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異邦人モリサキ
[314]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/06/13(水) 03:09:19 ID:??? 皆様、ご回答ありがとうございます。 それでは早速、>>302の選択については…… >>307-308 源氏 ◆rLDAH8Hy8Y様の回答を採用させていただきます! すっかり状況に流されていた森崎を我に返らせる、快刀乱麻を断つようなお答え、お見事です。 CP3を進呈いたします。 また年齢という観点を提示していただきました>>310 テトラ ◆yfCGLLZSBA様の回答も、 次点として話に絡めさせていただきます。完全に盲点でした。 CP1を進呈いたします。 >>303 森崎の礼法値が高い場合は非常に説得力のあるお答えになっていたと思います。 過ぎた流行は……昔のテレビ番組などの映像を見ると、つい笑ってしまうことがありますよねw >>304 現在のパラメータやこれまでの描写などから理由付けをしていただけると 採用の可能性もグッと高まってくるかと思います。 >>305 そうですね、現在のところは好き好んで傾くような人物像ではありません。 もっともその辺りは人物称号や、何より選択の積み重ねで大きく変わってくる部分でもあります。 派手好きでド外道な森崎も、場合によってはあり得る可能性……といったところでしょうか。
[315]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/06/13(水) 03:10:51 ID:??? >>306 プロに任せる安心感は大きいですね。 いつの間にか丸め込まれてしまう危険性も無きにしも非ず……ですがw >>309 あまりにも予想外のお答えが! 成る程、そういう視点もあるのですね……非常に興味深い切り口でした。 勉強させていただきました。 >>311 プレタポルテとはいえ、ショーの舞台で映えるような服は日常には不向きですね。 まあ、服くらい毎日替えようよ……とは思いますが、何しろ産業革命を迎えておらず 綿の大量生産がきかない時代の話、なかなかままならない部分もありそうです。 ご回答いただいた皆様にEP1を進呈いたします。 >>313 褌は超ハイリスクでしたが、万が一の大当たりを引けば恐ろしいリターンがありましたw ちなみにピココールなどは危険な雰囲気が漂い始めたら後手に回らないよう 早めに使われることをお勧めいたします。 中盤以降は、目の前でシビアな選択を迫られている場面では既にもう手遅れで ダメージコントロールに終始するしかない……という状況も考えられます。 勿論死亡判定の回避や妖怪いちたりないの撃退に使う分を貯めるのも戦略ですので、 そのさじ加減を含めてお楽しみいただければと思います。
[316]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/06/13(水) 03:11:52 ID:??? *** B 無難! 初心者向け! 「さあ……選ぶといいわン」 ふっくらとした唇が動き、白く並びの良い歯が、その向こうで艶かしく蠢く舌が、音を紡ぐ。 森崎の鼓膜を通して喉の奥、脊髄の中枢にまで忍び込むそれは、ほとんど呪言である。 喉が、渇く。 「さあ―――」 息を吸えば肺腑を満たすのは麝香の甘い香り。 べったりとした薄い膜が肺の中にへばりつき、息苦しさを助長する。 そんな錯覚を覚えて、森崎の呼吸はますます乱れていく。 「……、」 何かを言おうとした森崎だったが、喉から漏れた掠れた音は声にならずに消えていく。 目の前には、三つの道。 原色の赤と緑、黄色が乱舞するような布地の一群が、森崎の網膜を刺激する。 ふらりと、手が伸びかけた。 極彩色のそれに指が触れる、その寸前。 森崎を止めたのは、光である。 目を刺す光は、点いては消え、消えては点き、明滅を繰り返していた。 視線を、動かす。
[317]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/06/13(水) 03:12:54 ID:??? 『……』 そこには、小さな幻想の精がいた。 はたり、はたりと、籠った空気を撹拌するように羽ばたく、透明な翅。 その翅が、飾り窓の隙間から射す薄明かりを反射していたのだった。 「……いや、待て。ちょっと待て。よく考えろ、俺」 くらくらと甘い香りに満たされていた頭の中に、目から入った光が差し込む。 清水が泥を落とすように、光の欠片は森崎の脳髄を洗い流していく。 「俺……何やってんだ? ここ、どこだ? 何でこんなことになってる?」 流行。若者文化。明るい街並み。道行く笑顔。きらびやかな店。 モード。アヴァンギャルド。ファッションリーダー。 それは何かと、問う。 答えは返らぬ。 返らぬのも、当然であった。 森崎の中に、つい今しがたまでそんなものは存在しなかった。 得体の知れぬ言葉たちが、蠱惑的な女の口を借りて森崎をぐるぐると縛っているに過ぎなかった。 「そうだ……! 俺は、俺はただ、下着の替えを買いに来たんだよ! それがどうして、こんな格好しなきゃなんねえんだ……っ!」 己を縛る鎖の束を引き剥がすように、叫ぶ。 立ち上がった森崎の目には、既に極彩色の服は映っていない。 それは単に奇天烈な布地の塊、糸で縫い合わされた得体の知れぬ言葉たちの集合体でしかなかった。 『……ていうかキミ、そんな冒険するほど若くないからね』 「なにィ!?」 ぼそりと呟いたピコの言葉が、トドメだった。
[318]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/06/13(水) 03:13:54 ID:??? *** 「せっかく期待してもらってるところ悪いが、俺はこいつを貰うぜ」 完全に我に返った森崎が、綿のシャツとスラックス、そしてこざっぱりとした下着を手にとって言う。 「……あらン、残念」 ほんの僅か、眉尻を下げた女の口から出た言葉は、それだけであった。 小さく肩をすくめた拍子に、たわわな双丘がゆるりと揺れた。 『……』 「……」 再び囚われかけた視線を二秒で逸らしたのが、森崎の精神力の発露といえようか。 「ここで着替えていってもいいわよン」 「いや、新しい服に袖を通すのは、水を浴びてからにするよ」 襟元に指を入れ、空気を送る仕草をしてみせる森崎。 その様子にノエルが頷き、扉を指し示す。 「ま、それもそうねぇ。お帰りはあちら……次に来たときには、また期待しちゃうわン」 「次もまたこういうのを貰うさ」 言って、森崎が厚い木製の扉を開ける。 ぎい、と軋んだその向こうから溢れ出す午後の陽光に目を細めた森崎が振り返ると、 元より薄暗かった店内がまるで闇に閉ざされているように錯覚する。 音のない屋内には、既に女の姿は見えなかった。
[319]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/06/13(水) 03:15:00 ID:??? ****** ※称号『無難派オサレ・初級』を獲得しました。 効果:魅力+5。 ******
[320]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/06/13(水) 03:16:18 ID:??? 『……今度は急に田舎臭くなってきたね』 「だな。まだ、さっきのロムロ坂からそんなに離れてねえはずなんだけどな」 ついに目的の買い物を果たした森崎が、傾きかけた日を浴びながらのんびりと歩いている。 春を謳歌する鳥たちの囀りや遠くから聞こえる牛の鳴き声が、やわかな陽射しと相まって 張り詰めた精神を解きほぐしていく。 『ケモノの臭いがするよ……あ、そこ牛の糞、気をつけて』 「なにィ!?」 慌てて飛び退く森崎の足元には石畳など敷かれていない。 かろうじて大きな石ころだけが取り除かれているだけの、土がむき出しの田舎道である。 「つーかまあ、農道だよな、これ」 広々とした視界にはまばらな人家とそれを囲む畑や果樹園が広がっている。 その向こうでは放牧されている牛がのそのそと草をはみ、文字通りの牧歌的な光景を醸し出していた。 そんな光景を見渡してぽそりと呟いた森崎が、木と草と土と堆肥と家畜の臭いの入り混じった空気を 大きく吸い込んで、ゆっくりと吐き出す。 城北、カミツレ地区。 山林と高原で構成された、農林業でドルファンという都市の人口を支える地域である。
[321]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/06/13(水) 03:17:20 ID:??? 『さっきよりよっぽどリラックスしてるねえ』 「ま、こっちのが性に合ってんのは否定しねえさ」 『で、キミの性に合ってるこの長閑な風景の向こうには何があるの?』 ピコの言葉に手元の地図を見なおした森崎が、書いてある文字をそのまま読み上げる。 「この辺にあるのは……地下墓地に神殿跡、だってよ」 『何それ?』 「旧トルキア時代より更に前、古代の遺跡らしいぜ。まあ観光スポットだな」 『ふうん。で、何か売ってるの?』 「土産物とかじゃねえか」 『ほしい?』 「いらねえなあ」 肩をすくめた森崎の手元に、ピコがふわりと舞い降りる。 腕に腰掛けて、地図を覗き込んでいるようだった。 『この、銀月の塔っていうのは?』 「それも遺跡だな。ただ他よりは新しくて、観光スポットってよりはどっちかっつーとデートスポットらしい」 『遺跡なのに?』 「山の上に立ってる塔で、見晴らしがいいんだと。ドルファン全体が見渡せるとか」 『は、はぁ〜ん』 そこまでを聞いて、ピコが森崎の腕に腰掛けたままにやりと笑うと、うんうんとわけ知り顔で頷く。
[322]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/06/13(水) 03:18:21 ID:??? 「……何だよ」 『街を一望できる……つまり、夜景もバッチリってことだよね』 「だな」 『で、周りは静かで、デートスポットとして有名で……』 「……」 『もう! コレ以上言わせないでよこのスケコマシ!』 きゃー、と頬を赤く染めながら小さな手でぱしぱしと森崎の腕を叩くピコ。 そんなピコの襟首を摘み上げると、森崎は無言でその小さな相棒を中空へと放り出す。 『ひゃあっ!? な、何するんだよ!』 「いいから、行くぞ」 『もう! レディはもうちょっと丁寧に扱ってよね!』 はたはたと透き通る翅をはためかせて戻ってきたピコが、森崎の頭にしがみつくと 拳を固めてぽこぽこと叩く。 小石が当たるどころか、髪が風にそよぐ程度の衝撃でしかなかった。 「こっちは腹減ってんだよ。いくら目的を果たしたっつっても、だらだら歩いてたら 帰る前に日が暮れちまう」 『お昼、食べたじゃない!』 「食った気がしねえんだよ。それにあれから結構歩いてるだろ」 ぷりぷりと怒るピコを無視して歩き出した森崎が、ふと何かを思い出したように手元の地図に目をやった。 「そういや、あっちの山には燐光石の採掘場があるらしいな。てことは、飯場もあるか……」 『えー』 「何だよ」 即座に抗議の意を表明した相棒に、森崎が渋面を作る。
[323]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/06/13(水) 03:19:24 ID:??? 『採掘場って、炭鉱みたいなものでしょ?』 「基本、同じだろうな」 『そんな男祭りの会場みたいなとこ行くの、ヤだ』 「あァ?」 『クサそうだもん。せっかく買った服も汚れちゃうかもよ』 あくまで抗戦の構えを見せるピコの主張を、しかし森崎は取り合おうとしない。 「言いたいことはそれだけか? じゃ、行くか」 『ちょっと! あたしの話、聞いてる!?』 「あんまり腹が減ると、お前を塩とバターで食っちまうぞ」 『もう! いーだ!』 爪の先ほどの小さな白い歯を剥きだすピコにひらひらと手を振って、森崎は歩き出すのだった。 *** 燐光石とは欧州全土で照明に使われる物質である。 化学反応により生じる独特の白色光は炎より格段に明るく、また熱をほとんど発しないため 一般家庭でも生活必需品として使用されている。 カミツレ東第三鉱山第四採掘場、通称ヒガシの山はドルファン国内では非常に貴重な、 質の良い燐光石を多量に産する鉱山であった。 燐光石の鉱脈は山中を縦に貫くように形成されることが多く、従ってその坑道は深く、険しい。 採掘は文字通りの命懸けであり、従事する男たちは高い賃金を目当てに集まってきた 命知らずの力自慢どもである。 『そういう意味じゃ、傭兵と似てるよね』 「基本くたばる俺らと、たまにくたばるこいつらって違いはあるけどな」 『……あんまり似てないかもね』
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0ch BBS 2007-01-24