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異邦人モリサキ
[129]◆W1prVEUMOs :2012/06/03(日) 07:49:50 ID:??? ★ 森崎 [ダメージロール 2 + 6 ]
[130]森崎名無しさん:2012/06/03(日) 12:23:29 ID:??? 個人戦闘はSPDが最も重要か 逆にATKは低くてもATK-DEFの値がマイナスでも0扱いだから最低限ダイス二個分のダメージは当てられる まあ、あくまで最低限だけど
[131]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/06/03(日) 12:43:51 ID:??? ★ ヤク中ビリー [イニシアチブロール 1 ] [命中ロール 47 ] [ダメージロール 6 + 4 ] ★
[132]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/06/03(日) 12:46:30 ID:??? ・イニシアチブ処理 森崎 4+4 先手! ビリー 2+1 森崎 ・命中処理 20-10+69-10=69 命中! ・ダメージ処理 10-8+8+5=15 ビリー ・命中処理 10-20+47=37 命中! ・ダメージ処理 12-20+10=10 森崎の攻撃は命中し15ダメージ! ビリーを撃破!
[133]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/06/03(日) 13:34:39 ID:??? *** (ブンブン丸だと……? 上等だ!) 外野からの野次に発奮し、慎重にビリーとの距離を測り始める森崎。 向かい立つビリーは攻め疲れたか、荒い呼吸で肩を上下させながらナイフを翳している。 森崎になかなか狙いを定めさせなかった動きも、すっかり鳴りを潜めていた。 「ぜぇ……はぁ……、ど、どうした黒髪野郎……? 泣いて謝るなら、ひい、はあ、許してやっても、いいぜ……?」 「……」 挑発にも答えず、森崎は右半身を大きく引く。 ほとんど顎に近いところまで拳を引き戻した半身の構えから、摺り足で僅かずつ距離を修正。 息遣いは細く、吸い、吐く度に神経を研ぎ澄ませ、しかし無駄な力は抜いていく。 「―――」 「だんまりかよ、この野郎……ッ!」 対峙する相手の纏う空気が変わったことに気付けるほどの場数は、ビリーにはなかった。 叫ぶや、飛びかかる。 突くでもなく、腰溜めにするでもない、袈裟懸けに近い中途半端な軌道の刃を、 森崎の集中力はしっかりと見切っていた。 一瞬を更に何分割にもするような細切れの時間の中、少しずつ大きくなるビリーの姿。
[134]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/06/03(日) 13:35:45 ID:??? (狙いは一点……ここだッ!!) 軽く握っただけの拳を、肩口から打ち出すと同時。 地を踏みしめた軸足から腰へ、腰から背へ、背から肩へと力を伝達させていく。 全身の体重が、肩から腕へと伝わり、肘を通過して拳へと繋がる瞬間。 初めて固く握り締められた拳が、標的を打撃する。 「―――!」 動き出した時間の中。 森崎の引き戻した拳には、確かな手応えだけが残っている。 一瞬の静寂の後、奇妙な音が響いた。 何が起こったのかもわからず立ち尽くしていたビリーの、喉の奥、肺腑の底から響く音である。 「……ぐ、ぎ、が、えぁ、ぁぁぁ……あ、ぎゃ、ぎゃあああ!?」 唸り声のような声は、すぐに悲鳴へと変わった。 衝撃が痛覚に変わり、それで初めて、自身が強烈な打撃を受けたことに気付いたようだった。 尖った鷲鼻が、その中途から自然にはあり得ない方向へとねじ曲がり、盛大に血を垂れ流しだす。 「……鼻ごと人中をぶち抜いた。しばらくは飯も食えねえぞ、鳥野郎」 「ひゃ、ひ、ぃぃぃ……」 砕けた鼻骨と前歯とを必死に押さえながらのた打ち回るビリーに向けて、森崎が言い放つ。 両手の間からぼたぼたと溢れる血と、眼前に転がった前歯の欠片と、そして倒れた自身を見下ろす森崎とを 交互にその目に映しながら、ビリーが声にならない声を上げた。
[135]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/06/03(日) 13:36:46 ID:??? 「一撃必殺。これが俺の故郷のやり方よ」 「あ……、ひ……」 「光モンまで持ちだして、今更ゴメンナサイでもねえよな、チンピラ」 必死で痛みに耐えているのか、満足に身動きすらできないトサカ頭に向けてもう一撃くれてやろうと 足を振り上げる森崎。 しかしその足を下ろすより僅かに早く、森崎にかけられる声があった。 「―――おっと、その辺にしといてもらおうか」 スキンヘッドの男である。 ビリーが森崎とやりあっている間も、加勢するでもなく薄笑いを浮かべながら その様子を眺めていたはずの男が、ゆらりと身を起こして森崎を見据えていた。 口元はいまだに弓の形に歪められていたが、蛇のように細い目に友好的な光はない。 その手にはいつの間にか、身の丈ほどもある長い棒が握られていた。 「しゃ……しゃむあにひぃぃ……!」 蹲っていたビリーが、スキンヘッドの声を聞くや顔を上げ、おそるべき勢いで這いずると その足にすがりつく。 「あにひぃ……、いれえぇ、いれえぇよぉ……」 「ったく、弱っちいくせに無理するからだ、ビリー」 涙と鼻血とに塗れたビリーに見上げられたスキンヘッドが、苦笑しながら言う。 「からきぃ、とっれ、くれよぉ……あにひぃぃ……!」 「俺に任せとけ。……おう東洋人、弟が世話ンなったな」 手にした棒の端でビリーを自らの影においやりながら、スキンヘッドが森崎に向き直る。 その僅かな身のこなしを見た森崎が、静かに緊張の度合いを高めていく。
[136]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/06/03(日) 13:37:48 ID:??? 『あのハゲ、強いの?』 「……少なくともトサカとは比較にならねえ。おそらくどっかで正式な訓練を受けてるな」 ふわりと舞うピコに答えた森崎の呟きが耳に入ったか、スキンヘッドが口の端を上げた。 「ほう、わかるかい」 「……軍人崩れか」 「ま、その端くれってとこだ」 言うや、スキンヘッドが手にした長棒を器用に回し始める。 身の丈ほどの棒が男の右手から左手、前後左右上下をぶれることなく巡っていく。 「元カミツレ地区警備隊、地廻りのサムといやあ、ここらじゃちったあ知れた顔よ。 バーストン兄弟に売られた喧嘩、次は俺が買わせてもらうぜ」 啖呵が切られると同時。 ひょう、と風を切った棒がサムと名乗った男の手に収まり、びしりと正面に構えられる。 「……」 隙なく構えられた棒の前に、森崎が無言で腰の長剣へと手を伸ばす。 躊躇わず、抜いた。 「上等だぜ東洋人。簀巻きにして埠頭から手前ぇの郷へ叩っ返してやるよ。 ビリー、お前も本当の喧嘩ってのをよく見とけ。……ビリー?」 油断なく森崎を見やりながら言うサムが、しかし返事が返らないことに不安を覚えたか、 足元にちらりと目を落とす。 瞬間、愕然とした表情を浮かべてしゃがみ込むサム。 ビリーが、倒れていたのである。
[137]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/06/03(日) 13:38:49 ID:??? それも先ほどまでの、痛みに泣きながらのた打つ倒れ方ではなかった。 言葉もなく、ただ奇妙に力の抜けた、人体が肉と脂の塊になりつつある段階に特有の、それは倒れ方である。 苦しげに胸を押さえたビリーの喉からは、ひう、ひう、と奇妙に震える呼吸音が響いていた。 足先は痙攣するように震え、蒼白な顔色は森崎に殴られた腫れだけを不気味に浮き上がらせている。 「発作か……こんな時に! ……おいビリー、薬はどうした!?」 「……ぃ、いえ……、に……」 「馬鹿野郎! いつも持ち歩いてろと、あれほど言ったろうに!」 絞り出すようなビリーの声音と、憤りよりも焦燥の色が濃いサムの怒号。 『……何がどうしたの?』 「……俺に聞くなよ」 対峙している森崎のことなど一切忘れたようなその挙動に毒気を抜かれた森崎が肩をすくめ、 手にした刃をぷらぷらと揺らしながら口を開く。 「あー……その、続きはもういいのか?」 「チッ……! 久々に楽しめそうな喧嘩だったが、今はそれどころじゃねえ……!」 「あ、そう……」 ぎろりと睨め付けるサムの細い目には既に戦意がない。 言葉通り、それどころではないようだった。 その様子を見てとった森崎が、ゆっくりと距離を取りながら剣を鞘に収める。 「……覚えときな、東洋人。次はこうはいかねえぞ」 スキンヘッドのサムはビリーを抱えると、それだけを言い残して倉庫街から消えていった。 ***
[138]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/06/03(日) 13:39:53 ID:??? 「……おととい来やがれ、ってか」 『捨てゼリフは綺麗にお約束通りだね……』 夕陽は既に水平線の彼方へと没しかけ、夜の暗さが辺りを覆い始めた倉庫街でぼそりと呟く森崎。 そんな彼の背にかけられる声があった。 「あの……」 か細い声は、少女のものである。 振り返れば果たしてそこには、先ほどトサカ頭に絡まれていた少女が立っていた。 暗がりの中とはいえ、改めて見直しても取り立てて美しいというほどではない。 長い栗色の髪はさらさらとやわらかそうに流れていたし、どこか幸薄そうな顔立ちは それを好む類の男からすればたまらないものがあっただろうが、しかし、それだけである。 体つきも少女特有の、まだまだ成熟しきらぬものであると看破した森崎が、呆れたように言う。 「……あんた、まだ逃げてなかったのか」 『正直、忘れてたよね。喧嘩の方が楽しくなってて』 茶化すピコに平手を繰り出す森崎。 命中するより遥かに早く、ピコは夜空へと舞い上がる。 そんな森崎の様子に不思議そうな顔をしながら、少女がともかくも頭を下げた。 「あ、あの……ありがとう、ございました」
[139]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/06/03(日) 13:40:54 ID:??? 震えるような、小さな声。 埠頭から聞こえてくる波の音にもかき消されそうな、それは儚げな響きだった。 「……あの、改めてお礼に伺いたいので……」 「あ? いいよ、そんなの」 「せ、せめて……お名前だけでも、教えていただけませんか」 面倒くさげに手を振る森崎に、しかし少女は食い下がる。 今にも消えてしまいそうな声とは裏腹に、存外に芯の強いところがあるのかもしれなかった。 「あ……お名前を伺うなら、私から先に名乗らなきゃ、失礼ですよね」 「いや、そういうことじゃ……」 『この子、結構人の話聞かないタイプじゃない?』 「すみません……私は、ソフィア・ロベリンゲ……っていいます」 いつの間にか降りてきたピコが指差す前で、少女が名乗る。 「ソフィア……か」 「はい。あの、あなたは……」
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0ch BBS 2007-01-24