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異邦人モリサキ
[64]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/06/02(土) 19:29:41 ID:??? ・ダナン占領 ドルファン歴デュラン二十六年(以下D26年)、三月二十五日。 プロキア軍の侵攻によりドルファン王国北部の国境都市、ダナンが占領される。 王国の北方防衛拠点であるこの堅牢な都市の陥落はドルファンに衝撃を与えたが、 同時に不可解な噂が一部流通商人を通じて王都を駆け巡った。 ダナンは、無血開城したというのである。 ダナンという都市、そしてその周辺地域はドルファン王家の直轄領ではない。 ドルファンの国政を司る五家評議会の一、ベルシス家によって統治される自治領である。 慢性的に内乱と外征を繰り返す隣国プロキアと接し、幾度もその侵攻を受けてきた歴史を持つ この都市は、王都騎士団にも匹敵する精強な騎士団を有している。 そのダナンが騎士団による抵抗もなくプロキア軍による占領を受け入れたとなれば、 統治権を持つベルシス卿の真意を測りかねるのも無理からぬことであった。 ダナンに真紅の鎧を纏う一団を見た、という新たな情報が王都に齎されるのは、 この直後のことである。 傭兵騎士団、ヴァルファバラハリアン。 真紅の鎧の一団と聞いて、軍事や政治に明るい者が一様に思い浮かべたのが、この名であった。 古トルキア語で「血の河を渡る者」を意味する名を冠したこの軍団は欧州一の勇猛をもって知られ、 先のシベリア=オースティニア戦争では圧倒的不利とみられたオースティニア側に雇われて参戦するや 獅子奮迅の活躍で見事にシベリア軍を撃退し、改めてその力を全土に轟かせていた。 その全欧最強とも称えられる傭兵団がプロキアに雇用されたとなれば一大事である。 否、何かの間違いであろうという者もいた。 先の戦争での痛手もいまだ癒えきらぬであろうかの傭兵団が、南欧の小国同士の小競り合いに わざわざ乗り出してくるはずがない、と。 しかし、その楽観的観測はすぐに裏切られることになる。 三月二十七日。 ヴァルファバラハリアン―――通称ヴァルファは正式にプロキアとの契約締結を表明。 ダナン占拠の意を明らかにしたのである。
[65]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/06/02(土) 19:30:52 ID:??? ・プロキア内乱 D26年3月。 プロキア公国盟主としてドルファン王国に宣戦を布告したのはフィンセン公アーツである。 欧州最強と噂される傭兵集団ヴァルファバラハリアンとの契約を成立させ、これまでプロキア軍が 幾度もその出鼻をくじかれてきた頑強な国境都市ダナンを陥落させたフィンセン公の手腕は あるいは高く評価されるべきだったかもしれない―――ヘルシオ公の反乱さえ起こらなければ。 三月二十八日、ドルファン出征に騎士団の多くを南方へ移動させたフィンセン公領を急襲したのは プロキア北西部に勢力を持つ有力な地方領主、ヘルシオ公の軍である。 急報を受けたフィンセン公の軍は一斉に転進を開始。 ドルファン攻撃に参加するため前線に兵を送っていた諸侯も、内乱により変化する情勢の見極めを行うべく 次々に兵を撤収させ、手元へと戻していく。 フィンセン公はドルファン領ダナンを占拠している傭兵団ヴァルファにダナンよりの撤退と転進、 ヘルシオ公軍への攻撃を命じたが、ヴァルファは対ドルファン戦争のみが締結された契約の範囲であり、 内戦への加担は契約効力外であるとして撤退命令を拒絶。 フィンセン公は孤立を余儀なくされる。 三月三十日、趨勢の逆転は不可能と悟ったフィンセン公とその一族は隣国ゲルタニアへと亡命。 プロキアはプロキア=フィンセン公国からプロキア=ヘルシオ公国へと国号を改める。 この時点で今回のドルファン=プロキア戦役は事実上終了したかに見えた。 ヴァルファバラハリアンによるダナン占拠の継続という一点を除いて。
[66]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/06/02(土) 19:32:00 ID:??? ・プロキア賠償問題 前盟主であるフィンセン公を亡命させプロキアの政権を奪ったヘルシオ公であったが、 ドルファンとの講和は足踏みを続けていた。 休戦条件を巡って交渉は平行線を辿っていたのである。 いまだヴァルファバラハリアンの占領下にあるダナンの返還は勿論のこととして、 主な争点となっていたのは多額の賠償金であった。 近年のプロキアの外征失敗に対する諸国との講和に際して支払われてきた賠償額の、 およそニ倍近い金額をD26年四月頃のドルファン側は提示していた。 名目上では西洋圏(新大陸を指す)からの銀の流入による銀相場の下落によるとしていたが、 実態は誰の目にも明らかだった。 一刻も早く休戦を取り付けて国内の安定化を図りたいヘルシオ公に対し、ドルファン側は 徹底的に相手の足元を見る戦術に切り替えたのである。 両国の政治的思惑は、結果的にこの戦争を三年間もの長きに渡り継続させることとなった。
[67]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/06/02(土) 19:33:01 ID:??? *** ★システムメッセージ★ システムルールで説明している通り、本来はフレーバーテキストの後に訓練選択を行う手順ですが、 今月は初回ターンのため、メインイベントを前後編に分けてお送りいたします。 訓練選択はメインイベント前編が終了した後で行います。 ***
[68]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/06/02(土) 19:34:02 ID:??? *D26.4 メインイベント 『少女の騎士(前編)』 夕暮れの港を歩く男がいる。 流浪の傭兵、森崎有三である。 「ふうむ……今ここにいるから、兵舎は……あの倉庫の裏手か?」 すっかり人気のなくなった倉庫街を歩きながらぶつぶつと呟く森崎の手には、女性事務官から渡された ドルファン首都城塞の地図があった。 地図を右に回し、左に回しながら悪戦苦闘する森崎を見かねてか、ピコが身を乗り出してくる。 『ね、あたしにもちょっと地図、見せてよ』 「目の前をブンブン飛ぶな、鬱陶しい」 『何よ、人をハエみたいに! キミが地図読むの苦手だから助けてあげようっていうんでしょ!』 「……えーっと、シーエアー地区の四番通りを入って……」 『人の話を聞けーっ!』 金切り声を上げるピコを無視して、森崎が地図をためつすがめつしながら目指す兵舎の見当をつけていく。 「あー……っと、やっぱりこの向こうあたりに、俺の入る宿舎があるみたいだな」 『あたし達、ね!』 「はいはい、そうだな相棒」 『わかればよろしい』 えっへん、と小さな胸を張る妖精。 そんな相方の姿に肩を竦めてみせた森崎の耳に、飛び込んでくる声があった。 「―――いやっ! は、離して! 離してください!」
[69]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/06/02(土) 19:35:24 ID:??? 女性、それも年若い少女の声だ。 『ね、キミ、これって……』 「……」 言いかけたピコと目を見交わすや一つ頷くと、森崎が駆け出す。 薄暗く人気のない倉庫街を走り抜け、角を曲がった先で森崎の眼前に展開されていたのは、 どの国、どの街でも変わらぬありふれた光景である。 「……やめてください! 離して!」 「そう邪険にするもんじゃねえよ、お嬢ちゃん。ちょっと俺たちの酒に付き合えってだけじゃねえか」 今にも泣き出しそうな顔の少女と、その手を掴んで下卑た笑いを浮かべる男。 少女が、三下に絡まれているのだった。 少女の手を掴んでいる風体の良くない男は痩せぎすで鷲鼻、赤毛をこれ見よがしに逆立て、 ぎょろりとした目と締まりのない口元がいかにも小悪党といった風情を漂わせている。 少し離れたところには男の仲間らしきスキンヘッドが一人。 倉庫の壁にもたれながら、腕を組んでニヤニヤと男たちの様子を見ている。 『うっわ〜、トサカとハゲ……』 「笑えるくらい典型的なチンピラ共だな」 一方、絡まれている少女はといえば、歳の頃は十六、七といったところだろうか。 栗色の長い髪をリボンでまとめたその顔は笑ってみせれば人並みに可愛らしかろうと思わせたが、 今は恐怖と困惑に曇りきっている。 どこか軍服を思わせる、見慣れない服から伸びる素足には意外というべきか、それなりの筋肉がついている。 鍛えられたというほどではないが、良家の子女と呼ぶには不釣り合いではあった。
[70]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/06/02(土) 19:36:43 ID:??? 『あの子……学生さんかな?』 「学生? スィーズランドならともかく、こんな田舎でか」 『でも、あれって制服じゃない?』 ピコが指差すのは少女の纏う、白いシャツと濃紅色のベスト、チェックのスカートという服装である。 森崎がかつて旅の中で見聞してきた中にも、確かに同じようなデザインの服があった。 「むむ……確かにそれっぽいが……。っと、まあそれは後回しだ」 『あ、ようやく気付かれたみたいだね』 ピコの言う通り、少女に絡んでいた赤毛のトサカ頭が森崎の方へと近づいてくる。 少女とスキンヘッドもまた、突然の闖入者に気付いたようでこちらを見ていた。 「テメェ、なぁにガンつけてんだ? 見せもんじゃねえぞ、コラァ!」 「……」 上目遣いに睨めつけ、ギョロ目を剥いているのはどうやら威嚇のつもりらしかった。 真っ赤なトサカが森崎の目の前でゆらゆらと揺れている。 「あぁ? 文句でもあンのかぁ、その面はよぉ?」 「いや……」 『……ねえ』 森崎が見ているのは、痩せぎすの男の赤いトサカと見事な鷲鼻であった。 『これ、どう見ても……』 「ニワトリ、だよな」 「……っだと、ゴルァ!?」 ぼそりと呟いた、森崎の一言に男が激昂した。
[71]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/06/02(土) 19:37:52 ID:??? 「こ、この黒髪野郎! 誰がコッココッコ鳴いて毎朝卵温めてるってんだコルァ!?」 「そこまで言ってねえけど……」 「畜生……アラブ人、ボルキア人ときて、今度は東洋人まで俺をバカにすんのかよ! テメェらのせいで俺らは仕事もなくして飲んだくれるしかねえってのによ……! ウゼえんだよ! ガイジンはこの国から出ていきやがれ!」 男が怒りに衝き動かされるように口走る。 柄の悪い風体の通り、感情の制御が効かない類の人間のようだった。 『アラブ人? 何のこと?』 「さあな……どうせ八つ当たりの類だろ」 ピコに向けて肩をすくめる森崎。 と、金縛りが解けたように少女が森崎の方を見やると、叫ぶ。 「た、助けてください……! お願いします……!」 すがるような声音。 目尻の涙が、夕暮れにキラリと光る。 『だってさ。どうする?』 「……そりゃあ決まってんじゃねえか、相棒」 森崎がこの国に降り立って、最初の決断を下す時だった。
[72]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/06/02(土) 19:41:26 ID:+mpTJ9gk *選択 A「その子、困ってるじゃねえか。ナンパなら他所でやんな」 (→礼法、モラルが上がります) B「おいニワトリ野郎、お前にひとつ、礼儀を教えてやる」 振りかかる火の粉は拳で払う (→礼法が下がります。モラルは変動しません) C「……あっしには関わりのねえこってござんす」 面倒だ。無視する。 (→モラルが下がります。礼法は変動しません) D「面倒だな……斬るか」 振りかかる火の粉をずんばらりんと真っ二つ (→礼法、モラルが大きく下がります) 森崎の行動としてどれか一つを選択して下さい。 その際、【その選択肢を選んだ理由】を必ず付記していただくようお願い致します。 期限は『6/2 23:00』です。 初回選択ですので、自由な発想でご回答いただければ幸いです。
[73]傍観者 ◆YtAW.M29KM :2012/06/02(土) 19:48:51 ID:??? このスレ、別にageる必要無いですよね? 選択肢は「A」。 理由は「主人公が分裂病になるとペナルティが出るようなスレでは、 真面目な方向にまとめておいたほうが揉めないで済むってばっちゃがいってたから」です。
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0ch BBS 2007-01-24