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異邦人モリサキ
[200]ノータ ◆JvXQ17QPfo :2012/06/05(火) 00:27:44 ID:??? ★ 後半(魅力)2 80 + 19 + 96 =
[201]さら ◆KYCgbi9lqI :2012/06/05(火) 00:32:51 ID:??? 魅力のスキルは獲得出来そうな感じがする。
[202]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/06/06(水) 01:12:04 ID:??? >>197-200 皆様、ありがとうございます。 それぞれEP1を進呈いたします。 *D26.4 「流浪の慎重派」森崎 訓練結果 前半(体術)1 53 + 39 + 44 = 成功3 前半(体術)2 60 + 58 + 50 = 成功3 →成功6 後半(魅力)1 37 + 66 + 79 = 成功3 後半(魅力)2 80 + 19 + 96 = 大成功1 成功1 失敗1 →大成功1 成功4 失敗1
[203]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/06/06(水) 01:13:49 ID:??? *** 「ようっっ……やく、解散かよ……! ホントに日が暮れるまで走らせやがった、あの鬼教官……!」 薄暗い野原に弱々しく響くのは、大の字に寝転んだネイのぼやきである。 周囲はネイと同じように息も絶え絶えといった様子で横たわる男たちで溢れていた。 「修練が足りんな、ネイ」 「まったくだぜ」 そんなネイを見下ろすように腕を組んだトニーニョが言うのへ、森崎が同調する。 ある者は横たわり、ある者は地に伏せて胃液をぶち撒け、またある者は泡を吹いて失神している中で 平然と立っているのは二人くらいのものである。 「何でそんなに元気なんだよ、お前ら!?」 「いや……別に元気じゃねえよ、充分疲れてるぜ」 「僕はへとへとだよ、ネイくん。ああ、もうダメかも〜」 「うるさい死ね」 ネイのすぐ脇に寄り添うように倒れ込もうとしたジェトーリオが乱暴に蹴飛ばされるのを見やりながら、 森崎が小さく肩をすくめる。 「鎧も背嚢もナシだってのに息上がってんし、さすがに身体なまってるなって感じだぜ? けどまあ、疲れましたもうダメですって顔してたって、的にされるだけだしな」 「モリサキの言う通りだ。疲弊した者、諦めた者、混乱した者……敵はそういう輩から狙ってくる。 逆に意気軒昂を誇示していれば刃も弾も避けて通るというものだ」 うんうん、と頷き合う二人を寝転んだまま見上げるネイが、その言葉に苦虫を噛み潰したような顔をする。
[204]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/06/06(水) 01:14:51 ID:??? 「セーシン論かよ。汗臭ぇ〜……」 「経験論だっつーの。ま、サボりたきゃ適当にサボればいいさ」 苦笑しながら森崎が続ける。 「所詮、傭兵なんてのは食い詰め浪人だしよ。キツいツラいで鍛錬から逃げて、 明日死ぬのが仕事みてえなもんだ。ま、俺ぁ今日鍛えて生き残る方を選ぶ。そんだけよ」 「……」 飄々とした言葉に盛られた毒にネイが口を閉ざす。 代わりに森崎へと話しかけたのはトニーニョだった。 「そういえばモリサキ、お前は東洋人だろう?」 「大雑把な括りだな。まあ、そうだよ」 言う森崎にしても、かつて新大陸と呼ばれていた西洋圏の各国を詳しく知っているわけではない。 お互い様と割りきって頷く。 「そのお前が、何故南欧まで来て傭兵などやっている?」 「……おいおい、トニーニョさんよ」 トニーニョの問いに、森崎が口の端を上げる。 呆れ混じりの苦笑であった。 「昨日までつるんでた連中が次の戦場じゃ敵味方、その逆だっていくらでもあるのがこの渡世だぜ。 お互い過去の詮索はナシ、ってのは傭兵のイロハのイ……西洋圏じゃ常識が通用しねえのか?」 「……! おい、そんな言い方……!」 露骨なさや当てに反応したのはネイである。 眉尻を上げて身体を起こそうとしたネイを、トニーニョが手で制する。
[205]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/06/06(水) 01:15:52 ID:??? 「いや、いいんだネイ。今のは確かに俺が悪い」 「……」 それでも不満そうに口を尖らせるネイを見やってから、トニーニョが森崎に向かって軽く頭を下げる。 「気を悪くしたのならすまない、そういうつもりではなかった」 「……まあ、謝ってもらうもんでもねえさ」 「俺が気になったのはモリサキ、お前は随分と年若いように見えるが、それにしては かなりの経験を積んでいる風だと思ってな。……気になるとつい口に出る。悪い癖だ」 自嘲気味に呟くトニーニョに、森崎が首を振る。 「いいさ。しっかし……年若いって俺、一体いくつだと思われてるんだ? この欧州じゃ実際より若く見られるのにも慣れちまったが……」 「ふむ……そうなると少し上に見積もったとして……俺たちと歳はそう変わらないのか?」 腕を組んだトニーニョが、夜闇の忍び寄る中で値踏みするように森崎を見つめる。 と、足元のネイが、上体だけを起こして言う。 「ちなみに俺たちは二十一だぜ」 「あ、僕は一個上だよ、ネイくん!」 「お前はもう歳とれないようにそこで死ね。つーか生まれてくんな」 「……」 短い間にもはや定番のようになりつつある、褐色の優男と黒人のやり取りを聞きながら森崎が黙り込む。 渋面であった。
[206]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/06/06(水) 01:16:56 ID:??? 「……? どうした、モリサキ」 「俺……数え十八の時分に国を飛び出して、かれこれ十年……くらいになるんだが」 「そうか。……って、なにィ!?」 「嘘だろぉ!?」 「ふうん」 驚愕する一同を前に、森崎が眉間に皺を寄せたまま肩を落とす。 「はぁ……どっと疲れた。先に帰らせてもらうぜ……」 「あ、おいモリサキ! ちょっと待てって!」 「お、俺たちが悪かった! そ、そうだ! 途中で一緒に飯でも食わないか!」 とぼとぼと歩き出した森崎の背を、トニーニョが慌てたように追う。 疲れた身体に鞭打って起き上がるとその後に続くネイ。 そのネイに影のように寄り添うジェトーリオ。 森崎がこの国で出会った、最初の仲間たちである。 ***
[207]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/06/06(水) 01:17:58 ID:??? //体術訓練 「走れ! 走れ! 走れ! 基礎体力のない奴にこなせる訓練などない!」 今日も今日とて、広い荒野にヤングの大音声が響き渡る。 三百人の荒くれ者どもがその声に尻を叩かれるようにしながら(そして時折、本当に木剣で尻を叩かれながら) 走り続けて、もう何時間になるだろうか。 「クソッ! 楽しそうだな、あのサド教官! この運動場のだだっ広さときたら、思う存分 訓練ができるように……じゃなくて、単にあいつのダミ声で近所から苦情が来ないように こうなってんじゃないか?」 「ぼやくな、ネイ。無駄に息が上がるだけだ」 前方を走るトニーニョとネイ、そしてそのネイのすぐ後ろに張り付くようにしているジェトーリオの 背を眺めながら、森崎が額にじっとりと浮かぶ汗を拭う。 滝のように流れ出る汗は既に枯れ果てている。 今滲むのは、ほとんど脂と区別のつかない粘性の液体だった。 「……ってあの野郎、昨日はまともな筋力のない奴に拳闘も体捌きもあるか! とか言って 一日中、重り石を持ち上げさせてたじゃねえかよ! おかげでこっちは全身バッキバキだってのに……」 遠く霞むヤングの姿を恨めしげに見やりながら、森崎がぼそりと漏らした瞬間。 その遠い影が、ぐるりとこちらを向いた。
[208]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/06/06(水) 01:18:59 ID:??? 「そこ! そんなに気に入ったのなら、今日も石を上げるか!」 「なにィ!?」 よく見えなくとも真っ直ぐ自分に向けられていると分かる雷光のような視線と 強烈な指向性を持った声が、森崎を直撃していた。 恐るべき地獄耳に驚く間もなく、声は森崎めがけて降ってくる。 「モリサキといったか、貴様だけ特別にメニューを追加してやってもいいぞ!」 「……おとなしく走るよ! 走ればいいんだろ!」 「まあそう遠慮するな!」 叫んでペースを上げた森崎を、しかしヤングの笑みを含んだ声は逃がさない。 今、あの男は咎人をいたぶる煉獄の獄吏と同じ顔で笑っていると、森崎は確信する。 「貴様のために今から特訓を組んでやるから、安心して走り込め! とはいえ、毎日同じ箇所を鍛えても筋を傷めるだけだからな! きっちり責任をもって、昨日とは違う地獄を味あわせてやる!」 「ゲェェー!? ちくしょう、こうなったらネイ、トニーニョ、お前らも……っていねえ!?」 巻き添えを捜す森崎の視界には、既に誰の姿もない。 いち早く逃げおおせたのだと察した森崎を待つのはただ一人、緑なす髪の獄吏であった。 ※体術が上がりました。 ガッツが20下がりました。
[209]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/06/06(水) 01:20:00 ID:??? //魅力訓練 ふぉん、と風を切る音を立てて刃が走る。 訓練所の荒野では青空の下、傭兵たちが素振りの最中であった。 と、森崎が剣を振るう手を止めて振り返る。 「どうした、モリサキ?」 聞いたトニーニョに、森崎がニカリと笑って言う。 「なあ、どうだ? そっちの角度から見るのが一番カッコよくねえか、俺?」 「……いいから真面目にやれ、また教官にどやされるぞ」 呆れたように眉根を寄せて素振りに戻ったトニーニョに、森崎がなおも言い募る。 「いや、だってよ。毎日むさ苦しい男どもに囲まれて汗に塗れてると、こう、思わねえか? たまには黄色い声できゃ〜、とか言われてみてえ、ってよ」 「言われたい、言われたい!」 食いついたのはネイである。 こちらは得意の短槍を突き出す型を止めて、話題に加わってくる。 「街にさえ出られれば、可愛い女のコの五人や六人は朝飯前、昼飯までにもう五人、 ってなもんなのにさ! こう訓練漬けじゃ、俺の美貌を活かす暇もありゃしないぜ」 言ったネイに、すかさずジェトーリオがまとわりついて甲高い声を上げる。 その姿はさながら美しく花を咲かせた若木に絡みつく蛇である。 「きゃ〜、ネイく〜ん!」 「死ね、今すぐ港から海に飛び込んで二度と浮かんでくるな!」
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0ch BBS 2007-01-24