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異邦人モリサキ
[546]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/06/30(土) 19:54:23 ID:??? 遅れまして申し訳ありません。 それではここで裁定&回答タイムです。 結論から申し上げますと、今回は>>539および>>541が適用され、 >>539にてノータ ◆JvXQ17QPfo様にEP1を進呈いたします。 その上で、CP/EP使用により数値に+10され結果は「成功」となります。 以下、ご質問にお答えいたします。 >>542 成功/失敗は常に主人公視点とお考えいただいて結構です。 今回の場合はズバリ>>544源氏 ◆rLDAH8Hy8Y様の仰るとおりで、 失敗の結果まで見事に言い当てていただいています! >>543 numnumなどの数値でチェック・判定が入る場合はCP使用による リドローの対象にはなりません。 あくまで数値の加減算のみが行えます。 なお、カード判定でリドローを行なっていただく場合は仰るとおり、 宣言と同時に引き直しをしていただいて結構です。 >>544 CPを進呈したくなるくらいにお見事な読みです! >>545 はい、物語の内容ではなくシステム的な部分でご質問がある場合には いつでもお気軽にどうぞ。 今回のように回答まで時間が空いてしまったり、その結果としてプレイヤー側に 不利となる可能性がある場合には、期限の延長や判定のやり直しも含めて 改めて検討させていただきます。
[547]傍観者 ◆YtAW.M29KM :2012/06/30(土) 19:57:33 ID:??? >成功/失敗は常に主人公視点とお考えいただいて結構です。 了解、ご回答ありがとうございます。スレによっては敵側視点で良し悪しが出ることもあったので、そこが不安でした。
[548]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/06/30(土) 20:08:16 ID:??? *** 成功→腰の入っていないパンチが森崎にヒットする。 「何だぁ!?」 突然の攻撃に驚いた森崎が、咄嗟に身をかわそうとする。 へろへろと飛んでくる酔漢の拳を食らうような鍛え方はしていなかったが、 しかしそのとき森崎の目が捉えていたのは眼前の男の体勢である。 足腰の座らぬまま大振りのパンチを放った男は、完全に自らの腕に振り回されていた。 軸にしている左足がふらりとよろけ、しかし男の右足は明らかに異常をきたしている。 このまま身をかわしてしまえば、男は自分の体重を支えきれずに転倒するだろう。 泥酔し、片足もまともでないとなれば受身が取れるかどうかもわからない。 (―――チッ、仕方ねえな) 刹那の判断である。 ふらふらとブレながら迫り来る拳を、森崎は胸で受け止めるようにして男の転倒を防ぐのだった。 ごすん、と。 見た目よりは重い衝撃が森崎を襲ったが、しかし大したダメージにはならない。 「うおっと、っと、と……」 自らの危地を救われたとはつゆ知らず、男はふらふらと森崎から離れると壁にもたれかかる。 急に動いて目が回ったのか、こめかみを押さえたまま森崎を睨みつける男。 「……いくら何でもいきなり殴られる覚えはねえぞ、おっさん?」
[549]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/06/30(土) 20:09:27 ID:??? そんな男に森崎が詰め寄ろうとした、その矢先、 「やめて! 何してるの、お父さん!」 「……!?」 少女の声が、森崎の動きを止めた。 壊れた人形のように、ぎぎ、と軋む音を立てながら振り返る。 「オ、オトウサン……なにィ!? この酔っぱら……いや、えーと……」 あまりにも急なことに混乱している森崎が言葉を探す間に、ソフィアは酔いどれへと駆け寄っている。 「お父さん! またこんな時間からお酒なんて……!」 「うるせぇ……。もうカネの心配はいらんだろぉがぁ……」 「……」 無精髭をもごもごと揺らす男の言葉に、ソフィアが黙る。 「それより、お前ぇ! お前だぁ、東洋人! なぁに、人を見下してやがんだぁ〜?」 「アンタが勝手に尻餅ついてんだろうがよ……」 「あァ!? ぶつくさ聞こえねぇ〜んだよ! 黒髪野郎ぉ!」 「……へいへい」 酔いどれの理不尽な言い様に、反論したところで仕方ないと気付いた森崎が 肩をすくめて口を閉ざす。 そんな森崎に、男がアルコール臭に満ちた吐息をふんだんにまき散らしながらがなり立てる。 「お前ぇ、ウチの娘ぇ……ソフィアを連れ回してるそうじゃねぇかぁ?」 「どこで、そんな……」 呟くソフィアに、男が答える。
[550]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/06/30(土) 20:10:53 ID:??? 「親切な人がぁ、教えてくれたんだぁ〜! おい、東洋人! これ以上ウチの娘にぃ、 近づくんじゃあ、ねぇ……! 変な噂を立てられでもしたらぁ、この子がぁ、傷つくんだぞぉ……?」 酒臭い息と共に、奇妙に呂律の回らない口調でまくし立てる男。 『……日も暮れる前から飲み歩いてる父親がくっついてる方が、よっぽど変な噂が立つんじゃないかな』 いつの間にか頭の後ろに降りてきていたらしいピコがボソリと呟くのへ、内心でよくやったと 拍手を送りながら森崎は神妙な表情を崩さないよう努力する。 そんなやり取りを知らないソフィアが、男をたしなめるように表情を険しくする。 「お父さん……!」 「お前も、お前だぁ……ジョアン君という、立派なぁ、フィアンセがいるんだぞぉ……? それを、こんな東洋人風情とぉ……病気でも感染されたら、どう言い訳す―――」 「もうやめて!」 それは、ほとんど叫ぶような声だった。 森崎の聞いたことがない声を出し、見たことのない表情をしているソフィアが、そこにいた。 家族と呼べる者にしか見せ得ぬ、生の感情。 しん、と。 強制された沈黙が、その場に降りた。 最初に口を開いたのは、ひどく戸惑ったような顔をした酔漢である。 「……ソフィア、」 「すぐ、帰るから」 何かを言おうとした男の言葉を遮って、少女が首を振る。
[551]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/06/30(土) 20:12:00 ID:??? 「お父さんも家に戻って。お母さんが心配するわ」 「……。おい、東洋人」 突き放すようなソフィアの態度に、悄然と肩を落とした男が歩き出して二歩。 ぎろりと、森崎を睨んだ。 すっかり酔いの醒めた、しかし黄ばみ、充血して濁った目。 「今後、娘に近づいたら―――骨の二、三本は覚悟しろ」 それだけを言い残して、去っていく。 ずるり、ずるりと歩みに取り残されるような右足が石畳に擦れる音の、すっかり消えた頃。 ソフィアが、森崎の方を向かないまま、俯いて口を開く。 「……ごめんなさい。父が、不愉快なことばかり言って」 「いや……」 その声音の重苦しさに、森崎は咄嗟に言葉が出ない。 それでも何か場を取り繕おうと切っ掛けを探す森崎の機先を制するように、 ソフィアが続けていた。 「父は……ロバート・ロベリンゲは、昔は、立派な騎士だったんです。 今はあんな姿ですけど、私は……私は父を、尊敬しています」 それは、誰に向けた言葉だったのだろうか。 弁明にも謝罪にも届かず、さりとて告解とも寛恕を求める言葉ともつかぬ、宙ぶらりんの独白。 その意図を掴めずにいた森崎に、少女が俯いていた顔を上げると向き直り、改めて深く頭を下げた。
[552]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/06/30(土) 20:13:17 ID:??? 「すみません。父が心配しますので、これで失礼します。 ……今日は、楽しかったです」 礼を言うその表情には、笑顔はない。 頬の赤みも、舞台の高揚も、ない。 沈黙と首肯とをもってただ見送るより他になかった森崎の見つめる先、 歩み去る少女の背を追うように、宵闇が街を包もうとしていた。 『少女と騎士』(了)
[553]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/06/30(土) 20:14:45 ID:??? *D26.6 フレーバーテキスト ◎運河の遺体 夏の気配が漂い始めたドルファンには珍しく、どんよりと曇った朝のこと。 『ほらキミ、寝癖がついてるよ!』 「うるさいな……後でやるっての」 ピコを追い払うようにぞんざいに手を振った森崎が、食卓の前で熱心に何かを読んでいる。 粗悪な紙にびっしりと活字の並ぶそれは、新聞と呼ばれるものであった。 『ちょっと、ご飯食べるのかそれ読むのかどっちかにしなよ、お行儀悪いよ! もう……これだけ田舎に来れば新聞なんてあるわけないと思ってたのに、 変なところはスィーズランドを見習っちゃうんだから』 ため息混じりの小言は森崎の耳を素通りしていく。 「セリナ運河に身元不明の水死体……か」 『うええ……ドザエモンは嫌だねえ。ていうか、それわざとあたしに聞こえるように言ってない?』 「遺体は腐敗と白骨化が進んでおり、死後数ヶ月は経過しているものと思われる……とよ。 よかったな、土左衛門なんて通り越してグロいやつみたいだぜ」 『もう、意地悪だなキミは!』 「蝿なんかもそりゃもうわんさか……」 『わーっ! わーっ!』
[554]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/06/30(土) 20:15:58 ID:??? それ以上の言葉が聞こえないように大声を出したピコが、小さな拳を固めてぱかぱかと森崎の頭を叩く。 「痛っ! わ、わかった、俺が悪かった!」 『もう! 次にやったら絶交だからね!』 言ったきり、ぷいと顔を背けると姿を消してしまうピコ。 残された森崎は小さく肩をすくめると、テーブルに置かれたカップから温いエールを啜るのだった。 *** 数日後。 この季節には珍しい雨がドルファンの石畳をほんの少しだけ湿らせた翌日、 いつものように新聞に目を通していた森崎が思わず声を上げた。 「身元不明の遺体は行方不明の神父……だと?」 『何、なに?』 ふわふわと飛んできたピコが森崎の頭の上にちょこんと腰掛けて、新聞の紙面を覗き込む。 『十八日にセリナ運河で発見された身元不明の遺体は……』 「以前より行方が解らなくなっていたアイン・カラベラル神父である事が、関係者の証言により 明らかになった。カラベラル神父は四月三日、自宅を出た後に行方不明になっていた……か」 『こないだのドザエモンか……』 「……」 頭上の声にじとりと湿り気を感じた森崎が、反射的に新聞を放り出して頭を守ろうとする。
[555]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/06/30(土) 20:16:59 ID:??? 『あはは、もう怒ってないよ』 「……そりゃ助かるぜ」 『でもさ、これって事件? それとも事故?』 ほっと胸をなで下ろした森崎に、ピコが尋ねてくる。 「さあな……記事もそこまで書いてねえ。区警……地区警備隊がどう考えてるのかは何ともな」 『神父様じゃ、酔っ払って足を踏み外す……なんてこともないだろうしねえ』 「明和の大虎みてえな神父も、中にはいるかもしれんがな」 『葡萄酒は神の血じゃ〜、もっと持ってこんか〜い! って?』 遥か遠い故郷の有名人を真似てみせるピコの仕草に、森崎が口の端を上げる。 「……しかし、そうなると今の神父は俺らと同じような時期にこの街に来たってことになるのか」 『あの針金みたいな神父様だね』 「……」 その場にいるだけで周囲の温度を下げるような、独特の存在感を思い返した森崎が ぶるりと大きく身を震わせた。 「あいつ、ここに来る前はどこにいたんだろうな」 『神父様のことをアイツとか言わない! いくらキミの信じる神様と違っててもね。 ……でも、そうだね。なんか怖かったし、きっと寒いところだよ。北の方』 「何でだよ」 『北の人はだいたい、おっきくて怖いんだよ』 「お前、そりゃ偏見ってもんじゃねえのか……。だいたいあの神父、どう見てもトルキア人だろ」 『じゃあ北の方のトルキア人だよ!』 「無茶苦茶言うな……」 力説するピコを白い目で見る森崎。 その朝の話題は、そんな風にして日常に紛れていくのだった。
[556]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/06/30(土) 20:18:55 ID:??? *D26.6 「気のいいリーダー」森崎有三 訓練選択 「貴様らも知っての通り、ヴァルファは我がドルファンおよび元雇用主のプロキア、 その両面に対し宣戦を布告してきた! 全欧最強の余裕というやつか? 違う! 我々がナメられきっているということだ!」 響き渡るヤングの大音声は、いつにも増して大きい。 漲る気合いの表れであった。 「王室会議の腑抜けどもは今月末まで撤収期限を設けるなどと呑気なことを抜かしてやがるが、 それでカタがつくならあの赤備え共はハナっからこんな面倒を起こさん! 我が国は近いうちに必ず……早ければ来月早々にもダナンへと派兵することになるだろう!」 告げられる命の期限に、居並ぶ傭兵たちにざわりと動揺が走る。 それを押さえるように、ヤングが力強く言葉を継いだ。 「貴様らの役目は何だ!? 骨抜きの騎士団に代わって全欧最強をぶちのめすことだ! 血のションベンが枯れ果てるまでしごいてやるからそのつもりでいろ!」
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0ch BBS 2007-01-24