフエです! 全体的に動きに精彩を欠いた、武蔵中学を10−0という大差で破って、 東邦学園が三年連続全国大会出場を決めました!!」 三杉「……僕が腹痛によって運命を左右されるというのは天命なのか……」 弥生「きゃ、キャプテン!(ど、どうしよう? 駆け寄るべきかな、でも、小学校時代の前科がある私が今行っちゃ――)」 腹を押さえながら、がっくりと膝を突く三杉。 それを存分に見届けて優越感を味わった日向は、意気揚々と控室へ引き上げていく。
[870]キャプテンEDIT ◆wM6KXCkaLk :2012/06/09(土) 00:59:29 ID:??? 日向「プハーッ!運動の後のコーラはうめえなあ!!」 そして控室に入るなり、無理を言って備え付けさせた冷蔵庫からコーラを取り出し呷る。 その自堕落な姿に、反町が物言いたげな横目を送った。 反町(いや……日向さん後半バテちゃって全然動いてなかったじゃないですか……) 日向「それはそうと、目標は50−0だって言ったのに、あの武蔵から十しか取れないっておまえら一体やる気あるのか!? あ!? やる気のない奴はレギュラーから外すぞ!!」 反町(そうは言っても、期待の新戦力だった沢田が抜けて、あなたというお荷物を抱えた上での十点ですよ? サッカーは点が入り難いスポーツなんだし、むしろ褒められても良いくらいじゃあ……) 小池「反町、無視無視。まともに相手しても、ストレスが溜まるだけだぞ?(小声)」 今井「そうそう。コイツは威張り散らしたいだけなんだからさ(小声)」 若島津(……半端者どもめ。不満があるのなら、何故声を荒げない? どいつも小声で囁き交わすばかりで、反町に至っては言いたいことも言えずに俯くだけとは) 怒鳴り散らす日向。それに鬱屈とする選手たち。軽蔑したように鼻を鳴らす若島津。 十点差の大勝を得たチームのロッカールームとは思えない、異様な空気の悪さだった。 そこへ、 ??「……日向よ。しばらく見ないうちに、おまえ随分と肥えたな。……今のおまえは丸々と太った、豚の中の豚よ!!」 突如としてロッカールームに乱入した男が、日向の姿を見るなりそう一喝した。
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0ch BBS 2007-01-24