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異邦人モリサキ
[208]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/06/06(水) 01:18:59 ID:??? 「そこ! そんなに気に入ったのなら、今日も石を上げるか!」 「なにィ!?」 よく見えなくとも真っ直ぐ自分に向けられていると分かる雷光のような視線と 強烈な指向性を持った声が、森崎を直撃していた。 恐るべき地獄耳に驚く間もなく、声は森崎めがけて降ってくる。 「モリサキといったか、貴様だけ特別にメニューを追加してやってもいいぞ!」 「……おとなしく走るよ! 走ればいいんだろ!」 「まあそう遠慮するな!」 叫んでペースを上げた森崎を、しかしヤングの笑みを含んだ声は逃がさない。 今、あの男は咎人をいたぶる煉獄の獄吏と同じ顔で笑っていると、森崎は確信する。 「貴様のために今から特訓を組んでやるから、安心して走り込め! とはいえ、毎日同じ箇所を鍛えても筋を傷めるだけだからな! きっちり責任をもって、昨日とは違う地獄を味あわせてやる!」 「ゲェェー!? ちくしょう、こうなったらネイ、トニーニョ、お前らも……っていねえ!?」 巻き添えを捜す森崎の視界には、既に誰の姿もない。 いち早く逃げおおせたのだと察した森崎を待つのはただ一人、緑なす髪の獄吏であった。 ※体術が上がりました。 ガッツが20下がりました。
[209]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/06/06(水) 01:20:00 ID:??? //魅力訓練 ふぉん、と風を切る音を立てて刃が走る。 訓練所の荒野では青空の下、傭兵たちが素振りの最中であった。 と、森崎が剣を振るう手を止めて振り返る。 「どうした、モリサキ?」 聞いたトニーニョに、森崎がニカリと笑って言う。 「なあ、どうだ? そっちの角度から見るのが一番カッコよくねえか、俺?」 「……いいから真面目にやれ、また教官にどやされるぞ」 呆れたように眉根を寄せて素振りに戻ったトニーニョに、森崎がなおも言い募る。 「いや、だってよ。毎日むさ苦しい男どもに囲まれて汗に塗れてると、こう、思わねえか? たまには黄色い声できゃ〜、とか言われてみてえ、ってよ」 「言われたい、言われたい!」 食いついたのはネイである。 こちらは得意の短槍を突き出す型を止めて、話題に加わってくる。 「街にさえ出られれば、可愛い女のコの五人や六人は朝飯前、昼飯までにもう五人、 ってなもんなのにさ! こう訓練漬けじゃ、俺の美貌を活かす暇もありゃしないぜ」 言ったネイに、すかさずジェトーリオがまとわりついて甲高い声を上げる。 その姿はさながら美しく花を咲かせた若木に絡みつく蛇である。 「きゃ〜、ネイく〜ん!」 「死ね、今すぐ港から海に飛び込んで二度と浮かんでくるな!」
[210]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/06/06(水) 01:21:05 ID:??? 短槍の柄でこそげ落とすようにジェトーリオを引き剥がすネイを横目に、 森崎がトニーニョに話しかける。 「で、どうなのよ、トニーニョさんは。切った張ったでいつくたばるかもわからねえ身空、 たまにゃ剣の鈍色じゃねえ、桃色に囲まれたかねえかって話よ」 「俺は……その、そういうのに興味は……」 ニヤニヤと笑いながら迫る森崎に、珍しくトニーニョが言い淀む。 冷静沈着を旨とするこの男には稀有な反応であった。 森崎が何かを言う前に、後ろから野次を飛ばしたのはネイである。 「興味ありまくりだろ、ムッツリ坊主!」 「今何と言った、ネイ! もう一度言ってみろ!」 気色ばむトニーニョ。 これもまた珍しい光景である。 「え、なにお前、案外イケる口かよ?」 「……」 急に親近感を覚えた森崎が訊ねるが、トニーニョは口を噤んでしまう。 「……」 「……」 周囲に奇妙な静けさが降りていた。 気付けばトニーニョだけでなく、ネイやその足元に転がっていたはずのジェトーリオさえもが いつの間にか立ち上がって神妙な顔をしている。
[211]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/06/06(水) 01:23:00 ID:??? 「ん? どうしたお前ら、急におとなしくなりやがって……」 「……お前、女どもに騒がれたいのか、そうかそうか」 「そりゃそうだろ、……って……」 すぐ後ろから響いた、重厚な声に思わず軽口を叩きかけた森崎が、何かに気付いたように ゆっくりと全身を軋ませながら振り返る。 果たして、そこに立っていたのは 「俺がお前を男前にしてやろう……誰からも一目置かれるような、立派な男前にな……!」 「い、いや、その……」 「まずは素振り、この鉛入りの剣に変えて三百! その後は腹筋からいつものコースを大サービスで三倍だ! 準備運動の後もまだまだ専用の養成講座が待ってるぞ……始め!」 その日、荒野には日が暮れるまで蛙の潰れるような悲鳴が響いていたという。 ※魅力が上がりました。 ガッツが20下がりました。 *** *D26.4 「流浪の慎重派」森崎 訓練終了 残りガッツ:40
[212]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/06/06(水) 01:24:18 ID:??? ****** *D26.4 メインイベント 『少女の騎士(後編)』 「っくあぁぁぁーーーー! 全身痛ぇー……」 よく晴れた春の青空の下、大きく伸びをしたのは森崎有三である。 長剣一本をベルトで腰に提げただけの平服で石畳の上を歩いている。 「あの鬼教官、俺を目の敵にしやがって……他の連中の倍はしごかれてんぞ、絶対!」 『すっかり標的だねえ……あれ? でも、この前はズイブン偉そうなこと言ってなかったっけ? グズは死ね! 俺は鍛えて生き残る方を選ぶんだぜ! とか何とか』 「キメ顔でそんな嫌なこと言うキャラだったか、俺……」 目の前にふわりと舞い降りた相棒、ピコの小芝居に顔をしかめる森崎。 「つうか、これでもマシな方だぜ? 他の連中なんざ、月に一度の休みだってのに兵舎どころか ベッドからも降りられねえようなのがゴロゴロしてんだからよ。あの女好きのネイなんかもな」 『まあねえ……せっかく誘ったのに、一歩も動きたくないって断られたし……』 「だろ? こうして生活物資の買い出しに行けるだけでも俺の頑健頑丈は称えられるべきなんだよ。 ほれ、苦しゅうないぞ。思う存分、褒め称えるがいい」 『わー、すごーい! キミはエラいよ! カッコいいよ!』 「ふふ、そうだろ?」 ふわふわくるくると、森崎の周りを舞い踊りながら拍手してみせるピコが、一通り踊り終えると ぴたりと森崎の眼前に静止する。
[213]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/06/06(水) 01:25:19 ID:??? 『……キミ、空しくない?』 「まあ、ちょっとな……」 『……』 「……」 『さ、バカなことやってないでお買い物済ませちゃお。まず臭くない下着ね!』 「今あるの、旅の間からずっと水洗いだけして履いてるヤツだからな……」 ちらりと自らの体を見下ろして襟元をはだけ、立ち上る異臭に思わず天を仰いで 歩を早めた森崎が、しかしすぐにぴたりと立ち止まって首をひねる。 「あー……っと、で、この手のモンを買うとなると……どこだ?」 『この国に来てから今日まで、ほとんど兵舎と訓練所の往復しかしてなかったからねえ……』 「正直、飯屋以外の店とかよくわかんねえんだよな」 『ま、せっかくだし、一通りぐるっと廻ってみようよ』 「マジか……とっとと片付けて疲れ取りたかったんだが……」 げんなりした顔で言う森崎。 『もう! どうせその内チェックしなきゃならないんだから、今日やっておこうよ!』 「はあ、仕方ねえか……と、まず今、俺たちがいるのは城南区、シーエアー地区だな」 『あたしたちの兵舎がある地区だね』 ドルファン王国の首都である城塞都市ドルファンは、中央に配置された王城をぐるりと囲むように 街が建設され、その更に外側を高い城壁が守るという、オーソドックスなローマンスタイルである。 城下ドルファン地区を中心として、東西南北をそれぞれ区切る形で地区分けが成されている。 『全部で五地区あるんだよね』 「それぞれに個性豊かな特色のある、マルタギニアの真珠。それが首都ドルファンです……か」 『それ、何読んでんの?』
[214]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/06/06(水) 01:26:21 ID:??? 言ったピコが森崎の手元にふわりと舞い降りる。 森崎が持っていたのは幾つかに折りたたまれた紙片である。 「んあ? こりゃ旅行者向けの地図だ。部屋に備え付けられてたんだよ」 『へえ、便利だねえ』 「傭兵宿舎に観光地図もねえもんだけどな……」 『で、このシーエアー地区の特色は?』 聞いたピコに、森崎が地図を見ずに答える。 さすがに数週間とはいえ、毎日歩いている街並みであった。 「ここは港があって、船乗りや荷揚げ人夫相手の盛り場があって……俺たちみたいな外国人の行き来も多い。 ま、良く言えば活気がある地区だな」 『悪く言えば?』 「ガラが悪ぃ」 一言で切って捨てる森崎。 「品がなくて、安っぽくて、薄汚ねえ。だからこそ俺ら流れ者には馴染むんだが……。 坊ちゃん嬢ちゃんネンネちゃんには向かねえ街だな」 『そういえばこの間も、女のコが絡まれたもんねえ』 「あったな、んなこと……ま、そういうことさ」 この国に降り立ったその日に巻き込まれた騒動を思い出して、森崎が肩をすくめる。 「つっても、このシーエアーも東側に出りゃ教会だ墓地だ灯台だ、ってえ辛気臭い代物が 揃ってるみたいだけどな」 『ふうん。あのコも教会の帰りとかだったのかねえ』 「さあな……お、そういや、港からちょっと歩けばビーチもあるらしいぜ」 『まだ海水浴には早いけどね』 四月の青空に向かってぱたぱたと羽ばたきながら、ピコが言う。
[215]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/06/06(水) 01:29:31 ID:NzJufiKg 『で、どう? 臭くない下着は売ってそう?』 「どうかな……、まあ娼館があるんだから、下着くらいそこらで売ってるかもしれんが……。 ぐるっと廻るって言い出したのはお前だろ。あんまり寄り道ばっかしてると時間なくなるぞ?」 『うーん、そう言われると……どうしよう?』 *選択 A シーエアー地区(歓楽街)を巡ってみる B 他を当たる ※選択によりイベントが発生します。 またこの後の行動回数に影響が出ます。 寄り道ができるのは全部で三箇所までです。 森崎の行動としてどれか一つを選択して下さい。 その際【その選択肢を選んだ理由】を【森崎の視点から】 必ず付記していただくようお願い致します。 期限は『6/6 21:00』です。 *** 選択理由にも徐々にロールプレイ要素を加えつつ、といったところで 本日の更新はこれまでとさせていただきます。 夜遅くまでのお付き合い、ありがとうございました。 それではまた、次回更新にて。
[216]Q513 ◆RZdXGG2sGw :2012/06/06(水) 07:39:13 ID:??? A まずは近所を知っておくことからでしょ
[217]さら ◆KYCgbi9lqI :2012/06/06(水) 10:14:26 ID:??? B ガッツが少ない様に感じるので歓楽街よりも別の所で買い物した方が良いんじゃないかな。
[218]さら ◆KYCgbi9lqI :2012/06/06(水) 11:00:22 ID:??? B 選択理由はガッツが少ない様に感じるので歓楽街よりも別の所で買い物した方が良いんじゃないかな。 森崎視点からはピコの言う通り寄り道も面白いかもなと思うのではないでしょうか。 に訂正します。
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0ch BBS 2007-01-24