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異邦人モリサキ
[193]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/06/05(火) 00:11:49 ID:??? 頬をふくらませたピコが、それでも答えてみせた。 果たして、ヤングに指名された男たちの手にあったのは、銃器である。 短銃や長銃といった違い、或いは火縄、ミュケレットから新式のフリントロックまで形式の差はあれ、 一様に銃と呼ばれるそれらを、そしてそれらを手にした男たちを見やって、ヤングが言い放つ。 「この国では陸戦において銃火器は一切使用していない! 己の体と技だけが頼りだ! 他所で銃に慣れてきた者は、ここでは地獄を見るぞ!」 ヤングの言葉に、傭兵たちの間には明らかな動揺が走る。 そこかしこで不安げな目を見交わし合う姿。 聞いてねえぞ……という声が漏れるのを耳にして、森崎が肩をすくめる。 「南欧圏じゃ銃はまだまだ行き渡ってねえ。特にスィーズランドから離れれば離れるほど 軍の体質が旧い。……んなこたあ、ちっと目端が利きゃ分かることだろうによ」 『情報収集が甘いねえ』 「……まあ、そう言うな」 独り言じみた森崎の呟きに反応した者が、ピコの他にもう一人いた。 目をやれば仏頂面の坊主頭が腕を組んでいる。 トニーニョである。 先ほどは意識していなかったが、提げているのは森崎と同じ長剣である。 それが彼愛用の武器であるようだった。 「傭兵などというものは初陣で半分が死ぬ。空いた穴を埋めるのははぐれ者や犯罪者、借金持ちだ。 生き残り、知恵と力をつけていく者とそうでない者の差は開いていく一方だからな」 「僕らベテランは初心者を盾にして生き残ろうとするしね、ネイくん」 けらけらと笑いながら口を挟んだのはジェトーリオ。 水を向けられたネイはそれを完全に無視して森崎に片目を瞑ってみせる。 ネイの腰には二本の短槍、ジェトーリオはといえば、その奇妙な仕草でくねる背に 何かの得物を背負っているようだったが、森崎には一見して判別がつかない。
[194]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/06/05(火) 00:12:50 ID:??? 「ま、盗んだか拾ったかの銃を見せびらかすような馬鹿は真っ先にくたばっていくってことさ。 ついでにどっかの糞虫も道連れにしてくれると助かるんだが」 ちろりとジェトーリオの方を見やった視線には、心底からの侮蔑と嫌悪が篭っている。 「……何があったんだ、こいつら?」 「すまん、聞かないでくれ……」 思わず訊いた森崎に、トニーニョが眉間の皺をますます深くしながら答える。 そんな空気を振り払ったのは、ヤングの大音声であった。 「このご時世に銃兵隊を編成しないなんてイカレてると思ったか? ……ハハハ、俺もそう思う」 冗談めかして笑い飛ばしたその表情はしかし、隠しようもない苦味に支配されていた。 滲み出た本音を噛み潰すように、ヤングが小さく首を振ると続ける。 「……それでもまあ、これが上からのお達しというヤツだ。嫌なら荷物をまとめるんだな。 貴様ら碌でなしが三回生まれ変わっても払えそうにない桁の違約金を用意できるなら、だが」 その言い様に怯んだのは、ヤングに詰め寄ろうとしていた、銃を手にする者を中心とした面々である。 びくりと固まったその背を見やって森崎が溜息をつく。
[195]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/06/05(火) 00:13:52 ID:??? 「哀れな連中だぜ。……サインは慎重に、ってな」 『勉強料、命より高くつかないといいねえ……』 最も激烈に反応した面々が凍りついたことで、どよめきも次第に収まっていく。 やがて静まり返った三百人の傭兵を見渡すと、ヤングがゆっくりと口を開いた。 「さて……どうやら俺の言うこともお上の方針も気に入らないヤツがいるようだな。 機嫌の悪い上官に楯突くとはいい度胸だが……連帯責任だ。 全員、まずこの運動場を十周ばかり走ってこい」 見渡す限りの荒野をぐるりと指さして、早くしろ日が暮れるぞ、とヤングが笑った。 ***
[196]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/06/05(火) 00:20:03 ID:I4BjvYb+ *** *D26.4 「流浪の慎重派」森崎 訓練ダイス ※訓練は前後半に分かれています。 ★マークごとにお一人づつ、!と numnumの間のスペースを消してダイスを引いてください。 目標値【50】に対しプラスマイナス30以内で成功、プラス31以上で大成功、マイナス31以下で失敗となります。 大成功時は成果が1.5倍、失敗時は0.5倍となります。 ★ 前半(体術)1 !numnum + !numnum + !numnum = ★ 前半(体術)2 !numnum + !numnum + !numnum = ★ 後半(魅力)1 !numnum + !numnum + !numnum = ★ 後半(魅力)2 !numnum + !numnum + !numnum = ★ *** とてもいい結果が出るといきなりスキルをゲットできる……かも、といったところで 本日の更新はこれまでとさせていただきます。 夜遅くまでのお付き合い、ありがとうございました。 それではまた、次回更新にて。
[197]傍観者 ◆YtAW.M29KM :2012/06/05(火) 00:22:12 ID:??? ★ 前半(体術)1 53 + 39 + 44 =
[198]さら ◆KYCgbi9lqI :2012/06/05(火) 00:23:51 ID:??? ★ 前半(体術)2 60 + 58 + 50 =
[199]Q513 ◆RZdXGG2sGw :2012/06/05(火) 00:24:48 ID:??? おお、レヴィン出てくるっすか。 ★ 後半(魅力)1 37 + 66 + 79 =
[200]ノータ ◆JvXQ17QPfo :2012/06/05(火) 00:27:44 ID:??? ★ 後半(魅力)2 80 + 19 + 96 =
[201]さら ◆KYCgbi9lqI :2012/06/05(火) 00:32:51 ID:??? 魅力のスキルは獲得出来そうな感じがする。
[202]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/06/06(水) 01:12:04 ID:??? >>197-200 皆様、ありがとうございます。 それぞれEP1を進呈いたします。 *D26.4 「流浪の慎重派」森崎 訓練結果 前半(体術)1 53 + 39 + 44 = 成功3 前半(体術)2 60 + 58 + 50 = 成功3 →成功6 後半(魅力)1 37 + 66 + 79 = 成功3 後半(魅力)2 80 + 19 + 96 = 大成功1 成功1 失敗1 →大成功1 成功4 失敗1
[203]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/06/06(水) 01:13:49 ID:??? *** 「ようっっ……やく、解散かよ……! ホントに日が暮れるまで走らせやがった、あの鬼教官……!」 薄暗い野原に弱々しく響くのは、大の字に寝転んだネイのぼやきである。 周囲はネイと同じように息も絶え絶えといった様子で横たわる男たちで溢れていた。 「修練が足りんな、ネイ」 「まったくだぜ」 そんなネイを見下ろすように腕を組んだトニーニョが言うのへ、森崎が同調する。 ある者は横たわり、ある者は地に伏せて胃液をぶち撒け、またある者は泡を吹いて失神している中で 平然と立っているのは二人くらいのものである。 「何でそんなに元気なんだよ、お前ら!?」 「いや……別に元気じゃねえよ、充分疲れてるぜ」 「僕はへとへとだよ、ネイくん。ああ、もうダメかも〜」 「うるさい死ね」 ネイのすぐ脇に寄り添うように倒れ込もうとしたジェトーリオが乱暴に蹴飛ばされるのを見やりながら、 森崎が小さく肩をすくめる。 「鎧も背嚢もナシだってのに息上がってんし、さすがに身体なまってるなって感じだぜ? けどまあ、疲れましたもうダメですって顔してたって、的にされるだけだしな」 「モリサキの言う通りだ。疲弊した者、諦めた者、混乱した者……敵はそういう輩から狙ってくる。 逆に意気軒昂を誇示していれば刃も弾も避けて通るというものだ」 うんうん、と頷き合う二人を寝転んだまま見上げるネイが、その言葉に苦虫を噛み潰したような顔をする。
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0ch BBS 2007-01-24