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異邦人モリサキ
[136]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/06/03(日) 13:37:48 ID:??? 『あのハゲ、強いの?』 「……少なくともトサカとは比較にならねえ。おそらくどっかで正式な訓練を受けてるな」 ふわりと舞うピコに答えた森崎の呟きが耳に入ったか、スキンヘッドが口の端を上げた。 「ほう、わかるかい」 「……軍人崩れか」 「ま、その端くれってとこだ」 言うや、スキンヘッドが手にした長棒を器用に回し始める。 身の丈ほどの棒が男の右手から左手、前後左右上下をぶれることなく巡っていく。 「元カミツレ地区警備隊、地廻りのサムといやあ、ここらじゃちったあ知れた顔よ。 バーストン兄弟に売られた喧嘩、次は俺が買わせてもらうぜ」 啖呵が切られると同時。 ひょう、と風を切った棒がサムと名乗った男の手に収まり、びしりと正面に構えられる。 「……」 隙なく構えられた棒の前に、森崎が無言で腰の長剣へと手を伸ばす。 躊躇わず、抜いた。 「上等だぜ東洋人。簀巻きにして埠頭から手前ぇの郷へ叩っ返してやるよ。 ビリー、お前も本当の喧嘩ってのをよく見とけ。……ビリー?」 油断なく森崎を見やりながら言うサムが、しかし返事が返らないことに不安を覚えたか、 足元にちらりと目を落とす。 瞬間、愕然とした表情を浮かべてしゃがみ込むサム。 ビリーが、倒れていたのである。
[137]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/06/03(日) 13:38:49 ID:??? それも先ほどまでの、痛みに泣きながらのた打つ倒れ方ではなかった。 言葉もなく、ただ奇妙に力の抜けた、人体が肉と脂の塊になりつつある段階に特有の、それは倒れ方である。 苦しげに胸を押さえたビリーの喉からは、ひう、ひう、と奇妙に震える呼吸音が響いていた。 足先は痙攣するように震え、蒼白な顔色は森崎に殴られた腫れだけを不気味に浮き上がらせている。 「発作か……こんな時に! ……おいビリー、薬はどうした!?」 「……ぃ、いえ……、に……」 「馬鹿野郎! いつも持ち歩いてろと、あれほど言ったろうに!」 絞り出すようなビリーの声音と、憤りよりも焦燥の色が濃いサムの怒号。 『……何がどうしたの?』 「……俺に聞くなよ」 対峙している森崎のことなど一切忘れたようなその挙動に毒気を抜かれた森崎が肩をすくめ、 手にした刃をぷらぷらと揺らしながら口を開く。 「あー……その、続きはもういいのか?」 「チッ……! 久々に楽しめそうな喧嘩だったが、今はそれどころじゃねえ……!」 「あ、そう……」 ぎろりと睨め付けるサムの細い目には既に戦意がない。 言葉通り、それどころではないようだった。 その様子を見てとった森崎が、ゆっくりと距離を取りながら剣を鞘に収める。 「……覚えときな、東洋人。次はこうはいかねえぞ」 スキンヘッドのサムはビリーを抱えると、それだけを言い残して倉庫街から消えていった。 ***
[138]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/06/03(日) 13:39:53 ID:??? 「……おととい来やがれ、ってか」 『捨てゼリフは綺麗にお約束通りだね……』 夕陽は既に水平線の彼方へと没しかけ、夜の暗さが辺りを覆い始めた倉庫街でぼそりと呟く森崎。 そんな彼の背にかけられる声があった。 「あの……」 か細い声は、少女のものである。 振り返れば果たしてそこには、先ほどトサカ頭に絡まれていた少女が立っていた。 暗がりの中とはいえ、改めて見直しても取り立てて美しいというほどではない。 長い栗色の髪はさらさらとやわらかそうに流れていたし、どこか幸薄そうな顔立ちは それを好む類の男からすればたまらないものがあっただろうが、しかし、それだけである。 体つきも少女特有の、まだまだ成熟しきらぬものであると看破した森崎が、呆れたように言う。 「……あんた、まだ逃げてなかったのか」 『正直、忘れてたよね。喧嘩の方が楽しくなってて』 茶化すピコに平手を繰り出す森崎。 命中するより遥かに早く、ピコは夜空へと舞い上がる。 そんな森崎の様子に不思議そうな顔をしながら、少女がともかくも頭を下げた。 「あ、あの……ありがとう、ございました」
[139]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/06/03(日) 13:40:54 ID:??? 震えるような、小さな声。 埠頭から聞こえてくる波の音にもかき消されそうな、それは儚げな響きだった。 「……あの、改めてお礼に伺いたいので……」 「あ? いいよ、そんなの」 「せ、せめて……お名前だけでも、教えていただけませんか」 面倒くさげに手を振る森崎に、しかし少女は食い下がる。 今にも消えてしまいそうな声とは裏腹に、存外に芯の強いところがあるのかもしれなかった。 「あ……お名前を伺うなら、私から先に名乗らなきゃ、失礼ですよね」 「いや、そういうことじゃ……」 『この子、結構人の話聞かないタイプじゃない?』 「すみません……私は、ソフィア・ロベリンゲ……っていいます」 いつの間にか降りてきたピコが指差す前で、少女が名乗る。 「ソフィア……か」 「はい。あの、あなたは……」
[140]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/06/03(日) 13:46:55 ID:??? *選択 A「……森崎。森崎有三だ」 B「貴様に教える名などあるものか!」(必要CP:5) 森崎の行動としてどれか一つを選択して下さい。 その際【ソフィアに期待する属性】を必ず付記していただくようお願い致します。 期限は『6/3 17:00』です。 採用された属性は本編に反映されます。 特に攻略に影響はしませんので、見た目でも精神的なものでも、ご自由に指定して下さい。 またBはいわゆる「ネタ選択肢」です。 例示として出してありますが、今は実質的には選べません。 何が恐ろしいといって、原作にもこの選択肢が実際に存在する点です…。 ちなみに原作でこの選択をすると、ソフィアはこれ以降一切出てこなくなります。
[141]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/06/03(日) 13:48:21 ID:sRO+OMSI と、一応告知ageをば。
[142]◆W1prVEUMOs :2012/06/03(日) 14:06:40 ID:??? A 【BL趣味】
[143]さら ◆KYCgbi9lqI :2012/06/03(日) 14:12:45 ID:??? A この森崎なら軽口を混ぜながら自己紹介しそう。 属性っていうのかな?『武器マニア』
[144]傍観者 ◆YtAW.M29KM :2012/06/03(日) 14:20:35 ID:??? 選択は【A】 属性は【律儀】かな。ボーイッシュ系好みの個人的趣味とはちょっと違うけど、 ちょっと無口&臆病系っぽい子のキャラには似合わないでしょう。 それなら、せっかく売った恩を最大限返してくれそうなのがいい。
[145]雑魚モブ ◆.xniaLTHMk :2012/06/03(日) 14:35:57 ID:??? A 【ソフィアに期待する属性】は【愚直】 森崎とは対照的な真っ直ぐさや、バカ正直さを持つオアシス的な娘になってほしいから。
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0ch BBS 2007-01-24