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異邦人モリサキ
[654]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/07/12(木) 00:26:17 ID:??? 「ん?」 その指す先には、やはり学園に登校しようとするものだろうか、子供たちの一団が道を急いでいる。 しかし。 「あれ? 制服が……」 『うん、違うね』 デザインの大枠に違いはない。しかしレズリーやロリィ、そして森崎の記憶にあるソフィアが 纏っていたような濃紅色のベストとスカートを、道の向こうの子供たちは身に着けていない。 そこにいたのは、白を基調としたものと、青を基調にしたものの、二通りである。 『歳の頃から考えても、白いのが初等部。青いのが中等部なのは間違いないね。毎日見てるでしょ、キミも』 「だっけか……?」 『で、さっきの赤いのが高等部。じゃあ、さ』 「あの、ロリィってのは……」 『……』 「……」 沈黙が降りた。 異郷の地には、まだまだ森崎には想像もつかぬ深淵が存在するようだった。 と、思わず天を仰いだ森崎の額に、ピコがぺとりと降り立って言う。 『で、時間はいいの?』 「……。うおおっ、忘れてた! ヤベえ、走るぞ!」 ******
[655]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/07/12(木) 00:27:18 ID:??? 「くぁ……今日は特にくたびれたぜ……」 日も暮れかけた薄闇のキャラウェイ通りに、しょぼくれた男の声が響く。 我らが森崎有三である。 気怠げに頭を掻く森崎の周りをくるくると旋回しながら、ピコが笑う。 『朝からオモシロい目にあってたしね』 「ヒドい目だっつーの! 結局遅刻してヤングのおっさんにどやされるしよ!」 『それはいつものことじゃない。……それにあのセンセーには、だいぶ鼻の下伸ばしてたよね?』 ピコの白い目が森崎に突き刺さる。 「うえっほ、ごほん。……さて、どこで飯食ってくかな」 『もう、すぐ誤魔化して』 「しっかし、今日は妙に人通りが多いな……こりゃどこも混んでそうだぜ」 と、森崎が夕飯の目星をつけようと思案気に辺りを見渡していると。 「あ、お兄ちゃんだ!」 耳に飛び込んでくる甲高い声。 思わず森崎がびくりと背筋を伸ばす。 「うぐ……この声は」 「おーい! お兄ちゃ〜ん!」 『呼ばれてるよ、お・兄・ちゃ・ん』 わざとらしく繰り返してみせるピコをひと睨み、慌てて声の方へと目を向ける森崎。 すると、夜目にも鮮やかな蜂蜜色の巻き毛がふわふわと揺れながらこちらへと向かってくるのが見えた。 その後ろからは面白くなさそうな顔を浮かべた、すらりと背の高い少女も追いかけてくる。
[656]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/07/12(木) 00:28:32 ID:??? 「わ〜い、お兄ちゃんだ!」 巻き毛の少女、ロリィが人ごみをかき分けてすっかりその姿を表すと、駆けてきた勢いそのままに跳んだ。 朝の再現のような光景に、このことを半ば予想していた森崎がその小さな体を渋々ながらも抱きとめる。 「こら! いきなり何するんだ、お前は」 『ひゅ〜ひゅ〜、妬けちゃうね〜』 無責任に囃し立てるピコの相手をする余裕もなく腰の辺りにまとわりつくロリィを引き剥がそうとする森崎に 冷たい声をかけるのは、当然ながら追いついてきたレズリーである。 「……楽しそうだな、アンタ」 「そう見えるか!?」 「フン」 半ば呆れたような表情のままそっぽを向いてしまうレズリー。 朝方のような怒りの色こそないようだったが、森崎への悪感情は払拭されていないらしい。 「ふ〜! ね、お姉ちゃん、どうしたの?」 と、一通りまとわりついて満足したのか、しばらくするとロリィは森崎から離れてレズリーの方へと駆けていく。 ぽふ、とその胸に顔を埋めたロリィが見上げるのへ、レズリーが一転して微笑を向ける。 「何でもないさ」 「ふ〜ん」 蜂蜜色の巻き毛を手櫛で梳く、その微笑はどこまでもやわらかい。 そんな顔もできるのか、と内心で思いながら森崎が口を開く。 「いいから、子供は早く家に帰れよ。親が心配すんぞ」 「あー、違うよ、お兄ちゃん!」 「違う……?」
[657]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/07/12(木) 00:31:10 ID:??? ムッとしたような顔で何かを言い返そうとしたレズリーよりも早く、ロリィが森崎に反論する。 「今日は夏至祭だよ! だから夜まで遊んでてもいい日なんだもーん!」 「夏至祭……?」 首を捻る森崎が記憶を辿る。 『そういえば、新聞にそんなことも書いてあったね』 「そうだっけか……? まあ、夏至を祝うのは珍しいことじゃないが……今日だったのか」 『訓練漬けだと日にちの感覚がなくなるから嫌だねえ』 そんなことを小声で言い合う森崎に、ロリィが続ける。 「ロリィたち、一回お家に帰って、着替えてきてるんだよ! パパとママにも、ちゃんと言ってきたから大丈夫!」 そう言って笑ったロリィが、くるりと回ってみせる。 まったく意識していなかったが、言われてみれば二人とも私服である。 ロリィが着ているのはフリルとレース、そして花飾りがたっぷりと散らされた黄色のワンピース。 夏物らしく肩口が大きく開いた、少女趣味というよりはそのもの児童が着るような、可愛らしい服である。 一方、森崎から少し離れたところで仏頂面を浮かべるレズリーが身に着けているのは、 ロリィのそれとは見事に対照的であった。 気の強さを体現したような、波打つ亜麻色の髪を無造作に後ろへと流した彼女が着るのは ノースリーブの襟付きシャツにレザーのスカート。 色はどちらも黒を基調としてワンポイントにブラウン、ワインレッドが配置されている。 ぴったりと身体に貼りつくようなデザインは、すらりと背が高く、一見スレンダーに思える そのラインの下から女性らしい膨らみがしっかりと自己主張するのを助けていた。 スカートから伸びる太腿から膝、ふくらはぎにかけては細くしなやかで、しかし僅かに肉のついた その脚は、見る者が見れば即座に金を積むだろう。 実際、周囲の視線が様子を窺うようにちらちらと彼女の方へと向けられている。 どうやらレズリーは学生らしからぬ、既に完成されつつある肢体の持ち主であるようだった。
[658]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/07/12(木) 00:32:12 ID:YJMbmozk 「……何、見てんだよ。オジサン」 視線に気づいたのか、胸元を隠すようにしながら不審げに目を細めるレズリー。 吊り上がり気味の端正な目が細められると奇妙な迫力が出る。 「なにィ!? お、おじさん!?」 『うわー。若いコはザンコクだねえ』 「お、俺はただ―――」 *選択 A レズリーの服を褒める B ロリィの服を褒める C とりあえず誤魔化そう D レズリーの身体を褒める(必要CP:1) 森崎の行動としてどれか一つを選択して下さい。 その際【選択理由】を必ず付記していただくようお願いいたします。 またCを選ぶ場合は「どう誤魔化すか」の【手段】も併記して下さい。 期限は『7/12 23:00』です。
[659]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/07/12(木) 00:35:42 ID:??? ****** 服飾については時代性を無視する方向に開き直りつつあります…ってまあ、 そもそも描写しないという手もあるんですが。 といったところで、本日の更新はこれまでとさせていただきます。 夜遅くまでのお付き合い、ありがとうございました。 それではまた、次回更新にて。
[660]さら ◆KYCgbi9lqI :2012/07/12(木) 11:01:47 ID:??? C森崎が最近オシャレ初心者になった事を伝える。。 だから女性や男性のオシャレな服を自分に取り入れられないかと熱心に見てしまう。 そしてロリィの服は似合ってるが参考にならない。だがレズリーの服は参考になるかなと思い、熱心にみてしまった。 だが不快になったなら申し訳ないと謝る。
[661]見てる人 ◆S/MUyCtQBg :2012/07/12(木) 21:27:24 ID:??? A 素直に似合ってると言う。あんまり言葉を並べると、エロ崎になってしまう。 Bだと、エロリ崎になってしまううえに、レズリーの反感もらいそうだし。
[662]◆9OlIjdgJmY :2012/07/12(木) 21:55:02 ID:??? A 正直に見とれていたと言いたいです。 どんなリアクションとるのか気になるので。
[663]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/07/13(金) 00:38:32 ID:??? 皆様、ご回答ありがとうございます。 それでは早速、>>658の選択については…… >>660 さら ◆KYCgbi9lqI様の回答を採用させていただきます! 獲得した称号も織り込みながらの話法、流れが実に素晴らしいですね。 こうも完成度が高いご回答には何も言うことがありません! CP3を進呈いたします。 >>661 はい、下手な言い訳だと余計に怒らせてしまいそうな場面でしたので、 素直な言葉も決して悪い選択ではありませんでしたね。 しかしエロリ崎とは……もはや原型を留めていないですねw >>662 Aの選択結果から少しだけ抜粋すると、 >「あ、アンタがおかしなこと言うからだろっ!」 >「おかしなことも何も……つーか、お前くらいならよく言われてんだろ、このくらい」 >「アタシくらいならって何だよ!」 >「いや、お前くらいキレイならって話だが」 >「……っ!」 こんな感じでしたね。 ……悪い大人が若い子たぶらかしてる感に満ちあふれています。 ご回答いただいた皆様にそれぞれEP1を進呈いたします。
[664]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/07/13(金) 00:40:04 ID:??? C >>660 *** 「あー……お前、ロムロ坂って知ってるか?」 「はァ? ……当たり前じゃん」 唐突に出てきた単語に機先を制され、レズリーが困惑したように答える。 まずは奇襲成功であった。 「俺こないだ、初めてあそこに行ってさ。……なんつーか、負けるかって気になったんだよ。 あそこ歩いてて、お、あの東洋人、なかなかいいじゃん、みたいに言われるようになりてえな、って」 「……」 話の流れが見えず、黙り込むレズリー。 「ああいうとこ、初めて行くとさ。すげえ敗北感に打ちのめされるってこと、ねえか? うわ、今の俺すげえレベル低くて恥ずかしい、帰りてえ、何でこんなとこ来ちまったんだ、って」 「……」 「でもその一方で、どっか……あるんだよな。ここに馴染めりゃ、もしかして今までとは 全然違う自分になれるんじゃねえか。昨日までとは断然違う明日になるんじゃねえか。 そんな、根拠もねえけど、期待しちまうって感じ」 「……そういうのは、ちょっとわかる、けど」 話に飲まれたように、レズリーが相槌を打ってしまう。 その様子に一つ頷いた森崎が、続ける。
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0ch BBS 2007-01-24